読書メーター KADOKAWA Group

2024年9月の読書メーターまとめ

Miyoshi  Hirotaka
読んだ本
8
読んだページ
2609ページ
感想・レビュー
8
ナイス
231ナイス

2024年9月に読んだ本
8

2024年9月のお気に入り登録
2

  • くらげかも
  • 散文の詞

2024年9月にナイスが最も多かった感想・レビュー

Miyoshi  Hirotaka
言葉は国の基礎。わが国には明治政府が生まれる以前に母語が体系化された時期があった。知識人らが文字で記録したものは、古文書として政治史や人物中心の物語では省略される過去の生き生きした動きを現代に伝えている。歴史は繰り返さないが韻を踏む。古文書は事例の宝庫。現在進行している問題やこれから起きる課題に対する示唆が満載。一方、価値がわからない者にとって、古文書はゴミ。原典を読解できる研究者の育成やうっかり喪失してしまう文献の保護は急務。逆に、書き手となって現代の様相を何世代か先の読者に伝えるのも良きチャレンジ。
が「ナイス!」と言っています。

2024年9月にナイスが最も多かったつぶやき

Miyoshi  Hirotaka

2024年8月の読書メーター 読んだ本の数:5冊 読んだページ数:1863ページ ナイス数:207ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/183087/summary/monthly/2024/8 「レ・ミゼラブル」を読破。下水道の逃走場面はパリ五輪のセーヌ河汚染問題で理解が深まった(笑)物語全般を通じ、ジャン・バルジャンの身体能力や射撃能力に驚嘆。ゴルゴ13並み。殺すのではなく生かすのが違い。自己を冷静かつ客観的に見つめ最善の選択をする点は酷似。

が「ナイス!」と言っています。

2024年9月の感想・レビュー一覧
8

Miyoshi  Hirotaka
独立後の米国人視点で書かれた紀行、寓話、随筆の短編集。それまでの記録文や政治著作から脱した点で米文学の起点と評価されている。独立後、文学でアイデンティティが確立されるまで時差があったことがわかる。一晩で独立後の米国にタイムスリップした寓話は浦島太郎に酷似。また、先住民に野蛮人、異教徒というレッテルを貼り、敵対行為を是認させて絶滅させた方が文明化するよりも効率的とする考え方が当時の知識人の地合だったことが吐露されている。この思考は、百年後にわが国に襲い掛かり、それ以降も世界各地に伝播し、猛威を振るっている。
が「ナイス!」と言っています。
Miyoshi  Hirotaka
本人が変えることが出来ない属性で生涯が決まる前近代的な仕組みに比べ、能力主義は公正かつ効率的だと考えられてきた。一方、入試方法の高度化、複雑化による教育費の増大、大学のブランド化による学歴の価値、卒業後の職業や収入に強い相関が生まれ、従前の仕組みと実質的に同じになった。これにより、不平等が固定化。仕事の評価や価値は金銭的価値で上書きされ、労働の尊厳や承認欲求が満たされず、社会は分断され、活力が失われている。国や共同体への帰属意識を高め、集団の幸福や共通善に対する他者の貢献に感謝する道徳的絆の修復が必要。
が「ナイス!」と言っています。
Miyoshi  Hirotaka
生命の基本仕様は女。妊娠中に臓器の取捨選択と改変が行われるが、失敗も起きる。江戸の奇談集の中では変成男子、男女という表現で記録されている。今でいう性分化疾患、トランスジェンダー。私が所属する少林寺拳法には他スポーツでは禁止されている金的蹴が基本技にある。吉田松陰も投獄された小伝馬町の牢では陰嚢蹴の刑という私刑で少なくない牢死者が出た。一方、わが国は世界中に広まった去勢文化は受容しなかった。支那には宦官、西洋ではカストラートが19世紀末まで存在。これは四方を海に囲まれ、他民族に征服されることがなかったため。
が「ナイス!」と言っています。
Miyoshi  Hirotaka
小田原征伐後の課題は関東の統治。キリスト教国を模倣した海外領土獲得は文禄・慶長の役で失敗し、内需拡大が急務となった。家康が描いたグランドデザインは、治水、利水、上水道、通貨発行、建材供給による江戸の建設。長い年月がかかって成果が出て、宗教にも外国との婚姻にも依らない同一家系による統治の礎が築かれた。日本統一ビジョンは信長、秀吉、家康と共有され、徳川三代目で対外戦争すら放棄する鎖国に結実、内需による成長が続いた。豊臣家の殲滅戦や幕末の動乱はあったが、江戸が戦場になることは回避され、文化の爛熟と蓄積を促した。
が「ナイス!」と言っています。
Miyoshi  Hirotaka
文学史に登場する作品は氷山の一角。水面下には無数の駄作が存在する。明治の大衆小説には、意識高い系が書いた娯楽小説や海外小説の翻訳、三面記事と大差ない犯罪実録、講談を速記した講談速記本があった。このうち、大衆に愛されたのは講談速記本。議会政治により一流の速記者が不足。二流、三流の速記者が不完全部分を補足したことで二次創作が発生。物語の人気キャラは徐々に変質した。無双キャラは科学の影響で強さに合理性が付与され、子孫という設定で少年少女が活躍した。これらは、様々な経路を経て現代の漫画やアニメの伏線になっている。
が「ナイス!」と言っています。
Miyoshi  Hirotaka
言葉は国の基礎。わが国には明治政府が生まれる以前に母語が体系化された時期があった。知識人らが文字で記録したものは、古文書として政治史や人物中心の物語では省略される過去の生き生きした動きを現代に伝えている。歴史は繰り返さないが韻を踏む。古文書は事例の宝庫。現在進行している問題やこれから起きる課題に対する示唆が満載。一方、価値がわからない者にとって、古文書はゴミ。原典を読解できる研究者の育成やうっかり喪失してしまう文献の保護は急務。逆に、書き手となって現代の様相を何世代か先の読者に伝えるのも良きチャレンジ。
が「ナイス!」と言っています。
Miyoshi  Hirotaka
ありふれたことは記憶に残らず、記録もされない。一方、文学作品はそれらを前提に創作される。例えば、天井桟敷に陣取る人がどういう人達かわからないと往年の名画は理解が深まらない。また、「メリー・ポピンズ」で煙突掃除人が楽しそうに踊るのを見て勘違いするとアニメ「ロミオの青い空」(黒い兄弟)を誤読する。後年の読者のために作品中に詳細な記述を残してくれるユゴーのような作家もいるが、それは稀。19世紀半ばには産業革命の影響が都市生活の隅々に行き渡り、新たな最悪の仕事とそれを担う最下層を生み、超格差社会が形成された。
が「ナイス!」と言っています。
Miyoshi  Hirotaka
鉄道の旅客輸送は1820年代に始まったが、当初は人も貨物並みの酷い扱い。食堂車が登場したのは1860年代。以来、食堂車は顧客のニーズを反映して高級化。専用車両の保有がブームになるほど。フランスとドイツの休戦協定に第一次世界大戦の休戦協定調印で使用した食堂車をドイツに持ってこさせたのは、食堂車が一国の贅を象徴する存在になっていたから。一方、戦争により食堂車が没落。徹底した合理化による安かろう、悪かろうのせわしないサービスや混雑に乗客が慣れた。小説や映画に登場した豪華車両は1960~70年代にほぼ淘汰された。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2012/02/07(4759日経過)
記録初日
2012/02/18(4748日経過)
読んだ本
1120冊(1日平均0.24冊)
読んだページ
330688ページ(1日平均69ページ)
感想・レビュー
1120件(投稿率100.0%)
本棚
7棚
性別
職業
役員・管理職
現住所
北海道
URL/ブログ
http://facebook.com/​mhirotaka
自己紹介

結末まで読んで再読に気が付いたショックをきっかけに「読んだら書く」を原則にして投稿率100%を維持。文字制限にピタリと収める快感に目覚めた。還暦までの1,000レビュー達成は、3年遅れた。この間、喜びも悲しみもあった。次の1,000レビューは途方もない目標に感じている。読んだ本が次に読むべき本を教えてくれるようになった。名作にも駄本にも独自の命がある。デジタル世界においては、紙の本の読書は内省という貴重な時間。例えると只管打坐。これからも良い読み手でありたい。

読書メーターの
読書管理アプリ
日々の読書量を簡単に記録・管理できるアプリ版読書メーターです。
新たな本との出会いや読書仲間とのつながりが、読書をもっと楽しくします。
App StoreからダウンロードGogle Playで手に入れよう