内容は素晴らしいが、長かった・・・。注釈が多すぎて読みづらい。でもこれは読んで良かったと思う本。常識と思っていた人間が現代社会を作るに至ったストーリー。「サピエンス全史」等の著作でも語られる単純化されたストーリーは実はもっと多様性に満ち、色々な場所で色々な社会が生まれては消えていた。昔も今も変わらず、「人間は当初よりただひたすら人間だった」ので、これからの未来も色々な可能性があると思わせてくれる本。

「短くても愉快に生きる」がモットーのバッカニアたち。生と死のギリギリのところでの冒険はかなりハード。略奪される側はたまったもんじゃないだろうけど、お宝を探し求めて貪欲に旅する姿は真剣そのもの。でもそのお宝も賭博でスってしまうところが馬鹿ばっかりだったんだろうなと思う。命をかけて、酒と博打と略奪。面白い生き方だと思う。

さすが奥田英朗。面白かった。「罪の轍」や「沈黙の町で」と同じで、シリアスで重厚な作品。イン・ザ・プールとか笑える作品を書いてた作家とは思えないぐらい。カナコ編からはページめくるのが怖くなるぐらい追い詰められて行く感じは本当にすごい。どの作品も本当に面白いが、本作は特に面白かった。

最初はどういう話なのかちょっと解りづらいが、途中から陰謀が少しずつ見えて来てからは面白くなる。どういう結末になるのか、下巻が楽しみ。

翻訳が最近のせいか50年以上前の作品とは思えない。ストーナーは読んだが、翻訳が新しかったから、著者が現代作家だと勘違いしていた。それぐらい古びない物語を書くという印象。アウグストゥスの生涯を書簡形式で綴られる。様々な人物から語られる事によって、それぞれのエピソードがとても瑞々しく感じられる。他の作品を読んでも同じように感じるが、ローマ帝国の最初の皇帝はとても謙虚で内省的な人間のように思った。最終的に人となりが伝わるとても優れた作品だと思う。

内容は素晴らしいが、長かった・・・。注釈が多すぎて読みづらい。でもこれは読んで良かったと思う本。常識と思っていた人間が現代社会を作るに至ったストーリー。「サピエンス全史」等の著作でも語られる単純化されたストーリーは実はもっと多様性に満ち、色々な場所で色々な社会が生まれては消えていた。昔も今も変わらず、「人間は当初よりただひたすら人間だった」ので、これからの未来も色々な可能性があると思わせてくれる本。

途中までは面白かった。他の作品と同様で暴力描写がエグい。だんだん辟易してくるぐらい。後半は研究がどうしたとかはちょっと興ざめで、あんまり面白くはなかった。