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2025年2月の読書メーターまとめ

(k・o・n)b
読んだ本
5
読んだページ
1607ページ
感想・レビュー
5
ナイス
59ナイス

2025年2月に読んだ本
5

2025年2月のお気に入り登録
1

  • 愚心

2025年2月のお気に入られ登録
1

  • K

2025年2月にナイスが最も多かった感想・レビュー

(k・o・n)b
「神聖でもなければ、ローマ的でもなく、そもそも帝国でもない」というヴォルテールの評が有名なように、神聖ローマ帝国にはマイナスイメージが付き纏ってきた。本書は、皇帝・教皇の関係と「開かれた国制」・「凝集化」という2つの視点からその歴史を辿り、再評価を試みる。英仏のように中央集権化・国民国家への脱皮を成功させた国と比べると、確かに神聖ローマ帝国はそのような歴史を歩まなかったが、中小の領邦も含めた集団安全システムと捉えるとまた違った景色が見えて面白い。そもそも国内がカオスに分裂しているというイメージが強すぎて、
(k・o・n)b
2025/02/27 18:22

帝国議会や帝国法というものが果たした役割を全然知らなかった。後半の方になると、中小の領邦=「第三のドイツ」勢力が自らの生き残りのために帝国の枠組みの維持強化に尽力していたそうだが、その姿がだんだん国連総会を問題提起の場として生かす現代の中小国と重なって見えてくる。それと同時に、帝国構成国の中でのBIG2だった普・澳が帝国の枠組みより自国の拡張を優先し、最終的にフランツ2世の「放棄宣言」に至った歴史からは、最近のトランプ関係のニュースが連想させられて、なんとも嫌な気分になってくる。

(k・o・n)b
2025/02/27 19:32

「「カノッサの屈辱」は皇帝と教皇の和解のプロセスにおけるセレモニーだった」「ハプスブルク家の婚姻政策が上手くいったのは運の側面が強い」等の意外な話がちょいちょい出てきたのも面白かった。

が「ナイス!」と言っています。

2025年2月の感想・レビュー一覧
5

(k・o・n)b
「神聖でもなければ、ローマ的でもなく、そもそも帝国でもない」というヴォルテールの評が有名なように、神聖ローマ帝国にはマイナスイメージが付き纏ってきた。本書は、皇帝・教皇の関係と「開かれた国制」・「凝集化」という2つの視点からその歴史を辿り、再評価を試みる。英仏のように中央集権化・国民国家への脱皮を成功させた国と比べると、確かに神聖ローマ帝国はそのような歴史を歩まなかったが、中小の領邦も含めた集団安全システムと捉えるとまた違った景色が見えて面白い。そもそも国内がカオスに分裂しているというイメージが強すぎて、
(k・o・n)b
2025/02/27 18:22

帝国議会や帝国法というものが果たした役割を全然知らなかった。後半の方になると、中小の領邦=「第三のドイツ」勢力が自らの生き残りのために帝国の枠組みの維持強化に尽力していたそうだが、その姿がだんだん国連総会を問題提起の場として生かす現代の中小国と重なって見えてくる。それと同時に、帝国構成国の中でのBIG2だった普・澳が帝国の枠組みより自国の拡張を優先し、最終的にフランツ2世の「放棄宣言」に至った歴史からは、最近のトランプ関係のニュースが連想させられて、なんとも嫌な気分になってくる。

(k・o・n)b
2025/02/27 19:32

「「カノッサの屈辱」は皇帝と教皇の和解のプロセスにおけるセレモニーだった」「ハプスブルク家の婚姻政策が上手くいったのは運の側面が強い」等の意外な話がちょいちょい出てきたのも面白かった。

が「ナイス!」と言っています。
(k・o・n)b
ネタバレ津原泰水さんは『11 eleven』の印象が強すぎたので、少女向け小説の系譜の作品もあること自体にまず驚く。独特な構成に最初は面食らったが、やっぱりこの人の文章が好きだ。捻くれ具合が滲み出ている地の文のくれないの独白とか、鋭夫とくれないのじゃれ合う感じのやり取りとか、あの年代の若者の解像度が高いし、言葉選びがいちいち秀逸。また、そういった言葉遊び的な会話がずっと続いていただけに、最後の4行のシンプルさには心を打たれる。物語の本筋ではないが、野薊パートがくれないの成長を感じられ、微笑ましくて好きだった。
が「ナイス!」と言っています。
(k・o・n)b
ネタバレ友人からのオススメ本。「学問」とは、世代を超えトライアルアンドエラーを繰り返しながら人類全体で前進させるもので、それこそが人類に備わる一番の美質だ…という明るいメッセージがお話の主軸。そこに、永遠の命を持つが未知の存在ゆえ孤独なヴァンパイア×未知への探究心に溢れる聡明な若者というアンバランスな2人の友情も要素として加わり、ニュートンが存命中で名誉革命前夜の17世紀イングランドを舞台に物語が展開していく。それぞれの要素のマッチ具合に気持ちよくなりながら読んでいくと、最終的には主人公の自己犠牲という→
が「ナイス!」と言っています。
(k・o・n)b
方言というとアクセントや語彙の面に注目されがちだが、本書はほぼ一貫して方言の文法面を取り上げる。諸外国語との共通点にも触れながら、標準語こそが正しく優れているという先入観をどんどん切り崩していくのが痛快。自分自身も、方言にそんな厳密な文法のルールとかあるのか?(整然としている標準語←→そうでない方言)という偏見が無意識にあった気がするが、見事にそれを覆された。東京方言を母方言とする身としては、時間の限定を含意する「デラ」、完了の「シヨッタ」/進行の「シヨッタ」等々、最初はなかなか馴染めなかったが、→
(k・o・n)b
2025/02/14 18:31

例文を咀嚼してみるとその便利さに気づき驚きの連続だった。ざっくりまとめれば、標準語では文法機能の違いを形態論的に表すことがかなり少ないということになる模様。そうなると何故そうなったのかという部分が気になるが、本書はそこにはあまり立ち入らない。標準語の成立過程についてより知りたくなった。

が「ナイス!」と言っています。
(k・o・n)b
西欧の歴史上、反逆罪には、それを信頼関係の毀損と捉えるゲルマン型と至高の支配権力が有する神聖不可侵性=マイェスタスの蹂躙と捉えるローマ型の2つの類型が存在したことがまず提示される。その上で反逆罪という言わば歴史の暗黒面から、英仏の中世〜近代史を眺めていくのだが、その歩みは意外にも世俗国家の君主が教会の干渉を断ち切り絶対王政を確立し、やがて革命を経て国民国家へと脱皮していく過程と表裏一体であることが分かり、面白かった。英国史を全然知らないので、チャールズ1世の処刑が、王から国家にマイェスタスが移行する→
(k・o・n)b
2025/02/04 00:00

決定的なターニングポイントとして描かれていたのに、その後さらっと王政復古がなされていたのがなんとも腑に落ちなかった。なぜ英国には君主が必要とされたのか(仏は違うのに)…本筋ではないけど気になる。終章の日本に関する記述も面白かった。明治維新後、教育勅語等により君主への忠誠と国家への忠誠の癒着が進んだが、敗戦後の天皇の人間宣言でもマイェスタス移行の決定打とならず、現在も2つの忠誠の癒着は日本の国民主権の在り方に大きな影を落としているという。同じ著者の『愛国の構造』も読んでみたくなった。

が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2014/05/18(3957日経過)
記録初日
2014/04/10(3995日経過)
読んだ本
540冊(1日平均0.14冊)
読んだページ
191948ページ(1日平均48ページ)
感想・レビュー
492件(投稿率91.1%)
本棚
18棚
性別
血液型
B型
職業
事務系
自己紹介

学生時代、せっかく本を読むなら記録も残したいと思い登録。社会人になった今も、マイペースに続けています。
小説のお気に入りは、海外SF、司馬遼太郎、万城目学、恩田陸等々。小説以外では、歴史、地理、言語、宗教等、人文学方面に興味があって、時々新書なんかを読み齧っています。

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