◼️図書館長の遺影とともに杖突峠を越え中馬街道へ。足助、多治見、瀬戸、明智…暑さで有名な地方だけど町なかを流れる川に涼を感じる◼️レトロ物件たんまりでしたが、たまにはキレイなものをとモザイクタイルミュージアムへも◼️2024年7月の読書メーター 読んだ本の数:8冊 読んだページ数:2098ページ ナイス数:774ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/200370/summary/monthly/2024/7
“その日のトラウマで食欲がなかったが、なにか食べなければと思い、ホテルの食堂にもどって、チキン・サンドとシャブリを注文した。自分の部屋へ持って帰るつもりだったが、そこまでたどりつけなかった。ファン・ドールンの部屋とあの日記がさし招いて”(マレル「オレンジは苦悩、ブルーは狂気」P255)少なくとも3度目の再毒。モデルは明らかにゴッホ。オーツのはバルテュス。実在画家が実名登場する作品も。リー・チャイルド「ピエール、ルシアン、そしてわたし」はルノアール逝去直後の話。Nクリストファー「扇を持つ娘」にはゴーギャン…
“今夜はグレゴリーの好物の牛肉のブルゴーニュ風煮込みをこしらえることにしていた。マッシュルームとタマネギを刻んで、ベーコンを湯通ししてたら、丁寧に角切りにしたテンダーロインを焼いて、その肉汁とコーンスターチでお手製のグレイヴィー・ソースを仕立てるつもりだった”(Jサントロファー「ガス燈」P460)体調がすぐれないポーラに優しい夫が特製のお茶を用意してくれる。お返ししなくちゃね。ポーラの造形が◎。超有名画家夫婦の“期待はずれの娘”と、成功だけ無縁の芸術家との結婚。
“冬には卵の値が上がる。肉や豚の塩漬け、砂糖、珈琲豆と交換できるだろう”(P198)“生きてくれ、ひとよ。ひとが滅べば、おれたちはまた狼になってしまう”(P203)痩せ馬と乳を出さない牛、荒くれ者の夫と息子。食べ物を用意し続けねばならないばあさんは、体の調子が悪くてもその日町へ出た。帰りに近道をしようとして疲れ果て、穀物袋を背負ったまま雪の中で静かに死んだ。飢えた飼い犬たちはその死を見届け…ある女の一生。シャーウッド・アンダーソン「森のなかの死」。ジャック・ロンドン作品が思い浮かぶのは雪のせい?獣のせい?
“夕食がテーブルに用意され、妻はいつものように席に着き、料理も皿に盛り付けられていたんです。妻も食べましたが、動きはいちだんと鈍くなっていて、飲み込むのに苦労しているのが” “花が飾ってありましたが、花とも異なるやけに甘いにおいがしていて、それを深々と吸い込んでからは、ポークチョップとポテトの料理が喉を通りにくくなってしまいましてね”(ケラー「死んだ女」P218)妻が死んでいるように思えてならない。だが義母も医者も葬儀屋も信じてくれない。男はついに決心する…精神科医が症例を元に書いたという異常心理もの
【日本の夏は、やっぱり怪談〈其の三・和洋折衷編〉】3冊め。 (収録作品)ローダ・ブロートン「鼻のある男」、イーディス・ネズビット「すみれ色の車」、ルイザ・ボールドウィン「このホテルには居られない」、D・K・ブロスター「超能力」、ヘンリエッタ・D・エヴェレット「赤いブラインド」、アミーリア・エドワーズ「第三の窯」、キャサリン・ウェルズ「幽霊」、メイ・シンクレア「仲介者」
(収録作品)シャーロット・パーキンズ・ギルマン「揺り椅子」、メアリー・ウィルキンズ・フリーマン「壁にうつる影」、ゾナ・ゲイル「新婚の池」、ウィラ・キャザー「成り行き」、イーリア・ウィルキンソン・ピーティー「なかった家」、エレン・グラスゴー「幻覚のような」、メアリー・ハートウェル・キャザーウッド「青い男」、イーデス・ウォートン「ざくろの実」
“さあ、食事にしよう” “妻は冷蔵庫からソーセージとハムと塩漬けキュウリののったプレートとポテトサラダのボウルをだして並べた。パンはきれいな編みかごに入れてすでにテーブルにのせてあった。テーブルクロスはリネンのように見える蠟引き布で、色とりどりの三角旗をかかげた小さな船の図があしらってあった”(雪解け P8)あの子は死んだと思いたかった、それは罪? あの子の靴と服だったけれどあの子の顔は確認できていない。あの子が無事にわたしたちを殺しに来れるように今度こそ扉を開けておかなくちゃね…家族不全。
“いいソーセージだったのよ。仔牛のレバーペーストを詰めたソーセージだったんだから。125グラムで50ペニヒもしたのよ。おまけに食器棚に置いてあった袋には、リンゴが2個とバナナが1本とプフェッファーヌスをいくつか入れておいた。好きなときに食べてかまわなかったのに”(ポップとミンゲル P25)万霊節の前日に起きたできごとが少年視点で淡々とつづられる。子ども時代の終焉。プフェッファーヌスはドイツの焼き菓子。胡椒、ナツメグ、シナモンなどのスパイスが効いている。ゲーテの好物だったとも。
“テーブルには真ん中にブランデー用デキャンタが置かれ、それを挟んでコーヒー・サイフォンと葉巻箱が並ぶ。これらの嗜好品をバークはことさら気に入っている。世界と人間界はバークを愉しませてくれるもので溢れているが”(レティス・ガルブレイス「降霊会の部屋にて」P207)野心家の産科医バーク。『青春の蹉鉄』あるいは『陽のあたる場所』的な展開はお約束。
海外ホラー、ミステリ、SF主食の異形読み。
1999年「死ぬまでに10000冊の毒書」を宣言、
年間250冊を読みすすめるも途中7年の沈黙。
2012年、読メ登録とともに復活を果たす。
短編好き。アンソロジストに憧れを抱く。
紙本主義。装丁など本の佇まいにこだわる。
版ヅラやノンブル位置にキビシイ「組版警察」
密林のドイヒー画像が許せぬ「書影警察」
プラクティス好き「試走警察」
三一書房『サイコミステリーベスト100』を
2019年6月、30年がかりでコンプリート。
2020年11月「おあと6000冊」達成。
2023年3月プロフィール更新。
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