2024年7月の読書メーター 読んだ本の数:11冊 読んだページ数:3149ページ ナイス数:115ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/21079/summary/monthly/2024/7
タコの腕に骨はないが、「マダコの腕の操作は、あたかも関節があるかのように動くというのがソンブレ氏らの報告だ。マダコが餌を腕で捕まえてそれを口へ運ぶとき、腕は決まった箇所で折れ曲がる。具体的には、腕の根元側(口に近い側)で一箇所、腕の先端近くで一箇所折れ曲がる。つまり、折尺のように腕を決まった箇所で曲げるのである。これは物体をある個所から別の個所に運ぶときに効率的なやり方である。(中略)理論的にはあらゆる動きが可能なタコの腕が、関節という制約のもとに動く人の腕と同じ動きをすることは興味深い。」(N1483)
日本にネパール人経営のカレー店が増えた時期は、90年代インドのIT産業が急成長した頃と重なる。インドで経済成長進んで海外で働くにしてもコック以外の選択肢が選べる時代になる。そこでインド料理のコックの需要をネパール人が埋めた。2000年に韓国や米国の基準を参考に、外国人でも500万円以上の投資で会社作れるようになったことも、ネパール人経営のインドカレー店が増えた要因。そうした店のたたずまいやメニューが似通っているのは、客の入っていた修行先や人気店を模倣しているからで、失敗を恐れる「安定志向」によるもの。
噂話「タンドールひとつにつきコック4人分の在留資格が得られる」は嘘。タンドールがあればインド料理店をしっかりやってるというイメージで見られることはあるので、在留資格とる審査が通りやすくなる……かもしれない、という程度のもの。ネパール人のカレー屋増加に付随する問題。海外で働きたい同胞に日本で働ける稼げると甘言を弄して金を払わせて薄給で使う悪徳経営者の問題がある。また、教育問題としては、親が稼ぐことに注力し子供のケアできなかったり、言語の壁で学校や日本になじめずドロップアウトしていくという問題がある。
戦乱の中で扇谷上杉氏の存在感が、重臣太田道灌の活躍もあり高まる。都鄙和睦で28年続いた享徳の乱は終わる。古河公方足利成氏、関東管領山内上杉と元に戻るが、両者の影響力は落ちる。都鄙和睦後に扇谷上杉当主が、強い影響力を持つようになった家臣太田道灌を謀殺。関東管領山内上杉氏は道灌遺児を庇護し、成氏の支持も得て、山内上杉対扇谷上杉の抗争「長享の乱」がはじまる。京都で明応の政変が起きると、甥の今川氏親のもとにいた伊勢盛時(宗瑞)が伊豆侵攻。近年は京都政変と連動した、足利義澄―細川政元派としての行動と考えられている。
18年続いた長享の乱は、扇谷上杉が山内上杉に降伏して終わる。その後古河公方父子が対立。その調停役だった関東管領杉顕定が越後で敗死したことは混乱し、古河公方家の分裂と各氏族内の分裂が結び付く。伊勢(北条に改姓)は勢力拡大する。古河公方の上意を受けた北条氏綱が第一次国府台合戦で小弓公方を滅ぼして関東管領になる。その後今川が武田と同盟結び北条と敵対して、古河公方が両上杉と結ぶ。しかし両上杉+古河公方対北条の河越合戦で北条勝利、山内上杉氏は没落し越後長尾を頼る。そして長尾(上杉)の関東進出で、上杉対北条となる。
漢文はもともと中国語を習って読むものだった。しかし遣唐使廃止以降、正しい発音を教えられる人がいなくなる。そのため「訓読」で覚えるようになる。「訓読」は原文を覚えるための一種の符牒。「以後、鎌倉室町をへて江戸末期にいたる訓読の歴史は、符牒としての進歩発達の歴史である。よりおぼえやすく、より原文を喚起しやすい「よみ」をもとめてすすんできたわけだ。 その際、だいじなことは、意味は口にだす「よみ」の日本語でかんがえるのではなく、目で見る文字列でかんがえるのだ、ということである。」(P105)
江戸期の漢文訓読は「日本語をつうじて理解できるなどというあまいかんがえは放棄している。これはただの符牒である。」(P111)江戸時代の知識人は漢籍を読むときは、音をともなわず文字言語として読む。音がわからずとも中国語として読む能力は、長年の訓練で身につけたはなれわざ。江戸時代以前は中国語習えなかったから、「訓読という不便な方法にたよったのだ。いまは、中国語の発音をならって、論語でもなんでも、おぼえたければそれでおぼえればよいのである。(中略)訓読はとっくのむかしに無用のものになっている。」(P123)
チンパンジーは集団によって使う道具が異なる。ゴンベでは草の茎などを加工し作った棒で「シロアリ釣り」を行ない、ボッソウでは藻が豊富な時とまばらな時で道具を変えて「水藻すくい」をする。「「文化」とは、「あるコミュニティーのメンバーが共有する知識や技術や価値の集合であり、それが親の世代から子の世代へと世代を超えて、非遺伝的な経路すなわち生後の学習によって伝えられるもの」、と定義できる。(中略)チンパンジーの各コミュニティーごとに異なる道具使用は、こうした文化の定義にぴったりと重なるものだといえる。」(P305)
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チンパンジーは集団によって使う道具が異なる。ゴンベでは草の茎などを加工し作った棒で「シロアリ釣り」を行ない、ボッソウでは藻が豊富な時とまばらな時で道具を変えて「水藻すくい」をする。「「文化」とは、「あるコミュニティーのメンバーが共有する知識や技術や価値の集合であり、それが親の世代から子の世代へと世代を超えて、非遺伝的な経路すなわち生後の学習によって伝えられるもの」、と定義できる。(中略)チンパンジーの各コミュニティーごとに異なる道具使用は、こうした文化の定義にぴったりと重なるものだといえる。」(P305)