なんだろう。わからなかったところも多い筈なんだけど、夢中で読んでしまった。作者の方の熱量に突き動かされたところもあるけど、やっぱり自分の踏んでいる大地のもとをたどっていきたい、それに尽きるかも。知らない世界が足元に広がっていたことが心地よかった。最後にはそれぞれが、環境問題にもつながってゆき、現状の世界を理解する役にも立った。有難い一冊であり、多くの人に読んで欲しい一冊である。

奈良桜井に行ったことがあり、古墳の話を読みたくて、読んでみました。歴史への造形が深く、ストーリーをおいつつ勉強になった。良い本だ。

もう18作なのか。ペットショップは、ノンフィクションであってほしいと思う。でも、半分くらい事実なのだろう。思えば競馬だって、そうだよな。闇深い。でも、本当にペットを飼えない世の中にもなってほしくはないし。人間の欲と慣習は切っても切れないものだ

最後のあとがきで、二人の顔が小説家志望だったと明確になる。そこで、私は恩田陸が向き合っていたのは、あり得たかもしれないもう一人の自分（まさに、ラララ・ランドのラスト）だと思った。だから、顔にこだわっていたのか。でも、最後まで著者自身が、逡巡、逸脱して向き合えない辛さも感じた。急にディープに能舞台で向き合って対話したり。急に自己顕示的なエピソードきたり。面白いのだけど、もっと鋭く、その刺を死を貧困や女性という要因からではなく、自分の虚無から取り出してほしかった。そこは残念だったが、実験的で面白くもあった。