2024年3月の読書メーター 読んだ本の数:8冊 読んだページ数:2194ページ ナイス数:131ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/21079/summary/monthly/2024/3
全体的給付が想定する三つの義務。「受け取った贈り物にお返しする義務」、「贈り物を与える義務」、「贈り物を受け取る義務」。「受け取られ、交換される贈り物が人を義務付けるのは、貰ったものは生命のない物ではないということに由来する。(中略)ある人から何かを受け取ることは、その人の霊的な本質、魂を受取ることになるからである。そのような物を保持することは危険であり、死をもたらすかもしれない。(中略)受け取った者に呪術的、宗教的な力を与えるからである。」(N350)
「与えることを拒み、招待することを怠ることは、受け取ることを拒むのと同じように、戦いを宣言するのに等しい。それは結びつきと交わりを拒むことである。」(N386) 「信用販売は高度な文明の特色」という当時の言説があるが、「贈与は必然的に信用の観念をもたらす。発展が経済上の法を、物々交換から販売へ、現金販売から信用販売へと移したのではない。一定期間を与え、返却される体系の上に、一方で物々交換が生まれた。これは以前には別々になっていた二つの時期を隣接させ、単純化する過程で作られたものである。」(N1194)
江戸時代以前は「野犬が横行し、(中略)人間の死肉を食べたりしています。だいたい昔の犬は放し飼いでした。(中略)総じて江戸時代以後の落ち着いた環境で飼われる犬よりも、野性味をおびていたことだけは確かです。そうした時の犬の声は闘争的で濁ってドスの聞いた吠え声であったと想像されます。「わん」と写すより「びよ」「びょう」と濁音で移すのがより適切と思われるような声であったのではないでしょうか。「びよ」「びょう」から「わん」への言葉の推移は、犬自体の吠え声の変化を映し出していると、私は推測しています。」(N1398)
優れた航海術を持つ農耕民ラピタ人は紀元前800年までにトンガとサモアに到達。その海域に1800年間ほど留まった後、1000年頃から1300年の間に太平洋東部のほぼ全ての他の島々を比較的短期間に発見し、入植した。「こうした外洋の旅は、ホモ・サピエンスによる最後の勢力拡大だった。(中略)卓越する東風に向かって進むカヌーはいずれも、貿易風が止む時期を利用していた。この大昔から変わらない戦略のおかげで、かならず安全に故郷へ戻れると知りながら、水平線の彼方の新しい土地を探すことができた」(N1274)
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優れた航海術を持つ農耕民ラピタ人は紀元前800年までにトンガとサモアに到達。その海域に1800年間ほど留まった後、1000年頃から1300年の間に太平洋東部のほぼ全ての他の島々を比較的短期間に発見し、入植した。「こうした外洋の旅は、ホモ・サピエンスによる最後の勢力拡大だった。(中略)卓越する東風に向かって進むカヌーはいずれも、貿易風が止む時期を利用していた。この大昔から変わらない戦略のおかげで、かならず安全に故郷へ戻れると知りながら、水平線の彼方の新しい土地を探すことができた」(N1274)