私の観測範囲では物理学者の肩を持つ意見を多く見掛けたが、哲学者側の説明努力の方にありがたさを感じる。世界を説明する目標に向かって上手くいっている科学 vs なんで科学が上手くいっているのかを説明したい科学哲学、だと思うんだけど、哲学者が目標を明かさない(もしくはそこまで矮小化したくない)ので各論で噛み付かれる構図が繰り返されるのが本書。噛み付かれても噛み付かれても各論における誤解を正していくことで科学哲学の概観を与えることにある程度成功している、と読んだが、「ある程度」の捉え方次第で別の意見になるのも解る