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2024年5月の読書メーターまとめ

道楽モン
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感想・レビュー
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2024年5月に読んだ本
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2024年5月にナイスが最も多かった感想・レビュー

道楽モン
わずか1週間で、本格ミステリ大賞、日本推理作家協会賞、山本周五郎賞の三冠を獲得。エンタメ作品でこれ以上のお墨付きは無い。お馴染みのゲームに新ルールを加えて、いかに相手を出し抜くかの頭脳戦と心理戦を繰り広げる、いわば『カイジ』系の小説である。ロジックに裏打ちされた必勝法と、読み手の想像を上回る駆け引きを純粋に楽しむものであるから、それ以上の何かを求めるのは無粋というものだ。謎のスーパー女子高生が主人公なので、どうしても文体がラノベ寄りになってしまうのは仕方ないけれど、やはり物足りなく感じてしまった。すまぬ。
が「ナイス!」と言っています。

2024年5月の感想・レビュー一覧
16

道楽モン
萩尾望都てんこ盛りの贅沢な一冊。編集の方に感謝です。もうこのムック、最初から最後まで全部が興味深い。萩尾信者は悶絶しながら読み切ってしまうでしょう。そこここに散りばめられた創作に対する哲学(というか経験により身についた作法)や、他ジャンルの表現への敬愛とスタンスについての言及には、なるほどなーと唸ります。ジャンルに選ばれし天才である萩尾望都が近年、腹の中すべてさらけ出し始めて(『イグアナの娘』は私小説!)、さらに表現者として孤高の道を歩み出したことは、読者にとっては僥倖としか言えない。長生きして下さい。
tosca
2024/06/01 13:27

萩尾望都さん、天才ですよね。道楽モンさんのレビューを読んで、本棚から引っ張り出して眺めています!

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道楽モン
自伝としては文句なしの面白さ。現代語訳を選んで良かった。世の中のシステムがコペルニクス的展開を遂げた時代に青春を生きた福沢諭吉なのだが、彼の自我は揺るぐことなく、自らの道を歩んでいく。西洋化が必然であることを早くから予見していた故、語学に対しての猛勉強っぷりが凄まじい。世渡りや金儲けに背を向けた泰然自若さが素晴らしい。青春時代に特有の飲酒と馬鹿騒ぎもキチンと盛り込まれている緒方洪庵の適塾での逸話は、後年でのイメージを覆すものだ。手塚治虫の曾祖父さん(手塚良仙)も登場。咸臨丸乗船からの米国での逸話も面白い。
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道楽モン
2009年に出版された「本業」の増補完全版。水道橋博士によるタレント本の書評コラムをまとめたものだ。本業である芸人としての視点から読み解くことで、芸能界インサイダーっぽい側面が色濃くなっているのが特徴。単なる本の感想に終わらず、自らの体験や著者との関わりを書くことによって、彼の立ち位置や筆者との距離感を確認すると同時に、現代性を伴った優れた芸談かつ批評へと昇華させている。近年の『藝人春秋』シリーズの様な、必要以上に凝りまくった文体ではなく読み易い。読書しながら、当然の如く何冊かアマゾンで買ってしまった。
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道楽モン
ここでも橋本治に助けられてしまうのだ。故人とはいえ、彼の功徳は書物という形で残され、時代を経て私の様なボンクラの足元を照らしてくれる。有り難いことこの上ない。橋本版「学問のすゝめ」講義は、精読ではなく重要点に特化したもので、エッセンスが凝縮された第1章に焦点を当てた構成だ。明治5年当時の時代背景や価値観、福澤の思想的なスタンスなど、書かれていることを正しく受け取るために必要な基礎知識を与えてくれる。この備えが無いと、バカは容易に誤読なり混乱を来すだろう。啓蒙の意味から始まる橋本治の名講義を堪能すべし。
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道楽モン
これがリアルの一形態だ。桐野夏生は現実社会の抱える問題に対峙し、与えられる選択肢から容赦なく最悪解を選び続ける。その執念深さは、パラレルワールドとして何通りもあり得るストーリーから、悪夢のような最悪の世界へと読者を強制連行する。登場人物は誰一人真っ当な選択が出来ず、言い訳と責任転嫁によって己の欲望にのみ忠実で薄っぺらな思考を原理とする。つまり、知性による思考を放棄した、感情と欲望と快・不快だけの基準に満ちた世界。これを作品化することで、現実社会を俯瞰させる試みなのだろう。楽しい読書ではないのが当然だ。
が「ナイス!」と言っています。
道楽モン
わずか1週間で、本格ミステリ大賞、日本推理作家協会賞、山本周五郎賞の三冠を獲得。エンタメ作品でこれ以上のお墨付きは無い。お馴染みのゲームに新ルールを加えて、いかに相手を出し抜くかの頭脳戦と心理戦を繰り広げる、いわば『カイジ』系の小説である。ロジックに裏打ちされた必勝法と、読み手の想像を上回る駆け引きを純粋に楽しむものであるから、それ以上の何かを求めるのは無粋というものだ。謎のスーパー女子高生が主人公なので、どうしても文体がラノベ寄りになってしまうのは仕方ないけれど、やはり物足りなく感じてしまった。すまぬ。
が「ナイス!」と言っています。
道楽モン
本作がデビュー作ながら、すばる文学賞&三島由紀夫賞。ぶっ飛んだ受賞スピーチが話題となった作者だが、作品も衝撃的な程に普通じゃない。冒頭10ページの濃密な若者言葉の羅列に、驚きとともに感動を覚える。文学はなんと自由なんだろう。そして作者は自由な文体、自分のビートで現実の不自由さと欺瞞に異議を申し立てる。初球に剛速球の大暴投で相手を威嚇するピッチャーが作者であり、その相手は戦争を停めることすら出来ないクソな現実だ。作中の行為は真っ当な世の中では犯罪だが、狂った世界では愛と平和の行為だ。中身は見事な青春小説。
とみかず
2024/07/14 07:31

ナイスありがとうございます。フリースタイルな感じ心地よかったです。

道楽モン
2024/07/14 13:29

ラップ文体が新鮮でした。グルーヴだよね。アラ還でも楽しめました。

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道楽モン
文フリで人気の作者による初商業出版。日記をエッセイ化した生々しい内容に抗いようもない魅力がある。承認欲求と精神的な渇望感の表出は、身も蓋もない程の迷走っぷりで、正しく文学以外の何物でもない。フィクションであれば洗練され得る心理描写も、日記形式であるからストレートで深く重い。そこまで書くのかという部分が数か所あり、その突き抜け方が尋常ではない。作家気取りとか文学ごっこなんていう次元を遥かに凌駕する赤裸々さは、他人の日記覗き見的な下衆さを蹴り飛ばす。「生きてるって言ってみろ」と読み手を殴りつける。衝撃度高い。
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道楽モン
明治維新による新しい社会制度の黎明期、政府も大学も存在していなかった明治5 年に刊行された啓蒙書。言わずもがなの大ベスト&ロングセラー。長らく続いた封建制から民主主義への大転換期、西洋に比して余りにも貧しい精神性を憂うと同時に、来たるべき新社会への希望にあふれている。個人の自由独立の確立こそ、国の自由独立への道であると熱く語っているが、高々数年で国民意識が変わる訳もない。殿様に従うのではなく国民一人ひとりが政治を担う制度なのだと説いていく。権力側でなく庶民側からの発言であることが重要。現代語訳は読み易い。
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道楽モン
鳥取砂丘も見たことが無いくせに、心はアフリカの砂漠を彷徨う。想像でしかないイタリアの廃墟。この2地点を行き来しつつ読書は進む。第二次世界大戦末期、運命に手繰り寄せられたかの様に修道院の廃墟に集いし4人。ナチスによって隠された爆弾の処理を施す兵士、全身火傷を負ったイギリス人らしき患者のケアに没頭する看護婦、彼女の父親の親友である男。詩的な文体で、アジール的空間の静謐さを描きつつ、徐々に語られてゆく各自の人生。戦争を舞台に、作者自身の体験も織り込まれた静かだが熱い物語。爆弾処理のインド人の成長譚に心踊った。
洋書好きな読書モンガー
2024/05/29 17:31

映画「イングリッシュ・ペイシェント」を観ましょう。映画の方は好きな作品のひとつです。

道楽モン
2024/05/30 00:03

公開時に観ました。今回の読了後も観ましたよー。微妙に設定が簡略化されていますが、映画も原作もそれぞれに作品としての完成度が高く、両者ともに好きな作品です。コメントをありがとうございます。

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道楽モン
美人すぎて不幸を招く女性の手記の体裁でスタート。延々と不幸な半生が綴られる部分を我慢しながら読み進めると…。帯の惹句「伝説級トリック」は流石に誇大広告の感があるが、こーゆーの好きな人には堪らないのだろう。最後の最後に明かされる、フロー型電子書籍フォーマットでは不可能な仕掛けが。こーゆーの好きな人には堪らないのだろう。泡坂妻夫的アクロバット本とでもいうか、こーゆーの好きな人には堪らないのだろう。『お梅は呪いたい』の勢いで読んだのだが、こーゆーの好きな人には堪らないのだろう。私はお梅の続編を待望している。
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道楽モン
冤罪の恐ろしさは無実で処刑されることは勿論、真犯人が別に存在していることだ。NHKによるドキュメンタリー番組の書籍化である本書は、すでに死刑執行された「飯塚事件」の再検討の記録である。裁判の争点であった証拠の確実性を巡って、地方紙の記者と弁護士が当時の情況を検証してゆく。裁判で判決理由となった証拠が、次々と揺らいでゆく。警察の捜査官も検事も裁判官もマスコミも、それぞれに正義と倫理を背景に全力を尽くしているのだが、冤罪は無くならない。冤罪がある限り、死刑制度の存在が全面肯定されることは無いだろう。
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道楽モン
こんな社会に誰がしたのかといえば、主権者たる国民である。「権力は腐敗する傾向を持ち、絶対的な権力は絶対的に腐敗する」という言葉を肝に銘じ、我々は民主主義を育てなければならない。本書に取り上げられた3つの主題の根本原因は、権力の圧倒的なパワーの前で無力と化す個人の保身と忖度だ。無理もないと言う程に、個人に選択権は無い。従わなければ潰されるしかない世界に、幸福の追求など不可能だ。エリートの集団である官僚たちの価値観と歴史に対抗する手段は、民意に寄り添った政治。現在の絶望的な政治情況は選挙による結果だ。嗚呼。
Mc6ρ助
2024/05/07 09:50

道楽モン様、面白そうなんで頂かせてください。Amazonで概略を見て、タブーってコレだけと思ってしまいましたが・・。

道楽モン
2024/05/07 10:01

前作『ザイム真理教』の出版に際し、ことごとく大手出版社から断られたというエピソードが書かれています。本作も同様。出版されたことが立派。三五館シンンャです。気合の入った出版社はまだ存在しているが、すべて個人会社に近いものばかり。ベストセラーほぼ確定なのに出せない大手って。この現象自体も根本は一緒。駄目だこりゃ。ということでMc6ρ助様、是非。

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道楽モン
ネタバレ下巻は読者も作品中の捜査陣にとっても怒涛の展開で、一気にラストまで。一連の事件にまつわる出来事の根源は、エスタブリッシュメント側に生きる個人の保身であり、犠牲者の数に見合わない。社会で生きる人間の欲望が生み出す滑稽さ、醜さを、権力の下僕である警察の立場から描いている。犯人の背負った業も、権力を振るう支配層も、それに振り回される警察も、人間の営為すべてをあざ笑うかの如く犯人死亡でケリがつく。捜査陣の無念は、読者も同様。すべてを受け入れざるを得ない無常さこそ現実だ。結末は、全作品に通底する仏教的観念の表出だ。
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道楽モン
本作品にて直木賞。前作『リヴィエラを撃て』で既に実力を見せつけており、本作で納得の受賞。合田雄一郎がいよいよ登場。シリーズの第一作目だ。映像化もテレビ、映画となされているが、当然ながらサスペンス方面に脚色されている。原作の肝は、公務員としての警察官が組織の中で、いかに職務をこなすかという点だ。霞が関から桜田門への圧力、本庁と所轄による捜査本部の力関係、捜査会議での怒涛のやり取り。ノンキャリアでの出世頭である合田に対して、横からの対抗意識が物凄い。取材を重ねた上で描かれる、公務員の競争原理が生々しい。
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道楽モン
壮大な自然の風景と対峙するとき、人は自らの存在の小ささに愕然とする。野生の時間の流れの中で子育てをするクマの親子の姿を前に我々は、命をつぐむ同胞としての親近感を感じると共に、自らの本能によって屹然と生きている彼らの逞しさに羨望し嫉妬する。安全地帯から眺める場合のみ、可愛いなどと脳天気な戯言で己の脆弱さを覆い隠す。大自然に魅入られた写真家は、彼らの領域で野生の時間と摂理に身を捧げたが、膨大な写真を遺した。彼の作品はすべて、塵の様な我々も自然の一部であることを自覚させる。本書には撮影者の思いが封されている。
yuppi
2024/05/02 21:55

こんばんは。写真はありませんが、『旅をする木』読まれてなかったら、星野道夫氏のことをもっと知ることの出来る本です。お勧めします。

道楽モン
2024/05/03 10:16

ありがとうございます。電子版を購入しちゃいましたー。

が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2013/05/06(4246日経過)
記録初日
2017/10/16(2622日経過)
読んだ本
1147冊(1日平均0.44冊)
読んだページ
335652ページ(1日平均128ページ)
感想・レビュー
413件(投稿率36.0%)
本棚
28棚
性別
現住所
東京都
外部サイト
自己紹介

還暦を超えると1年が本当に早い。不動産会社勤務でござる。

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