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2024年2月の読書メーターまとめ

田中峰和
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読んだページ
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感想・レビュー
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388ナイス

2024年2月に読んだ本
30

2024年2月のお気に入られ登録
1

  • 杜のカラス

2024年2月にナイスが最も多かった感想・レビュー

田中峰和
家の間取りが何度もしつこく登場する。犯罪トリック小説なのかと思っていたら、その展開が一転する。筆者とミステリー愛好家の設計士栗原のコンビが間取りの謎、そこで行われた可能性のある犯罪を推理していく。窓の無い子ども部屋は密室で、そこには表に出せない子どもの存在。その子どもに来客を殺害させているのでは。推理はどんどん飛躍して、ついに左手の切断された死体が発見される。ある一族の近親相姦とその結果産まれた呪われた子どもの物語へと一転して、前半の変な家ミステリーから無理な展開へと尻すぼみ。ネット作家らしいレベル。
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2024年2月にナイスが最も多かったつぶやき

田中峰和

2024年1月の読書メーター 読んだ本の数:36冊 読んだページ数:12878ページ ナイス数:414ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/376379/summary/monthly/2024/1 小説:16冊、人文:19冊、漫画:1冊。ヤマザキマリの夫の作品「救い」に期待したが、学者のせいか歴史の羅列に終わっていて退屈した。「シークレット・エージェント」はスパイによる爆破事件が桐島聡の事件と結びついて楽しめた。

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2024年2月の感想・レビュー一覧
30

田中峰和
勝者がどちらかという歴史的事実を知っているのに、項羽が滅亡に追い込まれるのは読んでいても辛い。連戦連敗で弱音を吐きながら逃げ続ける劉邦。余裕をもちすぎたのか、項羽は叔父の要請で劉邦を許して開放してしまう。この時、処刑していれば漢の時代はこなかったはず。敗者を20万人も穴埋めにした暴虐で人望を失った項羽に対して、下品で隙だらけの劉邦には人材が集まってくる。差を付けたのは食糧問題。兵站に失敗した側は常に負けてしまう。敗北を認め、最後に漢軍に攻め入る項羽の雄姿。逃げる劉邦と逃げることを拒否する項羽の差は大きい。
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田中峰和
特殊なトレーシングペーパーを使った重ね地図で経路をたどれる、実用的な京都の歴史散歩書籍。トレーシングペーパー仕様の現代地図を古地図の上に透かして見くらべると、当時の歴史と現代が比較できる。平安京・貴族邸コース、平氏の栄華コース、秀吉の御土居コース、応仁・文明の乱コース、幕末の志士コースなど御所周辺だけでも5種類も掲載。他に、東山周辺、京都駅周辺、伏見・宇治周辺、その他とっておきのエリアも順次紹介される。徒歩での所要時間も各60分におさめられ、散歩として楽しめるように設計されている。
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田中峰和
浄土教は、明治以降インテリによって、歎異抄が見直され新たな思想性へと転化していった。歎異抄は大衆に誤解されると危惧した蓮如によって封印されていたが、清沢満之や近角常観によって広く紹介されていったのである。また、心理学への影響も大きい。エディプスコンプレックスを唱えたフロイトに対して、日本の心理学者古澤平作は自分の論文を送り付けたが無視された。無神論者のフロイトに古澤の主張する阿闍世コンプレックスは響かなかったようだ。両者のコンプレックスは父殺しという点で共通するが、宗教性の有無で大きな違いがあった。
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田中峰和
五・一五事件、皇道派と統制派の対立、国際連盟脱退などが語られる。皇統の男子誕生が唯一の明るい話題。来日中、皇居に一礼した姿を新聞に掲載され、好印象を与えたチャップリンだが、犬養首相は海軍の暴徒に暗殺される。一方、リットン調査団報告から国際連盟で満州国への日本の関与に対して勧告が可決された。本作では平和主義者として描かれる昭和天皇は、連盟脱退の報告を受けショックを隠せない。中国が先かソ連が先か、皇道派と統制派の対立は激化して、陸軍は危機を迎える。そんな中、力を発揮するのが東条英機だった。嫌な人物に描かれる。
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田中峰和
フランスで起きたバスの爆破事件。団体バスの乗客は中高生と引率者で3人の死者と複数の重傷者が出た。ヴァイオレットは23人の死者を出したテロ事件の犯人ルイス・サラフの孫で、このバスに乗っていたことから容疑者として追われる。停職中の警部オートリーの娘ビーも同乗しており、彼は現場に駆け付ける。ヴァイオレットもビーもアラブ系の混血。彼らは何らかの差別を受けている。テロ事件で23人もの大事件で、サラフの娘ノアは刑務所に入り、息子のジャマルもサッカー選手としての道を絶たれる。英仏をまたぐ事件で根強い差別に心が痛む。
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田中峰和
日本側の要請で米韓合同演習のため朝鮮半島に向かうレーガン大艦船が日本に向けられ、自衛隊との共同作戦としてトモダチ作戦と名付けられた。結果として日本側の情報発信が不備と虚偽だらけで、米軍海兵に多数の被爆者をだした。事故時の放射能被害を予測するために巨費を投じて開発されたSPEEDIは、存在自体政権に知られず避難指示さえ、混乱をきたした。自民党から当時の民主党への引継ぎが全く行われていなかったようだ。メルトダウンと水素爆発も知らされないまま、作業を行った米兵たち。彼らの被ばく問題は日本で隠蔽され、偽装が続く。
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田中峰和
マスメディアのトップに君臨していた新聞報道だが、その調査力もいまや週刊誌に負けている。ネットの登場で購買数も激減し、地位は下がり続けている。舞台は山梨県下。大手新聞の地方局記者の誤報が出したのが発端。意図的に流された警察幹部からの偽リークに騙された南は、真相を探るために行方をくらます。ネット民から集中砲火を浴びた新聞社は外部調査委員会を立ち上げ、事態の収拾にあたる。地方の警察周りから始まる記者の仕事。記者経験者の著者だけに物語はリアル。メディア規制法案が全ての契機。安倍政権の悪政が思い出される。
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田中峰和
彦根藩の元藩士の7男として生まれた高橋敬吉が井伊家に関わる古文書を解読した「彦根藩士族の歳時記」をもとに、妖怪にかかわる部分をまとめられている。紹介される妖怪は近江だけに存在するわけでなく、全国で見られるものが多い。河童や天狗、ショウケラ、大入道などの全国区とは別に、木娘、おたまさん、二条坊、牛鬼、亡霊子、蓑火など滋賀特有の妖怪も多い。イラストのタッチは、水木しげるに近いが、妖怪を普遍化した人物の作品に影響を受けても仕方ない。
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田中峰和
警察組織を語らせたら、この作家が最高。キャリアから現場の刑事、さらに今回主役の自ら隊、機捜という地味な部署まで見事にスポットを当てる。刑事の時代に無能の烙印を押された縞長が、見当り捜査の異能ぶりを発揮して大活躍する。縞長のペア長の高丸は機捜から、いつかは捜査一課へと、夢見ているが、いきなりチャンスがやってくる。全ては爆破犯の内田を発見した縞長の眼力がきっかけだった。警察に恨みをもつ男たちが内田から爆弾を買い取り、復讐を果たそうとしている。間一髪で警察署の爆破を防いだのも縞長のおかげ。いつもの爽快感が残る。
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田中峰和
地球に当たるか外れるか、さいころの目のような小惑星だからダイス。人類滅亡の危機を迎えた時期、姉が殺害される。近親相姦のような関係の姉弟。どうせ地球は滅亡するのだから、将来のことを考えなくていい。復讐を誓った亮は拳銃を入手して犯人を捜す。高校生だから幼いのは仕方ないが、行動が支離滅裂だし、彼を逮捕しようとする刑事のレベルも低すぎる。調べれば調べるほど、姉の正体に不審を抱く亮だが、ついに真相を知ってしまう。同級生四元の母や姉の病気。個人の死と地球滅亡は天秤にかけられないが、亮にとっては個人の方が重要なのだ。
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田中峰和
原子爆弾開発を昭和の初期から目論んでいた旧日本軍。ウランなど存在しない日本でいかに核融合ができるのか。資源の無い国にとって、サイクロトロンという装置で放射性同位元素を生成させるというのは夢のようなものだが、原子爆弾の開発は無理。日光の山奥に軍部が残した秘密基地。それとは知らずに、関口や中禅寺、益田たちが集う。作品を執筆できない関口や、古文書や資料の研究に没頭する中禅寺、行方不明の婚約者捜索にやってきた益田など、接点のないままの展開な長すぎて集中できない。全員が集まった場で謎解きする中禅寺はまるでポアロ。
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田中峰和
「モルグ街の殺人」はオランウータンが登場し、「黒猫」はタイトル通り黒猫がテーマとなる。犯罪と動物が事件に絡んでくる共通点はあるが、動物たちは加害者になるケースと被害を受ける側になるのと逆の立場を演じる。前者は類人猿が加害者になり、後者はペットが虐待され惨殺される。黒猫は精神疾患を抱える犯罪者によくあるケースで、猫への虐待が進行し、次の段階に進んでいく。目をえぐり、首を吊る。猫の呪いなのか、そっくりな黒猫を連れて帰る。結末を知っていても、追い込まれる臨場感は楽しめる。オカルト的要素が乱歩に引き継がれている。
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田中峰和
家の間取りが何度もしつこく登場する。犯罪トリック小説なのかと思っていたら、その展開が一転する。筆者とミステリー愛好家の設計士栗原のコンビが間取りの謎、そこで行われた可能性のある犯罪を推理していく。窓の無い子ども部屋は密室で、そこには表に出せない子どもの存在。その子どもに来客を殺害させているのでは。推理はどんどん飛躍して、ついに左手の切断された死体が発見される。ある一族の近親相姦とその結果産まれた呪われた子どもの物語へと一転して、前半の変な家ミステリーから無理な展開へと尻すぼみ。ネット作家らしいレベル。
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田中峰和
オウム真理教の走る爆弾娘菊池直子がモデルのような主人公啓美。毒親から逃れるために入信したカルト教団で、テロ犯人貴島と同行したために逃走することになる。毒親の母と離婚した父の家に身を隠すが、そこからも逃走。騙されやすい啓美は、フリーの記者真琴に利用され彼女の祖母梅乃のスナックで働くことに。家族のように接してくれる梅乃のもとで平安が訪れるが、彼女の死で終焉を迎える。同居させていた貴島に自殺され、計画が狂った真琴は、彼の死体遺棄を啓美に手伝わせる。桐野夏生の「OUT」さながらの死体解体が凄い。流される女の話。
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田中峰和
俳優の佐藤二郎がカミングアウトしたことで、ブレークした強迫性障害。この漫画の作者はそのシリアスな症状と日常をコミカルなタッチでわかりやすく語ってくれる。「ドアのカギをかけたか」「鍋を火にかけたままかもしれない」など、些細なことを何度も確認しないと心配になる。「手を長時間洗い続けてしまい炎症を起こす」など日常生活に支障をきたしてしまう。作者は母親の娘への期待が大きすぎて、苦労したことを病気の遠因のように語る。好きでもないピアノを習わせ、看護師になるよう押し付けるなど。精神疾患の要因究明は困難だ。
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田中峰和
ジャパンハンドラーの手先・安倍総理が設置した国家安全保障会議。世界を監視するNSAはスノーデンにその実態を暴露されたが、それをまねた機関はNSCと呼ばれた。タイトルのキンモクセイは禁止の禁、沈黙の黙、制圧の制、つまり禁黙制と略された監視システムのことだった。官僚の死の裏に残されたこの言葉を探る警察官僚の隼瀬。犯人は白人の男で、アメリカの影がちらつく。すぐに捜査体制は縮小されるが、隼瀬は捜査を続け、後輩を殺害した犯人として指名手配される。アメリカの言いなりの日本という設定は納得できるが、展開が単純すぎた。
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田中峰和
12人の子を成したギャルビン一家のドキュメント。統合失調症は遺伝か環境かどちらの影響を受けるのかがテーマだが、10人の息子のうち6人が発症した原因は何なのか。末娘の目を通して狂っていく兄たちと、母のふるまいが描かれる。過干渉の母の影響から発症するという説「統合失調症誘発の母」のワードが広まった時代。母のミミは自分の責任とは思いたくないので、夫のドンの遺伝子の影響と考えるようになる。兄妹一人ひとりにスポットを当てた章と当時の学術研究を開設する章を交互に交え、読み応えのある構成。末娘の献身に心打たれる。
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田中峰和
モルモン教の設立者ジョセフ・スミスが天使モロナイによってモルモン書を発掘させられたのが1823年。ユダヤ教、キリスト教、イスラム教、それぞれに神の啓示を伝えたのが天使ガブリエルだが、モロナイも同様の存在。モロナイとは紀元前600年からアメリカ大陸に住んでいたニーファイ人の予言者。この民族はイスラエルから大陸に渡ってきたとされる。日本でも江戸末期に天理教など新宗教が誕生したが、それに近い気がする。中山みきがお筆先で予言したように、スミスもキリスト教を改良し布教した。信じたい人は信じればいい。
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田中峰和
勝者となった項羽が敗者を抹殺する。20万人の敵兵を穴埋めにする項羽の人望はなくなり、各地で反乱軍が湧き出る。項羽にもっと大きな野望があれば、始皇帝のように独裁国家を生み出せたが、彼にはそれがない。一方、臆病で降伏すれば、徹底的に下手に出る劉邦は、項羽に許され、延命を図る。タラればの話をしても仕方ないが、項羽が劉邦を死刑にしていれば、漢の時代はなかったことになる。だが、いずれにせよ、項羽は自滅しただろうと考えてしまう。名選手が必ずしも名監督になれないという現実。劉邦には多くの味方が出てきて覚えきれない。
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田中峰和
大河ドラマで紫式部が主人公ということで、光源氏のモデル源融の住んだ邸、六条院の章を読んで散策。五条大橋の西南側一筋めに残る、籬の森の日本の巨木。実は現地から移動されたものらしい。六条院の敷地は広大で、250m四方。季節ごとの植物を配置して、春の町、夏の町、秋の町、冬の町と命名していた。春の町に紫の上を囲っていた光源氏だが、その同じ場所に売春防止法が施行された1958年まで五条楽園と呼ばれた遊郭が存在した。遊郭の建物は今も残り、散策にぴったり。紫の上と共通する囲われた女の町の名残を残す。
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田中峰和
古代から言語はそれぞれの土着のものが使われていたが、文字をもたないものが多かった。それが宗教の伝搬によって、文字が必要となっていった。ロシアと東欧で使用されるスラブ語だが、ローマカトリックではなくギリシャ正教が伝わることで、ギリシャ語の文字に近いキリール文字が開発された。この本が有益なのは単なる言語学でもなく。歴史および地理など広範な知識が得られること。神学者の兄弟キュリロスとメトディオスよって開発されたキリール文字は正教を伝えるための手段でもあった。キリール、グラゴール、ラテンの各文字の比較が興味深い。
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田中峰和
つげ義春の作品を「ガロ」で読んだ人は昭和世代まで。そんな絶滅危惧種的な体験は自慢にもならないが、当時中学生だった私は、「巨人の星」より面白いと感じた。単行本化されるたびに、何度も読んでいたので、本書で紹介される作品は全て目に焼き付いているものばかり。小学校卒業後、メッキ工場で働いたつげ少年。弟のつげ忠男も兄をならって漫画家になるのだが、血液銀行に勤めた経験もある。五木寛之らが売血で凌いでいた、本当に貧しい時代だったのだ。佐野史郎も「ガロ」でつげ作品を読んでいたとエッセイで書いている。昭和は遠くなりにけり。
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田中峰和
日本人が無宗教といわれて久しい。「信仰」をもたないのが大多数の日本人だが、葬式仏教と表現されるようにどこかの寺の檀家として「所属」する。そして七五三から葬儀まで日常の中で「実践」する。この信仰と実践、所属が宗教の捉え方としてわかりやすい。日本に限らず、ヨーロッパでは教会に足を運ぶ、実践としての宗教が衰退し続けている。対してイスラームだけは日に5回の礼拝をかかさない実践と信仰の宗教だ。先進国は日々の経済活動に追われ、信仰とその実践に時間をさけないし、教育が進めば進化論を教えない宗教など相手にしない。
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田中峰和
敗戦で天皇が人間宣言をして、憲法で信教の自由が認められると、不安を抱える人々は、踊る宗教のようなカルト的な新宗教に嵌った。その後、高度成長期の民族大移動で創価学会が大きく躍進。政治の世界に進出した。60年代、勝共連合と一体化した統一教会は岸信介に接近し、大学に入り込み信者を獲得するが、カルトすぎる教義で創価学会のような急成長はできなかった。だが、岸の清和会は自民党内の大派閥として統一教会との関係を維持。悪事が噴出する安倍派でも密接な間柄が続く。それが安倍暗殺に繋がったおかげで、統一教会は危機を迎える。
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田中峰和
闇バイトの必需品はスマホとテレグラムのようだ。設定した時間内にメッセージが消えるテレグラムは犯罪の証拠を残さないので、警察の捜査を遅らせる。登録時に免許証など個人データを提示させられるので、必要な金額が得られれば辞めるつもりでも、脅迫されて続けさせられる。最初は封筒の移動だけだと軽い気持ちではじめるが、老人への詐欺の現場に同行させられれば、後の祭り。辞めようとすれば脅される。筆者自身、中卒のまま23歳を迎え、一念発起、通信制高校から大学、大学院までチャレンジを重ねた人。犯罪にはまる若者を救済したいのだ。
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田中峰和
主人公の身体能力はランボー以上だが、除隊後弁護士になったその頭脳は比較にならない。セルビアで悪逆の限りを尽くし逃亡したジリチの行方を追うアヴェンジャーは手をつくして見つけ出す。サン・マルチン共和国内に王国を築いていたジリチは、ビンラディンと結託してテロの計画を練っていた。CIAのデヴローはジリチを利用してビンラディンを煽ぶりだそうとするが、ジリチを拉致されては計画が破綻する。一人でジリチの王国に潜入するアヴェンジャーの活躍はボンドの比ではない。何の危機もなくすんなりいきすぎるのが、不満といえば不満。
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田中峰和
第二次大戦、ベトナム戦争、それぞれの英雄の家族が巻き込まれた殺人。パイロットで活躍したエドモンドは財を成したが、孫を殺害され、後者の方はベトコン対策のトンネル部隊でいくつも勲章を得たデクスターは弁護士となって成功したが、娘を殺害された。デクスターは早々に娘を殺害したギャングたちに復讐をはたすが、その後、復讐請負人アヴェンジャーとして生きる。エドモンドの依頼を受けたデクスターはセルビアの悪党を追跡し始める、命をやり取りする戦争での絆は強力だ。それぞれの人脈を活用して、犯人追跡を続ける物語は読みごたえがある。
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田中峰和
スクープシリーズの第4弾。シリーズ化を知らずに読んだが、天然で協調性がない布施に対し、報道を几帳面に捉える鳩村デスクのかみ合わなさがいい。そこに視聴率対策のため送り込まれた栃本が加わって、鳩村はカリカリする。10年前に起きた大学生刺殺事件を追う布施に新規の事件を追うようにはっぱをかける鳩村だが、実績のある布施には強く言えない。継続捜査を担当する黒田と谷口から情報を得ようとする布施だが、どうも、刑事たちの方が布施に操られているようだ。日本でもアメリカのアンカーのように、報道番組を仕切れる人材が求められる。
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田中峰和
ヒトラーが首相に指名された1933年からドイツ軍のポーランド侵攻によって第二次世界大戦が始まる1939年までがまとめられる。国民に圧倒的な支持を得る演説のうまさ。記録フィルムを今見れば、チャップリンが演じる喜劇のようにしか思えないのだが、大衆は同調圧力に弱いのだろう。大衆を誘導する手段として、スポーツの力は大きい。シュメリングが黒人のジョー・ルイスを倒したときは喝采し、オリンピックで黒人選手が短距離走で優勝しても握手を拒否する露骨な人種差別。大量虐殺はユダヤ人だけでなく、障害者にも適用されたのだ。
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田中峰和
秦の始皇帝が崩御、その死を隠し続け、自分の有利になるように画策する趙高。宦官の彼は尊敬を集められるような立場ではないのに、次期皇帝を決めすべての人事を思い通りに決めていく。始皇帝時代は短く、陳勝・呉広の一揆によってふたたび、群雄割拠の時代が始まる。項羽と劉邦はともにうだつの上がらない人物だが、項羽はやがて叔父の項梁に教育され頭角を現す。項梁は楚の反乱軍を指揮するが、秦軍に敗れ戦死。章邯の率いる秦軍は楚軍を追いつめるが、項羽の勇猛な突撃に負ける。劉邦はまだ、項羽軍の部下でしかなかった。ルビに助けられる。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2013/07/17(3987日経過)
記録初日
2013/07/17(3987日経過)
読んだ本
4579冊(1日平均1.15冊)
読んだページ
1451152ページ(1日平均363ページ)
感想・レビュー
4572件(投稿率99.8%)
本棚
16棚
性別
年齢
70歳
血液型
AB型
職業
営業・企画系
現住所
京都府
URL/ブログ
https://www.facebook.com/muscletanaka
自己紹介

図書館から借りての読書がほとんど。
したがって、書き込みはできません。

図書館中心なので、新刊の小説は人気がありすぎるので、
読みません。

京都と大阪の図書館を利用していますが、府立は学術書が
豊富で、京都市立は大衆的な書籍が多いのが特徴。

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