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2025年11月の読書メーターまとめ

大和桜289
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30
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感想・レビュー
30
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2025年11月に読んだ本
30

2025年11月にナイスが最も多かった感想・レビュー

大和桜289
ネタバレ物語の舞台となっている京成金町線とか北総線は乗車したことも無く、葛飾柴又は寅さんへの思いもあり一度は歩き回ってみたいと思いつつ、東京赴任時代にも行けないままに終わったので土地勘が働かなかった。が、下町風情の強い地域にある個人商店の日比野豆腐店に纏わるファミリーヒストリーが、時代変化の流れとコロナ禍にさらされて商売上の試練にさらされる状況の中で展開されている。美味しいお豆腐屋さんが近くにあれば地域住民としては便利だろうが、個人商店としてのうま味は減少傾向で、店を維持するのは大変なんだろうと、しみじみ感じた。
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2025年11月にナイスが最も多かったつぶやき

大和桜289

[2025年10月の読書]白内障を指摘され手術をうけることとなった。その事前学習に時間を取られ、年間目標への追い込み対応にも遅れが出ている。老いは前からも後ろからも迫ってくる時期にさしかかったようだ。それもまた人生。慌てず淡々と歩を進めるほかなし。11月も宜しくお願いします。 読んだ本の数:34冊 読んだページ数:7805ページ ナイス数:1640ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/304927/summary/monthly/2025/10

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2025年11月の感想・レビュー一覧
30

大和桜289
ネタバレ初読み作家作品。北海道の小麦農家に生まれ育ち、幼少期にリサイタルで耳にした声楽家の歌声にあこがれを抱いた少女が、祖母からオーディションのあることを聞きつけてこれを受け、その声質から招待枠でオーディションを駆け上がり、結果的に最終組には残れなかったが、その過程の中で音楽への新たな思いを育てゆく様子が描かれている。オペラ、声楽家やその選考に関して基本的な素養に欠ける僕には、描かれているディテール自体が物珍しく興味深かった。オーディションに参加できたことで、音楽を愛する新しい仲間にも会え、そこで切磋琢磨しつつ⇒
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大和桜289
隣町図書館「本日のお薦め文庫本」コーナーからの一冊。この本には映画化もされた川村元気さんの「世界から猫が消えたなら」の原作があって、その猫をボクに切り替えて主人公の飼い猫であるキャベツの物語として書き直したもののようだ。この経緯も原作も映画も全く知らずに読んだ。飼い主が自転車の店頭自己で受信した際に脳腫瘍を指摘され余命宣告を受けた後の、飼い主と猫との一週間の記憶を描いているもの。期間一週間の各曜日ごとの物語をネコの視点で描いたことから生まれる微妙な可笑しみ、内省的な心情の移ろいも鮮やかで面白かった。
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大和桜289
ネタバレ初読み作家作品。<アパルトマン黒猫>の舞台設定とオーナーはじめ登場人物のキャラ設定自体がユニークで、この先どう展開させるのかと読み急がされた。帯によれば住居人六名は、管理人もAIみたいなピアニスト、住居人もアイドル・VTuber、セクシー書道家、脚本家、人気イラストレーター、AIエンジニアと多彩な顔触れだが、いずれもオーナーが芸術的才能ありと認めた者たちだ。芸術家にはパトロンや才能豊かな者たちの刺激を促すサロンもあらまほしきものだ。関係者の会話内容も面白く、その裏には芸術とAIを巡る現在的テーマが⇒
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大和桜289
YA向け絵本コーナーから引き出した一冊。文/キアーラ・コッサーニ、絵/ビンハ・ランドマン、訳/関口英子、2017年9月発行。1982年、パキスタン生まれのイクバルという少年がいて、4歳で借金の為に身を売られ、児童労働をを余儀なくされ、そこからの解放のために立ち上がり、1995年4月、12歳で銃弾の為に倒れた少年が存在したことを僕は知らなかった。開発途上国の貧困社会では今なお存在する児童労働や教育機会の剥奪の状況には暗澹とした気持ちに落ち込む。が、その子たちの解放への大きなうねり、潮流にも目を凝らしたい。
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大和桜289
自動車の価格も高くなり、個人的には教育費に追われ、自動車にまで目が回らなかった。この30年近く新車パンフなども見ることなく新しい情報に全くついていけなくなっていた。そんな中この最新メカニズムをビジュアルに解説する本書を見つけてびっくり。技術的な解説は一般人向けに抑えているのだろうが、そのレベルでも僕には情けなくも難しい。が、それでもページを繰らせるほどに、部品パーツも美しく、ユニットとしてのフォルムもコンパクトで軽量化を図った美しさを放っている。基幹産業を支える技術の精髄と同行に目がひきつけられた。
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大和桜289
初読み作家作品。物書きを稼業とされる方もいろいろで、別に聖人君子たるべきものとは思はないが、基本的には物事を客観的に捉える視点を持ち、鋭い感性や感覚を踏まえて物語を紡ぎだせる才能をお持ちの方だと受け止めてきた。本書で取り上げられた小説家の方々はいささか奇人・変人の趣もあり、それらの小説家と対峙する編集者の世界が、克明に描かれていてノンフィクション作品かもと思わせるほどの内容があった。これはどういうジャンルのものと受け止めるべきか僕は分からないのだが、作品自体の目の付け所はユニークで、この業界も一筋縄では⇒
大和桜289
2025/11/29 07:01

⇒なく、魑魅魍魎も徘徊しているのかもと思わせ、誰かモデルとなる作家や世界があるのかもと思わせる。くわばらくわばら。

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大和桜289
図書館の新着棚でこの強烈な表紙が目に止まった。鈴木自動車の経営者として、また我が国の軽自動車業界を長年に渡り牽引されていた鈴木修氏が2024年12月に逝去されていたことだけは知っていた。が、個人的な出自ゃ経歴、功績などの具体的なことは何も知らなかった。本書は同氏の経歴と経営者としての航跡を評伝的に追っていて興味深く読めた。並外れた熱量の人であり、ハーツ・ツゥー・ハーツ、現場主義、トップダウン主義で猛烈に働く昭和型経営者の塊のような方かと受け止めた。後発自動車会社として割り込み軽自動車の世界的メーカーに⇒
大和桜289
2025/11/28 04:30

⇒押し上げた功績の多大さは論を待たない。だが一方、強烈な個性と馬力で組織を牽引するやり方式を誇られた方だけに、その後に続く者としても大変だったろう。同社のさらなる発展に向け、今後のかじ取り、組織風土作りがどう展開するかめが離せないと企業の一つだと思えた。

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大和桜289
自然災害が多発し、日本列島が活動期に入っていると喧伝される中、本書が刊行されるにいたった経緯は巻末近くのP164「おわりに」で詳しく記述されており、全国の著名ジオパーク12ヵ所を取り上げ、その地に伝わってきた伝承を地質学をベースに読み解き解説していて面白い。地質学研究者やジオパーク活動家が協同執筆しており、地質学視点からの最新知見を多数の写真や図を駆使して一般人にも分かりやすく解説している。コラム爛や用語解説なども入門的解説書としての配慮が嬉しい。神話学、歴史学にも踏み込んでのスケール感がたまらない。
大和桜289
2025/11/26 03:59

ガジュマルさん、足を運ばれたら感激ものでしょうね。地質学的なこと知らないことも多いのですが、地球規模のダイナミックさや何万年にも渡る地球規模の大変動が現在の景観を形作っているかと思うと、ちまちましたこともさることながら、気宇壮大になりそのダイナミックさに圧倒されますね。ブラタモリの上をゆく快感を覚えました。

ガジュマル
2025/11/26 20:17

私もブラタモリ♡いつも楽しみに観ています😊

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大和桜289
ネタバレ青埜櫂と井上暁海、この一組の男女の十七歳から三十二歳までの関係性がなんとも哀切に描かれている。子は親を選べなくいが、こんな酷い親がいるのかと思わせるほどの家庭環境の悪さだ。親の歪んだ性癖や家族観のしわ寄せが若い二人に及んでいく様子は読むのも息苦しい。輻輳的なテーマが込められていて考えさせられるが、閉鎖的な島社会でプライバシーもあったものではなく、他人のことは面白おかしく嘲笑と蔑みを投げつけるだけ。本来はそんな親や社会からの自立と自律をめざすへきなのだが、小さな時からの刷り込まれた性もあり跳ね返せなくて、⇒
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大和桜289
ネタバレ初読み作家作品。著者は1969年東京生まれの由。書名から単純に調理絡みのお話かと軽い気持ちで手にした。プロのギタリストを目指していた青年が、生活のため音楽関係の会社に就職を決め初出社したら、その関連会社の清掃部門で<秋のぐるめフェスタ>にかりだされる形で物語が始まる連作五短編集だった。各編の話者を変えての展開で読み進めるほどに関連性深まり構想性も豊かになった。三話「老若麺(ラオルオメン)」や五話「フチモチの歌」に漂う情感には涙すら覚えた。どんな仕事であれ、目の前の仕事に真面目に取り組むべきものと思えた。
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大和桜289
ネタバレ物語の舞台となっている京成金町線とか北総線は乗車したことも無く、葛飾柴又は寅さんへの思いもあり一度は歩き回ってみたいと思いつつ、東京赴任時代にも行けないままに終わったので土地勘が働かなかった。が、下町風情の強い地域にある個人商店の日比野豆腐店に纏わるファミリーヒストリーが、時代変化の流れとコロナ禍にさらされて商売上の試練にさらされる状況の中で展開されている。美味しいお豆腐屋さんが近くにあれば地域住民としては便利だろうが、個人商店としてのうま味は減少傾向で、店を維持するのは大変なんだろうと、しみじみ感じた。
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大和桜289
作:森山京、絵:黒井健。2012年2月発行の本書は1986年11月刊行の同名絵本の新装版とのこと。不器用で、のみこみも遅いモモコは、ひと一倍の練習してバレエ公演の王女役を天才肌のマリエとともに一日交替で務めることとなり、迎えた公演初日はモモコの誕生日でもあり、公演の好評価とバースデーパーティーでダブルの喜びに浸るモモコさんの一日が気持ちよく描かれています。バレリーナとぶたの取り合わせに,じどうなることやらと気をもみましたが、黒井さんの絵でそんな心配も吹っ飛び、くすんと笑みもこぼれ暖かな気持ちになれました。
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大和桜289
ネタバレ隣町図書館の「本日のお薦め文庫本」コーナーからの一冊。寒さとともに居酒屋話もまたいいかもと軽い気持ちで手にした。冴えない役者の卵の青年が、居酒屋に飛び込んでしまい、そこで主のおやじと調理担当のお母さん、さらには常連客達と親交を深めていく定番のストーリー展開だが、あるじ夫婦に纏わる話柄展開がどちらが主人公が分からぬほど濃厚かつインパクトも強くて、先へ先へと読み急がされた。プライバシーなどあったものでないようなお店で好き嫌いは当然あるだろうが、昭和の色濃い場末の居酒屋の雰囲気、人情話もまた楽しく身に染む。
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大和桜289
本年7月に一読していた。図書館の新着棚に戻ってきているのを見たら再読したくて手にした。副題を含めた書名の通り、著者の幅広い視点から映画や舞台のロケ地となった100ヵ所を厳選紹介している。その土地、景観が持つ美観、それを映像作品に取り込んでの映像作品世界、製作裏話など豊富な情報量を、写真多用のビジュアル重視、コンパクト編集で紹介されている。紹介されている映像作品を観てないものが多いのだが、掲載写真を眺めただけでも素敵な景観が多数あり、本書片手にそれが映像作品でどう活かされていたかを想起しながら歩きたくなる。
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大和桜289
ネタバレ隣町図書館の「本日のお薦め文庫本」コーナーからの一冊。初読み作家さん作品。大阪奉行所より江戸北町奉行所の新任した奉行に引き立てられて上方から赴任した内与力:淀川新十郎の奮闘を描く著者の新シリーズとのこと。奉行所間での転任(転勤)制などあったのか、それに奉行直属での内与力という役職も初めて聞くお話だから面白いかもと思った。で、この新十郎だが、お堅い奉行所の前例主義や約束事には頓着することなく、正義を貫く気概ある男のようだで痛快だが、巻き込まれたらはらはら感がたまらないご仁のようだ。だが、そんな力仕事を⇒
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大和桜289
ネタバレ「善人長屋」シリーズの第何巻もわからないまま読み始めた。江戸深川山本町、浄心寺裏の千七長屋、裏稼業持ちの悪党ばかりが住むのに人呼んで善人長屋?。この舞台設定が本シリーズの肝で、後は住人の特殊技能と結束のよさで持ち込まれる難題を解決するのがお定まりのコース展開だが、本館は冒頭話「白狐」の謎解きが平板で、とっつき話としてはどうしたことかと思った。根付から牧谿の掛け軸に繋がるお話に人情話も加味してさすがの展開だった。江戸の町人暮らしも大変だけど、これくらいの悪党も存在し支え合得ていたようでなかなかのものだ。
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大和桜289
読メ記録によれば、「流転の海」全九巻は2020年5月から7月にかけ約1ケ月半かけて読んでいた。本書は長らく読みたい本に登録していてようやく会えた。同シリーズにまつわる話を集めたアンソロジー作ということで、15編の短篇が収められていた。読了して約五年経過していて、細部を思い出せないものもあったが、印象的に思い出せる点も多々あり、「もうひとつの…」と銘打たれた本書を感慨深く読め嬉しかった。編者の細井氏は<調査するエッセイスト>との触れ込みだが、その労多き作業に感謝したい。戦前の時代背景の中、五十歳で手にした⇒
大和桜289
2025/11/15 05:34

⇒我が子への熱き思いを抱きながら、戦争を挟んだ怒涛の時代を生き急いだ松阪熊吾の後ろ姿に振り回され翻弄された母と息子。その時代状況の中で強烈に生きぬいた男の像を目にしつつ、父母大きな愛のなかでまた自分も育ったのだと自足し安堵も覚える作家の心情を思い描くと、人の世に引き継がれる想いや生きかたといったものに素直に頭をたれたくなった。

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大和桜289
ネタバレ隣町図書館の著者開架棚は作品が並んでいることがほとんどなく、いつも誰かの貸し出し中状態で、その日もお目当ての作品はなく、本書だけが目に止まった。TVドラマのノベライズ作品とのことで、番組も視聴してなかったが、著者が書かれたものならばと手にした。特別養子縁組制度が法制化された以降、この種の問題を扱った作品には何冊か遭遇したがだが、望まない妊娠に起因する事態は、それに巻き込まれてしまった女性の苦悩だけでなく、その子の養育に関わる関係者を含め社会的な影響範囲が大きく、周囲の人々の正しい理解と認知なくしては、⇒
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大和桜289
1928年生まれの大先達をとらまえて恐縮だが、僕は気楽な読書は著者のエッセイに限ると思ってきた。大阪の気のよいおばちゃんの雰囲気を放出しつつ、見るべきところをびしっと押さえ、にっこり笑いつつ辛辣な物言いも自在な点が心地よかったのだ。で、今回は「女のイイ顔」との書名で、題名どおりの第一章にはじまり、「Ⅱ 結婚は楽し」「Ⅲ おいてなおバラ色」「Ⅳ 独りも楽し」「Ⅴ 我が頭をなでてやる」の五章立てで、既刊作品から三十二編を選択編集したもの。女性のライフステージに応じて闊達な意見だが、やわな僕には凄みすら感じた。
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大和桜289
著者作品の初読み。高校の図書室で出会った、陸上長距離の有望選手である定本風香と文筆活動に入れ込む明戸類。この特段の共通項もない二人が、一冊の読書を通じて関係性を深めていくのかと予想させた。二人のキャラ設定、とりわけ類の特異性、独特な物言いもあり、こんな女子高生もいるかもと面白く読み進めた。だが、類の家族環境や友達関係もあってか、すんなり爽やかとはまいらず、なかなかに理屈っぽい展開に戸惑った。少女たちの才能や関心事もいろいろあって当然だし、違いを認め合ってそれぞれの目標にひたむきに歩を進めれば良いのだろう。
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大和桜289
僕の読書生活でちょっと怖いお姉さまは、白洲正子さんと向田邦子さんだったが、ここ数年年齢は下だけれど緊張をおぼえる女性作家はヤマザキマリさんとフセレディーみかこさんだった、図書館の開架棚で目にした本書は、谷川俊太郎氏とブレディーみかこさんの往復書簡集でその取り合わせに意外感を感じ手にした。ブレディーさんの「地べたのライター」に対するは谷川さんの詩頭からの「詩の朦朧体」での対応とのご謙遜はともかく、僕的には取り合わせが珍しく、かつ、主たる話柄が「あの世とこの世」ではなく、二つの境界としての「その世」を捉えた⇒
大和桜289
2025/11/11 05:06

⇒やりとりが面白かった。谷川さんの書簡が書かれた時期は記載なく不明だが、2022年1月~2023年の春先くらいの間での往復18書簡。谷川氏は2024年の11月に逝去されているので最晩年での書簡になる。ブレディーさんの文書は一読すればすっと頭に入ってくるが、谷川さんの詩頭から湧き出てきた詩は、僕は著者の作品をフォローしたことなく不慣れで年齢的にも随分上の方でもあり、どこまで著者の真意を理解できているかは不確かで心許ない。

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大和桜289
コーヒーを一番たくさん飲んだのは大学生の頃だったろうか。ひとり暮らしで日本茶を飲むことはまずなく、インスタントコーヒーがお茶がわりだった。働き出して美味いコヒーをこだわった時期もあったが、年齢とともに飲酒習慣に馴染み、コーヒーは休憩時間や街で誰かに遭遇してちょっとお茶でもと喫茶店でのお供の品になった。「教養として…」と受け止めたことは無くて襟を正して読んだ。奥深い歴史から始まり嗜好品としての珈琲をは味わい尽くすには、豆の栽培から口に運ばれてくるまでの各工程での、創意工夫と要点が明かされ、ここまで⇒
大和桜289
2025/11/10 07:15

⇒研ぎすまされての珈琲文化であり、それに対する著者をはじめ多くの関係者の愛情や蘊蓄にも納得できた。地球温暖化を受け2050年には世界的にコーヒーが不足するという「2050年問題」があると知り、美味いコーヒーを飲みたいなら、より大きな視野を持ち続ける必要があることにも理解できた。一杯の珈琲にも心して感謝の念とともに味わいつくさなくてはいけない。

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大和桜289
来年一月宗像神社を訪ねることにしており本書を再々読。神々に捧げられたご神宝を、写真家:山村善太郎氏が最適なライティングとアングルから切り撮られた写真集。比較的小さな物が多くて、勾玉や玉、ガラスの玉にいたっては2、3cmほどであり、実物をガラス超しに見るときにはこんなに大きく,明るく色鮮やかな輝きとして観ることもかなわないだろう。撮影者の山村氏によれば、神道には「感謝」「謙虚」「寛容」という精神があり、撮影らあたってはこの3Kを心構えとしこれが大きな支えとなったとのこと。ただただ沈黙に向き合う時間だった。
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大和桜289
読了後読メを再確認したら、この三年ほどで著者のエッセイ、対談本の読書九冊目だった。著者は1967年東京生まれとのことだが、幼くして父親が病死し母親ガブィオラ奏者として働き家庭を支える必要から北海道に転居し、渾身の力を振り絞っていきる母の姿を見て育っていた。その家庭環境も彼女の人生も僕からすれば壮絶なものと言う他なく、それに鍛えられての著者の人生だったろうと拝察している。その母親も見送った中での、著者の死生観が率直に綴られていて読み応えがあった。「人は生きてきたように死んでいく」のだろうと改めて得心した。⇒
大和桜289
2025/11/08 02:55

⇒ラテン語のメメントモリは聞き知っていたが、書名にもある『カルペ・デイエム(今この瞬間を生きて)』は初めて知ることができた。老いも死も前からも後ろからも迫りくることを自覚する時節を迎えている我が身であるが、本書の「第四章 私の老い支度」、「第五章 母を見送って」そして「エピローグ」の言葉を受け取り、「いのちあるうちはまた新たな今日の一日を丁寧に生きるほんなし」と適度な緊張感を覚えて本書を閉じた。ありがたいことだ。

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大和桜289
奈良興福寺には、運慶作の諸像をはじめ数多くの国宝レベルの仏像があることは認識していた。また、JR奈良駅から三条通りに沿って爪先上がりに辿っていけば、自動的に興福寺境内にも到るので広い境内を何度も通ってはいたが、国宝館以外には立ち入ることはなかった。率直なところお寺としての雰囲気やイメージを良く思ってなかったからだ。奈良仏教は鎮護国家を看板にしていたことに加え、興福寺は藤原氏の氏寺としての色彩が強く、広大な荘園を経済基盤として、中世以降には大和国を武力で支配するなど、宗教団体の域を超えた印象が強かった⇒
大和桜289
2025/11/07 05:16

⇒からだ、本書では二部編集で、PART1で「明宝・国宝でたどる美と伝統」、PART2で「日本史のなかの興福寺千三百年」と銘打って、その概要を多くの写真、図なども駆使して解説していて興味深い。個人的にはPART2部分への関心が強く注目して読んだ。なにわともあれ、結果的に素晴らしい諸像と奈良公園を遺してくれたことには、遅れて奈良県民になった者としても素直に感謝したい。

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大和桜289
ネタバレ著作/ルーク・アダム・ホーカー、訳/武田悦子。2021年7月発行。著者は英国ノッティンガム・トレント大学でインテリアとデザインを学び、ロンドンを拠点に美術家、デザイナー、イラストレーターとして幅広く活躍中とのこと。ペンとインクを主体にされたような絵で、街の日常風景に自然災害、暗雲がたちこめるに到る状況からまた再び晴れゆくまでが端正に描かれている。その背景には自然や他者と共に生きることの重要性を、さまざまな日常の暮らしぶりの中に描くことで表現しており、作品を貫くテーマ性が一目瞭然で訴求力ある作品だった。
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大和桜289
ネタバレ大人も絵本をお薦めとのコーナーからの一冊。表紙絵と書名にインパクトを感じ、どういうことか気になり手にした。作/フィリップ・ジャルベール、訳/滝川クリステル。2025年6月発行。見開き2ページに、オオカミと少女(赤ずきんちゃん)の目線風景とつぶやきを配し、黒色を基調にして赤ずきんとオオカミの瞳だけを赤く配して、文は最低限にとどめるなど凝った作品だが、結末は赤ずきんちゃんが殺されてえげつない。僕にはこの本の作成意図がよく理解できなかった。今まで流布していたものは偽物で、本当の解釈はこうだと言いたいのか。⇒
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大和桜289
再々読。他人の仕事ぶり、とりわけ職人仕事は眺めているだけでも小気味よく面白い。その段取りと手順、道具の扱い方、身体の使い方を眺めているだけでも、無駄がなく理にかなっていて所作自体が美しくすらある。この本は江戸の文物や粋という江戸文化にこだわったきらいはあるが、30の伝統化した文物をとりあげ、それを伝承してきたお店、伝承者としての職人を訪ねて、その作業の勘所を含めその作業への心意気から自負までを伝えていて、こうした方がおられたからこそ伝承文化が存在しているその一端を知ることができ、嬉しい気持ちを味わえる。
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大和桜289
ネタバレ今年は著者の新シリーズ刊行もあってけっこう著者作品を手にしているが、図書館で適当に借り出した本作、読み始めた時は、ちょっと間違った選択をしたかもと思った。六話だての話柄が重なるに従い、こりゃ問題ある家族でのっぴきならず、家族で柱として立つべき者が誰も見当たらず、こうなると崩壊必至と思われた。だが、わがままな子どものまま成人に達していた母親(妻)が、交通事故に会い家事が全くできなくなった異常事態が発生したことから、家族の再結束の予感を漂わせて物語が収束し、かすかな安堵感を覚えて読み終えられた。ふ~。
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大和桜289
三重県の北勢部で高校まで育ち、今は奈良盆地内で約四十年暮らす僕としては、新着棚にあった本書は、書名からして今読んでおくべき本だと思った。著者は1970年に兵庫県明石にうまれ、日本、アジア、太平洋、アラビア、アフリカ各地をカヤック・トラベラーとして回り、感覚的知見からカヌーで繋がる環太平洋文化とも言うべきものを感得され、改めて奈良の吉野から熊野に到る大峰奥駆路を縦走し、伊勢神宮に到る間の聖地を巡礼されて、この地域に古来から存在する自然文化に元気ゅの上、それが環太平洋文化とも一脈通じ、地球的規模に立っての⇒
大和桜289
2025/11/03 05:45

⇒新たな遠大な自然文化視点を持てる可能性があるのではとのスケール大きな論を展開されている。書名とおり森と海を実地に踏破したうえでの論考であり、その途上で著者の心身に去来した例えば、役行者、修験道、自然が奏でる音楽と響き、神話、補陀落渡海、黒潮の諸相、ウミガメ等々の思考が詰まっていて、わずか200頁ほどの本だが、読み応え十分でありかつ自然感得については新たな知見・知識にも富み読み応えがあった。

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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2013/01/11(4714日経過)
記録初日
2013/01/11(4714日経過)
読んだ本
5324冊(1日平均1.13冊)
読んだページ
1367505ページ(1日平均290ページ)
感想・レビュー
5261件(投稿率98.8%)
本棚
0棚
性別
現住所
奈良県
自己紹介

読書メーター13年目に入りました。

読メの皆さんの書評やメッセージを励みに、
毎日の生活に持続的な読書時間を組み込む
生活習慣は定着できました。

ランダムな読書から古典作品や系列的な読書への
移行が積年の課題ではありましたが、本年からは
その切り替えに注力し、読書生活の充実を期して
おります。

また、読書生活を基軸にして、残された時間と
なんでもない普通のことを大切にし、日々を
健やかに穏かに丁寧に過ごすことで、
日々の充実を期して参りたいと祈念しています。

本年も宜しくお願い申し上げます。

◎2013(H25)年読メ登録以来に視野に入れた
 現代作家 
・ 2013年
  高田 郁、有川 浩、 村上春樹、
  原田マハ、三浦しをん、 重松 清、
  丸谷才一、朝井まかて

 ・2014(H26)年
  森沢昭夫、あさのあつこ、瀬尾まいこ、
  村山由佳、葉室 麟、池永 陽、
  村山早紀、藤岡陽子、青山文平

 ・2015(H27)年
  上橋菜穂子、山本甲士、西 加奈子、
  大島真寿美 大崎 梢、吉田篤弘、
  佐藤多佳子、宮下奈都、内田洋子、
  湯本香樹実

 ・2016(H28)
  熊谷達也、梨木香歩、山口恵以子
  森 浩美、西條奈加、辻村深月

 ・2017(H29)年
  近藤史恵、垣谷美雨、岸本葉子、片岡義男

 ・2018(H30)年
  千早 茜 ほしおさなえ 寺地はるな

 ・2019(R1)年
  桜木紫乃

 ・2020(R2)年
  吉村 昭 宮本 輝 伊吹有喜 瀧羽麻子
 
・2021(R3)年
  吉田修一

・2022(R4)年
  伊予原新 青山美智子

 ・2023、2024年
  特になし

 ・2025
  永井紗耶子 加納明子

◎現代作家作品への注力12年間から一旦切り上げ
 2025年からは古典作及び系列的な読書に戻す

◎読メ記録による年間読書量
 ・2013年  324冊   86,738頁
 ・2014   430   118,720
 ・2015   435   120,319
 ・2016   468   127,051
 ・2017   459   119,710
 ・2018   438   112,242
 ・2019   452   107,246
 ・2020   407   103,799
 ・2021   403   102,478
 ・2022   392   100,612
 ・2023   377    96,998
 ・2024   412    98,121





    

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