本草学者の久瀬棠庵、長屋の差配である藤介、この二人を軸にした連作短編集。巷説シリーズでは、又市達が仕掛けて、化物の仕業として事を収めてたが、こちらは棠庵が虫のせいにして事件を解決していく。どこかのんびりした雰囲気が楽しかった。是非シリーズ化してほしい。

第70回江戸川乱歩賞受賞作。短期間で肉体改造を遂げた男性アイドルのドーピング疑惑を探る物語。面白かった。選評で湊かなえさんが書かれてたように、潜入取材シリーズになればいいのに。

母にまつわる謎を解く為に、ミギとダリが選んだ手段は・・・友達を作ること。彼らの不器用すぎる友達作りが面白かった。そしてラストでは一層不穏な流れに。

シリアスなようでコミカル。ラストでは、更にサスペンスに。面白かった。ふたりでひとりと偽りながら、気のいい養父母を利用しつつ、自分達の目的を遂げようとするミギとダリ。彼らが意図せずに、家族の温もりを感じてるのがよかった。

DI犬のスピカとハンドラーの凪川遥の物語。スピカと遥が行っている動物介在療法が、とても興味深かった。身体の病や精神の病、いずれの患者にもスピカは優しく寄り添う。続編があるといいなぁ。

7編からなる連作短編集。主人公の神田憂は、鬱症状に悩まされ精神科に行こうとする。ここまでは、各話共通。そこから先が毎回、妄想なのか現実なのかわからない物語になっていく。面白かった。

七夜物語の続編。仄田くんの娘りらと、さよの息子の絵(かい)の物語。りらと絵の成長を、ゆっくり追っていくだけでも十分楽しかったが、やっぱり七夜物語の続編だけあって、夜の学校のシーンは格別だった。グリクレル！！そして、更に次の世代へと物語は続いてゆく。

特別何かが起こるわけではないけど、全編じわじわと面白かった。女子高生達と担任の星先生の物語。

創元ホラー長編賞受賞作。｢変な怪談を聞きに行きませんか？｣こんな軽い誘いから、こんな恐ろしい目に遭うとは。先が気になって一気に読んだ。面白かった。｢あしや超常現象調査｣の活躍をもっと読みたいので、続編があるといいな。

本草学者の久瀬棠庵、長屋の差配である藤介、この二人を軸にした連作短編集。巷説シリーズでは、又市達が仕掛けて、化物の仕業として事を収めてたが、こちらは棠庵が虫のせいにして事件を解決していく。どこかのんびりした雰囲気が楽しかった。是非シリーズ化してほしい。

子供の頃に父親の海外赴任先で飼っていた犬を、帰国の際に連れて帰らなかったことが、ずっと心の傷になっている主人公のまどか。私も犬を飼っていたから想像出来るが、身を切られるような辛さだったと思う。でも、彼女の家族が飼っていたのは、単なるペットではなく、ガードドッグとして家族を守る野生的な犬だったので日本で飼うのは難しいのもわかる。別れの日のことが、日常の続きのように淡々と描かれていて、余計に辛かった。