女の友情って、それぞれの人生が異なる方向に広がっていく中で難しい時期がありますよね。自分自身もそんな時期で、なんとなく色々考えつつ読みました。 最終章、怒涛の勢いで登場人物全てをハッピーな方向に持っていく力強さが、さすが柚木さんといった感じ。楽しく読了。

働く女性をテーマにまとめられたアンソロジーですが、過去に書かれた昨日の寄せ集めなのでまとまりがないかなと。せっかく豪華な作者たちなのでもう少しコンセプトをしっかりして描き下ろしてもらえば良い本になったのでは？働き方も変わりつつある今なので集められた過去の作品では働くことのイメージが古いように感じました。気に入ったのは山本文緒さんの『社畜』でしょうか。この本を通してこの著者が亡くなっていた事を知りショックでした。

装丁とだいぶ雰囲気が違う　古い借家をめぐる暗い影がつき纏うような話ばかりだけど彩瀬ワールド全開で凄く良い。彼女の文章、表現、人の心の移りゆく様子の描き方がすごく好き。とくに『はねつき』『ゆすら梅』は秀逸。最後の『かざあな』は希望に繋がる色合いが強く、連作短編の全体をうっすら明るい方へ昇華させている。 ただ彩瀬さんが時々織り交ぜるジェンダーの視点が私にとっては少し余分。男女格差などで嫌な思いをせずにこれまで生きてきたので、そこら辺あまりピンとこなくて…。ぬくぬく生きてて申し訳ない。

女の友情って、それぞれの人生が異なる方向に広がっていく中で難しい時期がありますよね。自分自身もそんな時期で、なんとなく色々考えつつ読みました。 最終章、怒涛の勢いで登場人物全てをハッピーな方向に持っていく力強さが、さすが柚木さんといった感じ。楽しく読了。