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1月の読書メーターまとめ

曲月斎
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1月に読んだ本
9

1月のお気に入り登録
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  • Masatoshi  Oyu
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  • ホークス
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1月のトップ感想・レビュー!

曲月斎
戦争回顧では指導者層に目が向きがちだが、最前線にこそ実相がある。筆者が掘り起した細部には狂気が見える。例えば旧陸軍には歯科医師が職制としていなかったこと。中国大陸で伸びた戦線では虫歯を患う兵士が続出し、歯が欠損するのは当たり前。軍靴の材料の革が粗悪になり、縫製する糸が亜麻からスフの混紡になり、糸が腐って壊れた。軍靴ゆえの水虫や、南方でのマラリア、性病は勿論、集団生活を営んでいる中で結核を発症しても打つ手なく、戦争の極限状態が原因の精神疾患を惹起。或は員数合わせに知的障害者まで招集。傷病兵、俘虜の殺害……。
曲月斎
2018/01/12 17:43

極言すれば、人力、馬匹に頼った日本軍と、機械化して物量の豊富さを背景にした相手軍の差。モッコとローラーでつくる滑走路とブルドーザーでつくる滑走路の差。スピードに差が出るのは当たり前だ。小機関銃が導入されなかったり、部隊間を結ぶ無線が満足に実用化できなかったり。考えられない彼我の差。日本軍が実相を学ぶ機会がなかったのかといえば、少なくともWWⅠの戦訓とシベリア出兵の失敗と、機会があったはずなのに。

曲月斎
2018/01/12 17:55

こういう地道な研究には、聯隊史など、靖国偕行文庫などの公開などがあるという。

が「ナイス!」と言っています。

1月のトップつぶやき!

曲月斎

1位は「トラクターの世界史」でした。 https://bookmeter.com/users/25109/bookcases/11215093?sort=book_count&order=desc

が「ナイス!」と言っています。

1月の感想・レビュー一覧
9

曲月斎
東アジアには漢字文化圏があり、母語の言語体系とは異なる漢字を書き文字として使用するに当たって、折り合いを付けなくてはいけない。便法として登場したのが「訓読み」である訳で、日本語のみならず、朝鮮語、ベトナム語などのほか、北方、西方の領域にも広がった。本書は日本語での訓読みを相対的に位置づけると共に、事例を探っていく。後者の比重が高いか。漢字文化圏もハングルやクオック・グーの登場で漢字が退場した国あり、日本のように文字制限を加えながら遣うのもあり。高島俊男の随筆を連想した。本書は一生懸命だけど、少し散漫かな。
へくとぱすかる
2018/01/30 22:03

日本語の融通無碍な性質って、誇っていいのかもしれませんね。正書法がひとつに決まっていないことを逆用して、書き言葉の表現を豊かなものにしていますし。

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曲月斎
西は欧州アフリカ、東は中国まで、伝播した宗教「マニ教」。書物と絵画で信仰が広まったのに、その2つながらに完全な形で現存しない。そんな宗教の姿を復元して入門書を書き上げた筆者の手腕に敬服。西域の砂塵に埋もれた断簡から、或いはイスラムの書、キリスト教の書と、繋ぎ合わせて全体像を描いていく筆運びはクロスワードを解いていくような愉悦がある。宗教自体の理解はキリスト教徒、イスラム教徒ならぬ身には理解し切れていないのは事実だけど。どんな宗教だったかという興味より、話の展開に惹かれた1冊。語学と宗教学への造詣に脱帽。
曲月斎
2018/01/23 02:44

余談ながら、教祖マーニーの姿はどこか弘法大師空海を連想した。後進を寄せ付けず、独力で新宗教、しかも多くの民族に受容されるまでに育て上げた手腕に。

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曲月斎
何か肝腎のところで、体を交わされることの連続のような読後感。勿論、本書は肯定的にとらえる訳でもなく、全体像を書こうとする。だがその試みのゆえに余計にピントが甘くなった感じ。筆者は毎日新聞学芸部記者。破綻はないのだけど平板。特攻に関し、事は単純な訳で、操縦をできる技術を持つ人間を養成するには時間と金と資源が必要な訳で、できないとなれば手を出すべきものではないということ。技術がなく、粗悪な機体だから、特攻が選択肢になるというのは本末転倒。戦争に関してもまた同じ。研究者の筆とは異質で、雑観記事の連続のような味。
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曲月斎
徒歩か馬車だけだった時代に、鉄道の出現はどれほど大きな変化だったか想像が付かない。年に1度の正月に恵方詣に出掛ける程度だった都市住民は鉄道で遠出するようになる。川崎大師に成田山、関西圏なら伊勢神宮。今に変わらぬ年始の光景が出現する。しかも新聞広告の力もあって運行が2社競合になると人気が集まる不思議。一連の動きは寺社、参詣客、鉄道会社と三方良しの社会の進化だったように思える。そして生活から旧暦が消失する後付けを示した西宮戎の記録も興味津々。心地良い読後感とともに、文化の発展とは、という問いにもなっている。
曲月斎
2018/01/16 23:50

大正期に出現した明治神宮を別にして、今に変わらぬ顔ぶれの寺社。伝統と思っていることが実はこの時期に形成された一証左でもある。

曲月斎
2018/01/17 00:01

日本ではグレゴリウス暦への改暦は1872年だけど、官暦から旧暦の併記が追放されたのは1910年。ここで一般の人々への生活で、大きな変化が起きている、という指摘は興味深かった。

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曲月斎
戦争回顧では指導者層に目が向きがちだが、最前線にこそ実相がある。筆者が掘り起した細部には狂気が見える。例えば旧陸軍には歯科医師が職制としていなかったこと。中国大陸で伸びた戦線では虫歯を患う兵士が続出し、歯が欠損するのは当たり前。軍靴の材料の革が粗悪になり、縫製する糸が亜麻からスフの混紡になり、糸が腐って壊れた。軍靴ゆえの水虫や、南方でのマラリア、性病は勿論、集団生活を営んでいる中で結核を発症しても打つ手なく、戦争の極限状態が原因の精神疾患を惹起。或は員数合わせに知的障害者まで招集。傷病兵、俘虜の殺害……。
曲月斎
2018/01/12 17:43

極言すれば、人力、馬匹に頼った日本軍と、機械化して物量の豊富さを背景にした相手軍の差。モッコとローラーでつくる滑走路とブルドーザーでつくる滑走路の差。スピードに差が出るのは当たり前だ。小機関銃が導入されなかったり、部隊間を結ぶ無線が満足に実用化できなかったり。考えられない彼我の差。日本軍が実相を学ぶ機会がなかったのかといえば、少なくともWWⅠの戦訓とシベリア出兵の失敗と、機会があったはずなのに。

曲月斎
2018/01/12 17:55

こういう地道な研究には、聯隊史など、靖国偕行文庫などの公開などがあるという。

が「ナイス!」と言っています。
曲月斎
小林正樹、黒澤明、山本薩夫、岡本喜八、五社英雄……。邦画史を振り返る時、この人が欠かせないのは言うまでもない。五社協定など制約が多い時代だったから尚更だ。同時に、小沢栄太郎、滝沢修などアクの強い相手、三船敏郎、市川雷蔵等、渡り合った顔ぶれも錚々たるもの。中でも「天国と地獄」の山崎努、「影武者」の勝新太郎など、銀幕の向こう側からの見方も面白い。ただ、仲代自身が一方の軸足としてきた舞台が言及が少ないのが残念。せめて年譜に載せて欲しかった。「味のある役者がいた」「タレントと俳優の別が曖昧」などの苦言が効く。
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曲月斎
日本言語学会長の著作。謎解きが楽しい。音節とモーラ(拍)という単位で単語を読み解くところにこの本の新鮮さがある。俳句の五七五もモーラの概念なら休符の分も含めて888になるという説を紹介。高低、強弱のアクセントも語頭から何音目か、或いは語尾からかなど、母語の話者は意識せずに発音していることも分析する。規則性がないようでも、実は法則性があるというのが面白い。世代間、地域性など、語彙(略語)や発音の変化を理屈付けられるのがまた興味津々。「日本言語地図」など先行研究を別の概念で生かし、解析していく手際が心地よい。
曲月斎
2018/01/09 18:50

本書にも取り上げられている「日本言語地図」のページ。こういうものがWebで閲覧できるのも今の時代のありがたさ。https://www.ninjal.ac.jp/publication/catalogue/laj_map/

曲月斎
2018/01/09 20:00

世代間の語彙差。隣に立っている人が「パンツ、はいてくればよかった」と話していて、どうイメージするか、みたいな話です。

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曲月斎
教科書的に言うと、1941年の太平洋戦争開戦で、戦場の中心は一気に南方に広がる。でも大陸でも延々と続いていた訳で、寧ろ物資の供給源の役割は増大。対国民党戦に加え、共産党の解放区を掃討する粛正戦を展開。無差別爆撃や、毒ガス、細菌兵器の使用、無為の大陸打通作戦。読んで情けなくなります。満州事変以来の流れを止める好機に「陸軍は暴力犯、海軍は知能犯。陸海軍あって国あるを忘れていた」振る舞いで開戦を避けえず、国益より組織的利益を優先した代価は大。日米開戦で敗者となる道しか残らぬ選択だったのに、気付かぬ不思議……。
曲月斎
2018/01/06 16:23

もう一つ。戦前の国会で、政友会と民政党が党利党略で、軍と結んだり、外部の力に頼ったことで、自ら憲政の常道を破壊していったことも忘れてはいけません。15年戦争といっても、或日突然に始まるのではなく、その助走が延々と続いた末のことですから。

曲月斎
2018/01/08 22:21

出てくる人物が皆、時によって錯誤をしているんですね。阿南惟幾も、井上成美も、山口多聞も、米内光政も。勿論、辻政信や服部卓四郎、松井石根のように、最初から不適格な方もいますが。錯誤の原因は何か、といえば、重ねて書きますが、組織的利益を優先した強いセクショナリズム集団の対立と見栄、意地の張り合いの果てに対米戦争に突入していく、その顚末は決して反省が十全とは思えないのが怖い。

が「ナイス!」と言っています。
曲月斎
日本での浄土教の成立から、一遍の出現に至るまでが前段、後段はその言行録、伝承から教義を探っていく。極楽往生を願う民衆の願いを極限まで切り詰めて行けば一遍に至る。法然、親鸞に比して影が薄いのは否めない一遍に焦点を当てた好著。ただ一遍の没後、直ちに教団化が進んだ。戦国時代に陣僧の職務を果たし、庶民に近い宗教者だったと思うが、江戸期に徳川殿に全国遊行の許しを得る教団になり、権力の統制の下に入るのが現実。浄土系でも巧く立ち回った宗旨との差が出てしまった。一遍の個性、人柄が屹立した存在だったことの証左でもあるが。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2009/06/25(3162日経過)
記録初日
2005/01/01(4798日経過)
読んだ本
1491冊(1日平均0.31冊)
読んだページ
402567ページ(1日平均83ページ)
感想・レビュー
1418件(投稿率95.1%)
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