“カトリーンがケーキを配り、ケムがドネルケバブとラフマジュンやブレクを袋からだして、テーブルに広げた”(P420)捜査11課の面々がそれぞれ聞き込みを終えて会議室に集合。ターリクが今日誕生日のカトリーンにケーキを買ってきていた。ピアが美味しそうな匂いに思わずよだれを垂らしそうになったのが、トルコの国民食というべきドネルケバブ。ラフマジュンはトルコの薄焼きピザ。挽肉、刻んだ野菜、タマネギやトマトなどがのっている。ブレクもトルコ発祥で、肉やチーズを詰めたパイ料理。
■図書館長新盆。トイレとごはんの皿未だ片付けられず■KADOKAWAサーバ復旧後PCからログイン可能に■イベント【日本の夏は、やっぱり怪談】用+クリスティ関連そこそこ黒っぽい装画たち■ステキすぎる造本のシュオッブ永遠に読み続けそう■某飛行機スポットにて■2024年8月の読書メーター 読んだ本の数:8冊 読んだページ数:2800ページ ナイス数:1079ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/200370/summary/monthly/2024/8
ちなみに本登録の書影は2002年BIBLIO版から帯を外した状態のものだ。星空の装画は表面だけでなくカバー全体に広がっている。マットな紙質のカバーにはザラ紙風の帯がついた。帯まで含めての完成形は、BIBLIOのテーマの一つ〈COSMIC〉イメージ通りでとても美しい。改版ではカバーが光沢紙となり、装画は表だけ、ザラ紙風の帯は印刷に変わってしまっている。
ああ、ヴォルコシガンシリーズもこの頃は良かったなあとしみじみ思う。これからずっとこの面白さが最新刊(最終巻?)の直前まで続くのです。グインサーガが好きだった方の中には著者が突然にそれまでのキャラ造形をかなぐり捨ててBL方向に舵を切ったことを覚えておられると思う。(話としての)BLが好きな方には歓迎されたかも知れないがそうでない読者にとっては驚きであり、落胆であり、哀しみであり、以前の巻をも貶める裏切りに対する怒りであった。同様のことが最新刊「女総督コーデリア」にもあるのでお読みにならぬようお薦めします。
念のため出版社違いを2冊借りた。Haper Collins版はISBNを入力すると書影が違うしページ数も異なる。おそらく貸し出されたのは新版なのだろう。それはまあいい。Pan books版の本書は奥付にあるISBNを打ち込んでも探し出せず、登録できずにいたが、表4と奥付とでISBNが違うと本日判明やれやれ。
なおスティーヴ出現の辺りで、クリスティー文庫の訳に少々納得いかない部分があり、新潮文庫と照合したところ相違2箇所が気になり始めた。一つめはフランキーの描写。“オルガンを弾くお嬢さん”(早川)か“大道の手回し風琴奏者がつれているお猿さん”(新潮)か? 原書では“ an organ grinder’s monkey ”ということで新潮が正解ぽい。ちなみにその文言ママで画像検索してみるとそれなりのものが出る。
二つめは本筋にはまったく関係ないが、フランキーが仲間と一晩中遊び歩いたエピソード。朝食を食べに行って驚かせようとしたアンジェラのおじさんは不在(早川)だったのか在宅(新潮)だったのか? これも蕗沢忠枝訳の新潮版のほうがよさげに思える。早川版P33、新潮版P24参照。 〜we thought we’d go and breakfast with Angela’s uncle and see if he’d be shocked, but he wasn’t — only bored, and then〜
絶版本などでせっかくオリジナル登録なのに書影を伴っていないのはとても残念なこと。その点今回発見したオリジナル登録は画像が完璧スバラシイ。オリジナル登録してくださった惡い読書さん、ありがとうございます。嬉しくて全巻再毒しました! 前回のレビュはコチラ → https://bookmeter.com/reviews/50809414
かつて読書メーターに要望し現在後悔していること。当時自分が好むジャンルの絶版本には書影を伴わないケースが多々あった。そこで密林との画像連動を提案したところ、何年か後に実現。ところが弊害があった。マーケット出品者がドイヒー画像をアップし、汚らしい背景つきや天地逆さま、時計周りに回転、上下巻セットなどあらゆる狼藉が目につくようになったのだ。地道に通報してもほぼ改善ナシ。山尾悠子『ラピスラズリ』はなんとか回復できた。今フロスト日和とカーリイ『百番目の男』で心を痛めている。
あたびーさん、全三巻セットですと14000円超みたいですね。一冊ずつですと地道に探せば千円くらいであるかも? 多くが他アンソロジイで読めるといえば読める。同じ編者による児童向け全集を今度読んでみようと思います。
“ズッキーニ2本とナスを1本、冷蔵庫からだした。ニンニクとタマネギを刻んで、野菜を輪切りにし、それをフライパンで炒めて、パスタをゆでるために湯が沸くのを待つあいだ”(P284)“ヴィーニョ・ヴェルデをグラスに注いで、キッチンの時計を見た。8時40分、湯が沸騰した。塩を入れ、オリーブオイルを少し垂らして、パスタを入れた” “ちょうどパスタがアルデンテでゆであがったとき、ベックスがクッションから立ちあがって、尻尾を振りながら玄関に”(P285)ピアの夫クリストフが帰宅〜ベックスのお出迎えかわえぇす
“カトリーンがケーキを配り、ケムがドネルケバブとラフマジュンやブレクを袋からだして、テーブルに広げた”(P420)捜査11課の面々がそれぞれ聞き込みを終えて会議室に集合。ターリクが今日誕生日のカトリーンにケーキを買ってきていた。ピアが美味しそうな匂いに思わずよだれを垂らしそうになったのが、トルコの国民食というべきドネルケバブ。ラフマジュンはトルコの薄焼きピザ。挽肉、刻んだ野菜、タマネギやトマトなどがのっている。ブレクもトルコ発祥で、肉やチーズを詰めたパイ料理。
“タイプライターの周囲には、数冊のノートや、手書きの文字で埋まった何枚ものルーズリーフ用紙が散らばっているほかに、リンゴの詰まった大きな袋がでんといすわって”(P65)“世間の人々というのは、あんがい保守的なんですよ、ミスター・パイン。むかしながらの、使い古された仕掛けが好きなんです”(P66)ジゴロ役クロード、妖艶な美女マドレーヌ以外に意外なスタッフが登場する前半。最上階が人気作家オリヴァ夫人の住まいなのだ。「無聊をかこつ少佐の事件」では、一見陳腐でも世間が好む見事なシナリオで退役軍人の不幸=退屈を解決
“やがて料理が運ばれてきた。デザートはべたべたするチョコレートのトルテだった。それを食べているとき、シュラーガルがパインに訊いた” “薄いカップにつがれた甘いコーヒーが出てくると、ふたりは煙草に火を”(シーラーズの館 P237)“パインはベネディクティン酒を二杯、注文した”(P239)全体に食事の場面は比較的あっさりだが、旅心がおおいに満たされる後半8篇。探偵仕事は自分の領分ではないといいつつもなんやかんやで解決へ。
“赤いスカートに、みじかいグリーンのジャケットを着て、見事なブルーのベレー帽をかぶっていた。ちょっぴり、大道の手回し風琴奏者がつれているお猿さんに似て”(P21)“切れ長の哀愁をおびた黒い目と、あるかなしすぼめたほほ”(P22)以上新潮版。早川版は“赤いスカートと、短いグリーンのジャケット、それにはでなブルーのベレーをかぶっていた。たしかにオルガンを弾くお嬢さんに感じがそっくりだったが(悲しみに満ちた切れ長の黒い瞳と、暗い表情”(P30)お猿さんとお嬢さん違いすぎ。格好からオルガン奏者へは導かれにくいが…
“それから、アンジェラの叔父さまのところへ、朝食を食べにおしかけて、アッと驚かせようとしたの。ところがだめ” “叔父さまは、アッと驚くどころか” “ただ、うんざりした顔をしたきりなの。それから、あたしたち、しおしおと家に”(P24)以上新潮版。早川版は“それから、アンジェラの叔父さまの家へ押しかけて、朝食をご馳走になろうと思ったのよ。きっとびっくりなさるだろうと思ってね。でも、あいにくお留守だったの、退屈しただけだったわ。それからあたしたち、みんなゲッソリして家へ”(P33)在宅?留守?本筋には関係ないが
“フランキーは、大型の緑色のベントレーを運転してくると” (P78)“ダーク・ブルーのセダン型タルボット”(P121)“ボビイは1902年型の二人乗りのフィアットに乗り込んで”(P194)バッシントン-フレンチ家はダイムラー所有。ガレージは狭く、もう一台ロジャーの車(二人乗りとしか記述ナシ)を入れていっぱい。風俗や流行が読めて愉しく、乗り物にもおよぶ。本作にはエア・タクシー登場。そういえば『雲をつかむ死』の舞台は就航したばかりの21人乗り旅客機、『バートラム・ホテルにて』にオートレーサー崩れが登場してた。
本作は〈料理で〉は読めない。なので乗り物に注目し、面白い追加情報を。本作発表は1934年。このころ既にMGやローバー、ルーツ・グループなどのクルマのボディを製作していたカーボディーズという会社があった。もともとは馬車やモータービーグルを扱うコーチビルダー、やがてはロンドンタクシー・カンパニーとして知られるこの会社、創業者の名前が本作の主人公と同じロバート・「ボビー」・ジョーンズなのだ。よくある名前ではあるし、女史が主人公の名前をどうつけていたかもわからないが、はて?
海外ホラー、ミステリ、SF主食の異形読み。
1999年「死ぬまでに10000冊の毒書」を宣言、
年間250冊を読みすすめるも途中7年の沈黙。
2012年、読メ登録とともに復活を果たす。
短編好き。アンソロジストに憧れを抱く。
紙本主義。装丁など本の佇まいにこだわる。
版ヅラやノンブル位置にキビシイ「組版警察」
密林のドイヒー画像が許せぬ「書影警察」
プラクティス好き「試走警察」
三一書房『サイコミステリーベスト100』を
2019年6月、30年がかりでコンプリート。
2020年11月「おあと6000冊」達成。
2023年3月プロフィール更新。
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“ズッキーニ2本とナスを1本、冷蔵庫からだした。ニンニクとタマネギを刻んで、野菜を輪切りにし、それをフライパンで炒めて、パスタをゆでるために湯が沸くのを待つあいだ”(P284)“ヴィーニョ・ヴェルデをグラスに注いで、キッチンの時計を見た。8時40分、湯が沸騰した。塩を入れ、オリーブオイルを少し垂らして、パスタを入れた” “ちょうどパスタがアルデンテでゆであがったとき、ベックスがクッションから立ちあがって、尻尾を振りながら玄関に”(P285)ピアの夫クリストフが帰宅〜ベックスのお出迎えかわえぇす