自分にとって意味ある一冊になりそう。印象に残った箇所も沢山ある。圧倒されただけでなく、カポーティの小説を読んでいるような、繊細な美しさもあった。永久保存本棚に。

毎日少しずつ読んだせいもあり、新共同訳との違いがわからなかったが、特に引っかかるところもなく素直に読めた。次はフランシスコ会訳で読んでみたい。

まるの写真にほっこりする。そして、まるの生と死を通して養老さんが語る死生観にも諸々考えさせられた。

市井の研究者が見返りを求めず献身した北海道の考古学史。その純粋さと骨太さに圧倒された。最後はロシアは変わらないなと重い気持ちになったが、サハリン発掘の旅で日本から来た研究者に、漁ったばかりの魚を惜しげもなく分け与えたアレクサンドルという漁師の話など、わずかばかりの救いといえるか…

半世紀前に書かれたものですが、アメリカの特異性、共産主義と知識人の歪な関係性など、そこかしこに今に通じる明察が煌めいていました。

船の名前と作業時間、きつかったか楽だったか、パートナーについて等々、沖仲仕としての労働の記録から始まるホッファーの日記です。私的な事柄に混じって彼の思索の根に近い部分が垣間見れる。

花や草木の枯れ朽ちてゆく姿、その命をつなぐ最期の営みに胸を打たれる。写真に添えられた文章からは、植物に寄せる著者の深い愛情を感じた。

登場人物が増えてきた。それもあってか薬膳の話題が減ってきた。このままありがちな話の流れになってしまうのか、今後の展開に気を揉みつつ読み終わった。

薬膳や民間療法に関心があって読んでみた。療養と仕事の両立、団地住まい、近所付き合いなど、いろいろ考えさせられる作品だった。

幕末から明治にかけて教育制度が整っていない中、懸命に学問を身につけようと奮闘した人々の生き様に胸を打たれる。東京府庁の下級役人だった樋口一葉の父親の上司が夏目漱石の父親で、漱石の長兄と一葉の間に縁談の話があったことなど興味深く読んだ。

自分にとって意味ある一冊になりそう。印象に残った箇所も沢山ある。圧倒されただけでなく、カポーティの小説を読んでいるような、繊細な美しさもあった。永久保存本棚に。