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2024年3月の読書メーターまとめ

masabi
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感想・レビュー
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162ナイス

2024年3月に読んだ本
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2024年3月のお気に入られ登録
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  • 轟直人

2024年3月にナイスが最も多かった感想・レビュー

masabi
【あらすじ】遊郭「墜月荘」で暮らした「私」がその生活を回想する。【感想】『鈍色幻視行』の作中作。読みながら同作者の理瀬シリーズを連想した。事実なのか捏造された記憶なのかも定かでなく、物語の語り自体にも不確かさを孕む。一貫して不穏や不安で暗さが強調されるからこそ、墜月荘の最期が映える。映像化するなら最後の舞といいけれど、最初の蜘蛛の巣が舞うほうも見たい。夜毎に館の夢を見るのは幸福な思い出というのと本編で言及されていた『レベッカ』の影響だろうか。
が「ナイス!」と言っています。

2024年3月の感想・レビュー一覧
12

masabi
【概要】カフカの小説・公文書・手紙を収録する。【感想】「変身(かわりみ)」と「訴訟」は訳を変えての再読だったが楽しめた。変身や逮捕されても仕事に行こうとするあたり、嫌な仕事も日常に組み込まれているのだと思うと悲哀を感じる。どの作品も様々な解釈があり得るのだろう。不条理もの以外の作品も収録されており、作家・仕事人・私人としてのカフカ像を多角的に掴めるようになっている。贅沢を言うなら日記も収録してほしかった。恋人への手紙が恋人宛にはそぐわないという文脈で紹介されるものを読んでいたせいで意外に情熱的で驚いた。
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masabi
【概要】満州事変を契機とした外交政策の転換過程を叙述する。【感想】政府と軍の対立、軍内部での中央と関東軍の対立を軸にする。三者の間で満州権益の護持は一致し、作戦の規模や時期が問題だったのが、一転し関東軍が既成事実を積み上げるなかで現状追認に終始する。満州事変自体は満州国建国を以て終息するが、政党政治の崩壊・軍部の政治勢力化、国際連盟の脱退とその後の転換点となった。不況下で社会や経済上の問題を解決する一手に満州開発が脚光を浴びて国民から支持され、政府はより安全な代替案を提示できなかった。
が「ナイス!」と言っています。
masabi
【あらすじ】遊郭「墜月荘」で暮らした「私」がその生活を回想する。【感想】『鈍色幻視行』の作中作。読みながら同作者の理瀬シリーズを連想した。事実なのか捏造された記憶なのかも定かでなく、物語の語り自体にも不確かさを孕む。一貫して不穏や不安で暗さが強調されるからこそ、墜月荘の最期が映える。映像化するなら最後の舞といいけれど、最初の蜘蛛の巣が舞うほうも見たい。夜毎に館の夢を見るのは幸福な思い出というのと本編で言及されていた『レベッカ』の影響だろうか。
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masabi
【概要】情報処理安全確保支援士の午後問題に絞った問題集。【感想】一周したので登録。問題文と設問から手掛かりを見つけて所定の文字数に収める記述式の問題はほとんど国語の問題だ。ネットワークやセキュアプログラミングは確認する。
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【概要】システム設計の概要と設計書に何を記載するかを解説する。【感想】web系システムで、要件定義の一部とシステム設計の工程が対象となる。データベース、ネットワーク、サーバーの設計までも含み対象の設計書の個数が多くなっている。普段は設計書で一括りにしているが、名付けされているものもあった。設計書を作って終わりにするのではなく、継続的なメンテナンスが必要な旨があるが、どう継続していけばいいんでしょうね。
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masabi
【概要】やめたくともやめられない行動を「行動嗜癖」として整理し、現代でいかにハマる仕組みが整備されているかを解説する。【感想】行動に対する依存の例にスマホやゲーム、運動、仕事、買い物などが挙げられ、そのいくつかは心当たりがあった。興味深かったのは特定の行動に依存するのはそれによって心理的なメリットを享受するためであり、行動を変えるにはその動機を満たす別の方法が必要になるということだ。ハマる仕組みを好ましい行動に適用するゲーミフィケーションも紹介されているが、自分用にアレンジするのが難しそうだ。
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masabi
【概要】筆者自身の2016年までの思想を第一期と位置づける論考集。【感想】エッセイ集かと思いきや哲学を大いに論じた論考集だった。ラカンをはじめとする現代思想、その後のポスト現代思想を抑えないと意味を掴めない。無限に広がる思考を打ち切る身体、哲学も含めた固定化されたジェンダーを撹拌する、仮固定された状態からの生成変化などこれまでの著作を踏まえたものなのだろう。冒頭の「意味がない無意味」は読み直したくなった。
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【あらすじ】城に雇われた測量士Kは城の面々と接触しようとするが、近づくことができない。【感想】Kが城を求めるほど城を頂点とする秩序に組み込まれ、秩序を守るほどますます城は遠ざかり、その権威がより強大になっていく。そこまでしてKが城に固執する理由が描かれない。村人に馴染もうとしても城への執着を捨て切れないので村の共同体に入れず、さりとて部外者として立ち去ることもしない。作者が断筆したので、読者も読書中に抱く謎が明らかにされることはなく、物語の中を彷徨うことしかできない。本書自体も近しい構造になった。
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masabi
【概要】カフカの生涯と読解のテーマを身体・制度・信仰に区分して解説する。【感想】本文は確定したテクストとしてカフカを読む。だが、訳者解説では残された未完の長編は草稿の段階にあり、作品として世に出るために恣意的な編集をせざるを得ない点に注意を促す。「カフカを探求するには、カフカを読み、悩み抜く以外に方法はない」という身も蓋もない一文の通り。家族の支配関係から筆を進めて官僚制と接続し、黙従して初めて官僚機構が権威を持つ構造を明らかにする。「城」を読んだら再読したい。カフカの名声が高まった経緯を知れた。
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masabi
【概要】全8巻の振り返りの鼎談、振り返りを受けての論考、シリーズに収まらなかった論考を収録する。【感想】ヨーロッパの中国哲学からの影響、ロシアやイタリアでの現代哲学、ユダヤ思想、正義論など。世界哲学と世界を包括する枠組みのなかで日本哲学などの固有の哲学の意義。公平を謳う正義論に流れる白人中心主義、男性中心主義を批判する論考は刺激的だった。脱魔術化、世俗化に対するポスト世俗化を含め、近代性の再検討だったり、主流の西洋哲学を批判だったりと盛りだくさんで、参考文献にも手を出したくなった。
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masabi
【概要】情報処理安全確保支援士試験の参考書。【感想】予想より時間がかかったが一読した。試験範囲がセキュリティの脆弱性やその対策、暗号方式といった技術的知識だけでなく、組織にセキュリティ対策を実装する認証制度やソフトウェアに関連する法制度などを含み、難しい。過去問解説はPDFで頒布されているので、次はそちらを確認する。
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masabi
【概要】主に二次創作関係のお悩み相談に答える。【感想】自分で納得するものが書けない、自分の書く内容に良心を傷めるといった創作そのものから、他人から評価されない、嫉妬してしまうといった承認欲求や人間関係にまつわるものまで幅広い。創作するうえで避けられない劣等感や諸々が生み出す苦しみのなかでも、なんとかたのしく趣味を続けていこうとのスタンスが明確だ。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2013/03/25(4052日経過)
記録初日
2013/01/12(4124日経過)
読んだ本
1875冊(1日平均0.45冊)
読んだページ
560886ページ(1日平均136ページ)
感想・レビュー
1875件(投稿率100.0%)
本棚
15棚
性別
血液型
B型
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