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2024年8月の読書メーターまとめ

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感想・レビュー
9
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153ナイス

2024年8月に読んだ本
9

2024年8月にナイスが最も多かった感想・レビュー

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11の色彩語をマスターしたチンパンジーのアイは、215枚の色票にヒトと同程度の安定した命名ができた。色彩基本語は言語によってひどく違うことはないし、アイの色の認識もその範疇にある。「したがって、バーリンとケイが考えたような、色の見え方にかんする、あるいは色の表現形式にかんする普遍性というものは、チンパンジーとヒトのあいだでは共有されている。」(P252)また、11種の色を表す漢字を読み取れるアイに、色がついた漢字を出すとヒトと同様に反応が遅れる。つまり、ストループ効果(意味情報と色情報の桔抗現象)がある。
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2024/08/10 07:23

チンパンジーは集団によって使う道具が異なる。ゴンベでは草の茎などを加工し作った棒で「シロアリ釣り」を行ない、ボッソウでは藻が豊富な時とまばらな時で道具を変えて「水藻すくい」をする。「「文化」とは、「あるコミュニティーのメンバーが共有する知識や技術や価値の集合であり、それが親の世代から子の世代へと世代を超えて、非遺伝的な経路すなわち生後の学習によって伝えられるもの」、と定義できる。(中略)チンパンジーの各コミュニティーごとに異なる道具使用は、こうした文化の定義にぴったりと重なるものだといえる。」(P305)

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2024年8月にナイスが最も多かったつぶやき

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2024年7月の読書メーター 読んだ本の数:11冊 読んだページ数:3149ページ ナイス数:115ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/21079/summary/monthly/2024/7

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2024年8月の感想・レビュー一覧
9

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同種他個体のやることを見て学ぶ学習を観察学習という。「チンパンジーでも観察学習は難しい。相当に高度な学習なのだ。無脊椎動物での観察学習の報告例はない。それをマダコがやってのけたというのだ。」(N833)その実験でタコは仕向けられたわけではないのに、同種他個体の行動を熱心に見ていた。仲間と一緒に暮らしていない単独性マダコが、観察学習を何に用いるのか不明。しかし周囲をよく観察し生残に有利な情報を得ることは、単独だからこそ重要と「考えれば、マダコの観察学習は首肯できる高度な能力と言えるように思う。」(N852)
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2024/08/30 20:21

タコの腕に骨はないが、「マダコの腕の操作は、あたかも関節があるかのように動くというのがソンブレ氏らの報告だ。マダコが餌を腕で捕まえてそれを口へ運ぶとき、腕は決まった箇所で折れ曲がる。具体的には、腕の根元側(口に近い側)で一箇所、腕の先端近くで一箇所折れ曲がる。つまり、折尺のように腕を決まった箇所で曲げるのである。これは物体をある個所から別の個所に運ぶときに効率的なやり方である。(中略)理論的にはあらゆる動きが可能なタコの腕が、関節という制約のもとに動く人の腕と同じ動きをすることは興味深い。」(N1483)

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日本でネパール人経営のインドカレー店は何故多いのか。ネパールでは海外出稼ぎが一般的で、「送金額が国内総生産(GDP)に占める割合は29.9%で、トンガ、ハイチについで世界3位(世界銀行による、2019年)。」(N177)元々ネパール人がインドで働くハードルが低く、ビザ・パスポートいらず自由に往来でき、就労制限もない。カースト制度の意識が影響してかインド人コックは分業制、そこで何でもこなすネパール人はインドでも重宝されていた。そのためネパール人コックは世界各国のインド料理レストランにいる。
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2024/08/30 20:17

日本にネパール人経営のカレー店が増えた時期は、90年代インドのIT産業が急成長した頃と重なる。インドで経済成長進んで海外で働くにしてもコック以外の選択肢が選べる時代になる。そこでインド料理のコックの需要をネパール人が埋めた。2000年に韓国や米国の基準を参考に、外国人でも500万円以上の投資で会社作れるようになったことも、ネパール人経営のインドカレー店が増えた要因。そうした店のたたずまいやメニューが似通っているのは、客の入っていた修行先や人気店を模倣しているからで、失敗を恐れる「安定志向」によるもの。

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2024/08/30 20:51

噂話「タンドールひとつにつきコック4人分の在留資格が得られる」は嘘。タンドールがあればインド料理店をしっかりやってるというイメージで見られることはあるので、在留資格とる審査が通りやすくなる……かもしれない、という程度のもの。ネパール人のカレー屋増加に付随する問題。海外で働きたい同胞に日本で働ける稼げると甘言を弄して金を払わせて薄給で使う悪徳経営者の問題がある。また、教育問題としては、親が稼ぐことに注力し子供のケアできなかったり、言語の壁で学校や日本になじめずドロップアウトしていくという問題がある。

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ネタバレ不幸な人生を送ってきたマリアム、彼女の暴君的な夫ラシードが少女ライラを虚言を弄して二人目の妻に迎えた。マリアムとライラの仲は最初悪かったが、やがて友にも、母娘にも見える関係になる。ライラやその子供達との関わりで大きな幸せを得る。アフガニスタンのカブールでの苦しい日々の中、死んだと思っていたライラの幼馴染で恋人タリークが現れる。それを知り激昂したラシードにライラが殺されかけ、マリアムは友・家族を守るために手を下す。ライラは一緒に逃げようと言うが、罰を受ける決心したマリアムを翻意させられず子供のように泣いた。
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ハナカマキリがランの花の上に止まって獲物を待つ写真は、撮影者がランの花そっくりなハナカマキリの生息環境がわからないので、ランの花に乗せて撮影していたもの。「実際にハナカマキリが自然下でどう過ごしているかというと、花も何もない緑の葉の上に、ただ無造作にいるらしいことが近年分かってきた。何せ花そのものの姿なので、ただ1匹で緑の葉の上に居るだけで一輪の花になり切れるのである。だから、そこに何もせず止まっていさえすれば、天敵の目は誤魔化せるし、獲物のチョウやハチは勝手に花と勘違いしてむこうから来る。」(N909)
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ネタバレ周囲に敵が増えつつも、好機を逃さずガンガンと領土を拡張していく朽木家。そのように立身出世のチャンスが多い状況だから有為の人材、戦国時代の有名人たちが朽木家に集まってくるのが楽しい。巻末に外伝の短編2つ。1つは主人公との結婚前の小夜の話で、当時の彼女の心情や当時の六角家での朽木の評判などが書かれる。もう1つは、本編で朽木が浅井を喰った後六角に属することになった坂田郡で浅井旧臣の国人衆が、このままでは危ないということで朽木に身を寄せるまでの話。
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1492年スペインのユダヤ教徒追放令やその後の異端審問がもたらした影響についての本。1917年ポーランドの鉱山技師サムエル・シュヴァルツによる北ポルトガル山間の街ベルモンテでの隠れユダヤ教徒発見によって、「北ポルトガル山中のマラーノの末裔とヨーロッパのユダヤ人世界との接触が、四世紀を経て再び開始されるにいたった。」(N191)1391年セビリヤでのユダヤ人迫害以降、集団改宗がはじまる。異端審問時代「豚食は一種の「踏み絵」とされ、(中略)食べないと噂されただけでも怪しまれたのである。」(N672)
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関東公方足利成氏が関東管領上杉憲忠の謀殺で「享徳の乱」がはじまる。成氏は、永享の乱で敗死した関東公方足利持氏の遺児。幕府は将軍足利義教の子を新公方として関東下向させるつもりだったが、嘉吉の乱での将軍暗殺で立ち消え、持氏旧臣層や勢力伸長する上杉に警戒感抱く北関東豪族層が支持する成氏を公方と認めた。成氏は支持層を圧迫する関東管領上杉氏やその被官長尾・太田氏らと利害対立。江の島合戦が起きて成氏方が勝利し、幕府仲介で和睦するも好転しない状況を打破すべく謀殺。関東公方(古河公方)成氏対幕府が支持する上杉という構図。
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2024/08/16 22:31

戦乱の中で扇谷上杉氏の存在感が、重臣太田道灌の活躍もあり高まる。都鄙和睦で28年続いた享徳の乱は終わる。古河公方足利成氏、関東管領山内上杉と元に戻るが、両者の影響力は落ちる。都鄙和睦後に扇谷上杉当主が、強い影響力を持つようになった家臣太田道灌を謀殺。関東管領山内上杉氏は道灌遺児を庇護し、成氏の支持も得て、山内上杉対扇谷上杉の抗争「長享の乱」がはじまる。京都で明応の政変が起きると、甥の今川氏親のもとにいた伊勢盛時(宗瑞)が伊豆侵攻。近年は京都政変と連動した、足利義澄―細川政元派としての行動と考えられている。

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2024/08/16 22:45

18年続いた長享の乱は、扇谷上杉が山内上杉に降伏して終わる。その後古河公方父子が対立。その調停役だった関東管領杉顕定が越後で敗死したことは混乱し、古河公方家の分裂と各氏族内の分裂が結び付く。伊勢(北条に改姓)は勢力拡大する。古河公方の上意を受けた北条氏綱が第一次国府台合戦で小弓公方を滅ぼして関東管領になる。その後今川が武田と同盟結び北条と敵対して、古河公方が両上杉と結ぶ。しかし両上杉+古河公方対北条の河越合戦で北条勝利、山内上杉氏は没落し越後長尾を頼る。そして長尾(上杉)の関東進出で、上杉対北条となる。

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漱石が子規に見せるために書いた漢文紀行『木屑録』。当時の青年はよく手紙を交わしたが「それは、まじめと諧謔とをからめて、せのびをきそいあうゲームのようなものであった。」(P75)漢文は明治期には風流韻事となっていた。日露戦争勝利で文明開化、富国強兵のスローガンは役目を終える。「ここで国家が「五十年まえの塵溜から拾い出してきた赤錆刀」(末弘巌太郎の言)が、孔子孟子、すなわち漢文であった。(中略)元来「まごころ」というほどの意味であった「忠」が、もっぱら天皇への帰服の意にもちいられることとなった。」(P152)
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2024/08/16 22:28

漢文はもともと中国語を習って読むものだった。しかし遣唐使廃止以降、正しい発音を教えられる人がいなくなる。そのため「訓読」で覚えるようになる。「訓読」は原文を覚えるための一種の符牒。「以後、鎌倉室町をへて江戸末期にいたる訓読の歴史は、符牒としての進歩発達の歴史である。よりおぼえやすく、より原文を喚起しやすい「よみ」をもとめてすすんできたわけだ。 その際、だいじなことは、意味は口にだす「よみ」の日本語でかんがえるのではなく、目で見る文字列でかんがえるのだ、ということである。」(P105)

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2024/08/16 22:28

江戸期の漢文訓読は「日本語をつうじて理解できるなどというあまいかんがえは放棄している。これはただの符牒である。」(P111)江戸時代の知識人は漢籍を読むときは、音をともなわず文字言語として読む。音がわからずとも中国語として読む能力は、長年の訓練で身につけたはなれわざ。江戸時代以前は中国語習えなかったから、「訓読という不便な方法にたよったのだ。いまは、中国語の発音をならって、論語でもなんでも、おぼえたければそれでおぼえればよいのである。(中略)訓読はとっくのむかしに無用のものになっている。」(P123)

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11の色彩語をマスターしたチンパンジーのアイは、215枚の色票にヒトと同程度の安定した命名ができた。色彩基本語は言語によってひどく違うことはないし、アイの色の認識もその範疇にある。「したがって、バーリンとケイが考えたような、色の見え方にかんする、あるいは色の表現形式にかんする普遍性というものは、チンパンジーとヒトのあいだでは共有されている。」(P252)また、11種の色を表す漢字を読み取れるアイに、色がついた漢字を出すとヒトと同様に反応が遅れる。つまり、ストループ効果(意味情報と色情報の桔抗現象)がある。
deku_dec
2024/08/10 07:23

チンパンジーは集団によって使う道具が異なる。ゴンベでは草の茎などを加工し作った棒で「シロアリ釣り」を行ない、ボッソウでは藻が豊富な時とまばらな時で道具を変えて「水藻すくい」をする。「「文化」とは、「あるコミュニティーのメンバーが共有する知識や技術や価値の集合であり、それが親の世代から子の世代へと世代を超えて、非遺伝的な経路すなわち生後の学習によって伝えられるもの」、と定義できる。(中略)チンパンジーの各コミュニティーごとに異なる道具使用は、こうした文化の定義にぴったりと重なるものだといえる。」(P305)

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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2009/05/12(5710日経過)
記録初日
2008/11/01(5902日経過)
読んだ本
3110冊(1日平均0.53冊)
読んだページ
987743ページ(1日平均167ページ)
感想・レビュー
2223件(投稿率71.5%)
本棚
44棚
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