「なんのために本を読むのか？」不安を煽る社会への対抗策、つまり、自分が自分であるため、特定の枠組みに捕らわれることなく自分を起点に考えることができるようになるため本を読む。これから先の人生でどんな本を手に取るにせよ、このことは忘れずにいたい。

報道や記録とは違う敗戦から昭和激動の時代の市井の人々記録。時代の空気感が伝わってくる。娘視点の父親像と、父のスケッチを通して見る昭和の日々を令和の今感じることができた。 生き残った戦争体験者の方で天皇制に賛成でない人の話はあまり聞いたことがない。表立って言明する人が少ないだけで家族との対話の中では本音も出るし、戦後、手のひら返した人や政府に幻滅することもあったろう。敗戦後わずか一ヶ月で英語の授業が再開していた事実に驚愕した。

日常をユーモアで、政治信条は大真面目に。文章は軽くて重厚。特に政治に関しては、安倍政権・憲法9条・コロナパンデミック・戦争など切れ味鋭い文章はこれらの問題をもっと自分ごととして考えなければならないと語りかけてくるかのよう。上っ面だけでなくもっと深く深く。

「なんのために本を読むのか？」不安を煽る社会への対抗策、つまり、自分が自分であるため、特定の枠組みに捕らわれることなく自分を起点に考えることができるようになるため本を読む。これから先の人生でどんな本を手に取るにせよ、このことは忘れずにいたい。

学部生でもなけりゃもちろん研究者でもないのにタイトルに惹かれて購入。とにかくプラグマティックに徹しているので、論文など書く当てもない僕でもひょっとして書けるのでは？と思わせるところがすごい。 アカデミック・ライティングとはうたっているが実はビジネス上の様々なドキュメント記述にも応用できそうだと思った。学部生の息子に読ませたい。