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2024年10月の読書メーターまとめ

駄目男
読んだ本
5
読んだページ
2215ページ
感想・レビュー
5
ナイス
4375ナイス

2024年10月に読んだ本
5

2024年10月のお気に入り登録
2

  • ムー
  • どあら

2024年10月のお気に入られ登録
3

  • どあら
  • 於間抜新吾
  • 散文の詞

2024年10月にナイスが最も多かった感想・レビュー

駄目男
軍部大臣現役武官制というのを聞いたことだあるだろうか。つまり陸海軍大臣は現役の中将、大将に限るということだ。昭和三年、満州の軍閥、張作霖が北京から奉天に帰る途中、列車ごと爆殺されるという事件が起こった。これは誰の目にも関東軍の陰謀で陛下から呼ばれた時の首相、陸軍大臣田中義一は質問に対し関東軍の後ろ盾があると発言したが、のちに前言を翻してしまったところ、陛下から「お前の顔はもう見たくない」と言われ、陛下の信任を失った田中は総辞職して間もなく愛人宅で死んでしまった。本書は怪文書のビラを撒いたということで、
駄目男
2024/10/18 03:50

陸軍の監獄に収監されていた志津中尉という下級将校が、極秘に陛下に呼ばれ今回の事件について質問を受ける。志津は答えて「現役武官制は廃止されているので、予備役大将の田中閣下は本気でやるなら軍に干渉されずに犯人を追及できたはずと答弁する」私としてはこのような話は俄かに得意分野だけに面白い。陛下は「とするならば誰が犯人か追及せよ」と志津に命令する。しかし、これで終わっては面白くない。下手人は関東軍高級参謀の河本大作大佐と歴史の審判は下りている以上、話が終わってしまう。当時、満州某重大事件などと言われた

駄目男
2024/10/18 03:50

この怪事件に乗り出し志津は、蒋介石の北伐で追われた中華民国安国軍総司令、陸軍大元帥の張作霖が如何にして暗殺されたのか詳しく調査するが、中華民国には日本陸軍の高級武官が参謀として多く派遣されているので事をややこしくする。あまり張作霖爆殺に関する小説などないので興味を持って読んだ次第だ。

が「ナイス!」と言っています。

2024年10月にナイスが最も多かったつぶやき

駄目男

ホントだよね、以前は大病なんて何も考えずに漠然と過ごし、健康が自然のことだと思っていた。

ホントだよね、以前は大病なんて何も考えずに漠然と過ごし、健康が自然のことだと思っていた。
が「ナイス!」と言っています。

2024年10月の感想・レビュー一覧
5

駄目男
内館牧子の本を読むのは『老害な人』『すぐ死ぬんだから』と、これで3冊目だが、本作は大変面白い作品だった。小説家に必要な洞察力の才能を至るところで垣間見た。ところで内館牧子とは多分あの人のことだろうなと経歴を見たらやはり。相撲について学ぶためにわざわざ大学院にまで行かれ、日本相撲協会横綱審議委員を務めるたほどの女史だ。その彼女が老後の男子の過ごし方を問う。定年って生前葬だなで始まる。仕事一筋だった主人公・田代壮介はどんな仕事でもいいから働きたいと職探しをしてみるが、高学歴や立派な職歴がかえって
駄目男
2024/10/31 17:46

邪魔をしてうまくいかない。喫茶店では主婦友が屯して駄弁っているが男はそうはいかない。じゃ、定年後の男はどうしたらいいのか。家に居れば妻との喧嘩が絶えない。または生ごみだと言われる昨今。仕事一筋で趣味がない人は本当に困る。年を取ってからの友達も出来にくい。そこに思いがけない仕事が舞い込む。新たな生きがいを見つけた壮介だったが思わぬ挫折。個人的には第十章の故郷への郷愁を語る場面が一番良かった。故郷を持たず、母もいない私には身につまされる。

が「ナイス!」と言っています。
駄目男
杉浦日向子氏が亡くなったのは、平成17年のことでまだ46歳だった。天平美人のようなその顔立ちが特徴的で、よく歴史番組などで見ていたが、あまりの急死に驚いた。江戸風俗研究家として確かな時代考証で江戸や明治の生活風俗を生き生きと描いた作品を残した。冒頭に、古より百物語と言うことの侍る不思議なる物語の百話集う処必ずばけもの現れ出ずると。その百話が載っているわけだが、どうも江戸の世と違って現在ではあまりに突飛過ぎてピンとこない。キツネだのタヌキに化かされる話は落語ならともかく文章化されると面白みに欠ける。がしかし
駄目男
2024/10/31 18:10

、女史の歌舞伎、寄席、大相撲、江戸文化、また、5歳上の兄の影響で、ロック・映画などのサブカルチャーに早くから関心を寄せている点など、個人的には興味ある女性だった。

が「ナイス!」と言っています。
駄目男
瀬島龍三を知っているだろうか。元伊藤忠商事会長、退職後は中曽根康弘元首相の顧問など多くの職に就任し、「昭和の参謀」と呼ばれた男だが、この男、陸軍大学校を首席で卒業した恩賜の軍刀組だ。恩賜の軍刀とは陸大を五番以内で卒業した者だけが、陛下から拝受される軍刀組のことをいう。瀬島ら超エリート出身者は大本営作戦課作戦室に配属された軍人官僚で、太平洋戦争全般に於いて机上訓練などで実演した作戦指導を各戦線に届ける。と同時に世界各地の駐在武官から送られてくるインテリジェンスを考慮して、自分たちに都合のいいものを採用してい
駄目男
2024/10/31 21:26

く権限も持っていた。所謂下剋上のようなものだ。本書はストックホルム駐在武官の小野寺信大佐が、参謀本部に送ったはずの、近代史上最大級のヤルタ密約電報が、確かに届いたのかという謎が昭和58年にもなって判明したことから謎が始まる。小野寺の死後も妻、息子が真実を求め奔走する話でもある。東條内閣が瓦解し小磯国昭内閣は不可侵条約相手のソ連を頼みに仲介役を願い出ていたが、すでにソ連はドイツ降伏後、3ヶ月で日本に宣戦布告するということをヤルタ会談で取り決めていた。その情報を手に入れた小野寺は、風雲急を告げる情報を

駄目男
2024/10/31 21:30

大本営に緊急打電したにも拘わらず、一向に動こうとしない大本営に対し苛立つ。もし、正確に届いていたなら、或は終戦は早まったかもしれない。そう思うと常日頃言っている早期終戦論が具体化されていたかもと思うと残念でならない。この事実は多くの日本人に知ってもらいたいと思うがそうもいかないだろう。思うに、独ソ戦が始まった時、日本もソ連に参戦して日独で挟み撃ちにしていれば、ソ連は崩壊しただろう。さすれば終戦間際のソ連参戦は免れたのではないか、そんな妄想を働かせてしまう。果たして結果はどうなっていただろう。

が「ナイス!」と言っています。
駄目男
軍部大臣現役武官制というのを聞いたことだあるだろうか。つまり陸海軍大臣は現役の中将、大将に限るということだ。昭和三年、満州の軍閥、張作霖が北京から奉天に帰る途中、列車ごと爆殺されるという事件が起こった。これは誰の目にも関東軍の陰謀で陛下から呼ばれた時の首相、陸軍大臣田中義一は質問に対し関東軍の後ろ盾があると発言したが、のちに前言を翻してしまったところ、陛下から「お前の顔はもう見たくない」と言われ、陛下の信任を失った田中は総辞職して間もなく愛人宅で死んでしまった。本書は怪文書のビラを撒いたということで、
駄目男
2024/10/18 03:50

陸軍の監獄に収監されていた志津中尉という下級将校が、極秘に陛下に呼ばれ今回の事件について質問を受ける。志津は答えて「現役武官制は廃止されているので、予備役大将の田中閣下は本気でやるなら軍に干渉されずに犯人を追及できたはずと答弁する」私としてはこのような話は俄かに得意分野だけに面白い。陛下は「とするならば誰が犯人か追及せよ」と志津に命令する。しかし、これで終わっては面白くない。下手人は関東軍高級参謀の河本大作大佐と歴史の審判は下りている以上、話が終わってしまう。当時、満州某重大事件などと言われた

駄目男
2024/10/18 03:50

この怪事件に乗り出し志津は、蒋介石の北伐で追われた中華民国安国軍総司令、陸軍大元帥の張作霖が如何にして暗殺されたのか詳しく調査するが、中華民国には日本陸軍の高級武官が参謀として多く派遣されているので事をややこしくする。あまり張作霖爆殺に関する小説などないので興味を持って読んだ次第だ。

が「ナイス!」と言っています。
駄目男
あれは何年前だったか、もう7年ぐらいにはなるか、讃岐の国、高松に行ったことがある。ついでといっては何だが菊池寛記念館に寄ったのだが、何と、独立した建物ではなく図書館内にあるではないか。生家跡にも石碑が一本立つのみで、天下の菊池寛にしては情けない扱い。以前、川端康成記念館に行った時と同じような待遇で驚いた。その時、図書館で無料配布の古書の中に『半自叙伝』があったので貰ってきた。本書は菊池の秘書となった「わたし」が、『半自叙伝』を読み解いていく中で菊池の半生を紐解いていくような内容だ。著者の猪瀬直樹は政治家
駄目男
2024/10/08 11:51

としての力量は知らないが、作家としては、調査力といい着眼点といい好きな著述家のひとりだ。過去、『黒船の世紀 ミカドの国の未来戦記』『ペルソナ-三島由紀夫伝』『マガジン青春譜 川端康成と大宅壮一』『ピカレスク-太宰治伝』『東條英機 処刑の日』『唱歌誕生-ふるさとを創った男』など読んできたがどれも面白い。菊池寛は芥川、久米正雄らと共に新思潮派のグループに所属するが、当初、上田敏を頼って師事、しかし上田からは無視されたらしい。それに比べ芥川は漱石門下だけに遅れて入った菊池はデビューが遅れてしまった。

駄目男
2024/10/08 11:52

だが、通俗小説の『真珠夫人』など一連の作品はこれまた本当に面白く、菊池は遅まきながらまるで菊池王国を作るが如く作家としても事業家としても、その手腕は天下に轟いた。戦後は公職追放になり持病の狭心症で太宰と同じ年に亡くなる。あっけない最期であった。

が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2014/01/08(3978日経過)
記録初日
2004/03/16(7563日経過)
読んだ本
1855冊(1日平均0.25冊)
読んだページ
610885ページ(1日平均80ページ)
感想・レビュー
982件(投稿率52.9%)
本棚
62棚
性別
現住所
大阪府
自己紹介

本当に重宝しています。本読みによる本読みのための本読みのサイトですね。よくぞ作ってくれました。自己紹介といっても特別ありませんが、朝・晩、絵画を趣味で載せています。他にはビジネス書や自己啓発系本、アニメなどは一切読みません。お気に入りは相互交流を旨としておりますので、それが長期途絶えた場合は削除させてもらいます。

URL / ブログ http://pione1.hatenablog.com/#edit

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