“君が六月のさなかにピクニックに出かけたと想像してみたまえ。献立はソーセージ・パティ、焼きマシュマロ、アーティチョーク・ハート、マスタード・ピクルスにプレーンのホイップ添えだ。君がこの謎を解くことができれば”(三匹の盲ネズミの謎 P327)幽霊城に招かれたアダムズ父子は依頼主の暴君ぶりに振り回される。父が探偵、息子アンディーは切手蒐集家というこのコンビ、もっと読みたいな。
■図書館長が雲上へ異動したことをご報告します。5月22日に悪性腫瘍が見つかり、29日受診から帰宅途中に旅立ちました。荼毘に付す際に本名で微笑みを誘い、骨格が立派すぎて通常の猫用サイズに収まらずと、最後まで個性を貫きました■2024年3月撮影■2024年5月の読書メーター 読んだ本の数:15冊 読んだページ数:4256ページ ナイス数:1311ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/200370/summary/monthly/2024/5
“太った友人オリヴァー・デイスは、これで3個目になる朝食の卵から顔を上げた”(天からの一撃P79)“卵を片づけて、トーストの最後の1枚に取りかかった”(P80)“素晴らしいコックを雇っているな、アルバート”“しばらく君とともにここに滞在しようと思う。コーンがどうしたって?”(P81)ドクター・クレインと旅行家兼作家オリヴァー・デイスが、とあるパーティーに出席することに。ドクターによれば、コーン教授によって原始黒魔術が披露される可能性があるという。嵐の夜、轟く雷鳴…はたして?
“君が六月のさなかにピクニックに出かけたと想像してみたまえ。献立はソーセージ・パティ、焼きマシュマロ、アーティチョーク・ハート、マスタード・ピクルスにプレーンのホイップ添えだ。君がこの謎を解くことができれば”(三匹の盲ネズミの謎 P327)幽霊城に招かれたアダムズ父子は依頼主の暴君ぶりに振り回される。父が探偵、息子アンディーは切手蒐集家というこのコンビ、もっと読みたいな。
“私は気がつくとメロンを食べ終わっていたが、何か余り味を感じなかったように思った。そして私は、私が誰よりも早く食べ終わったことに気づくと、私の神経のどこかが苛立ってくるのを感じた。そして手に残るちょっとネバネバする感じ”(喪失 P52)“彼の細い白い見事な右手が静かに弄んでいるメロンを見て、突然、或る既に組上げられかけている凝った計画に気づいたのだから。私の不誠実さや虚栄や残酷さを巧く操れば確かに完成する筋書”(P53)どこまで相手を追い詰めるか。共犯者の微笑みを交わす達夫と私…
“私は、私の叔母の一人との初恋に敗れて一生独身を続けた驚くべき男の話を思い出した。そしてそれを聞いた時の私の、ちょっと当惑したそして強烈な感動…”(喪失 P87)19歳でのデビュー作「蝶をちぎった男の話」20歳での表題作(第三回中央公論新人賞)21歳で一旦筆を絶つ「封印は花やかに」を収録。富裕らしい一族、美貌の親族、広い庭のある邸など語り手を取り巻く環境が似ている。引用箇所はまさに「蝶をちぎった男の話」の概要だ。
“多くは登山客や観光馬車の馭者や登山案内人などだ。そうした人々に混じって兄も席を見つけて坐り、ほかの客たちと同様に、椀入りのスープや牛肉の皿盛りや卓上瓶入りの地元産ワインや玉蜀黍製のパンなどでもてなされた。そうしているところへ大きなセントバーナード犬が近づいてきて、兄の腕に鼻先を載せたりする。やがてイタリアから来た二人の若者と会話を”(P72)全体に〈料理で読む〉チャンスは多くはない。アメリア・B・エドワーズ「わが兄の幽霊譚」は山岳怪談。オルゴールの音色は虫の知らせ。
自分が免許を取得するまでわが家にはクルマがなかった。そのせいなのか乗せてもらった記憶はかなり確かである。Sちゃん家のコンテッサで行くはずがなぜか酒屋のミゼット(走行中の足下に地面が見えた)で送り届けられたお花見とか、習字に通うたび大人二人と子ども三人乗ってったクーペ(マツダの名作)、坂道を登れない従姉の初代キャロル、スプリングがはみ出た叔母のヒルマンとか、懐かしモードに入ってしまうのだ。
図書館長を見送った翌週、15年乗った愛車はじめての故障。前回からディーラー車検をやめ専門店に切り替え済みだったのが幸いし、搬送即日修理完了。部品が何でも揃う専門店ありがたや~まだまだ大事に乗り続けたいのだ。
“マスカルポーネチーズだよ。それでリガトーニにかけるマッシュルームクリームを作る”(電書P48)“ローランドは、クレミニマッキュルームとボタンマッシュルーム、シイタケを鍋に放り込み、エシャロットとニンニクを加えた。乳白色のガラス製ソルト・ペッパーミルに手をのばす” (P53)週に一度、父ローランドのバンガローでディナーをともにする。料理好きなところは父から受け継いだが、容姿はあまり似ていない。エリオットは母親似で、背が高く細身、黒髪と灰色の目。
“オランディーソースに使う卵の黄身をダブルボイラーに入れてかき混ぜた。土曜のゆったりとした時間は、彼のお気に入りだった。焼けたハムと抽出されたコーヒーの匂い、木々の間の散策、そしてキッチンにさしこんでキャビネットを照らしているおだやかな陽光の輝き”(電書P128)毎週末のお楽しみスモークハムのエッグベネディクトを作ろうとしていると、近所の住人スティーヴンが押しかけてくる。犯罪ノンフィクションライターとしての勘が働いたらしい。ストーカーっぽいご近所さん。他の作品にもこんなキャラがいたような…
海外ホラー、ミステリ、SF主食の異形読み。
1999年「死ぬまでに10000冊の毒書」を宣言、
年間250冊を読みすすめるも途中7年の沈黙。
2012年、読メ登録とともに復活を果たす。
短編好き。アンソロジストに憧れを抱く。
紙本主義。装丁など本の佇まいにこだわる。
版ヅラやノンブル位置にキビシイ「組版警察」
密林のドイヒー画像が許せぬ「書影警察」
プラクティス好き「試走警察」
三一書房『サイコミステリーベスト100』を
2019年6月、30年がかりでコンプリート。
2020年11月「おあと6000冊」達成。
2023年3月プロフィール更新。
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“太った友人オリヴァー・デイスは、これで3個目になる朝食の卵から顔を上げた”(天からの一撃P79)“卵を片づけて、トーストの最後の1枚に取りかかった”(P80)“素晴らしいコックを雇っているな、アルバート”“しばらく君とともにここに滞在しようと思う。コーンがどうしたって?”(P81)ドクター・クレインと旅行家兼作家オリヴァー・デイスが、とあるパーティーに出席することに。ドクターによれば、コーン教授によって原始黒魔術が披露される可能性があるという。嵐の夜、轟く雷鳴…はたして?