この怪事件に乗り出し志津は、蒋介石の北伐で追われた中華民国安国軍総司令、陸軍大元帥の張作霖が如何にして暗殺されたのか詳しく調査するが、中華民国には日本陸軍の高級武官が参謀として多く派遣されているので事をややこしくする。あまり張作霖爆殺に関する小説などないので興味を持って読んだ次第だ。
邪魔をしてうまくいかない。喫茶店では主婦友が屯して駄弁っているが男はそうはいかない。じゃ、定年後の男はどうしたらいいのか。家に居れば妻との喧嘩が絶えない。または生ごみだと言われる昨今。仕事一筋で趣味がない人は本当に困る。年を取ってからの友達も出来にくい。そこに思いがけない仕事が舞い込む。新たな生きがいを見つけた壮介だったが思わぬ挫折。個人的には第十章の故郷への郷愁を語る場面が一番良かった。故郷を持たず、母もいない私には身につまされる。
、女史の歌舞伎、寄席、大相撲、江戸文化、また、5歳上の兄の影響で、ロック・映画などのサブカルチャーに早くから関心を寄せている点など、個人的には興味ある女性だった。
く権限も持っていた。所謂下剋上のようなものだ。本書はストックホルム駐在武官の小野寺信大佐が、参謀本部に送ったはずの、近代史上最大級のヤルタ密約電報が、確かに届いたのかという謎が昭和58年にもなって判明したことから謎が始まる。小野寺の死後も妻、息子が真実を求め奔走する話でもある。東條内閣が瓦解し小磯国昭内閣は不可侵条約相手のソ連を頼みに仲介役を願い出ていたが、すでにソ連はドイツ降伏後、3ヶ月で日本に宣戦布告するということをヤルタ会談で取り決めていた。その情報を手に入れた小野寺は、風雲急を告げる情報を
大本営に緊急打電したにも拘わらず、一向に動こうとしない大本営に対し苛立つ。もし、正確に届いていたなら、或は終戦は早まったかもしれない。そう思うと常日頃言っている早期終戦論が具体化されていたかもと思うと残念でならない。この事実は多くの日本人に知ってもらいたいと思うがそうもいかないだろう。思うに、独ソ戦が始まった時、日本もソ連に参戦して日独で挟み撃ちにしていれば、ソ連は崩壊しただろう。さすれば終戦間際のソ連参戦は免れたのではないか、そんな妄想を働かせてしまう。果たして結果はどうなっていただろう。
陸軍の監獄に収監されていた志津中尉という下級将校が、極秘に陛下に呼ばれ今回の事件について質問を受ける。志津は答えて「現役武官制は廃止されているので、予備役大将の田中閣下は本気でやるなら軍に干渉されずに犯人を追及できたはずと答弁する」私としてはこのような話は俄かに得意分野だけに面白い。陛下は「とするならば誰が犯人か追及せよ」と志津に命令する。しかし、これで終わっては面白くない。下手人は関東軍高級参謀の河本大作大佐と歴史の審判は下りている以上、話が終わってしまう。当時、満州某重大事件などと言われた
この怪事件に乗り出し志津は、蒋介石の北伐で追われた中華民国安国軍総司令、陸軍大元帥の張作霖が如何にして暗殺されたのか詳しく調査するが、中華民国には日本陸軍の高級武官が参謀として多く派遣されているので事をややこしくする。あまり張作霖爆殺に関する小説などないので興味を持って読んだ次第だ。
としての力量は知らないが、作家としては、調査力といい着眼点といい好きな著述家のひとりだ。過去、『黒船の世紀 ミカドの国の未来戦記』『ペルソナ-三島由紀夫伝』『マガジン青春譜 川端康成と大宅壮一』『ピカレスク-太宰治伝』『東條英機 処刑の日』『唱歌誕生-ふるさとを創った男』など読んできたがどれも面白い。菊池寛は芥川、久米正雄らと共に新思潮派のグループに所属するが、当初、上田敏を頼って師事、しかし上田からは無視されたらしい。それに比べ芥川は漱石門下だけに遅れて入った菊池はデビューが遅れてしまった。
だが、通俗小説の『真珠夫人』など一連の作品はこれまた本当に面白く、菊池は遅まきながらまるで菊池王国を作るが如く作家としても事業家としても、その手腕は天下に轟いた。戦後は公職追放になり持病の狭心症で太宰と同じ年に亡くなる。あっけない最期であった。
本当に重宝しています。本読みによる本読みのための本読みのサイトですね。よくぞ作ってくれました。自己紹介といっても特別ありませんが、朝・晩、絵画を趣味で載せています。他にはビジネス書や自己啓発系本、アニメなどは一切読みません。お気に入りは相互交流を旨としておりますので、それが長期途絶えた場合は削除させてもらいます。
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陸軍の監獄に収監されていた志津中尉という下級将校が、極秘に陛下に呼ばれ今回の事件について質問を受ける。志津は答えて「現役武官制は廃止されているので、予備役大将の田中閣下は本気でやるなら軍に干渉されずに犯人を追及できたはずと答弁する」私としてはこのような話は俄かに得意分野だけに面白い。陛下は「とするならば誰が犯人か追及せよ」と志津に命令する。しかし、これで終わっては面白くない。下手人は関東軍高級参謀の河本大作大佐と歴史の審判は下りている以上、話が終わってしまう。当時、満州某重大事件などと言われた