吉村昭『赤い人』は強烈!。井上荒野『猛獣ども』は面白くて一気読みでした。この2人はホントにハズレがないなぁ。:2024年8月の読書メーター 読んだ本の数:8冊 読んだページ数:2024ページ ナイス数:563ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/316487/summary/monthly/2024/8
【追記】人は皆、死に向かう苦しみは体験出来ても死そのものを主観的に体験する事は出来ない。人が真に恐れているのは「肉体の死」ではなく「意識の死」である…と説く啓示が、荘厳な響きのように漂う。読み始めは「?」の連続だったが、その哲学的な世界観に一気に引き込まれた。これこそが芥川賞なのだろう。
【追記①】ヒュナム洞書店は、ヨンジュの思う「良い本」以外は置かないルール。たとえベストセラーの本でもだ。脇目も振らず走り続け身体を壊し、離婚と母との確執を経て彼女が到達したルールだが、そんな彼女の書店に何らかの意義と価値を感じた人が集まることになる。そして本作自体、単なるほのぼの小説ではない意義と価値に溢れた素晴らしい作品。文句なしにオススメ出来る作品だ。
【追記②】中盤から登場する虚無的な視線の高校生ミンジュン。「人生なんてそんなもんでしょう」といった妙に冷めた物言いは、競争疲れで失意と諦めが常態化した韓国の若者の象徴か。「幸せはそう遠くにあるわけじゃない」というヨンジュの言葉を彼が心から理解出来る日が来るといい。
【追記】自分しか居ないと思っていた樹海に居るはずのない誰かがいる…という4人の視点から、真保裕一の傑作『デパートへ行こう!』を思い出した。互角の仕上がりだね。真人くんを救った“じゃがりこ”たらこバター味、そんなに美味しいなら明日買ってくるわ笑
【追記】島本理生は鎧を纏っていた若かりし頃の事をカミングアウト。その思考の変化を冷静に分析しており、変化を遂げた今の彼女はとても魅力的な人なのだろうなと思った。それにしても村田沙耶香は「凄い」の意味が他の人達とは本質的に違う。ホントに凄い人ですね!
【追記】旋盤工のリ•ソクチュンと、同じく旋盤工として働きながら歌劇団の歌手として活動するチェ•スニとの純愛の様子は韓流ドラマと何ら変わらない。熱愛の末結婚したものの、豊かな暮らしより旋盤工としての技術向上に没頭する夫に対し不満を抱き始める妻の変化の描写が白眉。そして判事チョン•ジヌの、公平な判断から2人を夫婦として再生させようとする姿が印象的。それが同時にジヌの妻への気持ちや感情を整理する事につながるのだ。作品として素直に素晴らしいと思える作品だった。
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【追記】自分しか居ないと思っていた樹海に居るはずのない誰かがいる…という4人の視点から、真保裕一の傑作『デパートへ行こう!』を思い出した。互角の仕上がりだね。真人くんを救った“じゃがりこ”たらこバター味、そんなに美味しいなら明日買ってくるわ笑