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2024年5月の読書メーターまとめ

Millet.K
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15
読んだページ
4256ページ
感想・レビュー
15
ナイス
1309ナイス

2024年5月に読んだ本
15

2024年5月のお気に入られ登録
2

  • さゆ
  • カスロック

2024年5月にナイスが最も多かった感想・レビュー

Millet.K
“あなたの顔が気に入らないのです”(P56)いやこの台詞ゴイスーw 初毒は十年前に創元版で。骨組みや犯人わかっていても十二分に愉しめるのがクリスティーの素晴らしさ。其々の役どころを吟味したり、伏線や誤導の数々が愛しいのも再毒ならでは。旅情溢れてないのはある意味フェアかもしれない。オリエント急行を単なるトランスポーターに利用するばかりかあっさり走行できなくするってw。クリスティー文庫版は旧版の写真のが好みだったが新訳版の装画が…以下自粛。再映画化で再び変わっている。え?表題も? 毒毒度:3 おあと5378冊
Millet.K
2024/05/19 12:27

“ほどなく、そこが特別扱いの席であることを知った。料理が真っ先に運ばれてくるし、しかも極上のものばかり” “デリケートな味わいの食後のクリームチーズを食べるころになってようやく、ブークが料理以外のことを”(P44)“わたしにバルザックのごとき文才があればなあ! この場面を小説にできるのに”(P45)おや面白い。P・D・ジェイムズ『原罪』序盤の場面を思い出す。ダルグリッシュがアクロイド氏←名前!と倶楽部で食事。もしこれがフィクションで自分が小説家ならあの昼食場面を冒頭に置くだろうとダルグリッシュは思うのだ。

Millet.K
2024/05/19 12:27

“わたくしのコンパートメントに、ミネラルウォーターの瓶と、大きなグラスに注いだオレンジジュースを持ってきてくださらない? お夕食には、ソースなしのチキンと、それから茹でたお魚をお願いね”(P47)“エヴィアンもヴィシーも置いてないなんて、どう考えても変だわ”(P51)旅情たっぷりかと思いきや意外や意外、料理で読む場面もほぼなし。その分、毒者を事実と尋問に集中させる。ある意味とってもフェアなのだ。

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2024年5月にナイスが最も多かったつぶやき

Millet.K

■前半モノクロームな装画、中盤カラフル後半は通常運転■もらったコインの期限地獄に嵌りそうだったが電書限定本で解決■頻発する千葉県東方沖地震により崩落した夫婦岩2024年4月撮影。先月の画像=打ち寄せる波で穴が穿たれ始めた2022年9月頃と比較されたし■2024年4月の読書メーター 読んだ本の数:17冊 読んだページ数:5324ページ ナイス数:1531ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/200370/summary/monthly/2024/4

■前半モノクロームな装画、中盤カラフル後半は通常運転■もらったコインの期限地獄に嵌りそうだったが電書限定本で解決■頻発する千葉県東方沖地震により崩落した夫婦岩2024年4月撮影。先月の画像=打ち寄せる波で穴が穿たれ始めた2022年9月頃と比較されたし■2024年4月の読書メーター 読んだ本の数:17冊 読んだページ数:5324ページ ナイス数:1531ナイス  ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/200370/summary/monthly/2024/4
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2024年5月の感想・レビュー一覧
15

Millet.K
2024年定例報告第1弾。吹き抜け上方に出現した♀2体を風神雷神と呼んでいると、4月27日夕刻2体同時に姿を消す。妊活かと思いきや翌朝ベランダに風神と思われる脚が2本…むむっ図書館長やっちゃったな。本体をどこかに吐いてないか捜しまくるが判明せず。5月20日雷神が丸々として再登場。脱皮?産卵?な状態なのにKY♂が接近しフラれる。雷神は今ごろどこかで卵嚢を抱えているかも。何故かG成体を見ない。テルミヌス・エストと呼ぶBBQトングでムカデ7体駆除済み。生態系上位に君臨した図書館長5月29日急逝。おあと5373冊
くたくた
2024/06/02 18:32

え? ええ?!

Millet.K
2024/06/03 05:42

そおなんですよ5月のまとめつぶに概要ありますが、詳しくはメールにて

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Millet.K
“大きな猫にしか見えないな”(黒い破壊者 P344)2014年刊行。創元オリジナル・宇宙生命SFアンソロジイ。表題作目当てだが、収録6編とも面白。何度か書いたが、毒者をSFへと目覚めさせたのは週刊少年サンデー1969年8/17日号の『水木しげるSF妖画大集』に載ったケアルの画。そして疎外者読みの原点は創元『宇宙船ビーグル号の冒険』である。長編の一部として以上にSFデビューたる本作が好きかも。鈴木康士の装画は巻耳がチャームポイント。どことなくエイリアン成体の質感もありニヤつける。毒毒度:4 おあと5374冊
Millet.K
2024/06/01 09:27

“ロイ・クレイグは火の上にかがみこみ、ぐつぐつ煮えている鹿肉のシチューをかきまぜながら、飛翔艇のなかにある電気コンロを使わせてくれればいいのに、と思いたくなる気持ちを迎えた。けれども、新参者たちは全員が赤い点をつけていて、野外で炎を熾したがった。もちろん、彼らが正しい”(マッケナ「狩人よ、故郷に帰れ」P11)クレイグの額にはグレート・ラッセル恐獣を倒した印がない。モーディン男子の成人テストを受けていない《半人前》扱いされ…疎外者&異形読みにどストライクな作品。ちなみにマッケナは『砲艦サンパブロ』の原作者。

Millet.K
2024/06/01 09:28

“揃って食卓についた。ステーキははるばる南半球から運ばれたもの、マッシュルームは鯨座オミクロン星十四惑星からの輸入品、ほかに、サラダ、グリーン・ピース、焼きたてのパン、あんずのパイ、コーヒー”(ロバート・F・ヤング「妖精の棲む樹」P225)“これはどうですかな、最上の火星座バーボンです。エリュトラエ海の精選とうもろこしから蒸溜されたものですよ”(P228)世界樹伐採作業。途方もない大木を倒す工程が克明に描かれる。食事は村長が運んでくる特別料理だ。予想どおりの結末。苦いエピローグ。永遠に身勝手で愚かな人類。

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Millet.K
“家族はあの子を見くびってる”(P116)助けを必要とするマイノリティのためV・I・Wの闘いは続く。体調に左右されやすいシリーズだから余計な疲弊を招かぬよう読む。悪徳警官より、喚き合うかつての隣人一族にウンザリしかけたが、健気ブラッド少年とみそっかすグレゴリーの存在に救われた。歳をとらないワンコたち。コントレーラス老人は92歳と明記された。マリ、テッサ、ミセス・コルトレーン、ストリーター兄弟、フリーマン…セリフもある準レギュラーが登場人物欄になく残念。次作舞台はカンザスらしい。毒毒度:3 おあと5375冊
Millet.K
2024/05/27 16:12

“ミセス・パリエンテがホッとした顔で迎えてくれた。キャベツを使ったイタリア料理、インヴォルティーニ・ディ・ヴェルツァを作っているところだった。母の得意料理でもあったので、匂いを嗅いだだけでよだれが”(P144)“ひと口でいいから食べさせてくれない? そしたら元気が出るから” “わたしったら、ほんとに気が利かないわね。ソースの煮込み具合がまだ充分じゃないけど、ソースなしで食べてくれる?”(P146)食事抜きで駆け回る。マスクで食い意地を隠してはいるが、キャベツ煮込みの誘惑に屈服した。

Millet.K
2024/05/27 16:12

“うちの社長が自分の古いニッサンを置いてった。新車のレクサスでニュー・メキシコ州へ1カ月のお出かけだってさ。ニッサンをこわすんじゃないよ。こわしたら修理代はそっち持ちだ”(P139)急いで移動しなくては。ムスタングの代わりに目立たない車貸してと頼むとソニアは渋々承知。さて他の方のレビュを勝手に検証。原書は見てないが、とりあえず「ニッサンのレクサス」という誤りは犯していない。オートパーツ店の社長でレクサス相応のニッサンならインフィニティか。サニーという可能性もあるな、北米ではセントラ。

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Millet.K
“助けてほしいんです”(P100)そう言っておきながら勝手を決め込む若人はシリーズあるあるだが、この少年ブラッドは心底ヴィクを頼ってきた。助けなきゃと奮闘するヴィク。さらに課題が。身元不明少女は何処へ消えた? 悪徳警官に絡まれるのはなぜ?…何を守る? 助けを求める人を、助けなきゃいけない人を。自身の信念をわたしの真情を。V・I・W第21作は喚き合う昔の隣人一族と悪徳警官がちょー鬱陶しい。準レギュラー陣が登場人物欄にないのには不満が。図書館長にさらなる試練、しゃきっとしなくちゃイザ下巻。おあと5376冊
Millet.K
2024/05/27 09:51

“みんなで台所のテーブルを囲んで食事をした。ドンナ・イローナとわたしは食卓の祝祭気分を盛り上げようとがんばった。甘口ワインを飲み、オリーブとトマトを添えてオーブンで焼いた魚と、わたしが持参したホウレン草とレーズンのサラダを食べ、蜂蜜とアーモンドとベリー類を添えたマスカルポーネで食事を締めくくった”(P26)ロティの患者イローナ・パリエンテはローマ出身。ヴィクとはイタリア語でおしゃべりする。パリエンテ夫妻は自身の将来への不安に加え、シナゴーグの信者減少問題を抱えている。

Millet.K
2024/05/27 09:51

“マックスのところの家政婦は料理の名人だ。オヒョウのローストのホウレン草添えとリグリア産の辛口白ワインで食事をするうちに、わたしの心も落ち着いてきて、マックスとロティの音楽の話題に耳を傾けたり”(P252)ついこの前まで、こうして同じテーブルにつくこと、隣人の手を握ったり肩を抱いて励ますこと、挨拶のキスも交わせない世界にいたのだ。ロティとマックスですら毎日喧嘩が絶えないほどだった。ワクチン接種が進んだこともあり、隣人同士の親交が戻りつつあるが…

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Millet.K
“都会は性悪でね”(P66)N.Y.の片隅で。夢も希望も失った女が男と出遇う。同郷とわかり距離が縮まるが、金を盗んだと男が告白。そのお金返して一緒に朝一番のバスに乗るのよ二人なら郷里に帰れるわ。どっこい都会は曲者、悪辣で卑怯で意地悪。現場に死体が!? 真犯人を見つけるまでタイムリミット4時間…人間を描く気満々クリスティから一転、人間を書く気まったくなしとの噂のアイリッシュへ。表題からニガテ謀略系かと敬遠してたけど全然違ったしかも面白い。杉江松恋『マストリード100』45冊目。毒毒度:4 おあと5377冊
あねさ~act3
2024/06/03 13:53

児童書版を小学生の時によんで感動し、高校生になって、同じ作者の作品を全て買い揃え……はや◯十年😀 いまだに書棚に全部(児童書版含めて)あります。

Millet.K
2024/06/03 14:14

あねさ~act3 毎年どれだけ積読を減らせるかが勝負😂さん、コメントありがとうございます。作品とその作家に惚れて読み直すのってステキですね。同じ作品なのに歳を重ねてから読むとまた印象が違うこともありますね。「日本の夏は、やっぱり怪談」イベントでお会いしましょう。

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Millet.K
“あなたの顔が気に入らないのです”(P56)いやこの台詞ゴイスーw 初毒は十年前に創元版で。骨組みや犯人わかっていても十二分に愉しめるのがクリスティーの素晴らしさ。其々の役どころを吟味したり、伏線や誤導の数々が愛しいのも再毒ならでは。旅情溢れてないのはある意味フェアかもしれない。オリエント急行を単なるトランスポーターに利用するばかりかあっさり走行できなくするってw。クリスティー文庫版は旧版の写真のが好みだったが新訳版の装画が…以下自粛。再映画化で再び変わっている。え?表題も? 毒毒度:3 おあと5378冊
Millet.K
2024/05/19 12:27

“ほどなく、そこが特別扱いの席であることを知った。料理が真っ先に運ばれてくるし、しかも極上のものばかり” “デリケートな味わいの食後のクリームチーズを食べるころになってようやく、ブークが料理以外のことを”(P44)“わたしにバルザックのごとき文才があればなあ! この場面を小説にできるのに”(P45)おや面白い。P・D・ジェイムズ『原罪』序盤の場面を思い出す。ダルグリッシュがアクロイド氏←名前!と倶楽部で食事。もしこれがフィクションで自分が小説家ならあの昼食場面を冒頭に置くだろうとダルグリッシュは思うのだ。

Millet.K
2024/05/19 12:27

“わたくしのコンパートメントに、ミネラルウォーターの瓶と、大きなグラスに注いだオレンジジュースを持ってきてくださらない? お夕食には、ソースなしのチキンと、それから茹でたお魚をお願いね”(P47)“エヴィアンもヴィシーも置いてないなんて、どう考えても変だわ”(P51)旅情たっぷりかと思いきや意外や意外、料理で読む場面もほぼなし。その分、毒者を事実と尋問に集中させる。ある意味とってもフェアなのだ。

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Millet.K
久びさナマ書店に解き放たれて児童書コーナーへとまっしぐら〜ヒトといぬ、わたしときみ。まったくの他者が出逢う。ともに歩きともに走り、やがてきみが先に死ぬ。きみは川のほとりでわたしを待っていてくれたにちがいない。でもわたしが死んだらきみとの再会はかなわず、そのまま何年も何百年も何千年も時は流れた。ある日いつものように川のほとりでふとふり返ったらそこに…ようやく逢えたねあなたとわたし。ヒトといぬ。児童書コーナーにあるけれど大人向き。毒毒度:ー5 おあと5381冊
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Millet.K
久びさナマ書店に解き放たれて児童書コーナーへとまっしぐら〜なんだろう?こねこね装画でちょいと変わったタイトルが目につく。開いてみてなぁるほど。お母さん猫が身体の弱い子猫を置いていくのは現実に良くある話。ここのおうちを選んできちんと託していったお母さん猫はとても賢い。言葉がなくてもお母さん猫の思いはひなちゃんのお母さんに通じたんだね。ひなちゃんお留守番中に子猫行方不明!という事件を経て…じつはわが家の図書館長@仮名の〈ヒミツの本名〉もこんな感じのつけ方。このネーミングセンスに共感しちゃう。おあと5379冊
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Millet.K
久びさナマ書店に解き放たれて児童書コーナーへとまっしぐら〜動物画家・薮内正幸の絵に目を奪われる。表紙のキツネからネコ、ライオン…いろんな動物のおかあさんがどんなふうに子どもを運ぶのかを教えてくれる絵本だ。同じネコ科で「くわえる」けれどネコとライオンは大ちがいw 「はなでおして」歩くゾウ。シマウマはおかあさんのうしろを走ってついていく…これは狙われるかも。かたまってついていくウリ坊、一列になっていくハリネズミ。どのおかあさんも優しい目をしてる、それでいてとても真剣だ。おあと5380冊
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Millet.K
ネタバレクリスティ2巡目の旅は主に新訳版で進行中。ここひと月で『エッジウェア卿の死』『葬儀を終えて』『予告殺人』『ゴルフ場殺人事件』そして本作。犯人に大きな共通点があると今の今気づきビツクリ。人間の描き分けが見事すぎる。控えめに言っても傑作なのに、旧訳、新訳、原書を併読するとさらにドラマチック。兄弟が愛していたのは夫人ではなくエイミアスてな妄想も爆誕w 若さ。残酷さ。何故か福田章二の作品集『喪失』を読み返したくなったりも。遥か昔に読んだモーム『月と六ペンス』はむろん要再読。実家で拾ってこなくちゃ。おあと5382冊
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Millet.K
“ I beg your pardon? ”(P9)引用そこ?と突っ込んでくれw この詞で始まる懐かしい歌があるのだ。新訳は“えっ?”とあっさり。旧訳の“なんとおっしゃいまして?”の優美さがお気に入り。さて馴染み薄の表題と過去の殺人解明という趣向が一見地味な本作、実は霜月蒼による『完全攻略』で★5ツ。アクロイドよりABCよりナイルよりも上なのだ。旧訳、新訳、原書併読は、モーム『月と六ペンス』の件など過去に生じた宿題履行のため。信頼するクリスティ読みから傑作と呼ばれる理由は原書を読んでこそ。おあと5383冊
Millet.K
2024/05/16 14:46

くだけすぎた新訳というのをあまり好まぬ自分にとって、桑原千恵子による旧訳の全体のトーンも、特に真相判明の辺りも好みなのだが、ごくたまに納得いかない箇所はある。例えばオーラス、廊下での場面、原書で“she passed two young people” の箇所。ディティシャム卿夫人の前を若い二人が通って行ったのではなく、夫人が若い二人の側を通りすぎた、だろう。

Millet.K
2024/05/16 14:47

以下暴言。ブレイク兄弟が本当に愛していたのはどちらもエイミアスでは。兄は夫人への敬意と思慕を口にしたり手記にも書いていたが、実は結審後のどさくさにエルサに求婚していた。薄らトンカチどころか抜け目がない(でも一蹴されて当然と思わなかった点は十分に薄らトンカチ)。弟が俺の親友を殺しやがってと夫人への憎悪を顕にしてたのは裏返しの愛だったとされるが、実はもう一回裏返して、弟の愛はずっと夫人にではなくエイミアスに向いていたのでは?

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Millet.K
父の殺人事件の真相を解明してください。母は潔白です…導入部はまるで探偵小説の見本のよう。過去への旅という趣向でいわゆる有名作品に比べ地味ではある。表題由来は多くの日本人に馴染み薄だろうし、殺人も一回しか起こらない。だがひとたびポアロが灰色の脳細胞を働かせれば、事件そのものがなんとドラマチックに浮かび上がり来ることか。旧訳、新訳、原書併読。2016年最新訳を毒了した際に、読み友さんとのやりとりから生じた宿題の履行を試みる。考えてみたら自殺の訳がない絵は完成していなかったのだから。毒毒度:5 おあと5384冊
Millet.K
2024/05/16 10:11

“アンジェラは、最後の悪口をわめきたてながら、寝床に駆けだして行きました。第一にアミアスをこらしめてやるといい、第二に死んじゃったらいいのに、第三に不治の病で死んだらいいきみだ、第四に物語に出てくるようにソーセージが鼻にくっついて離れなければいいのに” “次の朝、食堂に遅くおりていくと、誰の姿も” “そのとき食べたベーコンとキドニーの味が忘れられないほどうまかった”(P264)フィリップ・ブレイクの手記。新訳も〈不治の病〉だが原書では〈leprosy〉。宿題の一つ、モーム『月と六ペンス』に関わる箇所。

Millet.K
2024/05/16 10:13

“ジンやベルモットやレモネードやジンジャー・ビールなどが並べてあり、そのほか小さな冷蔵庫があって、毎朝氷をつめて、その中にビールやジンジャー・ビールをいつも入れて” “アミアスのところに持っていくのだから、ビールを一本ちょうだい”(P326)五人の話と手記に微妙な食い違いがあり読み飛ばし禁物。バーに改造された此処はもともとヴィクトリア時代に建てられた a little conservatory(原書)。野菜貯蔵所(旧訳)か温室(新訳)かでいえば後者だろう。そういえば友人宅にあり、中でニャンずが暮らして居る

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Millet.K
経験上、面白がるにはハードル高杉なのが仏ミステリ。本作も然り。気軽に料理で読むつもりが、あらら人名覚えられん。カタカナ不得手じゃないが全部が全部フルネームで攻めよるから組版ギチギチ。あまりに息苦しく一旦ポアロ『ゴルフ場殺人事件』に回避し再挑戦することに。毒了した今も正しく覚えた人名は販売主任マルトだけ←同名女性がポアロに登場。犯人は昼間自由に自転車を乗り回す人物としか分からず、コレ当るの無理しょ。田舎町の木曜日。各々のルーチンが奇天烈なメカニズムを生む。壊れたとき町は死ぬのだ。毒毒度:4 おあと5385冊
Millet.K
2024/05/07 17:24

“もし腎臓のカソレットがお嫌いなら、牛肉か小海老と香草入りのオムレツに変えることも” “カソレット、きっとお口に合いますよ”(P40)“小さな蒸しじゃがいも、そらまめ、キノコです。それにもちろん、アルマニャック・ソースです。このソースは、主人が9年前に初めて成功し、以後ずっとお出ししているものなんです。他のレストランでは絶対に” “はずんだ気持ちになり、同時に感激した。少なくとも自分の職業を愛している人間がここに”(P41)本日は水曜日。レストラン《オ・トロワ・クトー》に、探偵シャンフィエが初入店。

Millet.K
2024/05/07 17:25

“生牡蠣の皿をさっさとたいらげた。彼の前には薄く切られたソルト・バターが塗られている黒パンが何枚か置いてある。すでにミュスカデの小瓶はほとんど空に”(P79)“狩人風ウサギ料理を味わっていた。キノコとパセリとを一緒にこんがり焼いてある小さなじゃがいもがついている。ソースが素晴らしかった。口当たりが良く、とても香ばしい味。口の中に、何か神々しいものがしっかり根づいたような感じだと思っていただきたい”(P82)初入店した翌日。木曜限定の特選料理ラパン・シャスールを味わうことに。

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Millet.K
“エルキュール・ポアロは人間の心に通じているのです”(P130)クリスティー2巡目。当時の夫アーチボルトに捧げた1923年作品。毒婦は誰てな新潮文庫版の自分レビュが謎めくが…おやおやどうしたことだ。いくら早川版の画像記憶がないとはいえ、こんなにも新鮮に読めるなんてw。仏蘭西と白耳義の意地の見せ合い〜和蘭がいればさしずめCX世界選だ。ヘイスティングズと南米の関係性は本作が発端とは今の今まで忘れてたよ。此方も一応新訳版とのこと。安西水丸の装画で、旧訳クリスティー文庫版と区別される。毒毒度:4 おあと5386冊
Millet.K
2024/05/06 11:56

“いつもの夕食時間はとっくに過ぎていたので、ふたりとも腹ぺこだった。それで、最初に見つけたレストランに飛びこみ、おいしいオムレツとリブステーキに舌鼓を打った。食事のあとブラック・コーヒーを飲みながら、ポアロは” “さて、次は宿だ。オテル・デ・バンに行ってみようか” “かしこまりました、ムシュー、海の見える素敵なお部屋をご用意いたします”(P337)本作には料理で読むチャンスがほぼない。具体的なメニューは終盤のこの場面にしか登場しないが、前後が極めて重要な流れ・・・

Millet.K
2024/05/06 11:56

“ぼくが辛かったのはね、ヘイスティングズの声をやっていた富山敬君が、45本終わったところで亡くなっちゃったこと”(P371)解説(談)はドラマでデヴィッド・スーシェの吹き替えをした熊倉一雄。クリスティー文庫には時折ハラたつような解説がつくものだが、こういう解説なら大歓迎。富山敬といえばヤン・ウェンリーでもある。

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Millet.K
“いかにも、誓った”(名誉の幽霊 P130)2000年刊行2006年文庫化。怪談に求めたいコワ哀しさ漂うアンソロジイこれはもう大好物としか。幽霊は約束を守る引用作、様式美あふれる異境奇譚「告解室」「故障」「宿無しサンディ」。アントワープといえば犬の名は?意外にもレオ←そこじゃない「冷たい抱擁」。因果因縁因業何らかあれば納得できるが問答無用に説明不能な「黄色い壁紙」こんなん書ける人が怖ぇえ。巻末の訳者鼎談がオモロ〜ほぼ同年代の3訳者が揃って創元の怪奇小説傑作集生まれというのも◎。毒毒度:5 おあと5387冊
Millet.K
2024/05/02 10:55

“ベーコンエッグとトーストとコーヒーの何とも言えず香ばしい匂い” “配給制は事実上終わっていた”(P239)“5シリングと3ペンスの上等の野兎。どうだい一羽” “土鍋で煮ればいいわ” “二人の間の中空には、コトコトと肉汁のなかで煮えるスコットランドの野兎の肉団子と、それに添えた酸塊のゼリーの白い壺”(P241)“規制されてた棗椰子の実は手に入れたのか?” “なんとか昨日2ポンド分”(P242)配給切符ナシで何が手に入るか。子どもそっちのけの若い夫妻…ゴーリーの絵で読むK・マンスフィールド「郊外の妖精物語」

Millet.K
2024/05/02 10:56

“いまは体も乾き、きりきりするような空腹も、薄く切ったハムの燻製、落とし卵、蒸したじゃが芋でいっぱいになった。あかあかと燃える火を囲んで座り、ウィスキー・トディを飲んでいる。集まりに花を添える二人のご婦人は、タンブラーではなくワイングラスに同じ飲み物をつぎ、控えめにお相伴を”(リデル夫人「宿無しサンディ」P250)スコットランド。雨に降られた十人が、山あいの牧師館でひと夜を過ごす。牧師が正真正銘の実話を…ウィスキー・トディ。砂糖など甘味を加えたウィスキーを水またはお湯で割る。レモンスライスやスパイス入りも

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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2012/03/21(4640日経過)
記録初日
2004/04/04(7548日経過)
読んだ本
3594冊(1日平均0.48冊)
読んだページ
1222937ページ(1日平均162ページ)
感想・レビュー
3143件(投稿率87.5%)
本棚
20棚
自己紹介

海外ホラー、ミステリ、SF主食の異形読み。
1999年「死ぬまでに10000冊の毒書」を宣言、
年間250冊を読みすすめるも途中7年の沈黙。
2012年、読メ登録とともに復活を果たす。
短編好き。アンソロジストに憧れを抱く。
紙本主義。装丁など本の佇まいにこだわる。
版ヅラやノンブル位置にキビシイ「組版警察」
密林のドイヒー画像が許せぬ「書影警察」
プラクティス好き「試走警察」

三一書房『サイコミステリーベスト100』を
2019年6月、30年がかりでコンプリート。
2020年11月「おあと6000冊」達成。
2023年3月プロフィール更新。

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