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2024年10月の読書メーターまとめ

まあちん
読んだ本
11
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2972ページ
感想・レビュー
11
ナイス
249ナイス

2024年10月に読んだ本
11

2024年10月のお気に入り登録
1

  • 水木 花

2024年10月のお気に入られ登録
1

  • 水木 花

2024年10月にナイスが最も多かった感想・レビュー

まあちん
なんと、ポーはそういうことになりましたか!それはともかく。犯人の使った手口は、ある程度一般にも知られていることが元になっている。それにしても用意周到だ。被害者の周辺情報とか、西表島のこととか射撃残渣の仕込みとか、何ヶ月も前からの人の配置とか。とにかくおもしろかった。息が詰まりそうになってくるとティリーが緩めてくれて、この緩急の絶妙さが、小説の長さを感じさせないというより、長さを楽しませてくれたように思う。でも最後の2行、怖いですね。
が「ナイス!」と言っています。

2024年10月の感想・レビュー一覧
11

まあちん
3冊目のルシア・ベルリン。この短編集もまた、強烈で鮮やかでギラギラと眩しくて、匂い(むしろ臭いか)や汗までも感じ取れそうだ。自分がすぐ傍に立っていて、一部始終を見ているかのような心地がする。長男によると、もっと信じられないようなことがいくつもあったそうだ。これらの短編は小説というよりも、彼女の実体験ほぼそのままかと思われる。名前を変えたり枝葉を切ったり、あるいはいくつかのできごとを組み合わせているかもしれないけれど。一編ごとに間をあけて、もっとゆっくり読みたかった。予約者あり、延長不可。
まあちん
2024/10/30 11:17

母は本当にあったことを書いた。完全に事実ではないにせよ、ほぼそれに近いことを。わが家の逸話や思い出話は徐々に改変され、脚色され、編集され、しまいにはどれが本当のできごとだかわからなくなった。それでいい、とルシアは言った。物語こそがすべてなのだから。(p.380マーク・ベルリン)

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まあちん
音楽教室を営んでいた妻を亡くした初老の林サンと、ピアノ調律師をしていた中年男性の話。調律師が語り手ではあるのだが、神視点での段落もあり、「わたし」の語りの中に現実の他に考え事や回想が交じり、またその中に誰かの言葉が入りで、大変読みづらかった。ピアノそのもの、グールドやリヒテルなどピアニスト、またシューベルトにも思いが及ぶ。全体に静謐な雰囲気なのだが、巨大な中古ピアノ倉庫を訪れ、そこをずらりと並ぶピアノの墓場に例える場面は圧巻だった。難しくてきちんと読めていない。気持ちに余裕がある時に、是非とも再読せねば。
まあちん
2024/10/23 22:07

倉庫にピアノがずらりと並ぶシーンでは、村上春樹の「1973年のピンボール」を思い出した。

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まあちん
昔懐かしい女探偵もののハードボイルド。ロス・マクに捧げられたという本書の舞台は、1930年代の中国である。中国では探偵は法律上、この時期にしか生息できなかったらしい。読んでいるとヴィク=ウォショースキーを思い出す。著者あとがきに、主役の劉(リュウ!)の造形はサラ・パレツキーや若竹七海等を参考にしたとあり、嬉しくなった。事件が解決しても話には続きがあり、一人の人間の哀しい強さや諦めつつの逞しさが見えてくる。そして、最後の一行が効いている。余韻。翻訳もすごくよかった。これはシリーズ化希望です。
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まあちん
男子大学生の眼を通して、68歳女性4人の共同生活を描く。広い居間と各自の個室があるマンション最上階の部屋で、広いルーフバルコニーからは富士山が見える。手に余ることは雑用時々食事付きアルバイトの彼を呼ぶ。優雅だ。彼はぼーっとしているようで案外シビアに彼女達を観察している。振り回されてばかりだが、胃袋を掴まれていて逃げられない。迷子騒動や親子問題もあれば、この部屋から退去の危機もあった。しかしそんな諸々を経て、4人も彼も少しだけ前へ進む。食事が滅茶苦茶美味しそうだった。しかしお金だ。お金と健康が必須だ。
川田洋子
2024/10/19 16:02

昨日はお疲れ様でした〜 終の住処のシェアハウス イイなと思う。昔FADVの人達からの本を集めた図書室を作ったら楽しいだろうと思ったりして。それをシェアハウスにすればいいね👍️

まあちん
2024/10/19 21:14

幹事さん、お疲れ様でした。図書室付きシェアハウス、いいね。まずは場所の確保かな。やっぱりお金だ。お金と健康、それと老眼鏡です(^^♪

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まあちん
おひとりさまアンソロジー第2弾。1編は前作と同じくレンタル番犬絡みの同じ世界で、2編は完全に前作の続きだ。そっちかー、が効いているリフォームは、カンカンとくる。一番好きなのはセッション。70歳にして推しに出会い、ドラムを習い始める話だ。上手く行き過ぎではあるが、一捻りされていて後味もよし。おひとりさま男性2名の話もあったのはよかった。独りなのは中高年女性だけじゃない。前作は書下ろしだったが、今作はオリジナル短編集となっていた。3編に既読感があったのは、たまに図書館で拾い読みする雑誌に載っていたからか。
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まあちん
翻訳できず説明するしかない言葉と、翻訳できなくはないが実は違う意味を持つ言葉集。コンムオーベレ(伊):涙ぐむような物語にふれた時、感動して胸が熱くなる/ヒラエス(ウェールズ):帰ることができない場所への郷愁と哀切の気持ち/クンマーシュペック(独)悲しいベーコン:食べ過ぎが続き太ること/カフネ(ポルトガル)は先日読んだ本のタイトルだった。日本語からは、木漏れ日・ぼけっと・侘び寂び・積ん読の4語。木漏れ日を入れてくるなんて、センスよいな。おもてなしともったいないは、もう認知されているということか。
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まあちん
砥石を切り出して豊かになった村は、以前は25歳で男の長寿の祝いをしていたという。それだけ仕事が過酷なのだ。その村へ石の密売買の探りを入れに隠密同心が訪れる。そこで発見したこととは?同心の長澤様、女衆ではおくにさんがよかった。分を弁え、しかし流されない。そして子供たちだ。麻宮さんの小説に出てくる子供たちのことを読むのは、大きな楽しみである。最後に掟のなくなった村の様子と、江戸の役宅へ戻った長澤が描かれる。どちらも明るい兆しが見えるが、これから先は本人たち次第だ。最初は戸惑いも多いだろうが頑張ってほしい。
まあちん
2024/10/10 16:12

信仰が人を支えることもある。だが、その支えに寄りかかりすぎれば、人はもっと弱くなる。己の力でできることをしなくなったり、困難や不幸を信仰心の欠如だと片付けたりする。何よりも恐ろしいのは、信仰が弱い人間同士を結びつけることだ。ひとりひとりは弱くても集団になれば人は強く、いや、とてつもなく傲慢で残酷にもなる。(p.239)

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まあちん
料理についての細かい話が多かった。鮎には磯の香りを残した塩は合わないとか、やすの細心の工夫がすごい。こちらは繊細な舌は持ち合わせていないので、驚いたり感心するばかりだ。最大の読みどころは横浜への1泊旅行。江戸時代の庶民の眼で見た出来立ての横浜が描かれていて、興味深かった。話の方はイベントも含めた日常で、あまり変化がない。長屋へ移ったのに、そちらでの生活の様子も最初にさらっと出てきただけだ。さて、吉蔵さんには今後大きな役割が用意されているのだろうか。
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まあちん
著者がこれを書いたのは70歳の時だそうだが、70どころか何十年も前にやめたこと(硬くて重い靴・重い鍋・衣替え他)や、そもそも全く該当しないこと(若見え願望・退屈・人と比べる他)が多かった。70歳を越えてやめたいことではなく、著者が年を重ねて止めたことや止めたいと思ったことを、むしろ幾分下の世代に伝えてくれようとしているのだろう。突き詰めると、もう我慢しなくていいよ、になると思う。
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まあちん
いろいろなことを気づかせてくれる、最相さんらしい(とわたしが思う)エッセイ集だった。ただ、読んだほとんどの方が思ったようだが、タイトルは違うと思う。母の介護を通して生命や介護・被介護や自分の今後などについて学んだという、ルポルタージュ的な本かと思っていた。だから第三章に入った途端、肩透かしを食らった気になった。もっともこのタイトルでなければ最相さんのエッセイ集に手は出さなかっただろうから、自分にとって結果オーライではある。この本を読めてよかったです。
まあちん
2024/10/05 11:44

医学の進歩によってもたらされた不自由で長すぎる余命(p.7)について思いを巡らせてみる。/ごくろうさま(p.49)昔は会社員時代の名残りでわりに使っていたが、いつ頃からか無意識にありがとうが出てくるようになっていて、そうか自分もそう感じていたのだなと気づいた。/あえて、見ない、知らない、やらない(p.74)は元々結構実践しているが、それに縛られ過ぎて不自由にならないようにとも思っている。/ウソ日記(p.105)今日からわたしも書こう、気持ちがすっきりするかも。

が「ナイス!」と言っています。
まあちん
なんと、ポーはそういうことになりましたか!それはともかく。犯人の使った手口は、ある程度一般にも知られていることが元になっている。それにしても用意周到だ。被害者の周辺情報とか、西表島のこととか射撃残渣の仕込みとか、何ヶ月も前からの人の配置とか。とにかくおもしろかった。息が詰まりそうになってくるとティリーが緩めてくれて、この緩急の絶妙さが、小説の長さを感じさせないというより、長さを楽しませてくれたように思う。でも最後の2行、怖いですね。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2009/12/04(5472日経過)
記録初日
2009/12/04(5472日経過)
読んだ本
2188冊(1日平均0.40冊)
読んだページ
642484ページ(1日平均117ページ)
感想・レビュー
1567件(投稿率71.6%)
本棚
14棚
性別
現住所
東京都
自己紹介

昔は翻訳ミステリが多かったですが、最近はわりに何でも読む雑食系です。どちらかといえば小ぢんまりした話を好みます。

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