突然夫に離婚を切り出された沙也加。夫が一人で通い詰めていた定食屋に行けば原因がわかるかもしれないと思い彼女はそこでバイトすることになる…という始まり。コロッケ、トンカツ、から揚げ…とタイトルが食欲をそそります。終盤はコロナ禍の苦悩も伝わってきました。沙也加の夫には腹が立つ反面、沙也加と女店主のゾウさんの関係はとても微笑ましいです。精一杯生きていく中で、儚さも感じる物語でした。

ショートケーキをめぐる連作短編集。『ホール』では心温まるラストにホッと胸をなでおろしました。『ままならない』まだ幼い我が子、一緒だと大変な事が多いのに、いざ離れると身体の一部をどこかに置いてきちゃった感覚になるという母親。わかりますわかります。私も同じような経験あり。

どうってことない日常の出来事が語られる短篇集。一つ一つの話の中で時の流れや変化を感じられて楽しめました。その時々の生活や人それぞれの人生が、こんなにもいろいろあるんですね。読み始めは「何これ？」という感想のみでしたが、読んだ後は「またいつか読みたい」と思うようになりました。

香良(から)が営む「おうちカフェ」が、友人である三樹子の提案でシェアハウスに生まれ変わり次々に入居者が集まってきます。みんなそれぞれ辛い過去を持つ面々です。食事は賄い。特に朝の淹れたてコーヒーと土曜日恒例のカレーが美味しそう。美しい文体と鎌倉の風景に心和みました。読後感、さわやかです。

突然夫に離婚を切り出された沙也加。夫が一人で通い詰めていた定食屋に行けば原因がわかるかもしれないと思い彼女はそこでバイトすることになる…という始まり。コロッケ、トンカツ、から揚げ…とタイトルが食欲をそそります。終盤はコロナ禍の苦悩も伝わってきました。沙也加の夫には腹が立つ反面、沙也加と女店主のゾウさんの関係はとても微笑ましいです。精一杯生きていく中で、儚さも感じる物語でした。