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2024年9月の読書メーターまとめ

たか
読んだ本
10
読んだページ
2934ページ
感想・レビュー
10
ナイス
57ナイス

2024年9月に読んだ本
10

2024年9月にナイスが最も多かった感想・レビュー

たか
広範な時代と地域にわたる魔女狩りの歴史。キリスト教秩序をもって中央集権化をすすめたい勢力が魔女狩りを利用した結果、地方権力や市民の暴走を招いた。家父長制による社会的規律化とそこから逸脱した者の魔女化。特に子どもは想像力が豊かで、道徳規律を強く内面化した結果、そこから外れる大人を親であっても告発する。内面の犯罪であるがゆえ、唯一の証拠である自白を引き出す為苛烈な拷問が認められていたのが恐ろしい。交易の活発化が共同体の崩壊を招き魔女狩りの素地を作り、活版印刷が魔女と悪魔のイメージを急速に伝播させた点も面白い。
たか
2024/09/13 05:51

モンテーニュの洞察は現代に通ずる。理性はどんな非合理な土台の上にも強固な論理を構築できる。「わたしの見るところ、人間というのは、なにかの事実が示されると、えてして真相を究明するよりも、その理由を探そうとするようである。(中略)理性を勝手に走らせてみるがいい。空虚の上にも、充満の上にも、材料があろうとなかろうと、ちゃんと建築して見せる」

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2024年9月にナイスが最も多かったつぶやき

たか

2024年8月の読書メーター 読んだ本の数:10冊 読んだページ数:1959ページ ナイス数:50ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/179533/summary/monthly/2024/8

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2024年9月の感想・レビュー一覧
10

たか
特集のみ。社会保障は既得権として固定化しやすい。消費税は最適課税理論の観点から経済学者に支持されやすいが、政治的に重いトピックで、結果的に軽減税率など死荷重の大きい政策がセットでついてくる等のコストが大きい。社会保険料が実質的な世代間移転であるうちは増税は焼け石に水であり、社会保険料増も「130万壁」による労働抑制や、事業者負担が発生しない非正規雇用増などの歪みをもたらす。受益と負担が連動する制度改革が必要。世代間利他心を持つ人は少なくないが、議論が進まないのは結局のところエビデンス不全が問題か。
たか
ループ図、時系列変化パターングラフを用いて広い目線で因果関係をつかみ、目標へ向けた働きかけのポイントとその経時的変化を図示する。各項目の定義を明確にし関数を置ければコンピュータシミュレーションできるし、統計的アプローチを行う前段階の仮説設定にも使えそう。あくまで現実の一部を抽象化するもので、人によって切り取り方が異なることもあるし、図の外に置いた要素が別の人にとっては重要である可能性もある。また指数的な変化や閾値モデル等が全てループ図に落とせる訳ではなく、時系列グラフと言葉による説明はセットだと思った。
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たか
Tableau Publicを使って無料の範囲で実習しながらBIツールを用いたデータ分析の流れが学べる。流し読みしたが、思考の過程やユーザー部門とのやり取りがイメージしやすい構成になっていて分かりやすかった。探索的に色んな切り口でデータを見ていき、特徴が発見できたら現場の意見を聞きながら更に深掘りし、対策案がまとまったら効果的に実行できるようダッシュボード設計をしていく。それにしてもTableauは、(データ公開されてしまうものの)無料でデスクトップアプリまで使えるのはすごい。
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たか
Academy of Managementの最優秀論文を例にして、事例研究でいかに厳密な手法を用いて仮説を導出・検証しているかを分かりやすく解説している。つねづね経営学は個別事例の研究が多く科学らしさがないと思っていたが、本書の例は日本の事例研究よりも科学的な手続に則っている。事例研究は統計的推論と違って一般化しにくいものの、少ないサンプルからコンテクストを読み解き因果を見出す力はむしろ大きい。一般的法則より限定的ながら具体的な行動に繋がる仮説が得られるという点で実務とも相性が良いといえる。
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たか
4人の専門家がそれぞれニセ科学、モード2科学、報道と科学、科学技術コミュニケーションといった切り口で論じている。3.11直後の本であるため放射能関連の記述が多い。ポパーの反証可能性基準では、科学の実情を捉えきることができない。事実解明より問題解決を重視するモード2科学がある。怪しい科学の蔓延は健康不安との結びつきが多いように思う。コロナ禍においてもゼロリスク信仰があったし、逆に反ワクチン言説もある。いまの科学の知識で全てが分かる訳では無く、不確実性を受け容れて自分自身が判断の当事者となる必要がある。
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たか
広範な時代と地域にわたる魔女狩りの歴史。キリスト教秩序をもって中央集権化をすすめたい勢力が魔女狩りを利用した結果、地方権力や市民の暴走を招いた。家父長制による社会的規律化とそこから逸脱した者の魔女化。特に子どもは想像力が豊かで、道徳規律を強く内面化した結果、そこから外れる大人を親であっても告発する。内面の犯罪であるがゆえ、唯一の証拠である自白を引き出す為苛烈な拷問が認められていたのが恐ろしい。交易の活発化が共同体の崩壊を招き魔女狩りの素地を作り、活版印刷が魔女と悪魔のイメージを急速に伝播させた点も面白い。
たか
2024/09/13 05:51

モンテーニュの洞察は現代に通ずる。理性はどんな非合理な土台の上にも強固な論理を構築できる。「わたしの見るところ、人間というのは、なにかの事実が示されると、えてして真相を究明するよりも、その理由を探そうとするようである。(中略)理性を勝手に走らせてみるがいい。空虚の上にも、充満の上にも、材料があろうとなかろうと、ちゃんと建築して見せる」

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たか
コマツ産機の事業改革を実行した実話をもとにした物語。著者独特の概念が多くて最初は入りにくかったが、基本的な経営学がベースと思われ、どれも奇抜な主張ではないと思った。組織の政治力学は無視できないが乗ってもいけない、データに基づくオープンな議論で対抗する。ひとが自分事として認識できる範囲には限界があり、組織が肥大化する程に取引コストは増え、問題は全て他人事化する。結局のところ全員に動いてもらわなければ組織は変わらないのだから、事実や戦略をどのように提示すれば人の感情を動かせるかが重要なポイントだと思った。
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たか
ハイエク『隷従への道』の読書会の内容をまとめたもので、まあ原著を読むべきだろうがその前にハイエク思想の再確認を出来たのは良かった。社会主義が席巻した時代に書かれたことが重要で、全体主義という点で右と左が実は同じ方向を目指していることを指摘。有事の強権は認めているような記述があったが、これに関してはどうなのかと思う点も。著者は筋金入りの保守の方らしく、ハイエクと直接関係ない日本の戦争や政治に対する私見とその言葉選びにやや驚くところもあった。一方で通訳を担当した際のエピソード等は貴重。
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たか
従来からデザイナーが行ってきた思考のプロセスが、実は幅広い問題解決に適用できる優れた考え方だと主張する。内容は同意だが、短いケースの羅列でやや読みづらく感じた。技術スタートではなく人間中心にアプローチし、フィールドワークをもとにブレストして、プロトタイプとフィードバックのサイクルを高速に回して完成度を上げる。出版当時はもしかしたら最先端の概念だったのかもしれないが、似たような考え方は他にもある(アジャイルとか)。数ある思考の道具のひとつであって、「世界を変える」やや誇大広告では?と思わないではない。
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たか
回帰分析を説明し、即座に実践することに重きを置いている。かといってノウハウ本というわけではない。実例を使いつつ、今この問題に対処できる手法がこれ、適切な理由はこう、と進んでいく。出てきた概念を理解する動機が常に目の前に用意されているのが良い。ベイズ統計の箇所で、アシモフの『永遠の終り』を紹介しながら「パラレルワールドを母集団として、現実はその標本であると考えるアプローチ」と説明していたのが気に入った。本題とは関係ないが、賦課方式の社会保障制度が他者の出生行動へのタダ乗りを誘う、という研究が面白かった。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2012/02/01(4685日経過)
記録初日
2012/02/01(4685日経過)
読んだ本
447冊(1日平均0.10冊)
読んだページ
138199ページ(1日平均29ページ)
感想・レビュー
366件(投稿率81.9%)
本棚
5棚
性別
血液型
O型
職業
事務系
自己紹介

ただの会社員

興味ある本を気まぐれに読んでます📕
読んだ本は文学でもビジネスでも登録しています

読み終えた後他人の感想を見るのがたまらなく好きです


好きな作家:
スタニスワフ・レム
チェーホフ
サン=テグジュペリ
ボルヘス
カート・ヴォネガット

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