「何が悲しくて婆3人つるまなければならぬのか…」と帯にあって、意地悪ばあさん集団のお話と思い込み…気合を入れて臨んだ。麻布育ちの幼馴染、お麓・お菅・お修の三婆は、さすがの江戸っ子、女べらんめえ口調が粋だねえ。声が出なくなった少女を保護し育てるにつけ、三人三様の愛情が感じられて、おっ、意地悪ばあさんはどこに？娘は西丸御門警護の番之頭勤で七百石の雲梯長栄の娘瑠璃姫と知った三婆。変態旗本で五百石勘定吟味役水落忠晃の不心得を暴く活躍劇だった。帯の最後の「婆が3人集まれば厄介も3倍。されど喜びも感動も三倍」に納得。

インフルエンサー〈市民調査室〉の投稿で警視庁が大混乱。にしても日生大学理事長中台理事長には笑った。“古のヤクザ映画に出て来そうな悪人顔をしており、脱税…”おっ田中日大元理事長そっくり。延藤刑事の思い“ネット叩きに血通を上げる者はイイネを欲しがるが、これは承認欲求というよりも生存本能ではないか…あるのは義憤に名を借りた嗜虐心と恐怖心だけ…”池袋暴走の遺族松永さん中傷事件犯人を見事表現。延藤刑事の同級生でＡ新聞販売店主半崎の述懐“相も変わらぬ政府批判と高尚そうな左翼思想”…近い将来Ａ新聞の消滅を示唆している。

事件は千葉市で精肉店勤務の殿山和雄51歳が西船橋駅近くでファイナンス会社社長を、精肉加工用の骨スキ包丁で刺した傷害致死事件。容疑者も刺したことを認めた単純なものだった。ところが警察移送中に容疑者は心筋梗塞で死亡。被害者の傷が不自然なこと等に疑問を持った船橋署刑事課巡査部長香山亮介主任の捜査が始まる。その状況をまるで読者に説明するように、香山刑事は知能犯を前にご丁寧に語っていく。知能犯は“俺は絶対に捕まらない”との自信をもって話を聞いている。本当にこんな状況ってあるんだろうか。次は”時効犯”を読むとするか。

「何が悲しくて婆3人つるまなければならぬのか…」と帯にあって、意地悪ばあさん集団のお話と思い込み…気合を入れて臨んだ。麻布育ちの幼馴染、お麓・お菅・お修の三婆は、さすがの江戸っ子、女べらんめえ口調が粋だねえ。声が出なくなった少女を保護し育てるにつけ、三人三様の愛情が感じられて、おっ、意地悪ばあさんはどこに？娘は西丸御門警護の番之頭勤で七百石の雲梯長栄の娘瑠璃姫と知った三婆。変態旗本で五百石勘定吟味役水落忠晃の不心得を暴く活躍劇だった。帯の最後の「婆が3人集まれば厄介も3倍。されど喜びも感動も三倍」に納得。

久しぶりのシミタツ。帯の「北方、佐々木、夢枕、今野、大沢、馳」豪華六氏による賛辞がいい。ギフテッドの介護士、三谷孝の大活躍劇。こういうのがハードボイルドなのか。ハーバード大卒のIT起業家・大河内牟禮との交流、その母尾上鈴子。彼女はギフテッドではなく、その博覧強記の才能や如何。牟禮が引き抜いた檜垣敦。彼の母親はニンフォマニア。彼が食堂のパート社員甲西かおりと恋仲になって…しかしハニートラップだった。牟禮は“はじめて味わったセックスは檜垣に無上の快楽を与えはしただろうけど、度重なればただの日常”と冷静なのだ。