「バリ行き」を一人黙々とこなす妻鹿に対して波多が言う。「 山は遊びですよ 。遊びで死んだら意味ないじゃないですか 。本物の危機は 山じゃない、町ですよ 、生活ですよ。」

500ページ　小さい文字でかなり苦労した。実質4冊はある大作だった。楡家の3代にわたる波乱万丈の物語だった。3週間かけて読み、とても満足している。北杜夫を今更ながらすごい作家と思う。

脳梗塞から右半身麻痺、飲むことも食べることもできず。声を発することもできない。毎日激痛。そして　先の見えないリハビリ。壮絶な日々が、希望も持てない日々が続いていく。それが何年も。そんな中でも、闘い続けていく。もう圧倒されっぱなしだった。

詳しく人生を語れば語るほど、どこまでもまさに、あの笑顔。まだ70代なのに、惜しくてならない。

よく読めた

「バリ行き」を一人黙々とこなす妻鹿に対して波多が言う。「 山は遊びですよ 。遊びで死んだら意味ないじゃないですか 。本物の危機は 山じゃない、町ですよ 、生活ですよ。」

なかなか身につまされてしまった。「70代は中途半端な老人のアマ、年々歳々老いる。今なのだ。生きることにいきいきするのは。」「過ぎた 昔の思い出にふける時間はない。 あの頃には戻れないし 戻る必要もない 。今を生きる。」に納得。「終活は、自分軸で考える」「終活というものはは 自分の人生に自分でケリをつけること」