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6月の読書メーターまとめ

曲月斎
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  • 舞人(maito)
  • K.Hajime
  • いのうえ

6月のトップ感想・レビュー!

曲月斎
技術論以外の部分に違和感が残った。彼は父土井勝、母信子の間に育ち、2人ながらに日本の家庭料理を体現してきたような人物。結論として一汁一菜を提唱するのだけど、本意なの?  トマトの味噌汁はあり得るけど、珍しきが花、日常にすることには違和感がある。大上段の論にはどうも……。彼が書きたかったことは辰巳浜子の「料理歳時記」に記しているような世界ではなかったか。そんな世界にも遊ぶことも許されず、破調もできない自家撞着。そんなもどかしさが残る。だってジャガイモとタマネギとベーコンの味噌汁くらい当たり前だもの。
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6月の感想・レビュー一覧
14

曲月斎
日本刀は実戦の場で、武器として機能があったかの考察。基本的には弓矢、石礫、そして鉄砲が主力で、刀は接近戦どころか、首を取るための道具だった、というのが筆者の論旨。考えれば一応、兜に鎧を着用している相手にいかな切れ味のいい刀を振るっても運動を阻害するようなダメージを与えられる筈もなく、隙間とか首とかを切るのが精いっぱいの道具が接近戦でも有用なはずはない。筆者の立論では昭和になっての軍刀の修理データが大きな部分を占めているのだけど、その統計数値をきちんと翻刻する箇所が欲しかった。ないと余話になってしまうから。
曲月斎
2017/06/30 11:19

日本刀の意味は、近代的な軍制で将校が携行したピストルに近いのかもしれない。接近戦で使うというより、自決用だったという意味と同様に、用途としてもっと限定的に考えるべきなのだろう。それと戦前の旧軍の中では、所謂、指揮刀としての効用。日本刀への信仰が鎧兜なしに刃を交えることが当たり前になった江戸時代中期以降に形成されたもの、謂わば水戸学にも似た思想動向であったのかもしれない。本書は意余って言葉足らず、という感じ。

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曲月斎
金融力という概念は計数化しにくい。でも筆者は歴史の中で説き明かす。信認の源としての銀、金の位置づけから始まって、英ポンドが基軸通貨になり、WWIを契機に米ドルに地位が移り、今の国際金融に遷移する。実は各々の国で、国民性が反映しているのも興味深い。ハイパーインフレを経験した独、20世紀初頭に格付け会社が登場し、なお一国主義の強い米、日銀を筆頭に官製の管理が今も強い日本……。市場流動性の重要さの一方、アジア通貨危機の際、グローバリゼーションを遮断したマレーシアの政策はなお示唆に富む。歴史の基調低音を知る好著。
曲月斎
2017/06/29 09:22

中公新書「キメラ」の改版と同様かもしれません。

Eiichi Hara
2017/06/29 18:56

う~ん、面白そう

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曲月斎
技術論以外の部分に違和感が残った。彼は父土井勝、母信子の間に育ち、2人ながらに日本の家庭料理を体現してきたような人物。結論として一汁一菜を提唱するのだけど、本意なの?  トマトの味噌汁はあり得るけど、珍しきが花、日常にすることには違和感がある。大上段の論にはどうも……。彼が書きたかったことは辰巳浜子の「料理歳時記」に記しているような世界ではなかったか。そんな世界にも遊ぶことも許されず、破調もできない自家撞着。そんなもどかしさが残る。だってジャガイモとタマネギとベーコンの味噌汁くらい当たり前だもの。
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曲月斎
滅亡したオスマン帝国の後を受け、トルコ共和国を成立させたムスタファ・ケマル。祭政一致の政体から変貌させた指導力に改めて感慨深いものがある。西欧では教会からの独立を果たすための「政教分離」が、この国では近代化の第1歩となる。コーランとハディーズに規格された生活から法律を定め、西欧の近代文明と対抗する。同じ「政教分離」とはいえ、決意と覚悟がある。もちろん、振り子は振れるし、現下イスラム色の強い政権が首班を握っているが、世俗派との長い闘争の上でのこと。周辺国と比較すれば分かるが、短絡的な理解では収まらぬ。深い。
曲月斎
2017/06/19 04:15

読みながら、さて我が国はどうであったか。一握りの先覚者はいて、まして宗教の戒律が緩い中、本当に政教分離を考えてきたのだろうか、と考え込む。ご都合的に時の政権が振りかざすものを見るにつけて。彼我の差は誇りと覚悟の違いになるのだろうか。

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曲月斎
後北条氏を中心に関東の支配の正統性を争う戦いであったことが説かれるのが前段。後段は戦国大名と国衆の関係を明かし、ドミノさながらに合従連衡を繰り返したことを説く。後北条5代の間に隣国甲斐、駿河、越後との紛争が続く。通り一遍の理屈では通らない自力救済の時代であったのは分かる。一方、筆者が「戦国遺文」の編纂過程で組み立てた考えを精一杯盛り込もうとした意図は分かるものの、忙しない。特に地理的な関係が重要なはずながら、地図がほとんどない。年表もない。文庫版で231頁。新書からの文庫化なら図版など挿入すべきだった。
曲月斎
2017/06/19 04:21

ま、この本に出てくる国衆の概念が昨年の「真田丸」に生かされている訳で、そういう意味では先駆的な1冊なのでしょうね。

曲月斎
2017/06/19 16:07

そう、もう一つ。放送大学のイスラム政治専門の高橋和夫教授。彼の講義が分かりやすいのは、必ず「ここで年表で押さえておきましょう」「地図を確認しましょう」と繰り返すこと。そういう視点は本にも欲しいなぁ。

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曲月斎
音声でも画像でも記録され得なかった声と顔の効用を解明する、というのが本書の趣旨。戦物語であったり、訴訟文書であったりの姿から、復元しようというのだが、個人的にはちょっと像が結び切れなかった感が残る。たとえば、藝能の中に残るもの。能の詞章には「名乗」という小段があり、戦場で名乗るように抑揚、強弱をつけて発声する藝が残っている。そんな実像から復元した方が、筆者の目指した世界になるのではなかろうか。同じ趣向で「乱舞の中世」(沖本幸子)が示した有り様の方が読者としては得心のいくものになったのではないか、と思う。
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曲月斎
成田に住むようになって気がつくのは本屋で航空関係の書籍が多いこと。ま、この本など入門編だから成田に限った話ではないが……。で、一種の業として空港にいる以上、知っておいて損はないという内容の1冊。多くは既知の内容が多いとはいえ、Q&Aで進む内容は簡潔で、筆者の取材経験の中で得た言葉も挿入されているので読みやすい。となると、続編を読まなくてはいけないことになる。ともあれ、この業界、ともかく横文字が多い。何か簡潔に検索できる本はないですかね。部立てになっていて、読み物として成立しているような本がいいのですが。
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曲月斎
読み終えて考え込む、今の状況を。何が争点なのか、明確にならぬままに、選挙が行われる。有権者の意思は多分に消去法的な表明なっている気がする。結果として生まれた絶対多数。授権法を正統に議会で可決したかのヒトラーと同様のことが起きているのではないか、と。小泉純一郎、橋下徹、トランプ……筆者の挙げるポピュリズムの例は不満の塊を例示して二項対立の構図を描くことで成立した。でも今の政権は何なのだろう。大衆迎合主義ともいえぬもので、動いているではないか。結局、根本的に民主主義が借り物の枠組み、という問題に戻るのか……。
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曲月斎
元ネタはNHKの「さかのぼり日本史」。15年戦争の帰還不能点であるサイパン陥落から説き起こし、日米開戦、日中戦争、満州事変とたどっていく。筆者の旧著の簡約版風。万事、日露戦争の成功体験? の対価というべきか。遡っていくという構成はTV番組とは成立しうると思うものの、前後の脈絡があっての結果。時系列で追っていった方が明快かも。ただ、日中戦争前後から醸成された日本の国民感情が今も影を落としている部分があるのかもしれない、という指摘は鋭い。ただ、残念だったのは本書では経済的な側面にまで触れ切れていないことかな。
曲月斎
2017/06/11 23:26

元本はNHK出版の「NHKさかのぼり日本史② 昭和 とめられなかった戦争」の文庫化です。

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曲月斎
日本の権力構造を決める一戦であった承久の乱。権謀術数の上に神器もなしに即位した後鳥羽院が統治者としての本能を発現した戦いであったか。逆に戦いを通じて東国の政権が独自の権威を確立する契機となる。大きな歴史の流れに沿えば、至極当然の帰結だったこの合戦。本書は敗者の側に力点を置いて筆を進める。各登場人物の系図を挙げ、人脈を探り、動機を探る。右へ振ろうとしたことが逆に左に振り切る皮肉。この流れは結局、南北朝でも室町殿でも徳川殿でも変わらない構図となる。後世に続く武家政権を確立した真の立役者・後鳥羽とも読める1冊。
曲月斎
2017/06/11 02:17

この本を読んで、権門体制論を念頭に置くべきか、東国政権論を立てるべきか。迷ったけど、力、というか、自力救済が求められる世にあっては、武の力が公(というか京)の力をその傘下に置く構造はしからしむるところなのかもしれない。

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曲月斎
肩肘張らずに読むと楽しい。漢字に魅せられて、享受の歴史を辿れば、という随筆だからだ。中国に発し、日本に渡ってきた文字体系がどう受け止められてきたのか。地名に残る国字、或いは作字の山。JIS水準漢字のコードを決める作業に携わった筆者には感慨深いものがあろう。また、5代目團十郎が名乗った「鰕蔵」のエビの字。海老でも蝦でも蛯でもない。江戸期の爛熟した文化が背景にある。そして科挙の制を通じて筆記の際に変転する字形、書体で甲乙を付ける愚かしさ。研究というのはこういう風に目線を上げたら楽しい、と説いている1冊。
曲月斎
2017/06/09 23:16

本書を次に読む人へ。「おわりに」を先に読むことをお勧めします。漫筆のような展開の中、全体像がなかなかにつかみにくい1冊だから。読むのに時間がかかりました。

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曲月斎
初版は1950年。世上では真相を記す貴重な書であったのだろうけど、今、読み返してみると、果たしてどうだろうか。例えば文中に、奉天総領事時代の吉田茂について「現総理」という記述が出てくる。当時はあからさまなことを書けないほどに生存者はいただろうし、筆者が先を急ぐあまり、書いていることが散漫になっている気がする。頭の中でかなりの事項を補いつつ読むしかない1冊で、当事者の記録としての価値は見いだし得るものの、今となっては隔靴掻痒、馬耳東風の感が強い。彼も東大法科を出た一流官僚。視点は一角からしか、でない。
曲月斎
2017/06/05 01:47

将来、この時代のことを研究する研究者の引用元、としては価値があるとは思います。

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曲月斎
読み終えて感じること。「歴史は2度繰り返す。一度目は悲劇として、二度目は喜劇として」という言葉だ。この国は2度目どころか、この警句を何回も繰り返してきた訳で、今の習近平もまた軛から逃れることはない。「士庶の別」と「華夷の別」。本書を通じて、この2つの概念を乗り越えることはかなり難しいのを実感した。と同時に時代はこの国に別の役割を求め始めている現実。一強だったはずの米国が漂流を始めた中、党の下に国家があるという体制がどこまで維持できるのか。事実を積み上げた書きぶりならではの説得感が残る。大丈夫なのか、と。
skunk_c
2017/06/03 17:29

今ちょうど読んでいます。著者名を見て最初『イギリスはおいしい』の人かと思って焦りましたが(笑)。目線がしっかりした本だとの印象です。

曲月斎
2017/06/04 00:32

まったく同じ反応。書名とパラパラ中身をみて買ったのですが、買って帰ってから筆者名にギョッとしました。別人でよかったです。

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曲月斎
「一所懸命」という言葉に引き摺られる訳でもないが、武士=土着、という印象が強い。実は京の兵家貴族が地方へ下り、地元の豪族と結びついて勢力を広げていった様を読み解く。全国を股にかけての展開だ。本書の話題の舞台の中心は九州。京から、関東から下った武士が頭角を現していく様を書く。立論に蓋然性は高いとは思うものの、推定形の結論が一寸目立つのが気になった。伊勢を基盤にした平氏、東国を基盤にのし上がった源氏と、一朝一夕に表舞台に躍り出た訳ではないのが分かる。物資も自給自足ではなく、薩摩~京~陸奥と結んだ。興味深い。
曲月斎
2017/06/01 21:35

もう一つ。筆者は京七条町の存在を挙げているが、何もここだけではあるまい。寺院の門前、例えば興福寺や東大寺など奈良にもあったろうし。この分野でも階級史観からの解放、ということになるのかな。

曲月斎
2017/06/02 03:24

この本の分野、その後を見れば、元寇の時、南北朝(というか太平記の時代)に、移動が起きている訳で、本書に取り上げていることの多くは歴史の彼方に葬り去られ、のちの幕藩体制に収斂していく訳で、秩序が成立すると窮屈になる、というような気分にもなりますな。

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読書データ

プロフィール

登録日
2009/06/25(2954日経過)
記録初日
2005/01/01(4590日経過)
読んだ本
1435冊(1日平均0.31冊)
読んだページ
387626ページ(1日平均84ページ)
感想・レビュー
1362件(投稿率94.9%)
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