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2025年1月の読書メーターまとめ

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感想・レビュー
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119ナイス

2025年1月に読んだ本
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2025年1月にナイスが最も多かった感想・レビュー

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性別•年齢•立場は違っても共感できる話ばかりだった。人間関係の悩みや煩悶を乗り越えて、最後には明るい未来を予感させる話が多く、読後の余韻がとても心地好い。『水車小屋のネネ』も良いが、よりこちらの短編集を推したい。素材がより卑近で自分の心の襞に染み込んでいくような気がするからかもしれない。表題作は〈うそで問題を解決する〉というテーマでシリーズ化出来そうで先が楽しみ。個人的には「誕生日の一日」「通り過ぎる場所に座って」「居残りの彼女」などが好み。益田ミリの描く世界にちょっと似たテイストがあると思った。
が「ナイス!」と言っています。

2025年1月の感想・レビュー一覧
19

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一昔前の人。アメリカ人。農業兼絵本作家。自給自足生活志向。女性…。自分との共通項がまるで無い。社会インフラに依存し、自給自足など思いも寄らない軟弱な自分を振り返り、生きることへの自信を喪失しそうになった。とはいうものの彼女の生きざまから何らかのヒントを見出して生きていかねばならない。障碍があっても腐らず、泰然自若としてそれを引き受ける覚悟を彼女から学びたい。/ 飾り罫のデザインの美しさを知った。
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谷譲次(=林不忘)著「感傷の靴」。アメリカに暮らす日本人(めりけんじゃっぷ)が日本人の矜持を熱く感じる逸話。愛国心のほとばしりは読者をも熱くする。子母澤寛著「チコのはなし」おときさんと犬のチコとの普遍の愛情を平易なタッチで綴った感涙必至の佳作。文句なく素晴らしい文体。富士正晴著「一夜の宿•恋の傍杖」戦後間もない貧しい日本が舞台。男女(ミイちゃん、ハアちゃん)の激しい痴話喧嘩に巻き込まれる〈わたし〉の一騒動。ハアちゃんは僕の脳内では女装した嶋田久作だった。このレアな3作をチョイスした編集者に感謝。
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時事漫画はしばしば当時の背景を知らないと意味が通じなくなる場合がある。無論鮮度は低い。僕が今どきサザエさんを読むのは、ひとつには懐古趣味的嗜好で、もうひとつは作者の笑いのセンスが好きだから。P.68の「うでたてふせ」はブラックが効いている。
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国の政策で多くのサラ金が撤退した今日では、時代風俗の記録という感が否めない。ただ過払い金請求を喧伝する弁護士のラジオCMが耳につくばかりだ。嘗ての多重債務者達は今頃生活保護に落ち着いているのであろうか? ミイラ取りがミイラになった著者は憐れだが、本の印税が生活の助けになることを願いたい。俯瞰して見れば、大手金融機関の汚れ部門としての消費者金融と金融リテラシーの無い庶民の騙し合いの世界。上級国民が陰でけしかけているような気もするというのは穿ち過ぎか?
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南の島の少年と都会の青年の会話。プロローグでは少年の問いに答えることが出来なかった青年。エピローグでは本の内容を実践した青年が明確な答えを出した。青年は読者であり、著者でもあるのだろう。既出の幸福論や時間管理の本を参考にしながらもアイデアマンの著者ならではの視点で幸福への道筋を提示する。他の類似書と一線を画すのは第7章「やりたいこと」がなかったら無理に探さなくてもいいという一文。幸せ探しや時間管理に汲々としている人には気が休まる投げかけだ。
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アーノルド・ローベルの絵が見たいという理由で手に取った。お話はフィリップ•レスナーで、ダッドリーくんと出会う人や動物や虫たちとの会話が楽しい。みんなと対等で屈託なく会話するダッドリーが頼もしい。お楽しみはもうひとつ、ローベルの絵を堪能すること。柔らかな鉛筆画が醸し出す人物の生き生きとした表情やいつまでも観ていたくなる安定した構図など眼福。奥付には1965とあり、描かれてから50年経つ。邦訳してくれた人たちに感謝。
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今からおよそ60年程前の日本の地方の生活はとても自然に近いところで営まれていた。身近な山や自然が信仰の対象となり、神事や昔からのしきたりが生活の要所を占めた。納屋か家畜小屋かと見間違えるような粗末な家や店が珍しくなかった。コンクリートとかクロスなどなく、土の地べたと剥き出しの木材で成り立っていたりする。昔の人たちは厳しい環境と質素な生活の中で朝から晩まできつい肉体労働と手内職で生きてきたのだ。我が身を振り返り、その軟弱さを叱咤したくなった。
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全体的な感想は『今日の人生』と同じ。嘗て東日本大震災の経験は日本人の死生観に甚大な影響を与え、今回の新型コロナウィルスの蔓延は日本人の生活感を一変させた。そのどちらも文芸の世界に影を落とし、シリーズ第3作の本作もその渦中に書かれた。著書の人生に対する向き合い方はコロナで特に変わるわけでもなく、マイルドに受け止めながら悟ったように今日の人生を送り続けている。自分もあの頃を振り返って「あの騒ぎは何だったんだろう」と思う。当時からいずれは総括しなければならないと言われながら一向にその機運は起こらない。
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珈琲本を読む時は傍らに珈琲を用意する。想像力が貧弱なので珈琲の力を借りて読む。珈琲が苦手な人は別にして、人それぞれに珈琲との思い出があると思う。その多くは喫茶店と結びついているだろう。学生時代、一度だけ一人で老舗の喫茶店に入ったことがある。内装はほぼ焦茶色で暗い場所だった。そこで初めてモーニングを食べた。それだけの事だけど長い間忘れずにいる。/所収のエッセイは書かれた年代が様々で珈琲にまつわる時代背景が分からない。書かれた時期を付記してほしかった。
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スーパーマーケット研究家という生業にびっくり。著書は毎日3食ご当地スーパーの弁当•惣菜を食べるという、その熱中度に敬意を表します。写真と解説で400点余のおかずを紹介しているけど、食欲を催す美味しそうな写真では無いところがユニーク。寧ろキワモノ感から不味そうに思えてくる。このレアで怪しそうな見せ方が却って〈ローカルな味わい〉の演出に寄与している。食べる食べないに関わらず、今度スーパーに行ったらこの本に掲載されているおかずを血眼になって探すに違いない。
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著者の「記憶の蔵」から紡ぎ出された49の小さな話。今よりも精神的に豊かだった昭和の思い出が懐かしく蘇ってくる。さすが言葉遣いの名手だけあって潔い程の短い文章で読者の心をとらえて放さない。各話の頭にコピーが付けられているのも良い。話をひとつ読んでは自分の「記憶の蔵」を探り、思い出を引っ張り出しては懐かしんだ。第三話「犬は鳴く。犬は泣かない。」に感動。他にも珠玉の名文にたくさん出会える。/エッセイの一部は『昭和のたからもの』と重複していた。/成底ゆう子や金澤翔子を知った。
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時事漫画の題材に連載当時の事故がある。航空機事故やトンネル火災等で多くの人が命を落としてきた。我々が忘れてしまった事故が漫画を通じて思い返される。事故で亡くなった人たちの無念を想像して今更ながらに胸が痛む。鎮魂を祈りたくなる。/連載途中で1年半の休載があった。また、サザエさんの人気の陰りを予感させる場面が出てくる。でも切れ味は少しも衰えていない。ちなみに今巻は作者が3回も登場する。
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穿った見方をすれば、これは時間管理や夢を叶えるためのハウツー本では無い。タイトルの「生きのびる」は自死を思い止まらせるという思いを込めたメッセージで、〈将来の現実〉とは、10年後も生きているという保証を指す。労働(賃金を得るの為)を少なくして、仕事(やりたいこと)を多くする、好きなことをしても失敗は無い、他人の評価は考えない、自分を評価しない、こうしたやり方で自分を否定も(無理矢理)肯定もしない生き方を提示している。ここまでは良い。然し後半の雪崩打つ積極行動とツキまくる運は素質の高い選ばれし者のみが
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2025/01/08 17:54

手にできることのように思われた。前半で膨らんだ希望が後半で無残にも断たれた読者がいたとしたらケアが必要かもしれない。

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嘗て東京に日劇があった。そこで戦前戦後、日本のショービジネスが花開いた。大おどりやウエスタンカーニバルで賑わった。その中から多くの芸能人や歌手や作家や演出家が育っていった。これは演出家のひとり山本紫朗を中心に華やかなりし舞台とショービジネスに生きる人々の人間模様をインタビューを交えて描いた記録物。兎に角広範囲な人脈に驚かされるし、八住利雄と白坂依志夫が親子というのも初めて知った。あとがきで山本紫朗が著者和田誠の伯父だと明かされ、和田がミュージカルや映画に造詣が深いのもさもありなんと思った次第。
が「ナイス!」と言っています。
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性別•年齢•立場は違っても共感できる話ばかりだった。人間関係の悩みや煩悶を乗り越えて、最後には明るい未来を予感させる話が多く、読後の余韻がとても心地好い。『水車小屋のネネ』も良いが、よりこちらの短編集を推したい。素材がより卑近で自分の心の襞に染み込んでいくような気がするからかもしれない。表題作は〈うそで問題を解決する〉というテーマでシリーズ化出来そうで先が楽しみ。個人的には「誕生日の一日」「通り過ぎる場所に座って」「居残りの彼女」などが好み。益田ミリの描く世界にちょっと似たテイストがあると思った。
が「ナイス!」と言っています。
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電車に揺られて終着駅で降り、ぶらぶら散歩する。ふと立ち寄った店で庶民的な食事を楽しみ、ビールを飲む。銭湯を見つければふらっと入る。サイコーな時間潰しであり娯楽である。休業で店に振られたり、急な雨に降られたり、きままな旅は都合のいいことばかりでは無いけど、全て良いことと受け止めて素直に喜んでいるところが著者の利点。
が「ナイス!」と言っています。
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有能なアートディレクターと理解あるクライアントが製作した新聞のグラフィック広告はもはや芸術的作品であると思う。これらは発想の豊かなキャッチコピーと名文といえるボディコピーとインパクトのある写真やイラストで構成されている。この本での主役はキャッチコピーだが、作家性が出ていて面白い。好きなのは「人は貧しいという理由で死んではいけない。」「人生は、冬ではなく、春で終わりたい。」「いま、自叙伝を生きてます。」「それゆけ私」「あたらしいオモチャより、あたらしいおくすりを待っている子がいます。」
が「ナイス!」と言っています。
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ゴーリー作品には意味とか答えとかを求めることはナンセンスだという。それ故、読者ひとりひとりの解釈が知りたい。/ 関係性の不明な男女3人の大人が暇に任せてトロッコで旅に出る。色んな場所で色んな人に会い、火事を目撃し、事件に遭遇する。何ヶ月もの間、3人はただの傍観者でその周辺でただならぬ大事が展開していた。然しそんな無事だった彼らもトンネルに入ったまま出てくることは無かった。これってやっぱり人の一生の縮図の様な気がする。大過なく一生を過ごしてきた人が新聞などで事件や事故やトピックを他人事として見てきたように。
が「ナイス!」と言っています。
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前作の感想で続編を期待すると書いたら、テレビドラマ化され、その評判からなのか書き下ろしの続編が上梓された。幼なじみの小林聡美と小泉今日子が動き出し、時々由紀さおりが絡む、そんな紙上ドラマが脳内テレビに映し出された。相変わらずふたりの距離感がいい感じ。今回は軽さが際立っていて少し物足りない。紹介された銘菓を食べてみたくなった。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2014/02/25(4010日経過)
記録初日
2014/02/05(4030日経過)
読んだ本
1095冊(1日平均0.27冊)
読んだページ
237830ページ(1日平均59ページ)
感想・レビュー
1084件(投稿率99.0%)
本棚
35棚
性別
外部サイト
自己紹介

齢と共に読む力が劣っている。どうしても読み易い本に気持ちが流れていく。蓋し、読み易い本自体が何かしら劣っているわけではない。要は読む側の読み取り方の問題だ。漫画、エッセイ、大いに読むべし。

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