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2024年3月の読書メーターまとめ

曲月斎
読んだ本
7
読んだページ
1405ページ
感想・レビュー
7
ナイス
295ナイス

2024年3月に読んだ本
7

2024年3月にナイスが最も多かった感想・レビュー

曲月斎
いささか六菖十菊の感があるのは否めない時期の読了。でも面白い1冊だった。所謂、レシピ本というより、ルポに近い。現地に行って、話を聞いて、食べて……。時にもち米作りや鮎野焼き干し作り、材料のもち米、味噌、醬油の説明まで。見ように拠っては、高野秀行のノンフィクションにも通底する行動力に敬服。年取りのための準備はどこかで原始の記憶につながっているのだろう。勿論、今は若水汲みなんていう習俗は一部を除いて忘れ去られているけど。忘れると同時に、宮城の沙魚の焼き干しや鹿児島の熊海老の焼き干しなど、風前の灯火もあるんだ。
yyrn
2024/03/09 09:44

宮城県に暮らしているので、郷土料理と言われる「ハゼの焼干しを使ったお雑煮」に妻が何度か挑戦しましたが、家族の誰もが美味しいとは言いませんでした。家庭の台所料理では魚の臭みを取るのが難しいようで、これでは伝承が難しい。

曲月斎
2024/03/09 12:24

確かに、そういう側面もあると思います。

が「ナイス!」と言っています。

2024年3月の感想・レビュー一覧
7

曲月斎
1項目2ページ。上半分はイラストが占め、下段に短行の文章、末尾に先行研究の紹介、という体裁。民俗学とは、という解説書でもある。軽い内容ながら、その淵源をたどっていくのはなかなかに楽しく、含蓄がある。何げなく今も続いている慣習、習俗の祖型を提示するのが本書のスタイル。何より楽しいのが末尾の文献紹介。1970年代ころからで、少し古い本が多いのが気になるけど、手を伸ばしてみようかという本が多かった。初学の入門から、次の階梯へ。こういうきっかけでもいい。気にしてみようという人が出てくることに期待をしたい。
が「ナイス!」と言っています。
曲月斎
「余白」だからこそ、読み解くと楽しい。元々、専門誌の連載。ナポレオンの露遠征、そしてナチスの東部戦線での動きはどこか相似形だったのがよく描かれているし、ロンメルと英軍の北アフリカでの戦車戦も相似形。どちらも戦機に目を奪われ、兵站を忘れたことが敗戦につながった。この筆者は資料の読み込みが精緻で、いつもながら感心することばかり。最終章は近現代史の研究者としての謙虚さと証言、書証があるから、という理由だけでは事実かどうかの判断はできないという、「当たり前」のことを挙げて、慎重さの重みを説く。この章はぜひ味読を。
が「ナイス!」と言っています。
曲月斎
アイデアはよかったけど、という感じの1冊。今の姿を地図や航空写真で見せ、往時を偲ばせるという趣向の1冊。江戸名所図会など、江戸期のこのたぐいの本は今でも再現が難しいのではないかと思うような詳細な俯瞰図が売り物。冒頭の方に出てくる上野寛永寺や芝増上寺などは、往時の殷賑を連想させるが今との違いが少しは伝わってくる。ただ、そこからもう1歩先のことが読みたかった気も。増上寺なら戦後、プリンスホテル系に土地が売り払われたことなど、今の姿と往時の姿の差には、なにがしかの判断もあったのだから。ま、入門書という位置付け。
が「ナイス!」と言っています。
曲月斎
日本軍と国府軍、八路軍という三つ巴の戦い。なぜこの戦いが続いたのか、読後も理解に苦しむ。日米開戦前の華北での八路軍掃討(治安維持を名目に続いた三光作戦の頃だ)。開戦後は本土空襲を受けて始まった華中での戦い、兵力を転出させながら続く華北での戦闘で敗れ、山東でも敗退。山西の閻錫山との腐れ縁で終戦後も司令官が兵を現地除隊させ、戦いに従軍させ、司令官らは復員、兵の犠牲を出す。冷静に考えれば、戦線維持は困難だし、ドカ負けの一路を歩む。本書は筆者が戦記や双方の記録を基に綴っていく。今や記憶から消えた分野の1冊。暗澹。
が「ナイス!」と言っています。
曲月斎
いささか六菖十菊の感があるのは否めない時期の読了。でも面白い1冊だった。所謂、レシピ本というより、ルポに近い。現地に行って、話を聞いて、食べて……。時にもち米作りや鮎野焼き干し作り、材料のもち米、味噌、醬油の説明まで。見ように拠っては、高野秀行のノンフィクションにも通底する行動力に敬服。年取りのための準備はどこかで原始の記憶につながっているのだろう。勿論、今は若水汲みなんていう習俗は一部を除いて忘れ去られているけど。忘れると同時に、宮城の沙魚の焼き干しや鹿児島の熊海老の焼き干しなど、風前の灯火もあるんだ。
yyrn
2024/03/09 09:44

宮城県に暮らしているので、郷土料理と言われる「ハゼの焼干しを使ったお雑煮」に妻が何度か挑戦しましたが、家族の誰もが美味しいとは言いませんでした。家庭の台所料理では魚の臭みを取るのが難しいようで、これでは伝承が難しい。

曲月斎
2024/03/09 12:24

確かに、そういう側面もあると思います。

が「ナイス!」と言っています。
曲月斎
鎌倉公方の目付役が関東管領。関東管領は将軍との主従関係であり、鎌倉公方との主従ではない。籤引きの6代将軍義教の出現で、鎌倉公方の持氏が庶家ながら正当性を訴える辺りから話が混沌、その尻ぬぐいをしたのが上杉憲実。元々は越後上杉家の出で、幼少から禅門に親しみ、死ぬまで毛詩正義を手元に置いていたという。学問への近さと職務の実務と。もう少し、アタマのいい相手との仕事だったら、この人の人生も変わっただろうし、そんな思いが足利学校に伝わる宋刊本の花押入りの頭注に現れている。足利学校をアジールにしたかったんだろうな。
が「ナイス!」と言っています。
曲月斎
エアラインの元グラハン出身の筆者。語り口が平明で柔らかい。「断捨離」など熟語を振りかざされるとアレルギーが起きるのだが。曰く「片付けの要諦は出す→わける→選ぶ→収める」。「好きなもの」or「生活に必要なもの」の二点で取捨選択。不要となってもいきなり捨てない――等々、結構な内容。実は転宅を迫られる事情があり、今さらながらこの本に手を伸ばした。対象の中高生なら荷物が少ないけど、還暦過ぎの身は荷物だらけ。一番処分できないものは収納用品だという。確かに納めてしまうと一件落着の気分。ただ自分には時間がなさ過ぎる。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2009/06/25(5421日経過)
記録初日
2005/01/01(7057日経過)
読んだ本
2090冊(1日平均0.30冊)
読んだページ
565238ページ(1日平均80ページ)
感想・レビュー
2019件(投稿率96.6%)
本棚
32棚
性別
職業
専門職
現住所
千葉県
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