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2024年3月の読書メーターまとめ

姉勤
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770ナイス

2024年3月に読んだ本
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2024年3月のお気に入り登録
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  • toshi
  • くるり

2024年3月のお気に入られ登録
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  • toshi

2024年3月にナイスが最も多かった感想・レビュー

姉勤
いや、読むのが早すぎた。禅宗の名僧の問答をまとめられテキスト化された「公案」が、やがてマニュアル化され、そして禅自体が権威化、貴族化する中で、その不自由さを嫌い、本来の善の精神から離れていた中にカウンターとして著された本書。逢佛殺佛 逢祖殺祖。禅問答を掛けた師の顔面をぶん殴るのを善しとし、先師を真似、倣うを嘲笑う。本国では高く評価されず、ついでに持って帰った日本では逆に高評価。特に武士階級がハマったのは、刹那の迷いが死に直結する彼らのメンタルと、瞬間の頓知が合ったんだろう。
姉勤
2024/03/23 06:03

隔靴掻痒 単刀直入 驚天動地 遊戯三昧 杜撰 不立文字 傍若無人 主人公 電光石火 そして、柳生新陰流の、殺人刀 活人剣。日頃日本で多様なされる語彙の数々。出典は本書からだけではなさそうだけど。

が「ナイス!」と言っています。

2024年3月にナイスが最も多かったつぶやき

姉勤

坂上田村麻呂黒人説というものがあるらしい。

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2024年3月の感想・レビュー一覧
16

姉勤
勝海舟を含めた要人の思惑通りのマッチメイクとなった警視庁武術試合は、講道館VS古流柔術、好事家の云う「みたい」カードとなったが、4枚の各試合とも、試合ならぬ"死合い"の様相を呈す。殺意殺伐ではなく、互いに己の極限まで試したい。が、命のやり取りに近くなる。会津の秘伝とも言える「御式内」を保科四郎で経て取り込んだ講道館は、大会後に謎の琉球空手の使い手に狙われる。「御式内は敵(かたき)」と唱える使い手。因縁のキーマンはやはり武田惣角。残りラスト一巻。また、みたいカードが組まれるに違いない。
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姉勤
驚いたのは、義経=テムジン説が、大正には既に人口に膾炙していた事。芥川の知人が汽車で旅行中、絡んできた老人の狂言に載せられる。百聞は一見に如かずだが、手練手管の効いた心理の上書きが強烈であれば、見た物に騙されてしまう。あの銅像のモチーフとなった容貌が、想像図であるエピソードはよく知られているが、それを上回る刷り込みが、もうあの容姿以外を認められなくしている。源頼朝然り、足利尊氏、聖徳太子然り。現在も信じたい虚構に心身が揺さぶられるように、我々は時に大きな間違いをしでかす大脳という厄介な物を備えている。
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姉勤
独演会までは行かないが、寄席の番組やゲストで名を見つけると「得した」と思える落語家の一人。古典の師匠と思っていたが、新作落語も数多く演っているとは。プロならば自分なりの解釈や改変をしてみたくなるものだが、客はそれを求めてないと早くから悟ったという。師匠の5代小さんや、志ん朝、小三治、談志などの先達。雲助、権太楼などのライバル、喬太郎をはじめ一門の弟子たち、新作を手がける落語作家。自身の落語の糧になるならなんでも吸収しようとする貪欲さは、見かけや語り口の穏やかさに騙されてはいけないのかも。
姉勤
2024/03/29 19:43

天狗裁き、文七元結、干しガキ(新作)の口演記述と短い作品紹介、落語作家の寄せ書きが間に挟まる。

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姉勤
かつて上州では、正月に松飾りせず、餅も食わなかった、と坂口安吾。その代わり、うどんを三ヶ日食べたという。そんなコミュニティーで起きた珍事に、餅を食っていたと言う風評を立てられた男が、槍玉に上がる。身内ですら弁護を諦めるほどの禁忌を犯した事によるハブられは、彼を奇行に走らせる。祟りをなすのは、神や魔物ではなく、世に満ちる空気。近くは震災、そして戦争、世界の失策。不作為や不適格な人間により無辜に命を落とした数多な霊は、誰かを祟ったか。代われるなら自分が祟ろうか?と思っている人間は、少なくないだろう。
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姉勤
講道館とは何だ。嘉納治五郎とは誰だ。柔道とは?。各地の古流の柔術の猛者が、その実力を計るため関心を寄せる。物語は治五郎本人より講道館四天王と呼ばれた個人にスポットし、それは、のちに警視庁武術大会で当たるであろうライバルたちにも。常軌を逸した鍛錬と、それに耐えれるだけの肉体。その力が顕す驚異の修羅場。大会に向けて状況は、うねる様に盛り上がっていく。そして影の主人公とも言える、武田惣角。やがて流れを分ける、柔道と合気の混沌の時代。
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姉勤
昭和20年3月10日の東京大空襲の際、それぞれに家族と離れ離れになった、ある男と女。それぞれ父であり、母である。言うまでもなく、焦燥は行方不明の連れ合いと子供。互いに幸運を願いつつ別れて数月。ひょんなことから再開した男女は、お互いに家族は消息不明のままの身の上を話し聞き、弁当を分け合う。男は半ば強引に、女はそれを天蚕糸ねたように、二人は仲になる。戦後になり、ふたりの切り盛りする飲食店に現れた客は...トラウマやPTSDなぞ生きる意志の前には、お呼びでない焼け野原からの復興。現実の邪魔になれば思い出も涙も。
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姉勤
いや、読むのが早すぎた。禅宗の名僧の問答をまとめられテキスト化された「公案」が、やがてマニュアル化され、そして禅自体が権威化、貴族化する中で、その不自由さを嫌い、本来の善の精神から離れていた中にカウンターとして著された本書。逢佛殺佛 逢祖殺祖。禅問答を掛けた師の顔面をぶん殴るのを善しとし、先師を真似、倣うを嘲笑う。本国では高く評価されず、ついでに持って帰った日本では逆に高評価。特に武士階級がハマったのは、刹那の迷いが死に直結する彼らのメンタルと、瞬間の頓知が合ったんだろう。
姉勤
2024/03/23 06:03

隔靴掻痒 単刀直入 驚天動地 遊戯三昧 杜撰 不立文字 傍若無人 主人公 電光石火 そして、柳生新陰流の、殺人刀 活人剣。日頃日本で多様なされる語彙の数々。出典は本書からだけではなさそうだけど。

が「ナイス!」と言っています。
姉勤
明治維新後、古き無駄なものとして廃れようとした柔術を、柔道としてまとめ後世に残した男、嘉納治五郎の物語。虚弱の体を鍛えるため志した柔術だが、その面白さに魅了され数多の流派を学んでいく。以前は、講道館柔道以外の柔術を認めず排除していった偏見があったが、その逆で帝大講師の立場を使って、社会の公器として広めていった人物と改まった。そんなことより達人たちの格闘が大変面白い。
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姉勤
猟銃、競技ライフル、そして対人銃。狙撃に関するノウハウ。その準備のためのメンテナンスと補充、工作機械の解説に特化した一冊。こういう本を読むと、フィクション作品の描写のウソや詰めの甘さに興醒めし、逆に物語に関係ない数秒のシーンに唸ったりする羽目に陥るが、その程度で済むなら可愛いもので、仮に、自分が狙撃をする環境に陥る可能性を排除できない時代が進行中であるなら、護身術も含め多少の予備知識は必要だろう。相手の思考がわかることそこ最大の対策。
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姉勤
娼婦 兵士 小間使い 若主人 若奥様 夫 少女 詩人 女優 伯爵 リレー式に十人十組の関係を描いた会話劇。睦言は一時の独占の手管であり、後が腐れるなら上手な繰り言を。何を成就とするかは男と女で、そして個々で違う。時代も土地も価値観も違うが、変わらないのはリビドーを発動する生物でも、そこは人。相手の嘘が上手なら、許してやれる気にもなる。シャワーがない頃のオーストリア。ん〜 刹那で濃密な時間かぁ。
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姉勤
当時のスペイン風邪(インフルエンザ説)の世界的大流行に伴う著者のリアルタイムなつぶやきのような短編。先見の明としてのマスク着用を誇った著者が、それを野暮なもの不愉快なものと感じるように変遷していく。正理ではなく、情緒を深くすることこそ正しい日本人社会では、その時々の情緒のパーセントによって正解が変わる。優等生が劣等生に一夜にして変わるのも稀でない。同じ回答なのに否定に回った時の不快。本意に関わらず心にマスクをしなければ、社会の病原として排除される。
マスク
姉勤
2024/03/10 09:05

ウイルス感染を、日々環境を変え進化を促す意志があるような惑星、地球上で生き残るべき種族としての試しとして、不適格であればやむを得ない(ナチの優生学のようなヤバさ)風に思考がなってきている。実際、その恩恵に浴しているのが自分の遺伝子なのだが、それを退治し科学医学によって生き延びているのもまた事実。加えて、自分とより異なる遺伝子を混ぜた自分のコピーを次世代に永く残す確率を上げる作業を怠っている身には全ては僻事。

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姉勤
ガソリン車の全廃という前のめりの政策が、世界各地で悲喜劇を醸している電気自動車の中核、リチウムイオンバッテリの問題点を解決できる全固体電池。従来の液体の電解質を満たした蓄電池ではなく、充放電時の発火のリスク、蓄電量、充電時間の短縮などのメリットと、課題、問題点を易しく説く。 エコという美名のもと推し進めた内燃機関の否定は、経済を疲弊させ、補助金という名の公金搾取がなければ成り立たない。全固体電池はその問題をある程度解消できるが、発電の部分はコペルニクスの発想を見つけるまで従来の発電を継続せざるを得ない。
姉勤
2024/03/10 07:55

全固体電池の特許を持つ企業の株を買っておいた方がいいかもね。

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姉勤
合気道の創始、植芝盛平の師にあたる武田惣角の半生記。ネタバレ的には打ち切り漫画のように幕を閉じるので、トータルな人物伝を知りたいなら津本陽著「鬼の冠」を。自身も空手家の著者によるため描写は臨場。他流の柔術を統合し、ポピュラー化を目指す「柔道」を興す嘉納治五郎や、琉球空手の祖流「手(ティ)」の使い手との異種格闘技的面白さ。本来、殺人のための総合科学である武術を、その義務を担う武士という役割が廃れた世での存在意義を、ネガポジの立場で登場する嘉納治五郎との対立と共感のアンビバレント。気が合わない相手との合気。
が「ナイス!」と言っています。
姉勤
単に古武術と題しているも、セオリー化、マニュアル化、そして膠着化した現代武道から離れ、試行錯誤の結果江戸以前の武術と似通った形態が再発見されたためとする。具体的体術に関してはあまり記述がなく、野球の桑田氏やバスケット強豪校など、その古武術を取り入れ結果に結びついた実例を挙げて、古武術的身体操法の効能を解く。それは常住坐臥の再構築であり、それをするには一旦壊さなくてはならない。しかし座学は座学。まず歩くことから意識してみる(何度目だ)。残り時間は徐々減っているが、愉しみながら行う再発見と工夫に限界はないと。
姉勤
2024/03/03 08:02

正しい歩き方にこだわって、ついには一歩も歩けなくなった話が、「荘子」にあった気がするが、そうならぬよう気をつけよう。

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姉勤
冬の小春日和。塵の反射した光の粒子の流れの中、目に止まる蝿。壁に停まり、手に留まる。夏季の騒がしさ、煩わしさでなく、老いさえばえたような弱々しい蝿。それすら生かす、冬の太陽。その太陽が嫌い。むしろ死を感じる寒夜の山中のような環境に浸り、そのことでリアルな生を感じる。そんなことは人間だからやること。か弱きクリチャーに幸運は多くない。
冬の蠅
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姉勤
現代の国際法の嚆矢とされる人物。日本では安土桃山時代にオランダで聖職者の家庭に生まれる。当時、ヨーロッパでは神の名において行われる闘争、戦争では限りない暴虐が行われ、宗教を離れた人間の自然への回帰が希求さた。今でいう交戦権や戦時法にルールを定め、野蛮を離れた人間たりうるもの、報復と復讐の連鎖を止める最低限度を著した。しかし先進的な考えゆえ、しばしば母国では迫害や幽閉され、国外に亡命した。以後、愚者が学んだ経験を400年積んできた国際法も、戦時法も未だ争いを止めることが出来ない。しかし思考も止めない。
姉勤
2024/03/02 08:49

ここ10年、ヘイワで飯を食っていた人間が本当に減った。不景気は娯楽を潰すから。

が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2012/02/17(4447日経過)
記録初日
2011/10/05(4582日経過)
読んだ本
1790冊(1日平均0.39冊)
読んだページ
504257ページ(1日平均110ページ)
感想・レビュー
1745件(投稿率97.5%)
本棚
29棚
性別
外部サイト
自己紹介

月10冊ペースで読む目安。

ジャンル問わず、興味本意で手に取って。
漫画は含みません。

感想は書評でなく所見。しかも、ほぼ初見。

不躾な、挨拶なしのお気に入り登録と
気まぐれナイスは寛恕のほど。

そういう人間と成っております。

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