先月は、熊谷榧（かや）さんの画集を手にしましたが、今月は、お父さまの守一（もりかず）さんの画文集に接しました。▼冒頭の「朝の日輪」は、お気に入りのひとつです。白い円を囲む同心円が暖かく、それでいて神々しい。今日も一日、がんばるぞーって気持ちになります。▼守一さんの、こんな文も忘れられません。「地面に頬杖つきながら、蟻の歩き方を幾年も見ていてわかったんですが、蟻は左の二番目の足から歩き出すんです」どれだけ蟻を眺めていたのでしょう。仙人と言われた守一さん。自由な精神の持ち主です。

おとうさん、おかあさん／おじいさん　おばさん／そして　きょうだい　10ぴき／ぼくらは　みんなで／14ひき　かぞく▼ねずみの家族みんなで朝ごはんを準備します。のいちごを摘んだり、どんぐりパンを焼いたり、きのこのスープを作ったり…。したくができたら、テーブルを囲んで、みんなでいただきます。本当においしそう。食べたいな。でもお手伝いしないとだめだよね。▼ねずみたち、それぞれが描き分けられ、違いを見つけるのが楽しくなります。木々や鳥たちなどの生き物だけでなく、登場するものすべても、丁寧に繊細に描写されていますね。