20代独身・既婚・50代・70代。どの世代にとっても大事な「お金」問題。独身時代は将来の為に貯め、結婚したら子供の為に貯める。子どもが育ったら今度は自分たちの老後の為。老後になれば自分の介護の為に。うーん、ほんとにきりがない。「節約が目的にならないように」は納得。それぞれ無事にお金を貯めるにはどうするかの着地点が見つかったのは良かったし勉強にもなる。こういう本を書かせたら天下一では？の垣谷美雨さんが書評をしているのが面白かった。

PMSの藤沢さんとパニック障害の山添君の距離感がとてもよく恋愛関係に発展とならないのが瀬尾さんらしい。パニック障害3年目の山添君は、パニック障害以前の自分と今の何もできない自分を比べてしまう。パニック障害じゃなかったとしてもいずれ人は年を取って以前出来ていたことができなくなる。そのときは「あの時はできたのに今は・・」と”過去の自分”と今の現状とを比べて悲観的に生きるのか”これが今の自分”と受け入れていくのではずいぶん違うと思う。最初は自分の事しか見えていなかった山添君が成長していく様にエールを送りたくなる

大学仲間で立ち上げたベンチャー企業に家政婦としてやってくる筧さん。決してフレンドリーではないが嘘がなく世話焼きなキャラクターは私の中では「片桐はいり」かなと。筧さんの作る栄養満点の料理が短編集それぞれの心を癒すほっこり系と思いきや、後半になるにつれ不穏な空気が。料理というのはその人のルーツを表すものでもあるなと感じ、ルーツそのものが危ういショウタの生い立ちには胸が痛む。自分が親になると筧さんがショウタの世話を焼く気持ちはわかる気がするし、柿枝のような人間に関わることの恐ろしさは俯瞰で見る方がよく見える。

まさかの再読本ですっかり内容忘れてた。伊坂作品は短編だと長編よりさらに磨きがかかる。ラストの1ページはさすがと唸る作品に仕上がっている。「犬」がテーマの一冊だけど、青春ものミステリーものホラーテイスト・・・等々と、見事に作風が分かれているので、読み手を選ばないのも良い。これはネコバージョンもありそうだけど、作家選びが難かしら。

20代独身・既婚・50代・70代。どの世代にとっても大事な「お金」問題。独身時代は将来の為に貯め、結婚したら子供の為に貯める。子どもが育ったら今度は自分たちの老後の為。老後になれば自分の介護の為に。うーん、ほんとにきりがない。「節約が目的にならないように」は納得。それぞれ無事にお金を貯めるにはどうするかの着地点が見つかったのは良かったし勉強にもなる。こういう本を書かせたら天下一では？の垣谷美雨さんが書評をしているのが面白かった。

なんとなく益田ミリさん風に感じるのは、二人共関西人だからかしら。瀬尾さんの柔らかい関西弁と、図書館愛に溢れたほっこりする一冊。パニック障害を抱え大変なことも多いだろうけれど、立ち向かうというより優しく抱えたまま日々をゆっくりと家族と歩んでいる様は、すごく瀬尾さんの作風に表れている。瀬尾さんはきっとすごく素敵な教師だったのだろうなと生徒が羨ましくもなった。