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2024年4月の読書メーターまとめ

まあちん
読んだ本
12
読んだページ
3352ページ
感想・レビュー
12
ナイス
223ナイス

2024年4月に読んだ本
12

2024年4月にナイスが最も多かった感想・レビュー

まあちん
そう長くはない1編ごとに、心を強く揺さぶられた。アラスカの厳しい自然、そこに生息する生物、そこに暮らす人々。好きなどという言葉では表しきれない、アラスカにまるごと取り込まれたような彼の人生が、これらのエッセイの中に凝縮されていた。端正な中に温もりのある文章だった。「旅をする木」のトウヒのように、人も動植物も自然も、互いに取り込みまた取り込まれ合っていて、自分もまたその中の小さな小さな点に過ぎないと思う。長年気に掛かりつつあったこの本を、先日会った友人に強く押されてようやく読んだ。読んでよかった。
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2024年4月の感想・レビュー一覧
12

まあちん
岸本氏の妄想エッセイ集第3弾。相変わらずの炸裂ぶりに、どこまで行くのかと思うことしきりである。大地の歌、マーラーは所在なさげにしているかと思いきや、作曲を始めるようで、可笑しいというより強かだ。ハリウッド、いたく同感。どうして周辺情報ばかり思い出すのだろう。話している相手と周辺情報を挙げ比べ、お互い肝心の名前は出てこない。ぬの力、わたしが思い浮かべたのは濡れ落ち葉です。ひみつのしつもん、実にあるあるです。全体に前よりもオチっぽい1行で終わっているように思うのは、単に自分の気分のせいかしら。
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まあちん
ネタバレ「恩送り」の続編。料理屋で起きた殺人事件の話だが、亀吉たちが絵付きの算術書を作る話が、並行して進められていく。今作のメインは亀吉だが、やはり家族との縁が薄い人々が描かれる。それと共に話は、主要人物の何人かに新しい出発をもたらす。ひなとおくまは新しい生活が始まり、おまきにも要にも変化が訪れそうだし、亀吉は進む道が見えたようだ。次は要がメインだろうか。同心飯倉様と渋谷医師がまたおいしいところを浚っていくのかしら。次作がますます楽しみになる。
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まあちん
ネタバレ重い話だった。主人公の辿る道も重いが、音楽をどう演奏するのが正しいかという結論など出せそうもないことを畳みかけてくる。鵜崎の言うことは多少なら分からなくもないが、やはり暴論だと思う。自分の頭も気持ちも掻きまわされてしまった。オケのメンバーが曲を作り上げていく過程を内側から見た部分を読むのは、とても興味深かった。他のパートや同じパート内でも、熾烈な争いやすり合わせがあるようだ。由佳が死に至った詳細は依然として不透明だし、坂下の今後も今一つ見えない。ただ彼は、これからもずっとチェロを弾き続けるだろう。
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まあちん
中編2編だが、どちらもキツかった。「ケチる貴方」は冷え性が極端にひどい人、「その周囲~」は太すぎる体形を気にして脂肪吸引をする人。冷え性の方では結構身に覚えがあることも書かれていて、読書中ずっと寒かった。「ケチる~」の主人公はひょんなことから冷えの改善法を見つけ、それに嵌っていく。「その周囲~」の主人公も、ある種自虐的な喜びを見出して脂肪吸引を繰り返す。2人のその嵌りっぷりを読み続けるのは、つらかった。これを可笑しがれる時に読むべきだったか。読了後、自分の太腿の周囲を測ってみて、唖然とした。
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まあちん
藤沢周の描いた世阿弥について話していた時に、友人がふと思いついて挙げた本。平家の落ち武者たちの亡霊の気配が漂う中、異形の猿楽師と盲目の琵琶法師が、平家を題材に新しい話を掘り起こし、舞台を作り上げていく話である。この猿楽師「犬王」は、観阿弥や世阿弥と同時代の人で実在したという。文体はなんというか琵琶法師の語りのようで、同じ言葉の繰り返しや体言止めで畳みかけてくる。それに乗せられて、室町時代に連れていかれたような不思議な時間を過ごした。
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まあちん
最初は図書館で借りたのだが、あまりに素敵な本なので買ってしまい、毎晩少しずつ読んだ。頷けることや納得できることをたくさん言っておられるが、かなりの部分は読み応えのある「ラジオ深夜便」に集約されている。詳しく知りたいと思ったこと。癌になって患部を全摘したが、病と共存するという気持ちでいるとおっしゃる。全摘してからそう考えるようになったのか、あるいはもともと病とは共存のつもりでいたのなら摘出手術を受けたのはなぜか、について。過去の価値を決めるのは未来、という考えに共感するのは、自分の年齢のせいだろうか。
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まあちん
身の回りのことは原則本人がやりましょう。品物にも道具にも振り回されず簡素に暮らし、家事を減らしましょう。でないと老後は地獄です。纏めるとこうなるだろうか。ごもっとも。自分も管理できない物を所有するのが嫌で、物欲はない方だが、究極の例ばかり挙げると引くよ。徒歩圏に銭湯やそこそこの商店街がないとキツイし。それぞれができる範囲で、ですね。別の著書によれば、ピアノは近所の音楽喫茶で使わせてもらっているようだ。仕事は近所のカフェでしているそうだし、家ではあまり過ごさないのかな。エアコンがないから?
まあちん
2024/04/18 08:57

新しく始めたお茶、書道、バレエ、編み物、絵、それらに関わる道具や作品の管理はどうしているのだろう。道具は借り物で作品は処分とか?

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まあちん
谷川俊太郎氏とブレイディみかこ氏の往復書簡、ではある。が、地に足を付けた内容のブレイディ氏に対し、谷川氏は思い出や詩で返してくる。はぐらかされているような気持ちだ。高橋源一郎氏がテレビで「ちっとも応えていない」と話していたとあり、自分の読解力のせいだけでもないのだろう。ブレイディ氏がこの世で書いているのに対し、谷川氏は「その世」から返しているからか。英国の若い世代が「人類は体を失っていく途上にある」と思っているらしいことが印象的だった。身体を持たずに脳だけで生きる?男女も老若も人種も超えて生きる未来?
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まあちん
ファーストクラスの飛行機に、ロンドン中心部の五つ星ホテルと、何とも豪華な旅行記。付き添ったお孫さん=著者はコンパニオンに徹する。この方は世が世なら本物のお姫様だったのだろう。自信と我が儘に唖然としたが、10章や23章で著者に与えた諭しが、わたしにもグサグサ突き刺さる。百の努力をしたら一か二にはなる。卑下と謙虚は違うなど。姫の自信は努力の賜物だった!また超一流ホテルのおもてなしはすごかった。踏み込みはしないがすべて把握していて、スタッフ同士で情報を共有している。怖くて泊まれない。でも、楽しい読書だった。
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まあちん
著者の四人の~が両方よかったので、読んでみた。幼い頃から仏像が好きで、その修復師をめざす青年の話。仏像のランクやその種類の見分け方など、自分には興味深い話も多かった。文化財修復。当たり前だが、単にきれいに治すということではないのだ。よい師に恵まれて修復のバイトをしながら、もやもやしていた自分の行く道を見出した主人公に拍手。心に残った言葉:人も仏像も似たようなものだ。役目が終わる日はいつかくる。だが、まだ余力があるのなら、ふんばったほうがいい。その姿を見て、勇気づけられる人はきっといるはずだ(p.319)。
まあちん
2024/04/08 21:05

仏像はわりに好きな方だ。向き合っていると気持ちが落ち着くからだろう。高校生の頃、一時仏像に嵌っていたことがある。本棚を探したらその頃よく見ていた「仏像のみかた」という本が出てきた。入江泰吉さんの写真つき。この本をまたゆっくり読むという楽しみもできた。

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まあちん
「月のうらがわ」「母子月」を経てこちらに辿り着く。江戸の人情噺は好みで、そこに探索要素が加わればもう最高。行方不明の岡っ引きをその娘が探すことから話が始まる。登場人物がみないい。前に読んだ2作もだが、捨て子であるとか、家族の病気や病死とか、家庭的に恵まれない人物が多い。その抱えている屈託が、人物に深みをもたらしているのだろう。子供たちの聡明さ、飯倉同心の不器用なりの一生懸命さやまっすぐさがよい。某大店一家を除いて、登場人物すべてが人情味溢れている。ただ結末は少し慌ただしく感じた。続編も入手済み。
が「ナイス!」と言っています。
まあちん
そう長くはない1編ごとに、心を強く揺さぶられた。アラスカの厳しい自然、そこに生息する生物、そこに暮らす人々。好きなどという言葉では表しきれない、アラスカにまるごと取り込まれたような彼の人生が、これらのエッセイの中に凝縮されていた。端正な中に温もりのある文章だった。「旅をする木」のトウヒのように、人も動植物も自然も、互いに取り込みまた取り込まれ合っていて、自分もまたその中の小さな小さな点に過ぎないと思う。長年気に掛かりつつあったこの本を、先日会った友人に強く押されてようやく読んだ。読んでよかった。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2009/12/04(5288日経過)
記録初日
2009/12/04(5288日経過)
読んだ本
2112冊(1日平均0.40冊)
読んだページ
622866ページ(1日平均117ページ)
感想・レビュー
1492件(投稿率70.6%)
本棚
13棚
性別
現住所
東京都
自己紹介

昔は翻訳ミステリが多かったですが、最近はわりに何でも読む雑食系です。どちらかといえば小ぢんまりした話を好みます。

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