読書メーター KADOKAWA Group

2024年10月の読書メーターまとめ

田中寛一
読んだ本
10
読んだページ
3155ページ
感想・レビュー
10
ナイス
246ナイス

2024年10月に読んだ本
10

2024年10月にナイスが最も多かった感想・レビュー

田中寛一
感動作だ。事件を傍らに置きながら、少年少女の物語づくりに注目。認知症や病気によって記憶が日々失われていく。そんな時、自分はどうするだろう。日々のできごとを記録するなんてできそうにないない。作中の人々の精一杯さに胸打たれる。記憶に残る梅大福については、薄れた人間関係さえ取り戻す力を持っていた。幸せ体験が少女たちの物語に大きなメッセージを与えた。クスノキの力もあるが、それを受けて願いをかなえようとする人たちの愛情故だろう。過去も未来も関係ない。今を幸せに生きよう、今の幸せを感じようという文が心を熱くした。
が「ナイス!」と言っています。

2024年10月の感想・レビュー一覧
10

田中寛一
商売の中でいつも新たな取り組みを仕掛ける五十鈴屋。夫の賢輔を表に立てる幸は、一緒に大阪の店を盛り立てている。利益の中から、人々が困った状態になった時のためにと蓄えをし、その時に役立てようとする姿は、いつの時代にも大切だ。町奉行所から御用金を出すようにという申し出があり、その回答に五十鈴屋が出した条件が何とも言えなく素晴らしいものだった。御用金がどこかに消えることでは意味がない。戻ってこなくてもいいからという気持ちを秘めながら、故郷の復興に役立つ尼崎藩に貸すのなら出すという。買うての幸い、売っての幸せ
が「ナイス!」と言っています。
田中寛一
あっちの国「青い国」とこっちの国「緑の国」の間にあるカフェのポンに雇われた猫のふー太。いろんな人の依頼の中から選ばれたメッセージを伝えるふー太。一緒に過ごしていた時に伝えられなかった思いが、ふーたの尻尾によって伝えられていく。近しい人にも思いを十分伝えられずに別れると、いつまでも心に引っかかる。相手への感謝をきっちり伝えることで、思い残すこともなくなるだろうね。普段から、相手に自分の感謝を伝えておかなくては。
が「ナイス!」と言っています。
田中寛一
「あきない世傅」の登場人物たちの江戸での仕事ぶりが描かれている。スポットを誰に当てるかで4話構成。どの話も心温まるものばかり。商売人として主人や店の利益のためばかりでなく、お客さんにとっての幸せをも考える主人・幸が素晴らしい。そういう主人のもとで働く使用人たちにも幸せな生活が過ごせるようで、店の発展が楽しみだ。大火、暴風などが、年代や月日を明示しながら描かれる物語に、厚みをもたらせてくれる。商売繁盛の様子、恋心の描き方、登場人物の言葉つかい、いろいろと楽しめる。
が「ナイス!」と言っています。
田中寛一
感動作だ。事件を傍らに置きながら、少年少女の物語づくりに注目。認知症や病気によって記憶が日々失われていく。そんな時、自分はどうするだろう。日々のできごとを記録するなんてできそうにないない。作中の人々の精一杯さに胸打たれる。記憶に残る梅大福については、薄れた人間関係さえ取り戻す力を持っていた。幸せ体験が少女たちの物語に大きなメッセージを与えた。クスノキの力もあるが、それを受けて願いをかなえようとする人たちの愛情故だろう。過去も未来も関係ない。今を幸せに生きよう、今の幸せを感じようという文が心を熱くした。
が「ナイス!」と言っています。
田中寛一
70歳にして本書を読むと、懐かしい遊びがよみがえってくる。作者は幼少期からの成人までは大阪で過ごされていたようです。それをもとにしながら、本書をまとめられていた。子ども時代の遊びは誰に習ったのだろう。同じような遊びが出てきた。100近い遊びの中から、同じかそれに近い遊びが30弱あった。地面もたくさんあり、石で枠を描いたり、五寸釘を立てて陣取りをしていたものだ。缶蹴りとかくれんぼ。寺の境内はいい遊び場だった。懐かしい。遊びの名前やルールは少しずつ変化しながらやっていた。
が「ナイス!」と言っています。
田中寛一
如月たんぽぽさんが、ハチワレ猫のつづみと各地を出張して日本茶カフェを開催、時にはタロットカードで占いもする。現地のお茶と水で作り出される至福のひとときが癒やされる。旅をしながら探し物についての情報も仕入れていく。占いの後の「迷い猫」カードが誰に渡され、どんなメッセージがアルのかも興味深かった。時々入る古典落語の内容が物語を膨らませてくれた。たんぽぽと猫のつづみの関係も最後に分かった。お茶の楽しみ方がこんなにもあるのだと初めて知った。癒やされながら最後まで読了。近くの大山も登場し余計に興味をそそられた。
が「ナイス!」と言っています。
田中寛一
「本屋さんで起こる小さなドラマ」の副題のとおり、ほろっとさせられた。58話と最終話のところに2冊ずつの本が紹介されている。書店員としての作者の幅広い読書量と、お客さの話を聞いて、ほろっとする書店員の作者との物語がとても温かい。こんなふうに書店員に尋ねてもいいんだということも伝わった。山間部の小さな村に住む者としてはそのような書店員と接する機会はほとんどないのだけれども、書店の良さが伝わるいい本であった。120冊ほどの本の紹介の中で、自分が出にした本の少なさにも愕然とする。またいい出会いをしたいものです。
が「ナイス!」と言っています。
田中寛一
コトダマ遣いの犯罪を調査するために組織されたコトダマ遣いの警察組織。コトダマ遣いがどのようにその力を使用するのか、どのようなコトダマ遣いなのかを探りながら物語が進んでいく。次々に起こる事件、それを追及するSWORDの面々。それぞれの個性も面白かったし、それぞれのコトダマの能力も興味を引くものだった。犯人を追い詰めていってはコトダマの力で逃げられたり。を繰り返す。いよいよ最後に追い詰めてきたのに、最後でがらっと犯人像が変わった。物語の進展とコトダマの取り合わせが面白かった。
が「ナイス!」と言っています。
田中寛一
死者が亡霊として出てくる小説は今までにもあった。これは少しニュアンスが異なる。検察官と弁護士が、成仏できない死者を救う?物語。救ったら本当に成仏してしまうというのが、ちょっと逆説的で面白い。検察官、弁護士といえば、生きている人を対象にするのに、これは、生きている人も含めて、死者の霊の願い、本当の犯罪者を追求するというものだ。裁判にかけられると99.9%が、有罪になる日本。裏を返せば、最後まで立証できそうになかったら、殺人を犯した犯人でさえ不起訴になっているということだ。そんな検察官社会が小説に。
が「ナイス!」と言っています。
田中寛一
新聞連載からの単行本。共同で起こしたベンチャー企業。買収により拡大していく中での、対立なのか。株取引による拡大と没落。フィリピンでの監獄内での生活。北海道での病院経営と有能医師。さまざまな人が、登場する。愛する人から、自分が姿を消しても決してこの株を手放さないで、と言われて忠実に守る医師。彼女の存在や自分を貶めようとした者たちへの復讐が、彼を強く生かしたのだろう。よく生き延び、監獄生活を耐え、うまく戻ってこれたものだ。黙って去って悔いは残らないのだろうか。もし真実を知ったら彼女はどうしただろう?
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2012/01/19(4691日経過)
記録初日
2012/01/22(4688日経過)
読んだ本
1355冊(1日平均0.29冊)
読んだページ
375714ページ(1日平均80ページ)
感想・レビュー
1355件(投稿率100.0%)
本棚
37棚
性別
現住所
岡山県
外部サイト
URL/ブログ
http://www.can-chan.com/
自己紹介

 「和顔愛語」(なごやかに、やさしい言葉を)をモットーに日々の生活を過ごしたいものと願っています。本に触れながら、そんな気持ちを持ち続けたいものです。
 ちょっとした感動ですぐ涙が出てきます。

参加コミュニティ1

読書メーターの
読書管理アプリ
日々の読書量を簡単に記録・管理できるアプリ版読書メーターです。
新たな本との出会いや読書仲間とのつながりが、読書をもっと楽しくします。
App StoreからダウンロードGogle Playで手に入れよう