久々の東野さん，これ絶対面白いやつ，という期待を裏切らず一気読みでした．一人の男の溺死体から細い紐をたどった先になんと湯川センセの生い立ちの意外な真実があり…　そしてひとりの女性の過去にまつわる思いがけない出会いと疑惑に期待と願望がないまぜになり真実は誰にも語られず静かに収束します．湯川センセだいぶ丸くなったような気がします．

笙太郎のお勤めが始まっています．しかもその上司がとんでもない奴であきれてしまいます．出世を焦る武士の悲哀とありますがこういうことは今も昔も変わらないのでしょうか．

現役の弁護士さんの著作だそうで，ちょっと読むのに構えてしまう部分が多かったように思います．詐欺や無戸籍そして不法滞在などよく目にする問題にスポットを当ててあり日本もかなり深刻な問題を抱えていることを再認識．ただ，紀伊がまだ30代の裁判官とは思えないくらいに熟練しているのでちょっと違和感．でもこういう優秀な人がいてくれたら裁判も信頼度が増すでしょう．

ここまで読んでくるとこの先のふたりの動向がすごく気になるのでやめられません．円生は依然として不気味，誕生日旅行の約束をしたふたりはついに…？そして香織の秘めた想いはどうなるのか，完全にハマっています．

下座見という役職がありそのあとを継ぐ子らが健気に修行をしているなんて現代から考えるとありえないくらい大人びていて感心してしまいます．妹尾家の若党の路之介にそんな事情があったとは…　年若くして出家しなくてはならないなんて．笙太郎の傷心がどんなにかと思うと切ないです．

う〜ん，詐欺集団を追っているのに登場人物があちこちとっ散らかっているみたいでどこに注目したらいいのか読んでいてわからない．しかもASV特務班のメンバーが皆イメージしにくくて魅力に欠ける．とにかくストーリーがはっきり言って面白くない．時間の浪費だったような…

極端にお人好しの貧乏旗本の若者和馬が世の中を良くしようとあれこれ上に進言しつつ交友関係も広げながら少しずつ認められていく様が謎のご隠居の存在とともに描かれています．が，あまり和馬が魅力的に感じられないので先を読もうという気になれません．残念．

久々の東野さん，これ絶対面白いやつ，という期待を裏切らず一気読みでした．一人の男の溺死体から細い紐をたどった先になんと湯川センセの生い立ちの意外な真実があり…　そしてひとりの女性の過去にまつわる思いがけない出会いと疑惑に期待と願望がないまぜになり真実は誰にも語られず静かに収束します．湯川センセだいぶ丸くなったような気がします．

なんだかまたまた怪しげなしかも相当に腕のたつヤツが登場し竜之介と敵対するらしい…　恋川春町をめぐって色々な思惑が入り乱れる中竜之介とその綾麻呂が対決かと思いきや次巻以降に持ち越し，このシリーズ読み続けようかどうか迷い始めています．

オーナーの命によるホームズの修行，短期間の仕事にも関わらずどれもそつなくこなし危なげない．もうひとりの父親としての上田目線の話がとても面白かったです．好きだった人の忘れ形見という以上の愛情を注ぎ見守ってきた得難い恩人ですね．葵の家族にもすっかり気に入られて弟も虜にしつつあります．松花堂弁当の由来も知れました．

納屋橋饅頭が消えたというのは初耳でした．母が好きだったなぁ…　大学を休学した龍くん，あれこれ経験するうちに見えてきた将来は？やりきった症候群の先にあるものがぼんやりと．2年ぶりのあのコとの再会に転機になりそうな．

あくまでも公平であらねばならない目付たちの仕事ですがそこに常に見え隠れする彼らの情や温かい眼差しがとても尊く思えます．

竜之介の妻と舅が大奥に潜入．竜之介は今回はちょっと脇に置いておかれた感じ．色々と陰謀渦巻く描写が長く，そのわりには最後の解決部分が数ページしかないのが盛り上がりに欠ける気がします．次巻ではもう少し竜之介の活躍を見たいです．

最近聴き始めた村山さんのラジオ番組がきっかけで読んでみました．ネコ愛に溢れる村山さんが出会うべくして出会った絹，もみじを失った穴がみるみるうちにふさがっていく様子にこんな縁ってあるんだなぁと．最後の銀次語りがとってもチャーミング．

色々とすったもんだの巻．「え～！別れちゃうの」と思いきや雨降って地固まるのごとくの展開に．円生，やっぱり嫌いだ．お騒がせが過ぎる，可愛げがない．ホームズがだんだんふつーの男の顔を見せてくれるのに安心したりちょっとがっかりしたりと読んでいて複雑…　葵もついに大学生，このシリーズずいぶん長く続くみたいですがこの調子でふたりともどこまで歳を重ねていくのやら．

笙太郎の縁談相手の家の事情があまりにも不運，つい肩入れしてしまうのも致し方ないか．若い笙太郎にはなおさらこたえるでしょうね．こういう経験を積んで目付けの跡取りへと成長していってほしいです．

ついに喫茶ユトリロにもコロナ禍が．将来を悩む龍はお客さんが持ち込む小さい謎を解くことに承認欲求を満たされる．しかもなんだかモテてるし．でも喫茶店を継いで次期店主にというのもなんか違う気がするんだけどなぁ…

葵のバースデーパーティー，とても羨ましくなる状況設定に軽く嫉妬しちゃいそう．これまでの京都見どころのおさらいにますます京都観光への憧れが募りますが今や京都には以前にも増して外国人観光客が溢れかえっていると聞くのでなかなか行く勇気がないのが現実です．いつか…の時の参考にします．

斜線堂さんは最初読みにくかったけれども後半面白くなってきて結末には満足です．中山さん有栖川さんは安定の面白さで流石だなと．雑誌を読まないのでこういうアンソロジーはとても嬉しいです．

Web雑誌の食レポモデルにスカウトされた龍とその編集者との話がメイン．この編集者がかなり面倒くさい．龍の対応は出来過ぎなくらい．彼女の根底にある怒りのぶつけ先を見つけてアレンジしてあげたのもナイスな対応．彼の進路へのためらいはなんとなくわかります．祖父母や曽祖母の懐の深さに読者としても安堵します．

長編で京都の見どころも満載．あやしげなセミナー，参加してしまうと洗脳されちゃうんだろうな．政界や美術界からも金儲けのためこんなとんでもないことに手を染めるなんて呆れてしまう．著者さんが格闘シーンが好きとは意外．最後の葵の元カレに対するホームズの逆襲！してやったり．

水害の中必死に動く目付けたちに感動，また健気な旗本の娘の自害に心痛める西根目付けの優しさにこれまた感動，なかなか心に沁みるお話でした．

久々に清々しいお話を読みました．古民家に一緒に住み始めた女ばかりのふた家族の毎日．特に中学生の美琴と野々花がゆっくりと自然に仲良くなっていく過程が微笑ましく優しい気持ちになれました．みかん（未完）ファミリーとは言い得て妙．

シャーロック・ホームズのファンはシャーロキアンというのですね．実際のこうした例会に作者さんが参加され，その時の実体験を元に第二章は書かれたそうでとてもおもしろく読みました．さてついにホームズと葵は急接近．まだしばらくはこのふたりの関係に焦らされると思っていたのですが．

失脚した田沼意次の甥竜之介が将軍家斉のそばに仕えるようになりその働きを認められ密命を受け葵の御紋を背負って裏始末を妻と舅と共に請け負うようになるその序章です．初仕事はちょっと呆気なかったですが続きはどうなるのか探してみます．

名古屋が舞台ってあまり読んだ覚えがありません．色々美味しそうなものが… でもエビフライは違うんだ．喫茶ユトリロのたまごサンドは食べてみたいなぁ．龍クンは自然体で優しく思慮深くて好人物．シリーズとは知らなかったけれど続きが読めるのは嬉しい．

初読みの作家さん方．それぞれに個性的で面白いなと思いながら読み進めていましたが，最後の降田天さんのには思わず唸ってしまいました．家族間，姉妹間での確執あるある．そんな中でのうまいストーリー展開に二転三転する心地よさ，最後の落とし所も絶妙でした．