ネタバレ前作『汝、星のごとく』を思い出しながら…鮮明には…読み進めた。自分の足元はさて置き、他者にばかり施し続ける両親の為に、自分の夢を諦め現実的な選択をせざるを得なかった草介。恵まれた環境に満足できず自らの道を血塗れにならながら進んだ明日見。人にはそれぞれの生き方と価値観があり、周囲の眼を意識しながらも意思を貫く。そして、後悔も躊躇もないように自ら選択し前向きに進む“結“の行動力。多様性の時代に、保守的な島国で自分を貫く其々の強さと葛藤。絵理と植木…男女の現実の差に愕然。しかしそれも多様性で良い方向に変るのか？

ネタバレモラトリアムを過ぎ現実に向き合う。長い髪を切ったり、茶髪を黒に染めたり…夢をみて、現実を知り…夢をあきらめ現実と向き合う！ その時気づけなかったトキメキに、時がたって引き込まれる。夢に浮かれて舞い上がっていた自分を見つめ直し、現実と折り合いをつけ本物の『うた』とやっと出会う。 自分の中で淡々と繰り返される自問自答を、客観的に振り返り、肯定も否定も乗り越えて受け入れた時に前に進めるのか？ 真剣に好きなものと向き合えた時間を愛おしく思えたならば、ほんとうに前向きに進めるのだろう。

ネタバレ現実とバーチャルの世界がおかしな形でリンクして、単純なアリバイ工作をミステリーにする。 バーチャルのゲームが関わっていなければ、もっと単純に現実の事件は解決していたと思われるが、変にVRバーチャルゲームが絡んだおかげでミスリードが起こる。 事件そのものもSNSの持つ大きな問題点を扱うが、事件のミスリードにもVRバーチャルリアリズムを二重に絡めたところが興味深かった。 これからの時代、このような事件が(二重にバーチャル世界が関わる)起こりそうな予感がした。

ネタバレ東北大震災を扱って新たな切り口の物語…復興に関わる矛盾も、復興予算に群がる輩の情景も然り！何度も何度も繰り返し指摘され、物語にもなった。人間の淺ましい姿に身慄いするが、ある種人間の一面を表してもいる…本当に見放されているのは被災者で、そこに群がる輩は金にのみ興味を示す。 中山七里氏にしては…残念ながら浅い…表面的過ぎて共感を呼ばない。震災で失った者と失わなかった者の対比は当事者しか感じられないものだろう？しかし、殺人や隠蔽工作にまつわる人間関係が浅薄過ぎ滑稽に感じられた。辛口な批評ですが、期待を裏切られた

ネタバレ天童荒太氏渾身の作！永遠の仔で伝えたかった事…表現したかった事に、現代社会がやっと追いついてきた感が伝わってくる。25年前は全く問題視されなかった事実が、やっと世間で注目され問題視され始めた昨今、今作の重みが増す。 しかし政治の力や経済的な影響で事実が曲がる事は続く、無責任なsnsでの偏った正義の発動はまた新たな問題を抱えている。 人は真に正しいと信じた行いに於いては、後悔はしないのかも…そんな強さを持ちたい。保身のため真実を受け止めず、自分を偽って生き続ける事の辛さも並大抵でない…しかし人間は弱い葦だ…

ネタバレ前作『汝、星のごとく』を思い出しながら…鮮明には…読み進めた。自分の足元はさて置き、他者にばかり施し続ける両親の為に、自分の夢を諦め現実的な選択をせざるを得なかった草介。恵まれた環境に満足できず自らの道を血塗れにならながら進んだ明日見。人にはそれぞれの生き方と価値観があり、周囲の眼を意識しながらも意思を貫く。そして、後悔も躊躇もないように自ら選択し前向きに進む“結“の行動力。多様性の時代に、保守的な島国で自分を貫く其々の強さと葛藤。絵理と植木…男女の現実の差に愕然。しかしそれも多様性で良い方向に変るのか？

ネタバレ馬が好き、競馬が好き、人が好き、酒が好き！ 目の前のレースに夢を賭けるのでなく、遥か昔からの馬の変遷…血筋からの繋がりに夢を馳せる。 パチンコや宝くじ…はたまた丁半博打のような短略的な勝負ではなく、子や孫の世代に向けたロマンはダービー🏇にしかないのかも知れない。 心奪われた者にしか本当の理解はできない世界。残念ながら作者の独りよがり…あ〜辛口になっちゃった〜…ラブロマンでなく、ダークなノワール小説をつい期待してしまう。