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ja^2さんの感想・レビュー

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ja^2
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大部分は現在の行き過ぎた資本主義への批判であり、全編を通して唱えられるのはカール・マルクス賛歌である。だが、成長を前提とした現行の資本主義に限界が来ていることは、既に多くの人が肌で感じていることだと思う。▼仮に著者が言うように脱成長・脱資本主義が唯一のソリューションだとしたら、それをどうやって成し遂げるのかを知りたかった。だが、それについては残念ながら実に薄っぺらい内容となっている。▼そしてそれを成し遂げた社会とは一体どんな社会なのか? 「コモン」というだけで、その具体像がさっぱり分からないのだ。
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彼の思考は常に、兄である羽柴秀吉──織田信長支配下の方面軍司令官をいかに盛り立てるか、それを最優先に置いた。そのために、面倒なわりに目立たない調整役に徹した。▼なぜか。いくら農民上がりとはいえ、武将である。武勲や戦果が欲しくなかったはずがない。▼私は、織田信長という絶対的支配者の目から逃れるためだった、と思う。周知のとおり、信長は戦果に応じた褒賞も大いに与えるが、無慈悲な粛清も徹底した人物である。▼元来、農民思考の秀長は、兄・秀吉の陰で目立たぬようにして、自身の安全を担保していたのではないかと思う。
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ja^2
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私もまちづくりを実践しているつもりなのだが、そもそもまちづくりって何なんだろうと思い、読んでみたのが本書である。だが、読めば読むほど「なんだかなあ」、「なんか違うなあ」と思ったのが正直なところだ。▼結局、大学の研究室で「まちづくり」を学問として語ろうとすると、こうなっちゃうのだろうなという印象だ。▼私が実践していて痛感しているのは、街のフツーの住民との乖離である。が、これではなおさら大学のセンセーや東京のコンサルがやって来て、一部の地元民とつるんで勝手に盛り上がっているだけということにならないだろうか。
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ja^2
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これだけ離婚が当たり前の世の中になったのだから、それこそ胡散臭いキャッチコピーのように「サラダ感覚で気軽に」……というわけにはいかないのだろうか。いかないのだろうな。この作品を読むとそれが痛いほどわかる。▼もっとも06年の作品だというから、今なら少し違うのかもしれない。だが、基本はきっと変わらないと思う。▼それは結婚というものが、物語中で水城さんが言ったように、心のもっと先で繋がるものだからではないだろうか。▼「心のもっと先」とは一体なにか? 主人公は「命」だとおちょくったが、私には妙に腑に落ちた。
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ja^2
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最後の短編のみ。読みながら引っかかったのは、回診した教授が絵理に言った言葉と、諏訪野が絵理の母親を面会させたこと。▼前者は教授にしては軽はずみな会話だし、後者は研修医がするには分を超えた対応だ。どちらも通常の医療行為ではあり得ないように思った。しかし、諏訪野のお節介とも思える行為がなければ、絵理との距離が縮まることもなく、絵理の遺志も成就しなかっただろう。▼してみると、教授の軽率な言葉も、実は早くからアメリカの転院先に問い合わせるなどして、絵理の密かな企みを分かっていたからこそではないかと思えてきた。
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四半世紀ぶりの再読。当時の記録を見直すと25年前の私は、物語中の「蛇」がまったく理解できなかったようだ。さもありなん、と思う。齢を重ねた今回も分かったとは言い難い。▼蛇はなにかのメタファーなのだろう。教員だったという主人公の前職でのトラウマなのかもしれない。▼いや、そうであったとしたら蛇が「蛇はいいわよ、蛇の世界は暖かいわよ」とさかんに誘い込むことや、主人公の今の仕事先の奥さんも蛇の虜になることをどう考えたらよいのだろう。やはり分からない。▼分からないが、これはカフカの「変身」の虫なのだろうと思う。
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多くの人は60前後になると「自分史」を書きたくなるものらしいが、おそらく私はならないだろうと思う。なぜなら私の人生は太宰治ではないが、「恥の多い生涯」だからだ。▼それらをひた隠しにして今の私がある。普段は忘却の彼方に追いやっているから何とか生きていられるのだ。なのに、どうしてそれを思い出して、白日の下に晒さなければならないのか。▼その辺りについて著者は、嫌だと思っていたことや辛いと思っていたことが、自分史を書くうちに「次第に浄化され、すべて懐かしい思い出になっていく」と。それが本当なら私も書いてみたい。
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本書によれば蓮如は、85年の生涯で5人の妻を持ったという。彼を看取った最後の妻以外はすべて死別らしい。▼5人も! と羨ましく思う人もいるに違いないが、私としてはノーサンキューである。というのは、私は妻を亡くしたとき、もう他人の命を背負うのはたくさんだと思ったからだ。▼どだい男は一人の女性さえ守ることができないのだ。だから、蓮如がその後4人もの妻を娶ったというのは、驚きである。それらの死を乗り越えるエネルギーは相当なものだったと思える。その有り余るエネルギーがあったからこそ、女人救済に向かったのだろう。
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話の始まりでGHQの関りを示唆されるので、その解明を期待したのだが結局、平沢死刑囚の話ばかりに終始して、GHQについては最後に申し訳程度に触れるに止まっている。小説と銘打っているのだから、もっと大胆な推理をしても良かったように思うが、これが書かれた時代では未だ許されなかったのだろうか。731部隊が大陸でやったことと関係があるのかもしれない。平沢死刑囚については、これが事実だとすれば、決定的な証拠がない中ですべてを印象論で決めつけており、ずさんな捜査であり、ずさんな判決で、とんでもない冤罪のように思える。
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ja^2
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私の思っていた山賊とは違った。だが、そもそも山賊って何なのだろう。▼まさか、昔のように山越えの旅人の着ぐるみ剥がして金目の物を奪い取るなんてことがあるとは思えない。そもそも交通網の発達した近現代は山越えの旅人などいない。▼京極夏彦の小説に出てくるような士農工商の埒外に居た山の民みたいなものを想像していたのかもしれない。だが、昭和の話だから、さすがに戸籍がないってこともあるまい。▼それでも人里離れた黒部源流の山の話は十分に面白かった。そこでの怪異の数々も異常な心理状況での出来事としてあり得るような気がした。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2012/10/28(4471日経過)
記録初日
2005/01/06(7323日経過)
読んだ本
1188冊(1日平均0.16冊)
読んだページ
328189ページ(1日平均44ページ)
感想・レビュー
1012件(投稿率85.2%)
本棚
15棚
性別
現住所
静岡県
自己紹介

あらすじは極力書きません。

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