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軍縮地球市民shinshinさんの感想・レビュー

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軍縮地球市民shinshin
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松岡享子(1937-2022)は私立東京子ども図書館の創設者の一人であり、生涯を児童図書館発展のためにささげた人である。その思想が自身の筆で分かりやすく書かれている。ただ僕は松岡の考えが現代の子どもに通用するかは懐疑的である。最近全国の自治体で実施されている赤ちゃんに読み聞かせをするブックスタート運動には松岡は極めて懐疑的、さらに選書については図書館員が「良い本」を選んで子供に与える「価値論」という選書理論を取っているなど、半世紀ぐらい前の考えではないかと思った。松岡は60年代にアメリカの図書館学大学院で
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学んだというから、そのころの知識のままアップデートされていないのではないかと思ってしまった。また松岡が想定する「子ども」というのがおそらく小学生と未就学児だと思われ(赤ちゃんへの読み聞かせは批判しているのでそれ以上の年齢の子ども)、中高生は全くの度外視。図書館のYAサービスという80年代以降に登場した中高生向けサービスにはまったく関心がなさそうだ。本書に言及がない。児童に与える「良い本」というのも、海外の名作児童文学が多く、「少年探偵団」とか海野十三とか、現代ならば、はやみねかおるとかどう思っていたのか知

01/18 23:45
軍縮地球市民shinshin

りたかった。こういう昔気質の児童図書館員は大衆児童文学を敵視し、海外の児童文学を高く評価する傾向があるのだがそれはなぜなのか疑問に思っている。「子どものために良い本を…」というが「良い本」とはどんな本なのか。低年齢の子どもにはある程度「名作」は通用すると思うが、小学校高学年になるとはっきりと「本の好み」が形成されてく。るので、松岡の考えでは合わない子どもも出てくるのではと感じた。

01/18 23:49
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う~ん、なんか面白くない。特に後半の「引越物語」はホラーでもないような気が。小説ではなくエッセイだ。あとこの著者はなんか上から目線。昔からそうだけど。思想的にはサヨクだと最近知った。
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ネタバレ久しぶりの三津田作品。今作は中央公論新社から出ていた「幽霊屋敷」シリーズの関連作品。怪談の中に怪談があってさらに怪談があって……という入れ子構造になっている。だけど最後は……。う~む、という感じ。
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「物語」とあって気軽に買ったのだが、中身は著者の博士論文だった。完全に学術書。東京都立図書館の前身である東京市立図書館の建設と衰退を一次史料に即して解明した本で、かなり読みごたえがある。首都東京の公共図書館建設は他地域と比較してかなり遅れていた。開館したのは明治41年、1908年のことで東京市立日比谷図書館が第1号である。日比谷を皮切りに両国図書館、中和図書館、一橋図書館、深川図書館などが相次いで開館し、19館体制となる。当初はそれぞれ独立していたが、日比谷図書館に館頭という役職を新設し各館の館長の上位職
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となる。日比谷を中心とした東京市立図書館のネットワークが完成し、各館が相互補完して東京市民に万全なサービスを提供する体制を完成させた。しかし関東大震災後の東京市の拡張に対応できず、渋谷など新たに合併して東京市に編入された地域の図書館をネットワークに組み込むことができず、さらに東京市の財政悪化により昭和の初めにこのネットワークは崩壊したと著者は指摘する。日比谷図書館館頭の役職は廃止され、東京市教育局に各館が統率されたのである。戦時中は1943年に東京府と東京市が合体し「東京都」となり、市立図書館は都立図書館

01/02 16:08
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となったのだが、その話は本書では詳しくふれていない。

01/02 16:13
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絵本だけど、小さい子ども用ではなく、ある程度年齢がいった人が読む本。19世紀後半のアメリカは公共図書館の数も少なく、特に地方の農村地帯に住む人びとは読書とは無縁の生活をしていた。ワシントン郡公共図書館の司書ミス・ティットコムは馬車を使った移動図書館を考えつく。それまでは中東でのラクダ、イギリスでのロバに本を積んで移送させたことはあったが、巡回路を定めて定期的に巡回させる移動図書館を作ったのはミス・ティットコムだという。1905年のことだった。馬車は列車と衝突して大破してしまい、2代目は自動車になった。
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9代将軍足利義尚は義煕と改名。しかし近江守護六角行高との戦は膠着状態。酒色に溺れた義煕は24歳で近江鈎の陣中で病没。後継者を決めないまま将軍が没したので、政務は大御所足利義政がしばらく執ることになったが、間もなく脳梗塞で死去。義煕の母・日野富子はかつて敵対していた足利義視の息子・義材を10代将軍に推す。管領細川政元は堀越公方足利政知の息子・清晃を将軍と推していた。新九郎は将軍職の争いに巻き込まれる。義政病死後、政務は日野富子が執っており義材が10代将軍に就任。この義材が美濃で育ったので人を疑うことを知らな
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いまっすぐな人物として描かれている。この義材の家系と清晃(義澄)の家系がずっと足利将軍家の争いの火種になっている。

12/28 23:53
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『未完の天才 南方熊楠』から続けて読んだ。熊楠はたびたび夢中で故人と会い、そこから大きな発見を導き出したりしていたらしい。心霊現象や神仏の存在は懐疑的だった熊楠がこういう神秘体験を経験していたというのも面白い。幽体離脱体験もしていたというから驚き。
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著者は戦国時代が専門なので、出版社から言われて書いたのだろうが、やはり内容に精細さが欠ける。教科書や辞典のような印象を持った。田沼政治や寛政改革と絡めて書いてほしかった。かといって出版史や美術史の観点から深掘りもされていないし、メディア史的な評価もさほど説明がない。あと「滝沢馬琴」という名前は明治期に使われ始めたもので、馬琴の本には「曲亭馬琴」と作者名が書かれている。戦国期が専門ならば「真田幸村」とは決して本文で使わないだろう。それと同じこと。おそらく知らなかったのではないか。今は歴史学も専門が細分化
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しているので、仕方が無いのかもしれないが。

12/19 08:46
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2025年大河ドラマの便乗企画本。著者は寛政改革で博士号を取得した安藤優一郎氏。蔦屋重三郎は江戸吉原で生まれ、家業は茶屋であったが義兄の援助で吉原のガイドブックを出版販売する店を開業、その後さまざまな作家の本を送り出して一代で大出版社に成長させ、浮世絵の出版にも乗り出す。世は田沼意次の時代で、規制緩和を行って自由に経済活動ができていた。時代と相まって急成長したのだろう。しかし天明の大飢饉、浅間山の噴火による大凶作による米価高騰で怒った江戸市民は米問屋の打ちこわしを頻繁に起こす。江戸町奉行も手出しができない
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いのかどことなく通り一遍だが、田沼政治や寛政改革の記述は良かった。歴史学の人なので江戸初期から幕府は出版取締令を出していたという理解で、これが国文学者とは違うなと思った。田沼意次は低い身分の下級武士から老中まで上り詰めた人物で、大正時代以降歴史学では再評価が進んでいるが、世間ではいまだに賄賂政治家というイメージが強い。最近の研究では寛政改革も経済政策も意外と田沼政治を踏襲していたことが分かっているらしい。田沼の息子、意知を刺殺した旗本の佐野善左衛門(切腹処分になる)を江戸市民は「世直し大明神」ともてはや

12/14 09:58
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し、墓参り客が絶えず、寺の門前には線香や花を売る店が出現、挙句の果てには墓にかける水まで売り出す者もいたという。犯罪者をもてはやす風潮はこのように昔からあったということが良くわかる事例。

12/14 10:00
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「戦争と図書館」というテーマのシンポジウムの記録集。冒頭の山口真也沖縄国際大学教授の「はじめに」によると、世界はウクライナ戦争やイスラエルのガザ侵攻などのように戦争が多発しており、図書館も被害を受けているので80年前の日本が起こした戦争を振り返って教訓とすると書いてある。ウクライナではロシア軍侵攻によって図書館も甚大な被害を受けているが、対するウクライナの図書館もロシア語の書籍やロシア関係図書を廃棄処分にしているとふれており「中立」さをアピールしたものとなっている。しかし「中立」を徹底するならば本書で扱
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っている太平洋戦争も日本国内の「思想統制」ばかりではなく、アメリカ側の対応もふれなければフェアではないだろう。日系人は強制収容所に収容され図書館利用が強制的に排除されていたのだ。気仙沼図書館長だった菅野青顔を最後に取り上げているが、憲兵やGHQに対して図書没収を拒否したことは「気骨がある」のかもしれないが好きな本は『聖書』と『資本論』というのを聞き、「いかにも」戦中戦後すぐの「知識人」だなと思った。欧米諸国へのあこがれと資本主義へのそこはかとない抵抗なんだろう。相反する思想の本を同居させているのがなんとも

12/08 11:14
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2012/12/10(4427日経過)
記録初日
2013/08/17(4177日経過)
読んだ本
1400冊(1日平均0.34冊)
読んだページ
346140ページ(1日平均82ページ)
感想・レビュー
1400件(投稿率100.0%)
本棚
17棚
性別
血液型
O型
職業
専門職
自己紹介

歴史学徒。

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