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2022年6月の読書メーターまとめ

大泉
読んだ本
16
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4475ページ
感想・レビュー
16
ナイス
158ナイス

2022年6月に読んだ本
16

2022年6月にナイスが最も多かった感想・レビュー

大泉
ナチス政権下の強制収容所の内実、そこで苦しんだ人の心理を、被収容者である精神科医が書き記す。対象は極めてヘヴィで、かつ古典ですから、相当身構えていたのだけど、意外なほど平易な言葉で、むごたらしい状況ですらすらすらと読み進めることができたことに驚いた。基本的に冷静な観察者の目に貫かれているが、唐突にある種の運命論が前景化してくる箇所があり、その異様な迫力は強く印象に残る。
が「ナイス!」と言っています。

2022年6月の感想・レビュー一覧
16

大泉
著者の関心のありようがなんとなくわかる、我々の常識をかろやかに否定して事実を提示してみせるタイプの書籍の紹介が多い。コント仕立ての語りはまあ、すごくよいわけではないわね。結部の山本七平『空気の研究』、和辻哲郎『風土』への批判はなるほどにゃんです。
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大泉
近年における中国語圏を中心とする政治思想の潮流を、東アジアないしユーラシアという文脈によせて紹介する。中国語圏の思想家の名前は知ってる人が全然いないので、本書の整理はクリアだとは思うんだけど思った以上に頭に残らなくてつらい。とはいえ、戦前戦中期の日本の思想家との対比や差分なんかで、現代における中国語圏の思想家の立ち位置みたいなものがなんとなくわかった気になりました。
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大泉
旧家で起こった大量毒殺事件。関係者の証言から浮かび上がってくるのは、その事件の生き残りの盲目の少女が、すべてを仕組んだのではないかという疑念。過去という迷宮にわけいるうちに、真実に触れられそうでやはり取り逃してしまう、そのえもいわれぬ「わからなさ」の手触りこそお見事。たいへんおもしろく読みました。
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大泉
道徳の教科化を受けて、学校教育のなかで道徳がどんな題材を扱ってきたのか、過去から現在に至る教科書を紐解いてツッコミをいれていく。教科書で触れられる説話群のおかしさ(と教育出版がたまに批評的な題材を扱ってたりすること)に笑い、そうそうこういうしょーもない感じだったわという捏造された記憶がよみがえる。講談調ですらすら読ませる語りのテクニックは相変わらずお見事です。
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大泉
文系の学問の意味ってなんなのよ?とか、わたしたちは仕事とどう向き合えばいいの?とか、幸福に生きるためにはどうすりゃいいの?などなどのトピックに、主に倫理学の議論を踏まえて解答しようとする試み。大変啓蒙され、ブログに感想書きました。 https://amberfeb.hatenablog.com/entry/2022/06/25/075617
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大泉
失われた20年か、平成不況か、経済の分野であってもその他諸々の形容を持つ、一つの像を結ばない時代としての平成の、その一つに収斂しないありさまをこそなんとか記述しようと試みるエッセイ。あるキーワードで一刀両断!的なわかりやすさがないぶん、時代論としては弱いんだけどその弱さを引き受けてなんとか叙述をすすめようとするのが、本書のよさなんだろうと思う。
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大泉
ナチス政権下の強制収容所の内実、そこで苦しんだ人の心理を、被収容者である精神科医が書き記す。対象は極めてヘヴィで、かつ古典ですから、相当身構えていたのだけど、意外なほど平易な言葉で、むごたらしい状況ですらすらすらと読み進めることができたことに驚いた。基本的に冷静な観察者の目に貫かれているが、唐突にある種の運命論が前景化してくる箇所があり、その異様な迫力は強く印象に残る。
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大泉
人文学的なものの見方を伝える入門書。読書、批評、言葉、近代…と各章に付けられたタイトルについて平易な言葉で語るスタイルで、それぞれ独立性が高い。特に本の読み方の指南は結構大胆で、一つの本をさらって二、三個持ち帰れるものがあればいいじゃんみたいなのはほんとそうよなと思う。通勤電車の中で読んでいた本書から、わたくしがどれくらい持ち帰れたのかはわからんけど…
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大泉
近年になってドイツ発見された、隕石からつくられた仏像。チベットに派遣された調査隊によって持ち帰られたものと発見当初は思われていたが…という謎解きを枕に、ナチスとオカルトとが関係する話題を幅広く扱った書籍。ヒムラーによる古代への情熱がこんなにめちゃくちゃなものだったとは知りませんでした。
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大泉
宿題と思って読みました。ポール・グリモーとジャック・プレブェールによるフランスアニメ映画『やぶみらみの暴君』と『王と鳥』。高畑はじめ日本アニメ界の大物たちに多大な影響を与えたこの作品の偉大さを、同時代の評などふんだんに引用しつつ、アニメーションは、あるいは映画がなすべき使命とは何かを論じる。それは端的にいえば、世界をまなざす目を鍛えること、と言っていいんだろうか。
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大泉
もうわりと惰性の出涸らしみたいな感もあり、石原慎太郎の芥川賞審査員辞任と同じタイミングでおしまいになったのはキリがよくてよかったのかも。東浩紀や津原泰水をめぐるゴシップネタなんかが書いてあって時代!となる。
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大泉
ウェーバーやシュミットなど古典的研究から、ハーバーマス、ラクラウなどなど現代の民主主義論まで幅広く概説する。指導者民主主義や市民参加、熟議と闘技などなど、民主主義にかかわる概念をコンパクトに説明していて、ポジティブな意味で教科書的。
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大泉
本書の魅力は脚本術うんぬんよりも、よく知られた監督・脚本家たちのインタビューが収められていることだろう。押井守、片渕須直、大河内一楼、岡田麿里、岸本卓…。業界に入ったルートも脚本にあたっての発想も十人十色。キャラクターを中心に据えるか、それとも作品の構造を固めるか…。近年の作品の制作の裏話も随所で触れられていて、それだけで元をとった気分になります。
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大泉
近年ますます勢いが強まっているように思える歴史修正主義にどう対抗すべきか、それぞれの視角から提起する。しばしば見習うべき事例とされるドイツにおける「過去の克服」も、道義的責任等法的責任とを弁別し、後者については認めてはいないこと、ヨーロッパ諸国が必ずしも植民地責任を清算していないことを述べた前川の記述になるほどなとなった。本書も読んで、呉座は歴史学会の非主流として批判された網野にシンパシーを抱いていたのかも、と感じた。それが内輪でミソジニーを発散するような振る舞いにつながったのだとすれば悲しいことね。
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大泉
料理とはすなわち、火、水、油、空気の四要素からなる四面体を基本原理とするものなのだ!と喝破する。四面体理論が出てくるのは最後の最後で、それまでは世界各国津々浦々の料理の調理法を俎上にのせて、それらをいかにアレンジすれば別の料理になるか…という話をしてるんだけど、それがまさに四面体理論の実践だったと最後にわかる構成になってるってわけ。これを読んだら料理ができるようになるとかそういう本ではないが、料理という営みのためどのように頭を使えばいいかわかる、大変すげえ本です。
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大泉
いかつい本である。文体のいかつさがえもいわれぬユーモアを生み出していて楽しい。随分前にツイッターを去ってしまったうさぎエンジンさんのことを思う。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2013/12/24(3778日経過)
記録初日
2013/11/07(3825日経過)
読んだ本
2142冊(1日平均0.56冊)
読んだページ
643469ページ(1日平均168ページ)
感想・レビュー
2132件(投稿率99.5%)
本棚
2棚
性別
職業
大学生
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