神吉拓郎「二ノ橋 柳亭」は、グルメ雑誌で話題の料理屋が実は架空のお店で……というお話。この架空のお店を尋ねた評論家の随筆まで書かれ、最もらしさ、遊び心に精を出す人々の読み心地が良い。そのうえでラストで迎える結末は、人の熱意に驚嘆するような、しかしどこかほろ苦く切ないような。/富岡多惠子「動物の葬禮」は凄まじい一作で、指圧師のヨネと、その娘サヨ子のお話。サヨ子が運んできた若い男の死体・キリンの葬式を二人であげる。母娘の会話がめちゃくちゃ良い……。剥き出しの感情、衝突の最中にある信頼、末尾の描写。素晴らしい。
面白そうな本なら何でも読みたい
ミステリ、文学、SF
【好きな作家】
城平京
山田風太郎
法月綸太郎
谷崎潤一郎
津村記久子
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