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2024年10月の読書メーターまとめ

Miyoshi  Hirotaka
読んだ本
9
読んだページ
2147ページ
感想・レビュー
9
ナイス
308ナイス

2024年10月に読んだ本
9

2024年10月のお気に入られ登録
1

  • こまそらねこ

2024年10月にナイスが最も多かった感想・レビュー

Miyoshi  Hirotaka
ナチズム、コミュニズムなど「イズム」はイデオロギー、リーダーシップ、組織の要素で共通。イデオロギーは敵を峻別し、リーダーシップは目標を設定し、組織は敵を殲滅する。このメカニズムが最も大規模、効率的に発揮されたのが独ソ戦。わが国が被った被害とは桁数が違う。さらに、ソ連崩壊後の資料により数字が積み上がり、功績がミスの捏造だったことも明らかにされた。単純化すると内政、外交、戦争は一本の線で結ばれ、途中で生じた歪みは後工程に増幅して伝わり、悲劇を拡大する。両国の致命的なミスは、戦争のほんの十数年前に生じていた。
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2024年10月にナイスが最も多かったつぶやき

Miyoshi  Hirotaka

2024年9月の読書メーター 読んだ本の数:8冊 読んだページ数:2609ページ ナイス数:231ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/183087/summary/monthly/2024/9 晴耕雨読で読書が捗り、久々で月間二千頁を超えた。今月のイチオシは『家康、江戸を建てる』徳川三代で軍事から経済中心の国家運営に転換。人物中心の歴史の醍醐味を堪能。例えると「プロジェクトX」の江戸版。リーダーのビジョンとフォロワーの熱意の調和が素晴らしい。

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2024年10月の感想・レビュー一覧
9

Miyoshi  Hirotaka
河井道は札幌のスミス女学校の一期生、さらには新渡戸稲造、津田梅子から直に教えを受け、恵泉女学園を設立。一方、フェラーズは小泉八雲や「武士道」を通じて日本文化に傾倒。戦時中は知日家として対日心理戦の責任者を務めた。この二人だけが天皇免責に貢献した訳ではないが、この組み合わせがなければ、法や分析に基づく合理的な答えよりも非合理でも日本人の心が吐く一瞬の呟きが考慮されることはなかった。和洋混交の考え方が最も重要な局面で勝ったのはキリスト教伝道団体による女子教育の普及と質的飛躍、人材の蓄積という側面が見逃せない。
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Miyoshi  Hirotaka
歴史は統一に向かっている。アジア史を俯瞰するとモンゴル帝国の成立と分裂、植民地化とその駆逐があった。また、一時的に共産主義が優勢だったが、その衰退に伴い各国の共産主義が変容した。世紀単位だと多様化と統一化を行き来しているが、千年規模だと統一に向かってきた。また、人類は帝国の支配下で暮らしてきた。その求心力が軍事力か、経済力か、宗教や文化か、民族的同一性のどれだったかについては帝国の規模やコントロール、その外部環境に依存する。アジアは常に動いている。わが国はこれらと動的な平衡を絶えず保たなければならない。
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Miyoshi  Hirotaka
『オリーバー・ツイスト』、『レ・ミゼラブル』、『天井桟敷の人々』など産業革命で変容した社会を背景とした作品には共通点がある。それは、格差、犯罪、リスクの高い選択だ。そのエビデンスが本書。特に下水道は『レ・ミゼラブル』で逃走路として使われただけでなく、有価物の回収場所だった。子供を含む最底辺の人々が廃棄物のリサイクルチェーンを担っていた。あらゆるものを商機と捉え、逞しく生きる姿に感動と尊敬の念を覚える。一方、二世紀が経過。歴史は繰り返さないが韻を踏む。わが子孫がここまで追い込まれないよう知恵を絞りたい。
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Miyoshi  Hirotaka
天井桟敷は舞台から遠い庶民用の立見席。彼らの観劇マナーは劣悪で役者にヤジを飛ばした。一方、役者もアドリブで応じ、場を盛り上げた。物語の舞台の19世紀前半のパリは産業革命が行き渡り、絶望的な格差が生まれ、弱肉強食の世界になっていた。このため社会の底辺では、法を犯すことに躊躇がなかった。劇場のある「犯罪大通」はその雰囲気を代表する名称。物語は美人芸人をめぐり無名俳優、富豪の伯爵、内気なピエロ、詐欺師が入り乱れる恋愛バトル。女は見た目が全ての時代。無条件で恋に落ち、動物的な本能で挑み、全てを投げ打つ潔さが爽快。
ヴェネツィア
2024/10/22 07:58

原作は未読ですが、ジャン・ルイ=バローの映画は映画史に残る大傑作でしたね。

Miyoshi  Hirotaka
2024/10/23 18:22

映画の歴代ランキングで必ずランクインする名作。劇中の時代は『レ・ミゼラブル』と同時期。リスクの高い選択が不自然に思えないところが共通し、興味深かったです。

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Miyoshi  Hirotaka
土木技術の視点から古代史を解く。万葉集の歌にある「海原は鴎立ち立つ」という一節から古代の河床が現在より高く、奈良に湖があったことがわかる。京都の巨椋池の水面も高く、大阪の大半は水面下。三都は水運ネットワークでつながっていた。長い年月の間には河川や湖沼も姿を変える。私たちが目にしているのは自然災害や中央集権以降の土木工事で形成された地形で、古代のそれとは違う。土地の形成とそれに伴う洪水、つまり人災は繰り返されてきたが、わが国の民は絆で結び合い、技術で危機を逃れ、インフラ整備を進め、豊かな国を作り上げてきた。
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Miyoshi  Hirotaka
作物の生育は最も入手しにくい栄養素により制限される。それが肥料の三要素のリン。入手源が戦死者の骨、鳥の糞の化石、鉱山と大規模化したことで食糧増産が可能になり、地球人口の増加を支えた。一方、埋蔵量の偏在は食糧生産の不安要因。合成洗剤にも使用され、生活排水は湖沼や河川を富栄養化し、植物を毒化してきた。厄介なことにリンは自然循環しないので、人工的に循環させる必要がある。有力な解決方法は昭和期まで残っていたリン循環システムの復活。下水道の普及で淘汰された汚穢業を復活させること。解決策は意外に身近なところにあった。
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Miyoshi  Hirotaka
今でこそドイツを代表する兵器と捉えられているUボートだが、第一次大戦が長期化の様相を呈した時でも日陰者の扱い。海戦での統合的な運用も大規模な建造計画も政治的理由で適時に実行されず、兵器と戦術のミスマッチは現場将兵に多大な犠牲を強いていた。商品の価値が顧客により決められるのと同様、新兵器の価値は敵が決める。Uボートは英国の心胆を寒からしめ、対抗手段のない英国は欺瞞により商船を装いUボートをおびき寄せる戦術を採用。米独関係を悪化させた英籍船ルシタニア号の撃沈は当然の帰結。艦長による海の香が漂う美文の戦闘記録。
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Miyoshi  Hirotaka
片田舎に住み、自然と人間生活を描いた。作者の関心は一時代、一地方に限定されるものではなく、文中の暦や固有名詞を読み替えると現代文学としても十分通じる。例えば、人類の進歩と肉食の放棄は不可避、衣食住は虚飾に塗れ、産業は節度を失ったと喝破する等。今でいう環境保護運動、健康志向の食生活、貧困と質素さを区別する考え方の起源が表現され、地球的、人類的。今よりずっと牧歌的だった18世紀の米国で自然との対話から人生の真理を体系化。自然が教え損ねたものがあるとすれば、それは生き損ねた人生といえる程、自然と一体化した作品。
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Miyoshi  Hirotaka
ナチズム、コミュニズムなど「イズム」はイデオロギー、リーダーシップ、組織の要素で共通。イデオロギーは敵を峻別し、リーダーシップは目標を設定し、組織は敵を殲滅する。このメカニズムが最も大規模、効率的に発揮されたのが独ソ戦。わが国が被った被害とは桁数が違う。さらに、ソ連崩壊後の資料により数字が積み上がり、功績がミスの捏造だったことも明らかにされた。単純化すると内政、外交、戦争は一本の線で結ばれ、途中で生じた歪みは後工程に増幅して伝わり、悲劇を拡大する。両国の致命的なミスは、戦争のほんの十数年前に生じていた。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2012/02/07(4672日経過)
記録初日
2012/02/18(4661日経過)
読んだ本
1093冊(1日平均0.23冊)
読んだページ
323510ページ(1日平均69ページ)
感想・レビュー
1093件(投稿率100.0%)
本棚
7棚
性別
職業
役員・管理職
現住所
北海道
URL/ブログ
http://facebook.com/​mhirotaka
自己紹介

結末まで読んで再読に気が付いたショックをきっかけに「読んだら書く」を原則にして投稿率100%を維持。文字制限にピタリと収める快感に目覚めた。還暦までの1,000レビュー達成は、3年遅れた。この間、喜びも悲しみもあった。次の1,000レビューは途方もない目標に感じている。読んだ本が次に読むべき本を教えてくれるようになった。名作にも駄本にも独自の命がある。デジタル世界においては、紙の本の読書は内省という貴重な時間。例えると只管打坐。これからも良い読み手でありたい。

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