この著者は、ヒンドゥー教徒のカーストでは最高位のバラモンで、そのためセポイになる事も周囲は批判的だった。しかし、社会階層としては田舎の中規模な農家の倅で、カーストの身分と社会階層は必ずしもシンクロしていないらしい。
「セポイの反乱」の際には、あくまでイギリスへの忠誠を守ったが、同じくセポイであった息子は部隊が反乱軍に参加したために処刑された。反乱後、やはりというかイギリス人将校達のインド人に対する態度は一変し、高圧的で侮蔑的になったという。
この著者は、ヒンドゥー教徒のカーストでは最高位のバラモンで、そのためセポイになる事も周囲は批判的だった。しかし、社会階層としては田舎の中規模な農家の倅で、カーストの身分と社会階層は必ずしもシンクロしていないらしい。
占領下の香港では、日本軍が香港人の持つ通貨を強制的に軍票(占領地で占領軍が流通させる臨時的な貨幣)に交換させたり、軍へ供給するための食糧徴発による飢餓、日の丸掲揚の強制等、日本の占領地ではお馴染みの話が色々。日本軍は中国人を信用しなかったためか、現地当局にはほとんど権限を与えず、又香港側にも親日的な勢力はほとんどいなかった。又、レジスタンス活動にも一章割かれているが、狭い香港では武装闘争が難しかったらしく、華人組織もイギリス人組織も、ほとんどが日本軍に睨まれる華人や英軍兵士を脱出させる活動が中心。
戦時中、大映が香港ロケをした映画「香港攻略 英国崩るるの日」の事が「香港攻略戦」という中国でのタイトルで出てくる。この映画には、占領下にいた香港の俳優達(日本軍侵攻を逃れて脱出した俳優もいた)が動員され、戦前からの香港のスター女優の紫羅蓮が出演させられた事にも触れられている。対する伝説的な京劇スターの梅蘭芳(メイ・ファンラン)は日本から勧誘を受けたが、隠遁して戦時下を乗り切った。
その二大政党対立の時代を経て誕生したのが、現在のポピュリストとも言われるブケレ政権。中米共通の宿痾とも言うべき犯罪組織マラスを大量逮捕(刑務所を次々と新設)して、劇的に治安を改善して、高い支持率を維持しているが、その裏には政府とマラスの間に裏取引のようなものもあるらしい。この本の執筆者は総じて、ブケレ政権の人権や法の支配の軽視に危惧を示している。
他にも、著者は敗戦直後のハノイ内でそれまでの支配者への憎悪が爆発し、街頭のフランス人がリンチに遭ったり、フランス人居住区がベトミン兵に襲撃されて、フランス人達が虐殺されている光景を目撃している。インドシナ戦争勃発前後には、フランス軍、ベトミン軍双方から軍事知識の豊富な日本兵をリクルートする動きが盛んで、フランス側の求めに応じた日本兵がベトミンに襲撃されて殺される事件も起きている。インドシナは戦中よりも、むしろ戦後の方が危険な状況だった。
SF、ホラー、軍事、歴史関係の本が好きです。勿論マンガも読みます。
mixiもやってます。そちらの方に、もっと詳しい書評も書いてます。
ブログもやってます。
http://www.moegame.com/movie/archives/cat_印度洋一郎の超映画戦記.html
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「セポイの反乱」の際には、あくまでイギリスへの忠誠を守ったが、同じくセポイであった息子は部隊が反乱軍に参加したために処刑された。反乱後、やはりというかイギリス人将校達のインド人に対する態度は一変し、高圧的で侮蔑的になったという。