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2024年3月の読書メーターまとめ

韓信
読んだ本
6
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1628ページ
感想・レビュー
6
ナイス
20ナイス

2024年3月に読んだ本
6

2024年3月にナイスが最も多かった感想・レビュー

韓信
統一教会の宗教2世として生まれ、優等生だった少女時代を経て、精神を病み、家族との疎隔から信仰が揺らぎ脱会、結婚と出産、そして「小川さゆり」として情報発信するようになるまでの半生を綴る。修練会の様子や、聖別や聖酒などの統一教会信者の生活のディティールが興味深く、不謹慎だが読み物として面白い。家族関係含めてめんどくさいことはすべて信仰任せにしてきちんと向き合わないという著者の分析や、祖母・母・著者と続く負の連鎖など、胃が痛くなる箇所も多いが、宗教がいかに家庭を機能不全にするかが解りやすく描かれている。
韓信
2024/03/05 00:05

最初から子のできない信者夫婦の養子にするため子どもを産んだりと、財源となる信者を再生産するためのシステム構築だけは達者で非人間的な統一教会の教義はほんとうにどうかしている。しかし韓国の清平に教会の精神病院まであるのは、著者のようにメンタルをやられてしまう人が多いことを前提にしているんだろうなあ。

韓信
2024/03/05 00:08

あと父親が教会長まで務めているのに、常に著者の実家が困窮していたのは、やっぱり献金のせいなんだろうね。その辺はきちんと描かれてなかったというか、子どもには解らなかったんだと思うけど。

が「ナイス!」と言っています。

2024年3月の感想・レビュー一覧
6

韓信
17世紀フランスに生きた、女装と賭博が趣味の破滅型聖職者ショワジーの生涯と、彼(彼女?)の手記の翻訳を併録する評伝。幼少期に母親から仕込まれた女装が癖となり、長じてからも麗姿が評判になるほど完成度の高い女装をするが、性嗜好はヘテロなので少女たちを手懐け関係を持っていくという、そういうエロゲかエロ漫画がありそうなぶっとんだ内容。しかもパートナーには男装をさせたり、結婚した相手には興味をなくしたりと、あくまでも自分が女性として愛されることを望んでいそうな自己愛の強いパーソナリティはなんだか現代的ではある。
韓信
2024/03/31 23:30

女装と性遍歴が中心の前半生から、宗教的回心を経てシャムへの布教の旅や著述家としての活動など、後半生への振り幅がデカすぎて笑う。ともあれ戦乱や政争とは縁遠いのに波瀾万丈な生涯は一読の価値があるおもしろさ。

韓信
2024/03/31 23:36

母親ゆずりの社交性に、研ぎ澄まされた美意識、音楽や演劇の才能もあり、さらに著述家としてもそれなりの成功を収めるというマルチな才能と複雑なパーソナリティを持つ人物だったようで、どこにいてもすぐ取り巻きができたりシャム国王に気に入られたりと、人間として魅力的だったのだろう。

韓信
張保皐のユーラシア規模の商業ネットワークを軸に、新羅の内乱と円仁の入唐求法の旅を交錯させて描く歴史小説。円仁は別としておそらく日本で唯一の張保皐の小説なので新鮮な気持ちで読めるし、新羅・日本・唐のネットワークに東南アジアや大食のネットワークを接続させた世界観は気宇壮大だし、山東沿岸などの新羅系住民をふくむ海民(本作では「皐民」)の活動をいきいきと描くのも良い。でもいまいち盛り上がりに欠け、キャラも多彩たが一人ひとりはそこまで魅力的でもないし、創作部分が大きすぎるのも個人的にはいまいちで、なんだか惜しい作品
韓信
2024/03/17 20:00

張保皐の部下に武寧軍出身のソグド系武人がいる設定も個人的には好きなのだが、そのキャラは商業を得意としない設定なのが残念。海のネットワークに内陸のソグドネットワークを繋いでさらに壮大な構想が描けたろうに、ソグド人設定がまったくいかされてないのが非常に残念。

韓信
2024/03/17 20:01

あと、著者は武寧軍も藩鎮だと認識してなさそうなのが気になる。かなり勉強してそうなのだが。

韓信
歴史学とは何かを平易なことばで解りやすく綴る史学概論。歴史研究に取り組むうちに体得していた考え方を言語化してくれた部分もありつつ、「歴史」の恣意性や、国民国家と「国民」の形成に歴史教育が果たした役割など、ある種ネガティブに捉えられかねない事柄にもきちんと向き合う誠実な内容。史学科の学部1〜2年生くらいで読むとちょうどいい内容だとは思うが、歴史学が現実を生きる上で何の役に立つのか、という歴史学徒が突きつけられる永遠の命題には、個人的には腑に落ちるような明確な答えは得られなかった。
韓信
北は新疆から南は海南島まで、ご飯物から日式料理、多彩な麺類、文字どおりの羊頭狗肉、蛙や蛇から上海蟹まで、中国各地を旅した考古学者である著者のご当地グルメエッセイ。個人的に興味深かったのは、日本人に馴染み深い炊き干し法ではなく、ベタつき防止のためパサパサになるが炒飯には適した湯取り法という日中の炊飯方法の違いから、本来は激甘な紹興酒、硬いヤク肉、地域によって臭さは様々だが湖南省ではウンコのような激臭の臭豆腐、麺と間違えて食べたベトナム系京族の「極上の美味」沙虫(ゴカイ)料理など、やはり未知の食文化に惹かれる
韓信
2024/03/08 01:17

湖南省博物館で馬王堆の軑侯夫人の解剖された内臓を見たあとの昼食で、細切りにされた水牛の胃袋を見て食が進まなくなった話や犬肉になじんでしまった話など、現地での衝撃体験がやはり面白い。自分は大阪の韓国料理屋でポシンタンを食べたとき、狗肉の臭みが受け付けなかったのだけど、著者は最初から美味しく食べれたそうで、犬種や調理方法が違うのか、それとも多彩な食体験を重ねた著者にとっては抵抗が少なかったのか…。

が「ナイス!」と言っています。
韓信
統一教会の宗教2世として生まれ、優等生だった少女時代を経て、精神を病み、家族との疎隔から信仰が揺らぎ脱会、結婚と出産、そして「小川さゆり」として情報発信するようになるまでの半生を綴る。修練会の様子や、聖別や聖酒などの統一教会信者の生活のディティールが興味深く、不謹慎だが読み物として面白い。家族関係含めてめんどくさいことはすべて信仰任せにしてきちんと向き合わないという著者の分析や、祖母・母・著者と続く負の連鎖など、胃が痛くなる箇所も多いが、宗教がいかに家庭を機能不全にするかが解りやすく描かれている。
韓信
2024/03/05 00:05

最初から子のできない信者夫婦の養子にするため子どもを産んだりと、財源となる信者を再生産するためのシステム構築だけは達者で非人間的な統一教会の教義はほんとうにどうかしている。しかし韓国の清平に教会の精神病院まであるのは、著者のようにメンタルをやられてしまう人が多いことを前提にしているんだろうなあ。

韓信
2024/03/05 00:08

あと父親が教会長まで務めているのに、常に著者の実家が困窮していたのは、やっぱり献金のせいなんだろうね。その辺はきちんと描かれてなかったというか、子どもには解らなかったんだと思うけど。

が「ナイス!」と言っています。
韓信
石見銀山の開発と銀生産により、戦国日本の経済構造と東アジアの貿易構造が変質し、西国を嚆矢とする貿易の活性化・高額貨幣としての銀の社会への浸透を、織豊政権や毛利氏の史料を用いて描き出す論考。信長による金銀使用の公認から、豊臣政権による金銀生産の統制と運上の収奪、海運の統合、秀吉没後の家康による外交・貿易権の掌握など、銀の流通を基軸に、戦国日本が経済的に統合されていく過程が如実にわかる。最初は外国商品の購入にあてられたため、金銀山開発は貿易とセットで発展しているが、信長の野望でもこういう視点を導入してほしい笑

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2012/03/19(4424日経過)
記録初日
2012/03/20(4423日経過)
読んだ本
863冊(1日平均0.20冊)
読んだページ
228532ページ(1日平均51ページ)
感想・レビュー
863件(投稿率100.0%)
本棚
41棚
性別
現住所
北海道
外部サイト
URL/ブログ
http://ano-hacienda.hatenablog.com/
自己紹介

最近は本を読むより買う方が楽しくなってきました。

東洋史関係のブログもはじめました(上記URL)。

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