解説の北村薫氏が絶賛するミステリ短編集。1篇「我らが隣人の犯罪」西洋棟割長屋を購入した三田村一家、左隣の飼い犬スピッツ（お祖母ちゃんがババタレ犬と表現した）のストレス気味の鳴き声に悩まされる。中一の息子の誠と叔父の毅彦、妹智子によるスピッツ誘拐作戦が始まるってことで…。ただ、それだけで終わらない。5篇「気分は自殺志願」ミステリ作家と食堂のボーイ長の会話“僕はこういうことにはてんでうといんですけど…”を、私は“こういうことに、はてんでう、といんです、けど…”などと、何回も誤読し苦労した。見事な初期作品集だ。

終章で、楽しく落語家をブランドに例えている。立川志の輔兄さんは「ブルガリ」…新しいブランドのリーダー。談春兄さんは「バーバリー」…イギリスを代表するブランドだから。林家正蔵兄さんは「ユニクロ」…庶民的。談笑は「中国の怪しげな偽ブランド屋」…彼の了見は本物なんぞ屁だ。桂米助師匠は「F・センターしまむら」…上手い。志らくは「ヴィヴィアン・ウエストウッド」…創業者が狂人だった。談志が安物のジャケットを着ていたらルイ・ヴィトンに見え、セコな噺家がルイ・ヴィトンを着たなら安物に見えるとか。紹介してたらもう終わった。

解説の北村薫氏が絶賛するミステリ短編集。1篇「我らが隣人の犯罪」西洋棟割長屋を購入した三田村一家、左隣の飼い犬スピッツ（お祖母ちゃんがババタレ犬と表現した）のストレス気味の鳴き声に悩まされる。中一の息子の誠と叔父の毅彦、妹智子によるスピッツ誘拐作戦が始まるってことで…。ただ、それだけで終わらない。5篇「気分は自殺志願」ミステリ作家と食堂のボーイ長の会話“僕はこういうことにはてんでうといんですけど…”を、私は“こういうことに、はてんでう、といんです、けど…”などと、何回も誤読し苦労した。見事な初期作品集だ。

1篇、田舎のポルシェこと軽トラで岐阜出発。渋谷経由八王子で米360㎏を積んでの往復旅。元妻が渋谷にいる30歳の瀬沼剛と、岐阜郷土資料館勤務30代増島翠の二人か醸す泣き笑いロードノベル。八王子のコメ造り農家の妻寿子“コメは、嫁も孫も娘もちっとも食べないんだよ…ダイエットだの糖尿病だの変理屈ばかりこねて…コメ喰わなきゃ日本人じゃないだろ”。…確かに。だけど功罪あって、私ゃコメ減らして20㎏痩せ、メタボから見事脱出。2篇、20年前のボルボ所有の伊能の妻広美に“何よ、こんな隙間風が入るようなボロ車”と言わしめた。

う～む、いっとき甲三郎とおゑんはいい感じだなんて思わされましたけど…。甲三郎は強い。全幅の信頼を寄せる訳にはいかんだろうが、嗚呼一巻の終わりかって時に、すっと現れて暴漢から守ってくれる心強い味方。にしても末音婆さん、名薬剤師で名医ですね。ヤマカンこと山本漢方製薬も研究者に欲しいところだろう。越冬虫、何とか商品化してくれ。さて、入山形に二つ星の最上級の花魁は“先生に惚れてます”と吉原の惣名主が言う。“安芸が本気であればあるほどおゑんは邪魔になる。邪魔なら除かねばならない。それが吉原の理だ”…風俗、ああ怖わ。

何が何だか？それこそ私が“神よ、我を救いたまえ！”って叫びたい。警視庁総務部勤務の小平鏡子が独り言ちる“今更離島の署長になったとしてもあの人にとっては嬉しくも何ともないでしょう…”あの人とはキャリアの奥寺久斗。キャリアがまさかの離島署長？妻はアルコール依存症、息子はゲーム廃人で本人は殺人事件に絡む…キャリア警察官家族の崩壊物語か。“厚木市の一軒家で黒川美千代、その父親の黒川誠一、その妻黒川育子と仙谷直子の死体が発見され…そして門地奈恵も瀕死状態でそこにいた”…バラバラ事件や臓器売買されなくてよかったねぇ。

ＮＰＯ法人ＳＨキズナ“素人が被災地に足を踏み入れても足手纏いになるだけ”と前置きし、ボランティアにも“スキルがないにも拘わらず現場に出かけたがるボランティアの多くは自己顕示欲丸出しのヒーロー気取りか、承認欲求全開の世間知らずだ”と。それを見事実行したのが、能登半島地震直後訪問のれいわ山本太郎だ。まさしく自己顕示欲丸で承認欲求全開のアホ。他の議員から猛批判を浴びた。また宮城県議会予算特別委員会で照島昭子議員が森見善之助議員に質問し森見議員が答弁しているが、委員会で与野党議員の間で質問・答弁するってありなの？