読書メーター KADOKAWA Group

2025年11月の読書メーターまとめ

ja^2
読んだ本
6
読んだページ
1614ページ
感想・レビュー
6
ナイス
91ナイス
  • Xでシェア
  • facebookでシェア

2025年11月に読んだ本
6

2025年11月のお気に入り登録
1

  • 🌞

2025年11月のお気に入られ登録
1

  • 🌞

2025年11月にナイスが最も多かった感想・レビュー

ja^2
「人は誰でも、死にたがっている」という彼は、殺しを依頼された人物と会話を交わす中で、無理強いすることなく遺書を書かせ、自ら首を吊ったり、窓から飛び降りたりさせる。▼確かに生まれてこのかた、「死にたい」と一度も思わなかった人間など居るのだろうか。居ないに違いない。そんなとき、誰かに理解を示され、「死ねば楽になれる」と言われれば、人は案外、簡単に死を選ぶのかもしれない。鈴木もそうしかけたように。▼だが一方で、人は「それでも生きたい」と思っているようだ。物語の最後に、鈴木はたらふく食べて、前を向く。
Haruko
2025/12/21 18:25

読書中、私が最も強く感じたのは「不公平さ」だった。 世界が不公平なのではない。 運命そのものが、説明責任を持たないのだ。 たまたま立つ場所を間違えただけで、 後戻りできない流れに飲み込まれる者がいる。 必死に何かを守ろうとしても、 努力と結果のあいだに必然は存在しない。 その落差が、静かに人を消耗させていく。

が「ナイス!」と言っています。

2025年11月の感想・レビュー一覧
6

ja^2
棄教したフェレイラは獄中のロドリゴに言う。「日本人は人間を美化したり拡張したものを神と呼ぶ。人間と同じ存在をもつものを神と呼ぶ。だがそれは教会の神ではない」と。▼ その真意は私のような信仰心のない者には分からぬが、形骸化し偶像化したものに拘り過ぎていると私には聞こえた。それは日本人に限らず、最後の最後まで板切れに描かれた稚拙なキリスト像を踏むことに抵抗したロドリゴにも言えることのように思える。▼そんな中で、ズルくて弱い裏切者のキチジローのみが純粋に神の教えを理解しているように感じるのである。
が「ナイス!」と言っています。
ja^2
日本人の一般的な感覚からズレていると思う。▼ひとつは、リストラされた五〇絡みのオジサンが天使のように美しい女子高生から真剣に愛されるという設定である。いくら若くても相手も馬鹿ではないのである。一時の気の迷いや好奇心からオジサンと付き合うことがあっても早晩、その関係に疑問を持つものなのだ。▼もう一つ。リストラされ、再就職もままならないはずの中年男が突然、超有名ブランドの副社長に迎えられるというくだりである。▼要するに、これは中年男の「こうあって欲しい」という夢物語に過ぎない。それはお前のやっかみだろうって?
が「ナイス!」と言っています。
ja^2
『平家物語』で言う「奢れる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし」を改めて考えさせられた。▼平氏の天下は、平清盛が太政大臣になった1167年から源平合戦で壇ノ浦の戦いに敗れる1185年までだとされるから、僅か20年足らずだったのである。まさに奢れる人は久しからずか……。▼「奢れる人」の代表のように捉えていた清盛だが、本書によれば彼は武士でありながら貴族社会と親しく交流できるほどの教養を持っていたし、配下の者にも優しく接していた傑物だったようである。彼はまさに春の世の夢のような一瞬の煌めきだったのだ。
が「ナイス!」と言っています。
ja^2
この物語には愛も希望も喜びも一切ない。ただ淡々と、同居する姉の出産までの日常を、主人公「わたし」の視点で、観察日誌のように(ときに無機質に)綴っている。▼長く辛いつわりを経た姉の猛烈な食欲を満たすために、主人公はグレープフルーツの手作りジャムを食べさせる。そのグレープフルーツに、染色体に悪影響を及ぼすリスクのある化学薬品が含まれていると知っているにもかかわらずだ。それだけ自分事として捉えていないということなのだろう。▼物語は「わたしは、破壊された赤ん坊に会うために、新生児室に向かって歩き出した」で終わる。
が「ナイス!」と言っています。
ja^2
若い頃から何回か読んでいるはずだが、あらためて読み終えた今も何が書かれていたのか、よく分からない。▼大葉要蔵の生きづらさや弱さは皆、身に覚えがあるだろう。だが現代的な視点で見れば、彼は恵まれた境遇にいる者が自分に、あるいは世間に甘えているようにしか思えない。だから感情移入できないのである。▼にもかかわらず、こうして何回も読んでしまうのは何故だろう。ひょっとしたら太宰は読者が容易に感情移入できないことも承知の上で、この作品を書いたのかもしれない。そして繰り返し読む私は彼の術中に嵌まっているのかもしれない。
zero1
2025/11/12 12:07

こんにちは。【大葉要蔵】は【大庭葉蔵】でしょう💦。念のため確認願います。

ja^2
2025/11/13 11:19

ご指摘の通りです

が「ナイス!」と言っています。
ja^2
「人は誰でも、死にたがっている」という彼は、殺しを依頼された人物と会話を交わす中で、無理強いすることなく遺書を書かせ、自ら首を吊ったり、窓から飛び降りたりさせる。▼確かに生まれてこのかた、「死にたい」と一度も思わなかった人間など居るのだろうか。居ないに違いない。そんなとき、誰かに理解を示され、「死ねば楽になれる」と言われれば、人は案外、簡単に死を選ぶのかもしれない。鈴木もそうしかけたように。▼だが一方で、人は「それでも生きたい」と思っているようだ。物語の最後に、鈴木はたらふく食べて、前を向く。
Haruko
2025/12/21 18:25

読書中、私が最も強く感じたのは「不公平さ」だった。 世界が不公平なのではない。 運命そのものが、説明責任を持たないのだ。 たまたま立つ場所を間違えただけで、 後戻りできない流れに飲み込まれる者がいる。 必死に何かを守ろうとしても、 努力と結果のあいだに必然は存在しない。 その落差が、静かに人を消耗させていく。

が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2012/10/28(4806日経過)
記録初日
2005/01/06(7658日経過)
読んだ本
1228冊(1日平均0.16冊)
読んだページ
338615ページ(1日平均44ページ)
感想・レビュー
1052件(投稿率85.7%)
本棚
15棚
性別
現住所
静岡県
自己紹介

あらすじは極力書きません。

読書メーターの
読書管理アプリ
日々の読書量を簡単に記録・管理できるアプリ版読書メーターです。
新たな本との出会いや読書仲間とのつながりが、読書をもっと楽しくします。
App StoreからダウンロードGogle Playで手に入れよう