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2024年11月の読書メーターまとめ

どんぐり
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感想・レビュー
13
ナイス
1693ナイス

2024年11月に読んだ本
13

2024年11月のお気に入り登録
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  • 水の上の名前
  • みなみ
  • Hiro

2024年11月のお気に入られ登録
4

  • usaginouuchan
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  • Hiro

2024年11月にナイスが最も多かった感想・レビュー

どんぐり
村田沙耶香の芥川賞受賞作品。18年間コンビニでアルバイトを続けている36歳の女性。これまでの人生で恋愛もセックスも就職もしたことがない。世間からは普通ではないと思われ、一生このままで終わるかもしれない。それで本人が深く悩んでいるわけではない。職業に貴賎はない。どこがいけないのか。世間から当たり前の生き方をつきつけられ、そのカモフラージュに家なし金なし仕事なしの男に住まいを提供し餌をやり始める。他人が口出しすることじゃないけど、ペット以下の男との生活のズレまくり方が面白い。
どんぐり
2024/11/24 17:50

制服を着てマニュアル通りに振る舞うことができれば、いつだって「コンビニ人間」になれる。世界の歯車になれることだけが正常な人間とみなされるのに、コンビニ人間のどこがいけないのか。

が「ナイス!」と言っています。

2024年11月の感想・レビュー一覧
13

どんぐり
診断が確立していない痙攣性発声障害、筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群、線維筋痛症などの、いわゆる「論争中の病」。これらは難病指定になっていないため、医療費助成を受けることができない。声が出ない、痛みがある、体がだるいなど症状があっても、病気と診断がされないために、当事者の経験が「詐病」であるかのように、本物でないと否定される。診断がされなければ、本人は症状から出る痛みや苦しみに確信がもてなくなり、自身の経験を自ら矮小化あるいは抑圧してしまう。→
どんぐり
2024/11/26 04:00

本書は、診断されたいという当事者の声を拾い上げるとともに、医学的に措定されてはじめて社会に許容される「病い」の意味について論じている。医療社会学からアプローチした研究書。

が「ナイス!」と言っています。
どんぐり
都心から離れた山梨県の田舎に土地を探し、DIYで小屋をつくる。この家族プロジェクトは、効率主義の世の中の流れに抗して、「ものを買う」以外の選択肢を持つこと、自分の娘に田舎をもたせることで始まる。土地の測量にはじまり、水平器を使っての土地ならし、自家製でコンクリートを練ったり、「2×4工法(ツーバイフォー工法)」で小屋を組み立て、インパクトドライバーでビスを打ったりする。小屋作りは家族を結びつけ、本来ならば出会わなかった人たちを引き寄せ、同じ場所で同じ時間を共有する。→
どんぐり
2024/11/25 20:35

出来上がってみると、読者も一体感をもって完成のエールを送りたくなる。人と人をつなぐ熱量のこもった6年間の記録。

が「ナイス!」と言っています。
どんぐり
村田沙耶香の芥川賞受賞作品。18年間コンビニでアルバイトを続けている36歳の女性。これまでの人生で恋愛もセックスも就職もしたことがない。世間からは普通ではないと思われ、一生このままで終わるかもしれない。それで本人が深く悩んでいるわけではない。職業に貴賎はない。どこがいけないのか。世間から当たり前の生き方をつきつけられ、そのカモフラージュに家なし金なし仕事なしの男に住まいを提供し餌をやり始める。他人が口出しすることじゃないけど、ペット以下の男との生活のズレまくり方が面白い。
どんぐり
2024/11/24 17:50

制服を着てマニュアル通りに振る舞うことができれば、いつだって「コンビニ人間」になれる。世界の歯車になれることだけが正常な人間とみなされるのに、コンビニ人間のどこがいけないのか。

が「ナイス!」と言っています。
どんぐり
社会的公正、アイデンティティ・ポリティクス、インターセクショナリティ(性・人種・性的指向などのアイデンティティが複数重なることによって起こる特有の差別や抑圧に関する研究)をとおしてLGBT、フェミニズム、反レイシズム運動をとらえた本。ダイバーシティの視点からすると、あらゆる人々に好きな生き方を認めるのは、私たちの社会が達成した何よりも重要な世界といえる。しかし、果たしてこの行き着く先には何が待っているのか。→
どんぐり
2024/11/21 23:19

ゲイ嫌い、トランスジェンダー嫌い、異性の人が同じトイレを使うことに慣れるべきだと言われても、そう簡単なことではない。大衆はいずれ狂気に陥る、とはよく言ってくれたものだ。

AZレメディオス@読メ再開
2024/11/22 22:42

どんぐりさん、こんにちは。丁度娘とワコールの試着室の件で同じ様な話しをしたところでした。私自身はゲイやLGBTQなど個人の自由で尊重はされるべきだとは思うのです。ただトイレや試着室など密室の場合、偽物が犯罪を犯す危険があるため、やっぱり分けて欲しいと思います。逆の場合はほぼ犯罪は起きないでしょ?これは差別では無くて、予防策だと思うのですが…。

が「ナイス!」と言っています。
どんぐり
公衆衛生における倫理的正当性を検討するのが「公衆衛生倫理学」。なじみのない学問分野だが、直近の例では、コロナウイルス感染症感染症が蔓延したときにとられたワクチン接種、隔離政策、行動制限が問題群としてあげられる。国家の介入の度合いがモニタリングから情報提供、リスクコミニュケーション、選択の誘導と制限(行動の制限)へと増していった。それらを倫理的正当性の面から考える視座を与えてくれる。そして本書で総論的に論じているのが、健康格差、健康政策としてのナッジの功罪、健康責任論、ケイパビリティ・アプローチ。→
どんぐり
2024/11/19 22:52

ちょっとわかりにくい部分もあったが、入門書として読んだ。

が「ナイス!」と言っています。
どんぐり
ほんとうに大事なことは「あいだ」の中にある、をコンセプトにしたシリーズ。本書のテーマは〈いのちと価値〉のあいだ。著者は、ダウン症の重複障害をかかえる星子との生活の記録『星子が居る』の社会学者最首悟さん。「人に価値の差をつけて人を殺す」相模原障害者施設殺傷事件を取り上げ、中高生の若者3人との対話形式で、いのちは生と死とともにあることを語り、価値は測れるものなのかと疑問を投げかける。終わりのほうでは、水俣病患者の苦しみのなかで「ことばを焚いてきた」石牟礼道子さんについても触れている。このシリーズなかなかいい。
が「ナイス!」と言っています。
どんぐり
ウリツカヤがロシアの少女たちの視点で描いた6篇。最初の2篇に登場するのは、誕生日が一日異なるガヤーネとヴィクトリヤの双子の姉妹。戦争に行っている間に妻が男に寝取られたと思い込んで自分の子どもであることに気づかない父親の〈他人の子〉、双子の妹が「あなたは捨て子だったのよ」と姉にいじわるする〈捨て子〉がいい。ほかに〈奇跡のような凄腕〉〈その年の3月2日…〉〈風疹〉〈かわいそうで幸せなターニカ〉を収載。いずれも「軽妙なユーモアとアイロニー」に満ちた作品。
が「ナイス!」と言っています。
どんぐり
『未来のアラブ人』4巻目。サウジアラビアへ単身赴任となったシリア人の父親。3人の子どもは母親と共にフランスへ。「イスラム教徒は父の言うことを聞き、従うものだ。決めるのは男だ」と言う父親は、父権主義のイスラム世界を生きる。母親が、なぜこんな男と一緒になったのか、ちょっとわからない。中学生となったリアドは、シリア→フランス→シリア→フランスと、アラブと西欧の価値観体系のなかを行き来し、相変わらず学校でのいじめの対象にされる。サウジで高待遇の教職に就いた父親が失職。→
どんぐり
2024/11/12 23:07

今度はダマスカス大学の教職を得て、弟の一人を連れてシリアへ向かう。5巻目に続くも本邦未訳。刊行待ち。

が「ナイス!」と言っています。
どんぐり
脳梗塞後の義父と認知症のある義母を介護する翻訳家のエッセイ。別所帯とはいえ、現在進行形で認知症が悪化していく義母に、翻訳の仕事をしながら手を取られ心穏やかに過ごすことができるのか。そこはそこ、すべてをネタに書いてしまうのが、村井さんらしい。義父にかかってきた電話を愛人と勘違いし、嫁との浮気を疑ってしまう義母。一方、義父は義母のケアマネ担当となった男性看護師に嫉妬してしまう。年齢を重ねても変わらない男女の仲。高齢者を狙った、ポストに投げ込まれたチラシやマグネットから騙されてしまう悪徳業者との闘いもある。→
どんぐり
2024/11/12 23:01

当事者は大変だが、ちょっと笑ってしまう出来事もある。面白い。

が「ナイス!」と言っています。
どんぐり
ソヴィエト連邦崩壊後にロシア人作家ウリツカヤがNYで暮らすロシア人コミュニティを描いた小説。病院で死ぬのは嫌だと医者に告げ、アパートに戻ってきたロシア人の画家が、アトリエのある部屋で過ごす最期の日々。彼を看取る妻、元サーカス団員の元恋人と15歳の娘マイカ、ロシア語教師の愛人、神父、古くからの友人など彼と近しいロシア人が起居し最期を共にする。みんな、なんらかの事情でロシアを出てきた人々だ。「陽気にやってくれよ!」とテープから流れるロシア亡命者の声と大団円のエンディング。作中にヨシフ・ブロツキーも出てくる。
が「ナイス!」と言っています。
どんぐり
1965年、死者237名と27名の一酸化炭素中毒者を出した三井山野炭鉱のガス爆発事故。この事故で父親を亡くした友だちとの思い出や筑豊での生活を描いた絵本。炭坑で働く人たちの住む長屋、石炭を運ぶ列車、線路の両側にあるボタ山(九州ではボタ山、北海道ではズリ山という)、黒くにごった川、事故の悲報を告げるヘリ、転校していった同級生からの手紙。原風景が重なる。2015年に第46回講談社出版文化賞を受賞した絵本作家のデビュー作。
が「ナイス!」と言っています。
どんぐり
制度のすき間に落ちる人をキャッチし、すき間を作らない社会を構想する。これが著者の「すき間の哲学」。すき間に落ちる階層に、マクロからミクロ環境へ向かって国家、社会、家からの排除の3つがある。それぞれに制度のすき間があり、そのすき間に追いやられた者は、人の目に触れなくなる。そして自らSOSを出すことが難しい。そこに、SOSをキャッチするための国家制度的なユニバーサルなケアの追求、社会全体での人権の理念の実現と共有、家ではないサードプレイスをつくることが、それぞれの階層に対応して大事だという。→
どんぐり
2024/11/06 00:13

渋谷女性ホームレス死亡事件や、ヤングケアラーの話も出てくるが、〈すき間を生む世界〉の構造を論じているのが面白い。

が「ナイス!」と言っています。
どんぐり
「モンスターを倒した。これで安心」とSNSに投稿。母親の遺体が発見され、殺人容疑で起訴され、女性は懲役10年の最終判決を受ける。事件は医学部を目指した9年の浪人生活のあとに看護学科に進路を変え、卒業を目前にして起きる。あまりにも長い浪人生活から自分を取り戻す4年間、その後の母親からつきつけられた条件。なぜ、彼女は母親を殺めてしまったのか。著者は、この母-娘関係を「娘の憧れに母親が憑依し、母娘で引き返せない道を歩みはじめてしまった」と考察する。娘を自分の所有物のように扱う毒母もののノンフィクション。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2012/12/18(4384日経過)
記録初日
2004/01/09(7650日経過)
読んだ本
5830冊(1日平均0.76冊)
読んだページ
1710902ページ(1日平均223ページ)
感想・レビュー
1978件(投稿率33.9%)
本棚
12棚
性別
血液型
A型
職業
クリエイター系
現住所
神奈川県
外部サイト
自己紹介

画像を変更(2016.9.25)。実家からチャリで10分、安田侃の作品が点在する公園。夏、本を読むお気に入りの場所。

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