朔のまとう香りって一体どんなかなと想像しながら読みました．母親との暗い過去を持つ満が朔の洋館で働き始めるがしばしば暴力的な感情に押しつぶされそうになる彼が源さんの庭での様々な植物に少しずつ癒されていく．朔と満の接点は意外でしたがもうしばらく朔のそばで過ごすことで満に心の平穏が訪れるといいなと思います．

赤川さんの作品ではいつも人間の欲得に支配されたダメダメ人間と純粋無垢な人間とが混在していながら調和が取れているなぁと思います．

巻が進むごとに道田くんの真弓さん命！ぶりがエスカレートしていくのでこの先どうなることやら．淳一は何気に真弓の事件をさらっと横取りしてしかもお宝を頂戴する（かすめ取る？）というちゃっかりぶり．最後のスーパーの話のオチはちょっとモヤモヤする．

北斎ものはあれこれと読んできましたが幼少期や若い頃の話は始めてでした．お栄が連れ子だという設定は作者さんの創作？思わずウィキペディアで確認してしまいました．北斎とお栄の強い絆と信頼が時には息苦しくさえありました．持って生まれた才能を充分に活かす環境におかれ二人三脚で切磋琢磨するこの親娘はどちらかが欠けたら危ういものになる…という危惧が最後に現実に．仏の道を無事渡れたでしょうか．

ボディーガードとしてよりも探偵（本人は苦手だと言っていますが）として動くことが多かったキリでした．弥生の頑なな反抗的な態度からしまいには純な乙女のような一面を見せるまでになった変化が面白かったです．公安のアイツがとんでもない奴だったとは．押しの強い朋華と弥生のやり取りがなんとも笑える．

相変わらず次々と殺人が起きて淳一の見事な推理でサクサクと解決していきます．ワンパターンとはいえさしてストレスを感じることなく読めるのは嬉しい．けれど家の中にクレーン車を置くという発想にはびっくり．

淳一がどさくさに紛れてまゆみの事件がらみの現場から色々と掠め取っているようですがそれもありかもなんで思わせる淳一のキャラは憎めない．解説者が私と同じ疑問（刑事の真弓と泥棒の淳一との出会い）を抱いていて親近感．

朔のまとう香りって一体どんなかなと想像しながら読みました．母親との暗い過去を持つ満が朔の洋館で働き始めるがしばしば暴力的な感情に押しつぶされそうになる彼が源さんの庭での様々な植物に少しずつ癒されていく．朔と満の接点は意外でしたがもうしばらく朔のそばで過ごすことで満に心の平穏が訪れるといいなと思います．

黄金のマスクを巡る攻防戦，最後のすり替えのすり替えに淳一の盗人としてのこだわりが感じられまたまた好感度アップ．しかもヘリの操縦までできるのね．

この状況で一体誰に感情移入していいのかわからない…　美醜にこだわる駿馬，究極の脅迫者鞠子．みんな少しずつ自分を壊し騙しながら結局は自分可愛さのあまり自己中の道に走る．後半の二転三転する展開には完全に振り回されヒーローの結末には「まぁそうなるしかないか」と納得せざるを得ない．でも決して後味良くないのでなんだか消化不良．

芸能界のあるある話．結構シビアな話が多くやっぱり一筋縄ではいかない世界なのかなぁと．特にインスタははまり込むと怖そう．私はアカウント持っていないので見ることもフォローすることもないけど．芸能界，私にとっては別世界の話．

なんだかぶっ飛んだ設定の夫婦ですがそうなったいきさつが知りたいです．振り回されている道田くんがちょっと（かなり）かわいそうです．

読む順が前後してしまいましたが一応理解できました.野宮の過去が明らかになり「へえ～！」と驚きです.彼女でも色々と屈託を抱えていることになんだか安堵.良くも悪くも父親から学んだことを実践しいくつもの修羅場をくぐり抜けてきたんだなと.

静かに静かに胸を打つ作品でした．戦時下の満州で幼少期を過ごしたひろみの身に起きたことが淡々と語られますが戦争の愚かさや理不尽さになんとも胸がザワザワします．いたいけな少年少女たちをこんな世界に引き込んでいいわけがありません．体験を語り継ぎ次世代に伝言していくことには大きな意味があるとつくづく思います．作者さんの勉強や取材力に頭が下がります．

鎌倉の縁切寺そばの離婚専門弁護士紬の事務所.なかなかの立地ですね.様々な理由で夫との離婚を望む女性たち.その気持をくんでしっかり取るものは取るという姿勢で交渉する紬はその可愛らしい見た目と違ってなかなかシビア.「元彼の遺言状」は未読ですがきっと女性の読者を裏切らない頼もしい作者さんなのでしょう.

三角関係の三人三様の思惑，嫉妬や憎しみより尊敬や大好きな気持ちが大きいってどういうこと．それぞれの視点に立つとわからなくもないけれどやっぱりこの三角はいびつですよね．喜久江さんが病に倒れたことでかろうじて均衡を保っていたバランスが崩れ思わぬ結末へ．ふ〜ん，そういう着地なんだと．

初っ端が怖すぎて全編このテイストなのか？と身構えましたがやっぱり近藤さんは物語づくりの名人,どれも思わずのめり込むように読みました.犬が共通項？というわけではないようですがわんこ好きにはたまらない作品も.人の心のひだのひとつひとつを丁寧に掘り起こす手腕はすごいです.

シリーズものと知らずにこれから読んでしまいました．テンポよく面白い．全編通して際立っていたのはなんといっても淳一のスマートな格好良さ．妻や周りのみんなをうま〜く御して良いところをかっさらっていく，惚れ惚れします．1巻目から読んでみます

料理屋の娘と相惚れになり婿に入った鈴之助はいっさい家業に携れないながらも持ち前の人の良さで難しい家族の面々の心をこじ開けていきます．千瀬の双子の兄とは和解できてこれからはいい商売仇として切磋琢磨していけそうで何よりです．