2024年11月の読書メーター 読んだ本の数:6冊 読んだページ数:1600ページ ナイス数:185ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/292926/summary/monthly/2024/11
いのかどことなく通り一遍だが、田沼政治や寛政改革の記述は良かった。歴史学の人なので江戸初期から幕府は出版取締令を出していたという理解で、これが国文学者とは違うなと思った。田沼意次は低い身分の下級武士から老中まで上り詰めた人物で、大正時代以降歴史学では再評価が進んでいるが、世間ではいまだに賄賂政治家というイメージが強い。最近の研究では寛政改革も経済政策も意外と田沼政治を踏襲していたことが分かっているらしい。田沼の息子、意知を刺殺した旗本の佐野善左衛門(切腹処分になる)を江戸市民は「世直し大明神」ともてはや
し、墓参り客が絶えず、寺の門前には線香や花を売る店が出現、挙句の果てには墓にかける水まで売り出す者もいたという。犯罪者をもてはやす風潮はこのように昔からあったということが良くわかる事例。
っている太平洋戦争も日本国内の「思想統制」ばかりではなく、アメリカ側の対応もふれなければフェアではないだろう。日系人は強制収容所に収容され図書館利用が強制的に排除されていたのだ。気仙沼図書館長だった菅野青顔を最後に取り上げているが、憲兵やGHQに対して図書没収を拒否したことは「気骨がある」のかもしれないが好きな本は『聖書』と『資本論』というのを聞き、「いかにも」戦中戦後すぐの「知識人」だなと思った。欧米諸国へのあこがれと資本主義へのそこはかとない抵抗なんだろう。相反する思想の本を同居させているのがなんとも
歴史学徒。
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いまっすぐな人物として描かれている。この義材の家系と清晃(義澄)の家系がずっと足利将軍家の争いの火種になっている。