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2025年1月の読書メーターまとめ

ウッディ
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感想・レビュー
13
ナイス
1525ナイス

2025年1月に読んだ本
13

2025年1月のお気に入られ登録
2

  • ほんのむしちゃん
  • Kーazuki

2025年1月にナイスが最も多かった感想・レビュー

ウッディ
北海道の人里離れた山奥で一人狩猟生活を送る男「熊爪」。獣を撃ち、肉や内臓、毛皮を取り出す暮らしは、過酷な自然の中で命をさらす危険と隣り合わせるが、人と関わる煩わしさはない。そんな熊爪も、熊との戦いで負傷し、狩猟者として半端者になった時、人のぬくもりを欲するようになる。厳しい自然と残酷なまでの描写に圧倒的な迫力がありました。群れず己の力だけで生きてきた男が、誰かと群れを作った時、「ともぐい」が起こる、そんな残酷さと儚さが心を打つ作品でした。
が「ナイス!」と言っています。

2025年1月の感想・レビュー一覧
13

ウッディ
性的マイノリティを自覚し、周囲からはじき出されない事だけに留意して生きてきた主人公、種の保存と拡大を目的とする彼の生殖器が、流れに逆らわないように生きる彼と自己の成長や社会の発展を目的として行動するヒトの生き方を揶揄する物語。ヒトの行動原理は、生物の本能から見ると不思議なことが多く、生殖器のツッコミには納得することが多く、本音を吐くことが難しい昨今、朝井さんは上手い語り手を起用したなと感心した。和を乱さないために無難なことしか言わず、自ら動かない人ばかりだと、面白くない社会になるだろうなとは思った。
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ウッディ
「普通は・・」という何気なく使ってしまう言葉で傷つき、追い詰められる人がいることを考えさせられてしまう物語だった。レトロな喫茶ブルーでバイトする鳴海優輝。自身の性指向がわからず、恋愛に興味を持てないアセクシャル・アロンマティックを自認する彼の元には、多様な価値観を持つ人たちが集う。彼らの話を静かに聞く彼はとにかく優しく、そんな彼の夢は、自分の気持ちを持て余した人たちが安らげる居場所となるカフェを開くこと。自分が普通であると妄信していて、それ以外の価値観を認めない人達の中に普通が何かという答えはないと思う。
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ウッディ
神紅大のミステリー愛好会会長の明智さんが唯一の部員の葉村くんを助手にして、大学内の謎を解き明かす日常ミステリー短編。「屍人荘の殺人」で早々とゾンビ化した彼にも、普通の人生があったことにしみじみさせられた。ミステリー愛が強すぎて、空回りしている感が笑える。泥酔した翌朝、自分の部屋ではいていたパンツが玄関で引き裂かれていた謎など小粒で笑えるミステリーで、見当違いの推理に二転三転するが、最後はしっかりと収まる心地よさはあった。古典ミステリーを解説するシーンもあり、著者のミステリー愛が伝わる一冊でした。
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ウッディ
東京、大阪、上高地にある帝国ホテルを舞台にした42編ものショートストーリー。プロポーズを受けた日に、レストランで一人食事する少女との出会いを描いたファンタジー、音大受験で上京した少女にピアノの練習をする場所を提供した父の再開が印象に残った。贅沢なホテル故の心あるサービスと心に刻まれる美しい思い出。ゴージャスなホテルは沢山あれど、何代もの家族に受け継がれる憧れと特別感は、伝統ある帝国ホテルならではかもしれない。妻へのサプライズか、親孝行か、いつか自分も帝国ホテルに泊まって、43編目の物語を紡ぎたい。
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ウッディ
芸人に見切りをつけ、介護の世界に飛び込んだ星矢は、きつい仕事以上に事故の責任を追求されたことにショックを受け、施設を辞める決心をする。低賃金、人材不足に加え、失敗が死に直結するという責任の重さという介護の厳しい現実と延命治療の是非について問う物語。介護する人とされる人、結局は双方の信頼関係が大事なのだと気づかされる。ロボットを導入するのも、介護者が楽をするためではなく、サービスの質が高まり、介護される人の心の負担を減らせればと思った。誰もが直面する老いと介護の問題という暗い森に灯を見いだせた一冊でした。
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ウッディ
後継ぎとして自分の苗字にこだわったり、どこの墓に入ったり、墓を守ったりすること。冷静に考えてみれば、単なる自己満足だったり、些細なことなのに、それが原因で家族やパートナーともめ、本当に大切なものを失ってしまうことがある。お墓はどうせ死んだ後のことだし、無くしてしまえばお金も負担もかからない、垣谷さんの物語に登場する女性たちは、とってもドライで合理的な考えの人が多い。少子化の時代に様々な問題を引き起こす家を守るという日本の悪しき習慣は、夫婦別姓制度が実現すればなくなっていくのものかもしれないと思った。
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ウッディ
眠れぬ夜、あてもなく近所を散歩する實成冬至は、ある日、職場の同僚女性の塩田さんと会う。登校拒否で抱えている問題に押しつぶされそうになると、外に飛び出してしまう元彼の娘とそれを見守る塩田さん、そんな二人の用心棒代わりに夜の散歩をすることになったが、いつの間にか元カノやアパートの管理人も加わる。不躾で相手の心を傷つける言葉や好奇な視線から離れて、緩やかに流れる夜の散歩の時間に居心地の良さを感じるようになる。彼らの居場所となった夜の散歩も、ずっと続くものではないという寂しさをはらんでいたような気がする。
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ウッディ
公務執行妨害で逮捕された元官僚で客員教授の久和は、公務員を一切信用できないとして事件については黙秘するかわりに、日本の経済について語りだす。それを真摯に聞く佐久間係長、久和の車に残されていた財布の持ち主であるライターが失踪していることを掴んた三都と水沢は、事件の背景に財務省の力が働いていることを突き止める。いやぁ~とっても面白かった。冒頭から予想しなかった展開で、財務省の陰謀という経済小説の一面もあり、女性ながら少し乱暴でユーモラスな三都を含め佐久間のチームが魅力的で、彼らの活躍をまた読みたいと思った。
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ウッディ
3400万円という大金を残し、古アパートで孤独死した高齢女性。一人の行旅死亡人に興味を持った記者は、彼女の半生を調べ始める。大金と星型ペンダントの謎、戸籍がないこと、誰とも関わらずにひっそりと生きた理由、謎を解き明かすために始めた取材は、いつしか沖宗千津子という女性が本当に存在していたのか、彼女がどんな半生を送ったのかという、彼女のことを知りたいという純粋な気持ちに変わっていく。沖宗という珍しい名字、遺された写真からの調査、迫力あるドキュメントから、彼女が生きた航跡を確認できた喜びが伝わり、感動しました。
Yuu I
2025/01/17 10:31

他の読メさんの読んだ漫画で「本なら売るほど」1、BOOK・walkerで出だしお試しで読んで、同じシチュエーションでした。おすすめです。https://bookmeter.com/books/22355389

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ウッディ
図工の時間の課題として出された「100年後の世界」。宇宙人と暮らし、校庭に大きなジャングルジムがあり、昼休みが長くなったり、給食に揚げパンが出る回数が2倍になるなどほのぼのとした未来が描かれる中で、サクヤ君の絵は、グレー一色の戦争や環境破壊で滅びた世界。彼がこんな絵を描いた理由を知った時・・。クラスメイトとの友情や思い出が何にも代えがたい大切なものであるという価値観のように、100年後でも変わらないものがある。小学生だった自分が思い描いた未来は車が空を飛んでいたが、世界は変わらないのかもしれない。
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ウッディ
前作があることを知らずに読んだので、楓と岩田、四季の関係性がわからず、中途半端なラブコメのような印象だった。認知症の祖父は、楓の周辺で起きた不可解な出来事を話した時だけ、覚醒し、鋭い推理力を発揮するという設定は面白かったが、事件に少し無理があるため、推理を聞いても「なるほど」とはならず、強引に自説を押し付ける老人という印象をぬぐえなかった。古今東西の名作ミステリーが登場するが、なかなかにマニアックで、ついていけなかったのも残念でした。一作目から読まないと楽しめないのかもしれない。
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ウッディ
北海道の人里離れた山奥で一人狩猟生活を送る男「熊爪」。獣を撃ち、肉や内臓、毛皮を取り出す暮らしは、過酷な自然の中で命をさらす危険と隣り合わせるが、人と関わる煩わしさはない。そんな熊爪も、熊との戦いで負傷し、狩猟者として半端者になった時、人のぬくもりを欲するようになる。厳しい自然と残酷なまでの描写に圧倒的な迫力がありました。群れず己の力だけで生きてきた男が、誰かと群れを作った時、「ともぐい」が起こる、そんな残酷さと儚さが心を打つ作品でした。
が「ナイス!」と言っています。
ウッディ
連続爆破事件の犯人スズキタゴサクの裁判中に法廷を占拠したテロリスト。ネット中継され、身動きの取れない警察と犯人との頭脳戦が繰り広げられる。裁判所に武器や爆弾を持ち込むという多少無理な設定ながら、SNSでの衆人環視の元、身勝手な行動を封印したり、警察の突入を牽制する方法にはリアリティがあり、犯人の目的が何なのか、タゴサクの役割など、予測不能なストーリーをハラハラしながら楽しんだ。法が自分を守る楯にならなかった人、法が自分の怒りを収めてくれなかった人、そんな不満によって起こされた事件だったのかもしれない。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2009/07/22(5689日経過)
記録初日
2009/07/05(5706日経過)
読んだ本
1266冊(1日平均0.22冊)
読んだページ
405027ページ(1日平均70ページ)
感想・レビュー
1266件(投稿率100.0%)
本棚
21棚
性別
血液型
B型
職業
技術系
現住所
大阪府
自己紹介

いつも"ナイス"ありがとうございます。 
感謝・感謝・・・・!!

しばらく放置していた読書メーターに復帰して、約3年。
夏は暑いので、クーラーの効いた部屋の中で読書。
秋は虫の声を聞きながら、ベランダで読書。
冬は部屋で温かい飲み物を飲みながら読書。
春は公園のベンチで読書。

読友さんも増えて、読みたい本も増えるばかり。
読書しているときは、BGMにJAZZやイージーリスニングを聴いています。
この曲を聴きながらだと、読書が進むという音楽があれば、教えてほしいです。
好きな作家は、有川浩さん、奥田英朗さん、池井戸潤さん、唯川恵さんに加え、最近のお気に入りは柚月裕子さん、塩田武士さん、森沢明夫さん、町田そのこさん・・・・
ハッピーエンドで、温かい気持ちになれて、さわやかな読後感の小説が好きです。
好きなミュージシャンは、和泉宏隆、岩代太郎、国府弘子・・・
静かなピアノ曲が好きです。

これからもよろしくお願いします。

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