読書メーター KADOKAWA Group

2024年10月の読書メーターまとめ

buchipanda3
読んだ本
13
読んだページ
3716ページ
感想・レビュー
13
ナイス
1380ナイス

2024年10月に読んだ本
13

2024年10月のお気に入られ登録
2

  • 29square
  • tonnura007

2024年10月にナイスが最も多かった感想・レビュー

buchipanda3
「なんて素敵な、めくるめくカオス」。ほんと人生ってやつは先が分からんね。指南書なんてない。あるのは酒と煙草とジャズ&ソウル。テキサス、チリ、メキシコ、NY、パリも生活した著者の人生が垣間見える短篇集。どの篇からも彼女のしなやかで気骨溢れる心を感じた。弱い自分に凹んでも譲れない自分だってある。子供には最大の愛情。愛した者はとことん愛す。彼女には愛が必要、言葉が必要。ホープとかケイシーとか彼女が愛しんだ人物の存在感が良い。かつての楽園だろうか。「味わう、嗅ぐ、聴く、触れる」。ボサノヴァのリズムが果てなく巡る。
アーちゃん
2024/11/07 21:18

今回はルシア自身が全面的に出ている印象がありました。ホープとの思い出と、ラスト近くの「ルーブルで迷子」とメキシコでの闘牛を描いた「陰(ソンブラ)」も印象的でした。

buchipanda3
2024/11/08 20:18

アーちゃん、「ルーブルで迷子」、「陰(ソンブラ)」は人生の中での生と死の位置づけを思い起こさせる話でした。故郷から遠く離れたパリの墓地や美術館で感じ取った死の感触、かつて子どもたちと暮らしたメキシコの闘牛場で目撃した死の感触。あらかじめ知ることのない、様々な出会いと死をくぐり抜けてきた人生を振り返った際の感慨深さが印象に残りました。

が「ナイス!」と言っています。

2024年10月の感想・レビュー一覧
13

buchipanda3
「なんて素敵な、めくるめくカオス」。ほんと人生ってやつは先が分からんね。指南書なんてない。あるのは酒と煙草とジャズ&ソウル。テキサス、チリ、メキシコ、NY、パリも生活した著者の人生が垣間見える短篇集。どの篇からも彼女のしなやかで気骨溢れる心を感じた。弱い自分に凹んでも譲れない自分だってある。子供には最大の愛情。愛した者はとことん愛す。彼女には愛が必要、言葉が必要。ホープとかケイシーとか彼女が愛しんだ人物の存在感が良い。かつての楽園だろうか。「味わう、嗅ぐ、聴く、触れる」。ボサノヴァのリズムが果てなく巡る。
アーちゃん
2024/11/07 21:18

今回はルシア自身が全面的に出ている印象がありました。ホープとの思い出と、ラスト近くの「ルーブルで迷子」とメキシコでの闘牛を描いた「陰(ソンブラ)」も印象的でした。

buchipanda3
2024/11/08 20:18

アーちゃん、「ルーブルで迷子」、「陰(ソンブラ)」は人生の中での生と死の位置づけを思い起こさせる話でした。故郷から遠く離れたパリの墓地や美術館で感じ取った死の感触、かつて子どもたちと暮らしたメキシコの闘牛場で目撃した死の感触。あらかじめ知ることのない、様々な出会いと死をくぐり抜けてきた人生を振り返った際の感慨深さが印象に残りました。

が「ナイス!」と言っています。
buchipanda3
人が抱える内なる心というのはこうして読むと何とも可笑しい。そして愛おしい。声に出さなきゃ他の人には分からない。それでも察して欲しいと拗らせるのは人の性か。同情を求めるラムジー、自意識過剰なジェイムズ、自己顕示欲の高いタンズリー。家族や友人でも、いやそれ故にすれ違う。そんな中、夫人の他者を思いやる心。リリーからすれば与えすぎに見えるもの。でもそれは灯台の光、一条の光。晩餐の差配で充足する皆を見て浸る至福感。内なる心の交錯は人を浮かび上がらせ記憶に残る。絵を完成に導いた影は、彼女に確かな自己を与えもたらした。
が「ナイス!」と言っています。
buchipanda3
夜の瞳は見ていた、月は見ていた、黙して。光州事件で虐げられた者たちへの鎮魂の物語。命を奪われた市民の中に中学生の少年がいた。なぜ彼は最後の襲撃場所に残ったのか。彼の身近にいた者や母親の回想が連なり、浮かび上がる残酷さと悲痛さに心が痛んだ。回想者が良心という言葉に揺らぎ、事件後、何年経っても身体を蝕む自分への問いを繰り返す。生き残った罪悪感に苦しむ姿も痛ましい。人は透明なガラス。粉々に砕けて初めて魂を見つけ、その魂は目を開け続けることで踏み潰すものを凝視する。手を胸にあて心音を感じながらその目を忘れない。
が「ナイス!」と言っています。
buchipanda3
文化大革命が終結して間もない中国のある地方で生きる様々な者たちを描いた群像劇。著者の小説は毎回、読み終えて充足感に包まれる。今作でも偏りのない目で真摯に人間を見つめ、その姿をつぶさに描き出すことの意味を実感したように思う。大きな歴史のうねりに対して民は小さな存在。でも人は良くも悪くも歴史の中を生かされているわけではないのだなと。どんな状況でも自らの営みがあり、我欲、自尊、無責任などの面を見せてしまう。それはハリネズミのように愚かかもしれないが知性だけでは解決しない。さすらう姿を華夫妻の心で見つめるだけだ。
が「ナイス!」と言っています。
buchipanda3
著者初読み。初期作の選集とのことで収録の5篇どれも面白かった。物語への惹き込みが巧くて、すぐに没入してしまう。各篇の長さはまちまちだが、それに見合った満足感があった。虎の話は鬱屈した負の感情を妄想で吹き飛ばすかのような寓話って感じだが、溜め込む負が増大し過ぎると他の篇のようにとんでもないことに。人の心理っていうのは化け物になる。『ジョウント』はねずみの質問で著者に上手く惑わされていたなと。「あそこには永遠がある」という台詞に唸らされた。表題作は一本の映画を観たような気分。最後まで展開に身を任せて味わった。
が「ナイス!」と言っています。
buchipanda3
「黒いみずうみに裸で泳ぎたい」と奇行の男は願った。それは銀平が少女の黒い瞳に清らかさを感じて思ったことだ。その時、彼は憧憬と絶望という相対するものを抱く。美への憧憬、醜さへの絶望。母の美しさ、父の醜さ。湖の美しさ、湖の暗い出来事。少年時代、母方の従姉への思慕に裏切られ、彼は自己を否定する。その後、彼は美しい女性を見ると後を付けてしまう。美の幻影を求め、現実から目を背けて自己を取り戻そうと(戦後の光景も含むか)彷徨う心理を人間の黒い深淵となるエゴや愁いに滑稽さを交えて不快ながら不敵に描写しているのが印象的。
が「ナイス!」と言っています。
buchipanda3
「それは今は重要ではない」。そんな冷静な言葉を無機質に繰り返す少年。子供なのに奇異に大人びており、人間離れした存在を思わせる(ざわぞわ)。その彼に導かれるように娘を持つ母親が過去を振り返る。その回想は一見、日常的な光景。そこに潜む危うさ。救出の距離の危うさに曝される母親と子供。無責任にその者らだけを犠牲者へ陥らせる社会の在り方。彼岸と此岸の間を彷徨うような幻惑的な対話が、現実の怖さと震えを実感させるが如く読み手に侵食してきた。その語りはひと息も入れず、最後まで一気に。そこに著者の願いの重さが感じ取れた。
が「ナイス!」と言っています。
buchipanda3
温泉町の山並みを季節が通り過ぎる。自然の営みは変わらないが、人は変わっていく。新成人の儀式を終えた和樹たち。大人となった彼らは自分がどこへ向かうかまだ決め切れていない。類の才能に気付く者もいれば、和樹は浜田に刺激を受けて山への興味が募る。浜田元店長の笑顔にホッとするなあ。登場人物の誰もが心に傷を抱えて生きてきた。中でも小さい頃の傷みはなかなか癒えない。それは和樹だけでなく…。自身の傷と向き合うこと。それは容易ではないが、儀式とはまた別な大人への道となる。そして慈悲と祈り。その思いが届くこと願う。
が「ナイス!」と言っています。
buchipanda3
色とりどりのキャンディ、カランと缶から飛び出したのは定番の色。いつもの味だと思って口に放り込んだら、あれっ違う味。赤ずきん、アリス、人魚姫、白鳥と童話の世界でお馴染みの面々をモチーフに、定番のあの話とは違う物語を小川さん風味で愉しめた。小気味よい語りにどこか怪しげな空気。やがて訪れる幕引きに一瞬、心が乱れる。まるで舐めていた飴玉をガリッと噛むように。その味わいは併録の樋上さんの艶やかながら冷静な目を持つ少女の絵に心を揺らがされるのと同じに思えた。残るのは口の中に広がった妖しい甘美の味の終わりを儚む読後感。
が「ナイス!」と言っています。
buchipanda3
いやあ小ボケ三昧で何度も吹いた。今回も先生たちの現実的な日常が、ゆる斜め目線で描かれる。夏休み出勤や休日に生徒や保護者に出くわす気まずさとか。先生のネタは生徒の好物。でも特大スクープそこかよっ。小林先生は甥や姪と相性がいい。ローテンション京都弁、ええな。星先生のさらりと現実逃避や予備メガネの一コマ、くくく。星先生不足に悩む鳥井。サイゼと東大、若さゆえのすれ違い、泣ける。モノボケも好き。奥に潜むペンギンかき氷機、言葉に詰まるロボット掃除機、数学vs国語、肉まん鏡、ホチキス倒立、パイナッポーペン。楽しかった。
みっちゃん
2024/10/12 20:08

あの特大スクープ!もうお腹が捩れちゃいましたよ🤣メガネ店でのやり取りには悶絶寸前でした。小森さんのお兄さん、サイコー!♪o((〃∇〃o))((o〃∇〃))o♪

buchipanda3
2024/10/13 17:00

みっちゃん、女子高生たちのかわいいのツボは難しいなと😅。でもどこか遠くに感じていた先生を身近に感じたのが良かったのかなあと。メガネ屋であんな寸劇が始まったら店員さんも近づけませんね。でも買ってくれたからokでしょう😁。

が「ナイス!」と言っています。
buchipanda3
チェコ出身作家の頭から止めどなく湧き上がってきたかのような物語の泉、いや迷宮へ誘われた。前半は虚構の島での体験記で、民俗学や言語学を絡めた異文化風土の当たり前の違いに刺激を受ける。島民の生活は利便性に基づいた決まり事に囚われず、名前も音楽も水の流れの如く変化に身を任せ、どこか懐かしさも。匂い時計が面白い。後半は島の「本」の話。叙事詩的な物語が魅惑的で、先へ読み進めたいのに脱線や入れ子で翻弄されるが愉しめた。「本」は時間が経つと変化し、中身は記憶のみに残る。それが無形への愛。かつての黄金時代を想うように。
が「ナイス!」と言っています。
buchipanda3
著者の初期作品集。先日読んだ「よむよむかたる」(朝倉かすみ)に登場して、中身が気になり手に取った。キャラの絵柄は著者らしい感じ。簡素で洗練された筆づかいにドキッとさせる表情が垣間見える。作風は幻想的で奇妙な世界観が繰り広げられ、近作のエッセイ漫画とは違った味わい(でも醸し出す空気感の根は同じに感じる)を楽しめた。虫や植物の描き方が印象的で、不気味で美しくユーモラスさもある細部の世界に誘われる。子供時代の少し残酷で無垢な発想、普段見えない引き出しの中の異世界感。つめきり物語、爪を切る時に何か頭に浮かぶかも。
が「ナイス!」と言っています。
buchipanda3
「人はみな愚か者、なぜこれほど生を愛し、生を見つめたがるのか」。その言葉通り、様々な人たちの内面に溢れる"生"の姿、心に潜む意識の交錯が流麗に描かれ、それに身を委ねる読書は面白味に満ちていた。手堅い結婚をしたダロウェイ夫人。妻や母親と見られるが今ある自分は透明と化した。それでも大戦後の生への空虚が残る中、俗物的と思われようが純粋に今を生き一瞬を感じることを促す。彼女と同じく自身の魂を見失った帰還兵の青年が選んだ道を尊びながら、クラリッサは老い先も自己と日々の喜びを見出した。それはかつての彼女自身の魂の姿。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2013/11/25(4018日経過)
記録初日
2012/08/16(4484日経過)
読んだ本
2300冊(1日平均0.51冊)
読んだページ
640540ページ(1日平均142ページ)
感想・レビュー
2214件(投稿率96.3%)
本棚
65棚
性別
自己紹介

アイコン付けました(^^)。
一応ブチなパンダです。(2018.11.1)

ミステリや歴史ものが好みです。
最近は初読みの作家さんを増やすことと
読みたいジャンルを開拓することが
楽しみになっています(^^)。

参加コミュニティ1

読書メーターの
読書管理アプリ
日々の読書量を簡単に記録・管理できるアプリ版読書メーターです。
新たな本との出会いや読書仲間とのつながりが、読書をもっと楽しくします。
App StoreからダウンロードGogle Playで手に入れよう