色々な設定が不思議なミステリー，弁護士麗子の徹底したお金第一主義が潔すぎて笑っちゃいます．これだけ自分に自信があり自分のことがわかっているのは生きる上ですごく強みになるでしょう．こんな麗子を信夫は口説き落とせるのかな．

目付けの面々のそれぞれの性格とその活躍，それを頼もしく見守る十左衛門が丁寧に描かれていて読んでいて気持ちがよい．それにしても部屋住みの者たちの悲哀は切実なものだなぁ．

猫騒動．芳斎の千里眼も一層冴え，和太郎もなかなかに良いヒントを授ける役に格上げ．人の思惑は色々でそれぞれの事情を鑑みるとどう裁きをつけるか難しい．いかにうまい落とし所をつけるかで読者も納得．まだ不穏の種があり続きがありそうなのに出ていないんですよね．

本筋の話よりもホームズと葵の距離感がどうにも気になってしまう．葵に近づく男どもに過剰反応するホームズがもしも本当に葵にほのじならそれはそれで彼にも俗人ぽいところがあって安心なのですが．利休クンはいけ好かない奴かと思ったけど最後でちょっと見直したかな．

ひとりの物乞いの死と大店の娘の婿取りが繋がった一連の事件を芳斎と和太郎そして義平たちが解決に導く．なかなかストーリーが練られていて面白い．善人面をした極悪人はいるんだなぁ．でもそれを操った兄貴は野放し？あとあと絡んできそうで嫌な感じだ．

一番気になったのは和泉の身勝手な頼み．雨降って地固まると丸く収まるまで面倒見てあげるとは…　ホームズ人が良すぎるわ．他にも色々と身勝手な人が登場，ホームズ大忙しです．円生の執念恐るべし，因縁の対決は果てしなく続くような．

秋人さん準レギュラー？なかなかいい奴だから許すけど．ホームズ対モリアティーみたくなってきて読む方はちょっとキツイかも．それにしてもいくら本物をたくさん見せられたとしても1年そこそこで女子高生が真贋が分かるようになる？まぁもともとの資質なのでしょうが．2人の行方はどこに向かうのかわかるようなわからないような… 次にいきます．

お糸試練！周りの人は色々言うけれど彼女はまだ若いんだしこれから経験を積めばいいので今ここで答えを出さずともいいのではないでしょうか．自分が傷つかないよう守りに入るのも自立して生活しているお糸には必要なことなんじゃない？

湯島の道具屋「梅花堂」を舞台に居候の芳斎先生と若旦那コンビの謎解き事件帖．気軽に読めてテンポよく時代物好きの私としては結構お気に入り．続編もあるそうなので期待．

本屋のラウンジにて読了．「過去の失敗は次回の教訓」今の私に最も刺さることば．

熊蔵と銀太の間で心が揺れるお糸，どちらに本当の気持ちがあるのかは明らかですがこのままだと熊蔵に軍配が上がりそう．と思っていたらまさかの展開に．一悶着起きてみんなが気まずい思いをしたのちお糸の本当の恋が実るのかな．

まだ子育て中という著者さんのすっきりライフはうらやましいです．無駄なものをたくさん買ってしまってきていた自分の環境に感謝というのは今までになかった考え．ちょっと救いです．小豆シャーベットはぜひ作ってみたいと思いました．

若いってイイね，たまにはこういう赤面ものも楽しく読めちゃいます．イケメン京男子のホームズくん，まわりの女の人たちをクラクラっとさせながら鋭い目利きでビシッとキメる．やはり本物をたくさん見て育つと審美眼が養われるのでしょうね．わたし的にはホームズくんのお父さんが気になるんですけどね．

必殺仕置人現代版？なんて一言で言ってはいけない．この世の犯罪の多さ，理不尽さにどう始末をつければ心の平穏がもたらされるのか．反省なき犯罪者に命の重さ，尊さをいくら説いてもだめなのか．ならばどうすれば己の罪深さを自覚させられるのか．犯罪被害者家族の半田の行動を是とするか非とするか．憎むべき相手がこの先どのような生き方をするかを見極め，願わくば更生してほしい，でなければ犠牲者の死の重みが軽んじられてしまう．今日もどこかで犯罪被害者が生まれると思うと気が重くなる…

幼馴染の登場とお糸に思いを寄せる熊蔵のアプローチはどういう方向に向かうのか．縁切りについては今回はあまりトラブルなく無難な感じでした．相変わらず奈々の言動に矛盾を感じてなんだかな～と．

訟務課?訴訟を扱う部署，初めて聞きました．監察とは違って身内を守るため動くようです．中盤までは新入りの新崎になんでそこまでこだわるのかよくわからず着地点が全く見えずに読み進めるのに時間がかかりました．相澤の存在が浮かんでからようやく興味が湧き面白くなりましたが，主人公の加穂留の言動をみても警察官として優秀なのかそうではないのか最後までどうもよくわからずであまり魅力を感じませんでした．余計なお世話でしょうが正義感だけで捜査一課でやっていけるのか疑問です．

色々な設定が不思議なミステリー，弁護士麗子の徹底したお金第一主義が潔すぎて笑っちゃいます．これだけ自分に自信があり自分のことがわかっているのは生きる上ですごく強みになるでしょう．こんな麗子を信夫は口説き落とせるのかな．

上州にある縁切寺には色々な事情を抱えた女性が駆け込んできます．解決が離縁だけではなくその人の心の落ち着き先を模索して最良の選択がなされるよう寄り添って考えてくれる人たちに助けられひとり，またひとりと前に踏み出すことができて，読んでいて胸がすく思いでした．江戸から群馬の太田の満徳寺まで，歩き通すのはさぞや大変だったことでしょう．

時代ものの短編集でこれだけあれこれネタが出てくるのはすごいなとつくづく思います．時には目付けの仕事の域をはずれる案件もあるのですがあえてそこに関わることでこの目付けたちの人間味が全面に出ていて好感が持てます．

沖縄の本土復帰間近の川崎．昭和のこの頃がそうであったんだろなぁと想像できる展開．呼び出し電話，木賃宿，どこでも喫煙OKなど時代背景がザ昭和です．沖縄出身の家族の悲しい結末だがチョウさんたちの温かい眼差しが救いに思えました．

喫茶店での立てこもり拉致事件．犯人家族の抱える事情はなんとも痛ましすぎて負の連鎖は果てしなく続くんだなと．交渉人と犯人が信頼関係を結ぶことの大切さを強調しているがそれって何だか建前的なものだなと懐疑的になってしまった．

十左衛門の家に甥っ子が養子に入り跡継ぎ問題は大丈夫そうです．その後義弟の失踪に急ぎ下総まで駆けつける十左衛門，俵物不審の調べに配下の者たちと奔走します．いつも懸命な目付けの方々，江戸だけでなく地方の不正も正します．

被害者・加害者ともに高齢者の事件．殺害動機がわからないままガンさんたちの捜査が進みます．抜群の記憶力と長年の勘を活かしながらも定年を見据えながら現場に出ることにこだわるガンさん．後輩の指導も大事だがまだまだ自分を鍛えたいという向上心はすごいです．捜一に戻ってからのガンさんにまた会えるといいです．

久しぶりに続きを読み出す．こんなにお役に一生懸命な目付けの方々，それでも色々と問題が起こりひとつひとつ丹念に調べ解決に導くさまは今の政治家さんたちにぜひとも見習ってもらいたい．お礼か賄賂か，今も昔もこういう世界は変わらない．線引をあえて曖昧にするという考え方は時代とともに許されなくなってきている．罪に対する罰もなかなかシビア．色々と考えさせられる巻でした．

まりえの元夫の離婚したい理由が理解できないしその後の行動も謎だ．由井くん，今はいいけれどやはり10年後，20年後を考えたら…と思ってしまう，老婆心ながら… 香水マリエの香りを想像しながら読了．

万造不在の間のおけら長屋の面々の萎れぶりがおかしいです．あ〜やっぱり新シリーズも一層面白楽しくなりそう．最終話の上意討ちの話はグッときて清々しかったです．採算を度外視した万松屋の商いの今後に期待です．