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2024年9月の読書メーターまとめ

竹園和明
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1704ページ
感想・レビュー
6
ナイス
650ナイス

2024年9月に読んだ本
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2024年9月にナイスが最も多かった感想・レビュー

竹園和明
なるほど!面白いと評判になる訳だ。樹海で行方不明となり1週間ぶりに無事保護された発達障害の5歳男児。1週間の謎を解き明かすべく男児のママと叔父が独自の調査…ってのが骨子の作品。彼を助けてくれた“くまさん“とは誰?何者?。様々な理由で樹海に入り込んでいた無関係な男女4人の行動が平行して描かれ、またミステリアスな題材なのに文章がユーモラスでとても読み易かった。そして5人目の存在として浮かび上がる正体が秀逸!。ライトで読み易い、そしてムダがなく濃密な娯楽作品。面白かった!。
竹園和明
2024/09/16 17:25

【追記】自分しか居ないと思っていた樹海に居るはずのない誰かがいる…という4人の視点から、真保裕一の傑作『デパートへ行こう!』を思い出した。互角の仕上がりだね。真人くんを救った“じゃがりこ”たらこバター味、そんなに美味しいなら明日買ってくるわ笑

が「ナイス!」と言っています。

2024年9月にナイスが最も多かったつぶやき

竹園和明

吉村昭『赤い人』は強烈!。井上荒野『猛獣ども』は面白くて一気読みでした。この2人はホントにハズレがないなぁ。:2024年8月の読書メーター 読んだ本の数:8冊 読んだページ数:2024ページ ナイス数:563ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/316487/summary/monthly/2024/8

あすなろ
2024/09/01 08:47

おはようございます。吉村昭『赤い人』、河崎氏の最新刊読んで刺激され、今月は何十年ぶりに再読を考えております

竹園和明
2024/09/01 08:53

あすなろさん、コメントありがとうございます。自分も『愚か者の石』を読んでからの『赤い人』でした。吉村昭の緻密な取材、調査は凄いのひと言ですね!

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2024年9月の感想・レビュー一覧
6

竹園和明
胎児内胎児という想像も出来ない話から始まる本作。主人公杏と瞬の父は、祖母がお腹に宿した胎児(二人の伯父)のそのお腹に宿された命だった。無事取り上げられた伯父と父は双子の兄弟だ。その伯父の訃報に接した杏と瞬は自分達の事を考えるのだが、更なる驚きの設定で…。結合双生児。一つの身体を共有する二人の日常は、陰陽図の如き相補相克関係で淡々と進む。伯父の四十九日を終えた夜、瞬の耳に聞こえて来た啓示とは。…医師である著者が追い求める人体の神秘を飛躍させた奇抜な設定から、人間の命の崇高さを説いた作品と理解した。
竹園和明
2024/09/29 17:53

【追記】人は皆、死に向かう苦しみは体験出来ても死そのものを主観的に体験する事は出来ない。人が真に恐れているのは「肉体の死」ではなく「意識の死」である…と説く啓示が、荘厳な響きのように漂う。読み始めは「?」の連続だったが、その哲学的な世界観に一気に引き込まれた。これこそが芥川賞なのだろう。

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竹園和明
著者は韓国について「走り続けなければならない国」と言う。達成しなければ何の価値もない…という激烈な競争社会。本作の主人公ヨンジュは、会社を辞めヒュナム洞書店を立ち上げた人。ここは競争に疲れた人達が立ち寄り自分を見つめ直す場所であり、立ち寄ってくれる人と接しながらヨンジュ自身が自分を解放する場所だ。激しい競争社会に心身共に疲れ切った人に対し「ちょっと休もうよ」と語りかける本作。人は競争に勝つ為に生まれた訳ではないし人の価値はそこにはない。救いと希望に満ちた素晴らしい作品だった。まだの方は是非!
竹園和明
2024/09/25 12:45

【追記①】ヒュナム洞書店は、ヨンジュの思う「良い本」以外は置かないルール。たとえベストセラーの本でもだ。脇目も振らず走り続け身体を壊し、離婚と母との確執を経て彼女が到達したルールだが、そんな彼女の書店に何らかの意義と価値を感じた人が集まることになる。そして本作自体、単なるほのぼの小説ではない意義と価値に溢れた素晴らしい作品。文句なしにオススメ出来る作品だ。

竹園和明
2024/09/25 12:45

【追記②】中盤から登場する虚無的な視線の高校生ミンジュン。「人生なんてそんなもんでしょう」といった妙に冷めた物言いは、競争疲れで失意と諦めが常態化した韓国の若者の象徴か。「幸せはそう遠くにあるわけじゃない」というヨンジュの言葉を彼が心から理解出来る日が来るといい。

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竹園和明
なるほど!面白いと評判になる訳だ。樹海で行方不明となり1週間ぶりに無事保護された発達障害の5歳男児。1週間の謎を解き明かすべく男児のママと叔父が独自の調査…ってのが骨子の作品。彼を助けてくれた“くまさん“とは誰?何者?。様々な理由で樹海に入り込んでいた無関係な男女4人の行動が平行して描かれ、またミステリアスな題材なのに文章がユーモラスでとても読み易かった。そして5人目の存在として浮かび上がる正体が秀逸!。ライトで読み易い、そしてムダがなく濃密な娯楽作品。面白かった!。
竹園和明
2024/09/16 17:25

【追記】自分しか居ないと思っていた樹海に居るはずのない誰かがいる…という4人の視点から、真保裕一の傑作『デパートへ行こう!』を思い出した。互角の仕上がりだね。真人くんを救った“じゃがりこ”たらこバター味、そんなに美味しいなら明日買ってくるわ笑

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竹園和明
政界を舞台とした娯楽小説。駆け足のようなテンポで粗筋に薄肉を貼り付けたような作り。元キャスターの女性総理大臣誕生という設定がドラマには向きかも知れないが、政界の闇を深掘りような作品ではない(そこを狙って書いたわけではなさそうだ)。だが長老という化け物が幅を利かせて蠢く様子や不信任決議案を巡る駆け引きが描かれたりで、それなりに面白かった。現実の世界でも長老支配の政治をリセットしないと日本は沈没だよね。いつまでも年寄りがのさばる国に未来なんかあるわけないでしょうが。
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竹園和明
17人の女性作家が女性性をテーマに書いたエッセイ集。短いながらも多様なスタイルで直球あり変化球あり。テーマの捉え方もそれぞれで、各人が自ら掲げたテーマを深掘り。村田沙耶香がインパクト絶大!。一番刺さったのは藤野可織。妊娠を命題の如く捉え、そのプレッシャーと闘う女性の本心をどれだけの男が理解しているか。金原ひとみは過去がトラウマとなり好きな男に全てを預け切れない切なさ漂う作品。西加奈子は魂の吐露だ。全体的に、女性であるが故の苦しみに揺さぶられる一冊だった。次はこれの男性版も出さないとフェアじゃないよね。
竹園和明
2024/09/12 05:07

【追記】島本理生は鎧を纏っていた若かりし頃の事をカミングアウト。その思考の変化を冷静に分析しており、変化を遂げた今の彼女はとても魅力的な人なのだろうなと思った。それにしても村田沙耶香は「凄い」の意味が他の人達とは本質的に違う。ホントに凄い人ですね!

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竹園和明
北朝鮮の市井の一コマを描いた北朝鮮文学作品。これがとても繊細且つ情緒的で驚いた。北朝鮮は国の構成員たる夫婦が離婚するには裁判所の了承が必要だそうで、本作は若い夫婦の離婚調停を担当した判事が友として2人に寄り添いながら改心を促し、同時に己れの家庭を顧みる…という内容。一組の男女の純愛〜結婚〜夫婦仲が冷め離婚話に至るまでの様子は超リアル。2人に誠実に対応する判事だが、その判事自身がギクシャクしていた妻への感情を整理し感謝と想い語る場面は、まさに山あり谷ありの夫婦の、到達点の姿のようだった。やるね北朝鮮!
竹園和明
2024/09/05 05:58

【追記】旋盤工のリ•ソクチュンと、同じく旋盤工として働きながら歌劇団の歌手として活動するチェ•スニとの純愛の様子は韓流ドラマと何ら変わらない。熱愛の末結婚したものの、豊かな暮らしより旋盤工としての技術向上に没頭する夫に対し不満を抱き始める妻の変化の描写が白眉。そして判事チョン•ジヌの、公平な判断から2人を夫婦として再生させようとする姿が印象的。それが同時にジヌの妻への気持ちや感情を整理する事につながるのだ。作品として素直に素晴らしいと思える作品だった。

が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2013/02/03(4400日経過)
記録初日
2013/02/03(4400日経過)
読んだ本
1396冊(1日平均0.32冊)
読んだページ
430296ページ(1日平均97ページ)
感想・レビュー
1166件(投稿率83.5%)
本棚
11棚
性別
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