扇状的タイトルに怖気づいたが、面白かった！ 人間の心は、複雑な現実を物語による単純化を経て処理するようにできており、それを物語の形をした鋳型のような普遍文法に経験を押し込めることによって行っている。時として、その鋳型が混沌とした過去をきれいに整えてしまう、という話が印象的。 最後の方の、トランプへの批判（賞賛）とポスト真実への危惧から、学術界のイデオロギーの偏り、同質性（左よりとのデータあり）への問題提起は一読の価値あり。

ギリアン・フリンにしてはつまらない作品。

医師と患者間のコミュニケーションの重要性についての本。p146 「退院時に自分の主診断名を言うことができた患者は半数に満たなかったという研究結果がある」→卵巣嚢腫茎捻転ですぐに手術します、となった時、紙を渡されて病名とその内容を書かされたのは上記のような事態を防ぐためだったのか…。実際は抜き打ちテストみたいで不安だったし、「卵巣のうしゅ（？）けいねんてん（？）」と子どもみたいな文を書いて恥ずかしかった記憶。 p194 日本で文字を読めない患者が来ることを想定して話せる医師はどれほどいるだろうか。

映画が好き。原作にワイビーが出てこない……

日差しの強い、カラッとした国の人が書く死の香りのする短編集。 『予告された殺人の記録』 雑踏の中で背中を追ってついていくうちに、その人がコロコロと変わるようなお話。視点が頻繁に変わるのに最後まで読ませる力がある。 『大統領閣下、よいお旅を』 「急に秋が始まった」病に冒され手術を控えた元大統領が、晩年（冬）の前段階（秋）を、とあるきっかけで知り合った夫婦と過ごすのだが──カリスマ性と胆力、カリブ海（夏）へ帰る結末が好き。 『電話をかけにきただけなの』 「アメリカン・ホラー・ショー」や「エコール」を彷彿

このタイトルから期待した内容では無かった。いわゆるハウツー本を求めている人、作者の作品群を読んでない人には不必要な文章（主に作者の本のあらすじ）が長くてオススメできないかも。 「プロットの、最初と最後以外の途中四分の三は霧がかかった場所があることが多く、そこに辿り着くまでははっきりは見えない」話、プロの作家でもそうなんだ！

扇状的タイトルに怖気づいたが、面白かった！ 人間の心は、複雑な現実を物語による単純化を経て処理するようにできており、それを物語の形をした鋳型のような普遍文法に経験を押し込めることによって行っている。時として、その鋳型が混沌とした過去をきれいに整えてしまう、という話が印象的。 最後の方の、トランプへの批判（賞賛）とポスト真実への危惧から、学術界のイデオロギーの偏り、同質性（左よりとのデータあり）への問題提起は一読の価値あり。

勝手に推し活のエッセイ集だと思い込んでいたが、温泉旅館の話が多かった。著者の父についての母子の会話を読んでどこの家も同じだな〜と思うなどした。 P240「荒城と隠しキリシタン」 本文によれば、竹田市で「隠れキリシタン」ではなく「隠しキリシタン」と呼ぶのは藩ぐるみで信仰を黙認していた可能性があるから、らしい。そんな藩があったとは！

言外の意味の授業、ためになった！

J.K.ローリングの『不死鳥の騎士団』のプロットがおまけ程度に載っているのですが、あのローリングでも初期段階のプロットはこんな感じなんだ！と驚き。ここから間違いない面白さに持っていくのがすごい。

各異常心理に作家や哲学者を例に挙げて説明されているのが面白かった。夏目漱石、最低だな。