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2025年2月の読書メーターまとめ

印度 洋一郎
読んだ本
6
読んだページ
1367ページ
感想・レビュー
4
ナイス
10ナイス

2025年2月に読んだ本
6

2025年2月にナイスが最も多かった感想・レビュー

印度 洋一郎
著者は「セポイの反乱」で知られる、イギリス東インド会社が雇用した兵士であるセポイになった、ヒンドゥー教徒のインド人。19世紀後半に退役後、半世紀に及ぶ自分の軍歴を回想録としてものした内容だが、日本人とも欧米人とも異なるメンタリティーで書かれた文章というのは、不思議で興味深い。アフガン戦争、シク戦争など、19世紀のインドでイギリスが参戦した戦争にも従軍し、特にアフガン戦争ではアフガン軍の捕虜となり、奴隷として売られた辛酸も舐めた。ムスリムであるアフガン人の奴隷になったため、帰還後「穢れた」と差別されたという
印度 洋一郎
2025/02/23 16:56

「セポイの反乱」の際には、あくまでイギリスへの忠誠を守ったが、同じくセポイであった息子は部隊が反乱軍に参加したために処刑された。反乱後、やはりというかイギリス人将校達のインド人に対する態度は一変し、高圧的で侮蔑的になったという。

印度 洋一郎
2025/02/24 05:24

この著者は、ヒンドゥー教徒のカーストでは最高位のバラモンで、そのためセポイになる事も周囲は批判的だった。しかし、社会階層としては田舎の中規模な農家の倅で、カーストの身分と社会階層は必ずしもシンクロしていないらしい。

2025年2月の感想・レビュー一覧
4

印度 洋一郎
著者は「セポイの反乱」で知られる、イギリス東インド会社が雇用した兵士であるセポイになった、ヒンドゥー教徒のインド人。19世紀後半に退役後、半世紀に及ぶ自分の軍歴を回想録としてものした内容だが、日本人とも欧米人とも異なるメンタリティーで書かれた文章というのは、不思議で興味深い。アフガン戦争、シク戦争など、19世紀のインドでイギリスが参戦した戦争にも従軍し、特にアフガン戦争ではアフガン軍の捕虜となり、奴隷として売られた辛酸も舐めた。ムスリムであるアフガン人の奴隷になったため、帰還後「穢れた」と差別されたという
印度 洋一郎
2025/02/23 16:56

「セポイの反乱」の際には、あくまでイギリスへの忠誠を守ったが、同じくセポイであった息子は部隊が反乱軍に参加したために処刑された。反乱後、やはりというかイギリス人将校達のインド人に対する態度は一変し、高圧的で侮蔑的になったという。

印度 洋一郎
2025/02/24 05:24

この著者は、ヒンドゥー教徒のカーストでは最高位のバラモンで、そのためセポイになる事も周囲は批判的だった。しかし、社会階層としては田舎の中規模な農家の倅で、カーストの身分と社会階層は必ずしもシンクロしていないらしい。

印度 洋一郎
著者は、本業が弁護士である香港史の研究家。日英開戦直前の状況から、戦後の英国の復帰まで、大戦下の香港の状況を概観する本。大戦勃発後、ヨーロッパでドイツと戦っていたイギリスは遠い極東の香港まで手が回らず、防衛力はお寒い限り。その後迎えた香港攻防戦を現地では「十八日戦争」と呼んでいるらしい。戦前から、日中戦争を逃れる中国本土からの難民が殺到し、人口が急増していた香港の統治は日本軍にとって重荷で、強制的に難民を故郷に帰す政策が占領当初から始まる。又、占領政策の一環として設置された、香港内の行政区は戦後も存続した
印度 洋一郎
2025/02/21 11:23

占領下の香港では、日本軍が香港人の持つ通貨を強制的に軍票(占領地で占領軍が流通させる臨時的な貨幣)に交換させたり、軍へ供給するための食糧徴発による飢餓、日の丸掲揚の強制等、日本の占領地ではお馴染みの話が色々。日本軍は中国人を信用しなかったためか、現地当局にはほとんど権限を与えず、又香港側にも親日的な勢力はほとんどいなかった。又、レジスタンス活動にも一章割かれているが、狭い香港では武装闘争が難しかったらしく、華人組織もイギリス人組織も、ほとんどが日本軍に睨まれる華人や英軍兵士を脱出させる活動が中心。

印度 洋一郎
2025/02/21 11:31

戦時中、大映が香港ロケをした映画「香港攻略 英国崩るるの日」の事が「香港攻略戦」という中国でのタイトルで出てくる。この映画には、占領下にいた香港の俳優達(日本軍侵攻を逃れて脱出した俳優もいた)が動員され、戦前からの香港のスター女優の紫羅蓮が出演させられた事にも触れられている。対する伝説的な京劇スターの梅蘭芳(メイ・ファンラン)は日本から勧誘を受けたが、隠遁して戦時下を乗り切った。

印度 洋一郎
中米の小国エルサルバドルに関する解説本だが、やはり70年代から90年代まで続いた内戦に関係する記述が多い。周辺諸国に比べ、外国資本ではなく、地場資本の支配が強固だった事で、資本家側の「自分達の財産を守る」意識と被支配層である農民層の「自分達から搾取されたものを取り返す」意識が激突し、内戦が激化したという指摘は興味深い。内戦後も、支配層と反政府勢力系の二大政党が対立しつつもかろうじて政治的安定が維持されるものの、双方が汚職事件を引き越しており、元反政府系大統領が汚職を追求されて、隣国ニカラグアに亡命する事も
印度 洋一郎
2025/02/20 14:28

その二大政党対立の時代を経て誕生したのが、現在のポピュリストとも言われるブケレ政権。中米共通の宿痾とも言うべき犯罪組織マラスを大量逮捕(刑務所を次々と新設)して、劇的に治安を改善して、高い支持率を維持しているが、その裏には政府とマラスの間に裏取引のようなものもあるらしい。この本の執筆者は総じて、ブケレ政権の人権や法の支配の軽視に危惧を示している。

印度 洋一郎
戦時中、フランス領インドシナ南部のサイゴンに設立された、南方の日本勢力圏統治のための人材育成のための高等教育機関「南洋学院」で学んだ著者による回想録。昭和20年春に仏印を日本軍が占領する「明号作戦」の前は、戦時下にありながらも長閑で楽しいキャンパスライフの日々が綴られている。しかし、それ以降はフランス軍との戦闘、治安維持任務など緊迫した状況となった。中には、攻撃してきたフランス軍の装甲車(P178らしい)が、日本兵の吸着地雷を使った肉薄攻撃で撃破されるという、小林源文劇画みたいな光景を目の当たりにする。
印度 洋一郎
2025/02/20 14:12

この人の手記によると「蒋介石軍とも戦った」そうなので、ベトミン軍が国共内戦に参戦していたらしい。

印度 洋一郎
2025/02/20 14:17

他にも、著者は敗戦直後のハノイ内でそれまでの支配者への憎悪が爆発し、街頭のフランス人がリンチに遭ったり、フランス人居住区がベトミン兵に襲撃されて、フランス人達が虐殺されている光景を目撃している。インドシナ戦争勃発前後には、フランス軍、ベトミン軍双方から軍事知識の豊富な日本兵をリクルートする動きが盛んで、フランス側の求めに応じた日本兵がベトミンに襲撃されて殺される事件も起きている。インドシナは戦中よりも、むしろ戦後の方が危険な状況だった。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2009/11/02(5599日経過)
記録初日
2009/09/18(5644日経過)
読んだ本
1605冊(1日平均0.28冊)
読んだページ
437390ページ(1日平均77ページ)
感想・レビュー
1603件(投稿率99.9%)
本棚
27棚
性別
年齢
57歳
血液型
A型
職業
自営業
現住所
新潟県
自己紹介

 SF、ホラー、軍事、歴史関係の本が好きです。勿論マンガも読みます。
 mixiもやってます。そちらの方に、もっと詳しい書評も書いてます。

 ブログもやってます。 
http://www.moegame.com/movie/archives/cat_印度洋一郎の超映画戦記.html

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